ガンダムZZって作品の世界に転生してきたプル似のTS転生者だけど、ヤザンとかいう人にゼータ強奪を持ちかけられてます~ガンダムZZ別伝   作:ひいちゃ

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はい、まずは前回の答え合わせです。
元ネタは、ガンダムAGEの第47話『青い空、散りゆく命』からでした!
皆さんはどうでしたか?

さて、ここから舞台は宇宙にうつります。もちろん、プルも一緒に!



Act.22『出撃、ネェル・アーガマ』

「プルの妹?」

 

 宇宙へ向かうシャトルの中で、オレはジュドーからそう聞かれていた。

 

 アーガマは一度降りたら、もう宇宙へは戻れない。そこで、シャトルで宇宙に出てラビアンローズに合流し、そこで建造されている新型艦に乗ることになった次第だ。

 またラビアンローズには、グリプス戦役末期から建造中であったアイリッシュ級の新造艦も合流しているとのことで、そちらはマシュマーさんたちサンドラクルーに提供される、とのこと。

 

 さて、ジュドーの問いかけにオレは答える。

 

「あぁ、そんな感じだ。な、プル?」

「うん。感覚的にわかったの。プルツーは、私の激しいところを持った娘だって。私の分身のような人、妹みたいなものだって」

「そうか……」

 

 事前に、プルツーがプルのクローンだということは黙っていようと、プルとは相談しておいたが、そう語る彼女の口調には確信めいたものがあった。おそらく、スレ民から聞いた説明とは関係なく、プルツーが自分の分身だと感覚的にわかっているんだろう。

 それを聞いたジュドーは目を閉じてつぶやいた。

 

「そうか……。もし、できれば彼女も戦いから解放してやりたいな。プルの妹だもの……」

 

 そしてオレたちを乗せたシャトルは宇宙へと打ち上げられていった。

 

* * * * *

 

1:ジャンク屋ネキ

ラビアンローズが見えてきたな。あ、二隻並んでるな。

『あの手前の艦、アーガマそっくり!』

 

2:考察ニキ

あれがネェル・アーガマ。史実では、その八年後にも近代化改修されて使われた名艦やで。

 

3:ジャンク屋ネキ

ネェル・アーガマ……。

 

4:名無しのオールドタイプ

ネェルとは『近い』という意味だそうやで。ハイメガ粒子砲を装備した、いわばアーガマを強くしたような艦や。

 

5:名無しのオールドタイプ

もう一隻はアイリッシュ級だけど、緑色に塗られとるな。あれがサンドラクルー用かな?

 

6:ラド

エンドラの色にそっくりに塗られとるな。それを見てマシュマー様が感動してるわ。

今から、『あの艦を新たなエンドラ、ネオ・エンドラと命名する!』と言ってらっしゃるで。

 

7:考察ニキ

さすが、強化されていてもマシュマーさんはぶれないな。

 

* * * * *

 

 さて、ラビアンローズに到着したオレたちだが、ネェル・アーガマのブリッジに行くと、(ジュドーたちにとっては)驚くべき人がオレたちを待っていた。

 エゥーゴのお偉いさん、メッチャー・ムチャさんだ。オレは初対面だが。

 

 そしてさらに驚くべきことに、メッチャーさんはオレたちに腰を曲げて謝罪したのだ。

 

「シャングリラの諸君、我々のふがいなさから、これまで戦いを強要し、辛い思いをさせてきて済まなかった。今だ我が軍の戦力再建は途上だが、ここからは我々がこのネェル・アーガマで戦いを引き継ごう。君たちは望むならこの艦を降りて、シャングリラで元の生活に戻って構わない。いや、戻ってほしい」

 

「君たちにこれ以上の苦難を押し付けるのは申し訳ない」とも。これには、スレ民もびっくりである。スレ民の話では、原作では彼らはジュドーたちを邪魔もの扱いして、ネェル・アーガマから外そうとしていたそうだから。

 

 もっとも、ジュドーたちは降りる気はなさそうである。オレもその一人だが。

 

「謝るならもっと早く謝って、そして動いてほしかったぜ。でも、俺たちは降りるつもりはないよ。乗ってしまった船だからな」

「だが……」

「オレたちは、無理やり戦わされてきたわけじゃないよ。そりゃ、最初のうちは成り行き任せだったけどさ。でも今は違う。これ以上の犠牲は出したくないと思って、自ら戦ってきてるんだ。降りろと言われても降りないぜ」

