ガンダムZZって作品の世界に転生してきたプル似のTS転生者だけど、ヤザンとかいう人にゼータ強奪を持ちかけられてます~ガンダムZZ別伝   作:ひいちゃ

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はい。前回の元ネタは、ガンダム00の第25話『刹那』からでした。

さぁ、今回はいよいよ、ネキの秘密が明らかになるかも!?


Act.26『親父が作ったレジスタンス』

「あれがコア3か……」

 

 目の前に浮かぶひときわ大きなコロニーを見て、ビーチャがそうつぶやく。

 それを受けて、通信スクリーンのマシュマーさんがうなずいた。

 

『そうだ。我々の間では、ジオン発祥の地と言われている。ハマーン様は、サイド3を手に入れた暁には、あそこをネオ・ジオンの拠点にするとおっしゃっていた』

 

 そのマシュマーの言う通り、ネオ・ジオンはあのコロニー、コア3を拠点化する作業を本格化させているようだ。大きな小惑星をコロニーに接続する作業を行っている。

 

「あの小惑星に潜入すれば、そこからコア3に潜入することができるか……?」

 

 オレがそうつぶやくと、ジュドーもうなずいて答えた。

 

「あぁ、きっとな。それに、拠点というからにはハマーンもいるはずだ。彼女に肉薄するにはまたとなる機会だと思うぜ」

 

 それを聞いて、すぐに反応したのはマシュマーさんだ。やはり、ハマーンというワードに弱いらしい。

 

『よし、それでは私も行こう! この手でハマーン様と相対し、問いただし、その行いを正さなくてはならない!』

 

 しかし。

 

『いえ、マシュマー様。マシュマー様はネオ・ジオンでも顔を知られすぎています。あなたが行かれては、潜入の意味をなさないでしょう。ここは大人しくしていてください』

 

 掲示板の常連の一人、ラド・カディハに説得されてしょぼんとするのだった。こういうところは相変わらずみたいだな。

 

* * * * *

 

1:ジャンク屋ネキ

というわけで、コア3に潜入することになったんだが。

 

2:名無しのオールドタイプ

ついにここまで来たか。この後は、いよいよ最終決戦が待ってると思うから、気張るんやで。

 

3:名無しのオールドタイプ

とはいえ、ここでうまくいけば、最終決戦をショートカットできるかもしれんな。

 

4:考察ニキ

プルツーも潜入してくるはずだからな。うまくいけばもしかしていけるかもしれんで。

 

5:ジャンク屋ネキ

『プルツーも!?』

もしかしてうまくいけば、プルツーを説得することもできるか……?

 

6:名無しのオールドタイプ

うまくいけば、な。

 

7:ラド

あとそれと、途中でけばけばしい姉ちゃんを見かけたら、ジュドー引っ張って全力で逃げるんやで。

 

8:ジャンク屋ネキ

どういうことや?

 

9:名無しのオールドタイプ

その姉ちゃん……キャラ・スーンというんだけど。彼女はジュドーたちとは顔見知りでな。洗脳が解けかかった彼女はジュドーとの再会を喜び合い、それを見て誤解した反ネオ・ジオン派につかまってしまう、という一幕があったんや。原作でな。

 

10:考察ニキ

そうそう。ネオ・ジオンとの交渉カードになる、という理由でな。くれぐれも気を付けるんやで。

 

11:ジャンク屋ネキ

わかった、気を付けるよ。プルもよろしく頼むぜ。

『うーん、それも面白そうだけど……わかったよ』

……あれから、誰も変なこと吹き込んでないよな?

 

* * * * *

 

 というわけで、さっそくコア3に潜入したんだが……。

 

「ん? お前は……ジュドーじゃないかぁ! あは、ジュドー!! 久しぶりだねぇ! 元気かぁい!?」

 

 パンク・ロックみたいな髪のけばけばしい女性……彼女がキャラ・スーンらしい……に抱きしめられるジュドーを見て、オレとプル、エル、ルー、モンドは遠い目をしていた。あぁ、空が青いなぁ。

 ちなみにスレ内は大草原状態。

 いや、だって仕方ないだろ。潜入してすぐ、民間人に当たり散らしている彼女を見つけたジュドーが、オレが止める間もなく、キャラを止めに行って、こうなってしまったんだ。オレは悪くない。不可抗力だ。

 

「まずい」

「若い男を見て、『元に戻った』のか!?」

 

 よく似た顔だちのイケメンたち……キャラの付き人かな?がそんなことを言いあっている。ごめんなさい。若い男だからじゃないんです。ジュドーたちと旧知の仲だからなんです。

 

 まぁ、そんなことがあり、キャラはその二人に引っ張られていって、そして……。

 

「やっぱりあの時、全力で止めに行っとけばよかったぜ……」

「だから悪かったって。というか、街の人が困ってるのに助けないわけにはいかないだろ?」

 

 縛られたまま、そんな会話を交わすオレとジュドー。その横でぶつぶつ言ってる女性組とモンド。はい。案の定、反ネオ・ジオン派の人たちにつかまってしまいました。

 やっぱり、スレ内は草原状態です。

 

 そこに。

 

「君たちが、猫目のキャラと仲良しだった者たちか?」

 

 鉱山小惑星キケロの坑道にある、反ネオ・ジオン派のアジト。その奥から聞き覚えのある声がした。……え?