 

 そこに、モンドが横から口を出す。

 

「そうそう。それに、エゥーゴの正規軍の人たちより、俺たちのほうが長く戦ってきたからな。それなりに強い自信はあるよ」

「……」

 

 ジュドーたちの真摯な言葉に打たれ、メッチャーさんは黙り込んだ。それを見て、ブライトさんが口をはさんだ。

 

「負けてますな。どうでしょう、ここは彼らのビビッドなセンスを信じて、ネェル・アーガマを任せてみては? こちらは急いで正規兵たちの練度を上げて、それから援軍に送り出せばいいでしょう」

「ビビットなセンス……。君がウォン氏に言っていたことか。そうだな。君の言うことがベストなのだろう。わかった、そうしよう」

 

 と、そこに。

 

「敵艦隊接近!」

 

* * * * *

 

 ラビアンローズに接近してきたのは、グワンドラをはじめとした、ネオ・ジオン艦隊であった。

 グワンドラのMS(モビルスーツ)デッキ、格納されているMSの1機、ドーベンウルフのコクピットにいるラカン・ダカランは不敵に笑って言った。

 

「ハマーンにしろ、グレミーにしろ、味方にしてもらうには、それだけの功績をあげてみせねばならんからな。エゥーゴの新型艦なら、十分な手土産になる。ドーベンウルフ、出るぞ!!」

 

 そして、ラカンのドーベンウルフを筆頭に、他の艦からもドライセンが発進していく。

 

 敵の接近をとらえたエゥーゴ側からもMSが発進していた。

 ラビアンローズからはGMⅢ隊。

 アイリッシュ級ネオ・エンドラ(マシュマー命名)からは、マシュマーのガルスJ改、ボットンのガ・ゾウム、ラドのズサ、他一般兵のガザD。

 そしてネェルアーガマからは、ジュドーのZZ(ダブルゼータ)ガンダム、ルーの(ゼータ)ガンダム、エルのガンダムMk-Ⅱ(マークツー)。(百式は整備中だった)

 

 そして……。

 

* * * * *

 

11:名無しのオールドタイプ

これがネキの新しい愛機かー。

 

12:考察ニキ

見た感じ、メタス改をベースにしているように見えるな。

ファさんのメタスを回収して改装したのかな?

 

13:名無しのオールドタイプ

ん? 背中と両足についてるのはなんや?

 

14:ジャンク屋ネキ

あぁ。これは、サイコミュとコンピュータ制御で動く、モビルビットというビットの一種らしいで。通常はサイコミュで制御するけど、オレが疲れたらコンピュータ制御に切り替わるらしい。

ちなみに、こいつらにも一郎、次郎、三郎と名前をつけた。あと、オレのリクエストで犬っぽい動作をするプログラムも入れてもらった。

 

15:名無しのオールドタイプ

だから、そのネーミングセンスをなんとかしろと……。

 

16:名無しのオールドタイプ

まぁ、いつものことだから……。

 

17:考察ニキ

もう、モビルビットまでできてるんか……。まぁ、モビルビット搭載のバギ・ドーガが登場するダブルフェイクは二年後だから、出てきてもおかしくはないか。

 

18:ジャンク屋ネキ

あぁ。こいつの名前も『バギ・メタス』というらしい。もっとかっこいい名前がいいんだけどな。

 

19:名無しのオールドタイプ

モビルビットに一郎、次郎、三郎と名前つけてる奴が何言ってるねん。

 

20:ジャンク屋ネキ

そやけど、オレにも美意識というものがあるんや。おまいら、この戦闘が終わるまでに、新しい名前を考えてくれると嬉しい。

 

21:名無しのオールドタイプ

ほいほい。あまり期待するなや。

 

22:ジャンク屋ネキ

それじゃいくで!

『マリハ、頑張ってー!』

おう、バギ・メタス(仮)出る!

 

* * * * *

 

 そしてオレたちは、ネオ・ジオンのMS隊と接敵した!

 

 さすが経験を積んできただけあり、オレたちは見事な連携で敵と渡り合っていた。

 ジュドーのZZがダブルビームライフルを撃ちながら、接近してきたバウにハイパービームサーベルで切りかかる。

 ルーのZとエルのMk-Ⅱは背中を向けあって、なかなか見事なコンビネーションで、敵と戦っている。

 

 もちろんオレも。

 

「行け、一郎、次郎、三郎!」

 

 三機のモビルビットたちとともに、敵をほんろうしながら攻撃していく。

 モビルビットたちが多方向から攻撃して、敵をけん制しているところに、ビームサーベルで切りかかった。

 

 マシュマーさんたちのほうも、さすが手練れというべきか。互角どころか、むしろ敵を押していた。

 

 だが、ラビアンローズから発進してきたGMⅢのほうは……。

 

「あーあ、なんだありゃ。見てられないなぁ」

 

 まだまだ練度が足りないのか、ネオ・ジオンのMS隊に押されていた。

 そうしているうち、敵の流れ弾が、ラビアンローズの一角に直撃した!!

 

* * * * *

 

 ネェル・アーガマのブリッジに、衛生兵のアンナからの通信が入る。

 

『大変です! ラビアンローズの居住区の一部に被弾して、シンタとクムが外に!』

「なんだと!? どうしてシンタとクムがラビアンローズにいるんだ!?」

『みんなが帰ってくるというので、お出迎えしたいとのことで……』

「だからと言って、戦場に来るなど……。いや、そんな話をしている場合ではないな。わかった、すぐに行く!」

『お願いします!』

 

 指揮をとっていたブライトは、艦長席から立ちあがり、横に立っていたビーチャに声をかける。

 

「ビーチャ、この後の指揮は任せた! やる気があるなら、少しは慣れておけ!」

「は、はいぃ!」

 

 そしてブライトはそのままブリッジの外へ出て行った。

 呆然としているビーチャに、トーレスが声をかける。

 

「指示を頼むぞ、艦長代理!」

「お、おう!」

 

 トーレスに促され、ビーチャは戦況スクリーンを見つめる。そして映し出されてる戦況を見ながら、作戦を組み立てる。

 

「おいおい、GMⅢ隊何やってるの!? 結構押されてるじゃねーか! ガンダムチーム! なるべく早くカタつけてGMⅢ隊の援護に向かってくれ! ネオ・エンドラ隊も、余裕がある機は、GMⅢ隊への援護を頼む!」

 

* * * * *

 

 ガルスJ改のマシュマーは、目の前のドライセンの斬撃をかわし、逆に斬り捨てながらつぶやいた。

 

「ほう……。さすがネェル・アーガマの艦長代理。面白い指揮をする。MS隊! ここは私と、後二機ほどいれば十分だ! 残る機体は、GMⅢ隊の援護に回れ!」

 

 そしてマシュマーは、その言葉を有言実行するかのように、複数の敵機を相手に、有利に立ち回って見せたのだった。

 

 一方のネェル・アーガマ隊も。

 

「ビーチャの奴、簡単に言ってくれちゃって! よし、こいつらを早くカタ付けて、援護に向かうぞ!」

「OK!」

「わかった!」

 

 そして、見事なコンビネーションで、ネオ・ジオンを圧倒する。その攻撃で、彼らと戦っている5機のドライセンのうち1機が撃破される。

 

 しかしそこに。

 

「MSを黙らせられなくとも、母艦を潰せばなぁ!!」

 

 ラカン・ダカランのドーベンウルフが、ガンダムチームの脇をすり抜けて突破しようとしていた。

 

* * * * *

 

29:名無しのオールドタイプ

あれは……ドーベンウルフ。ラカンが来たなぁ。

 

30:ジャンク屋ネキ

なんや、強敵なんか?

 

31:考察ニキ

あぁ。そして最低な奴や。原作では、ダブリンへのコロニー落としのさい、喜々として病院船を沈めた外道やで。

 

32:ジャンク屋ネキ

うわぁ……最低やな。

 

33:名無しのオールドタイプ

あぁ、最低な外道や。でも腕は確かだし、あのドーベンウルフはインコムというオールレンジ攻撃兵器があるから注意するんやで。

 

34:ジャンク屋ネキ

おう。あんな奴に負けるかよ! あ。

 

35:名無しのオールドタイプ

あー、さっそくルーのZがインコム喰らっとるな。幸いながらに、とっさにシールドで防いだが。

 

36:ジャンク屋ネキ

くそ、それなら! 行け、一郎、次郎、三郎!

 

37:名無しのオールドタイプ

おー、すごいすごい。インコムとモビルビットとで激しい空中戦やっとるな。

 

38:考察ニキ

頑張るもんやな、ネキ。

 

39:ジャンク屋ネキ

あぁ……だけどさすがにそろそろ限界やわ。コンピュータ制御だと多分勝てないと思うし、一度機体に戻す。

 

40:名無しのオールドタイプ

あっ、ラカンの奴、今の隙に突破していった!

 

41:考察ニキ

おい、その近くに……!

 

* * * * *

 

 ついに、ラカンのドーベンウルフはガンダムチームを突破し、ネェル・アーガマの至近まで到達した! だがその前で作業しているランチが。なんとか、シンタとクムを救出した、ブライトのランチである。

 

 それが癇に障ったのか、ラカンはドーベンウルフの左腕を振り上げた!

 

「こんなところでひょっこりと出てくるから!!」

「!!」

 

 その時!

 

「やらせん!」

 

 マシュマーのガルスJ改が、ドーベンウルフを殴り飛ばした!

 

「騎士道に反した行い、このマシュマー・セロが許さん!」

「ふん、騎士道にのっとった戦いをしていて、いくさに勝てるか!!」

 

 そう言いながら、ドーベンウルフは背部のインコムを射出し、ガルスJ改にオールレンジ攻撃を仕掛ける!

 だが、さすが強化人間というべきか。ガルスJ改はその攻撃を回避した。お返しにと、その指のフィンガーミサイルを発射!

 

 ドーベンウルフはその攻撃を余裕でかわす。

 

「なかなかやるな。なら、これはどうだ!」

 

 続いてラカンは、その左腕を射出! 飛ばされた左腕は、ガルスJ改の左腕をつかんで、敵機の動きを止めた。

 

「むっ……!」

「これで終わりだな」

 

 そして、動きを封じたガルスJ改に、メガランチャーの照準を定める。万事休す!

 しかし、これで終わったと思うのは早かった!

 

「まだまだぁ!!」

 

 マシュマーはそう叫ぶと、右腕にビームサーベルを構え、なんとつかまれた左腕を斬り落とした!

 

「なんと!?」

 

 左腕を切り離して自由になったガルスJ改はメガランチャーのメガビームをなんとか回避! 再びビームガンを握ると反撃した!

 その攻撃で、ドーベンウルフは右足を破壊されてしまう。

 

「ちっ、なかなかやるな!」

 

 そしてそこに、ZZも駆け付けてきた!

 

「無抵抗の人をやるなんて、いい大人のやることかよっ!」

「戦争で命を奪う相手に抵抗も無抵抗もない! この俺がダブリンにコロニーを落としたようにな!」

「お前がコロニーを!! このぉ!!」

 

 ZZはビームサーベルを振るうが、ラカンをそれを苦も無くかわす。

 しかし戦いはここまでのようである。手の空いたガンダムチームやGM3隊などが戻ってきたのだ。

 

「くっ、戦いはここまでのようだな。引き上げるぞ!」

 

 ラカンのドーベンウルフはさらに斬りかかってきたZZを蹴り飛ばすと、そのまま撤退していくのだった。

 

* * * * *

 

 そして戦いが終わった後、ネェル・アーガマは出航していった。

 それを見ていたメッチャーが、傍らのブライトに対して言う。

 

「やはり、君の判断が正しいようだな」

「は?」

「きっと彼らなら、この戦いを終わらせてくれる、そんな気がする」

 

 そんな会話を交わす二人が見つめる中、ネェル・アーガマの姿は少しずつ小さくなっていった。

 




ファンアートが来ました! 感謝です!
これからもファンアート募集中!

* 次回予告 *

オレ達、サイド3に接近するはずが、民間の貨物船を助け、ムーンムーンの人が乗った船も助けてしまった。
問題は、モンドが何故か心揺らしてたせいで、貨物船が隠してたMSをスルーしちゃったことなんだよな。
でもさすがモンド。ただでは終わらない!
気になる娘がそばにいると、男の子は頑張るもんだからな。オレも元は男だったからわかる!

次回、『ガンダムZZって作品の世界に転生してきたプル似のTS転生者だけど、ヤザンとかいう人にゼータ強奪を持ちかけられてます~ガンダムZZ別伝』
第23話『聖者との再会』

ほんと、あの人、聖者だよなぁ。

※次の更新は、4/8 12:00の予定です。

マリハの声、皆さんは誰の声で再生されてますか?

  • 本多知恵子さん
  • 本多陽子さん
  • 甲斐田裕子さん
  • 釘宮理恵さん

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