 そしてそこから現れたのは……。

 

「え、お、親父!?」

「マリハ……マリハか!?」

 

 なんてこった。こんなところで、親父との再会を果たすとは。

 その再会の横で、ジュドーは目を丸くしていますが。

 

 そう、現れたのは、オレの義父、ロイ・クトゥル(なお、クトゥルは偽名で、本当はレビンというらしい)だった。もうびっくりだよ娘さんは。

 

「まさか、親父がここのリーダーやってたなんて、驚いたところの話じゃないよ……」

「済まなかった。少し前にここに出稼ぎにきたんだがな。少し前にネオ・ジオンがここを制圧して、それからこうしてレジスタンスを組織して、抵抗活動するようになったんだ」

 

 なんとも、バイタリティあふれる親父だ。

 

「そういうお前こそ、どうしてここに?」

「シャングリラで色々あってさ。それでエゥーゴに所属することになったんだよ」

「そうなのか……もしかしたらこれも運命なのかもしれんな……」

 

 運命? なんのことだろう。

 

 だが、さらに驚くのはそこからだった。

 入口のほうから足音が聞こえたのだ。

 そして現れたのは、オレより少し年下ぐらいの少女。彼女に対し、反ネオ・ジオンの人たちが銃を向けるが、親父がそれを手で制する。

 

「撃つな! ルチーナ!?」

「父さん!?」

 

* * * * *

 

 え、父さん? 親父、いつの間に子供作ってたの!? というか、彼女が親父の娘ってことは、オレの妹に当たるのか?

 ……プルよりはマシな妹であってほしい。そうであってくれ。

 

「ふん、マリハのぱかー! ジュドーにかまってもらうからいいもん!」

「そ、そんなにくっつくなって……」

 

 やべ。口に出てたか。

 

「ルチーナ、どうしてこんな所に!?」

「アンタの代わりに徴用されたんだよ! 子供を親戚に預けて、どこかにとんずらしてたからさ!」

 

 娘がこんなところで徴用されていると聞いて、親父は愕然としている様子だ。いや、もう一人の娘がエゥーゴのパイロット候補生やってることはいいのか親父よ。

 

「ネオ・ジオンが、子供まで徴用に取るなんて……お父さんは色々あって、それでネオ・ジオンに追われていたんだ。家に帰れば、お前まで巻き込むので、隠れるしか無かった……」

「でも私、一人だったんだよ!」

「あのー、修羅場のところすみませんが、お二人はどのような関係で?」

 

 そこまで話が進んだところで、オレがそう口をはさむと、二人ともそろってこちらを向いてきた。いや、ルチーナのほうはすぐに親父のほうに顔を向けたが。

 

「父さん、この子は誰? 父さんの隠し子? お母さんを裏切ってたの?」

「そ、そんなんじゃないって。今説明するから……」

 

 そして話してくれたことによると、今から12年前の宇宙世紀0076年にルチーナが生まれたらしい。それから、8年後の0084年に、親父は突然、ネオ・ジオンの工作員に脅されてアクシズに連れてこられ、プルクローンの研究をやらされていたらしい。そして……。

 

「あれ? だけど親父、3年前にはオレと一緒に逃避行中だったよな? 研究所はどうしたんだ?」

「あぁ。研究所から脱走してきたんだよ。お前を連れてな」

「は?」

 

 そこからの話は、ちょっと衝撃的なことだった。それは。

 

「オレが、プルクローンの一人?」

「あぁ、そうだ。プルトゥエルブの下、プルサーティーン。お前はそれになるはずだったんだ」

 

 プルトゥエルブといえば、ガンダムUCに出てきたマリーダさんのことだよな。ということは、オレはマリーダさんの妹ってことなのか? というか、プルがオレの姉?

 スレ民から可能性を示唆されて、オレ自身そうかもと思ってはいたが、こうして改めて聞かされると、やはり衝撃を受けずにはいられない。

 

「だが、0085年の冷凍睡眠カプセルから出しての検査の結果、お前のニュータイプ能力はほとんど確認されてなかった。それで上層部は、お前を失敗作とみなして、放逐するか、冷凍睡眠したまま封印するかの処分をすることにした。だが」

「親父は、それに異を唱えて、オレを連れ出して逃亡したってことか」

「あぁ。あまりにお前がかわいそうでな」

 

 あとは、オレが覚えている通り。ネオ・ジオンから逃れて逃走しまくり、やがてシャングリラにたどり着いてそこで暮らすことになる。そして今年(0088年)になって、コア3に出稼ぎに戻るも、そこで色々あって、反ネオ・ジオン勢力を作ることになった、と。うん、事情はわかった。

 

「マリハ、大丈夫? 顔色あまりよくないよ? (小声で)スレ民のみんなも心配してる」

「はは……大丈夫。そうではないかなーと予測はしてたしな……あ、あれ?」

 

 と、突然力が抜けて、しゃがみこんでしまった。あれ、おかしいな……ははは……。

 

「お、おい。本当に大丈夫かよ?」

「ははは……大丈夫と思ってたけど、内心結構ショックだったかな……。すまん、モンド。ちょっと胸貸してくれるか?」

「お、おう」

「~~~っ」

 

 そしてオレはモンドの胸に顔をうずめ、少しの間嗚咽した。

 

* * * * *

 

214:ジャンク屋ネキ

というわけで、どうにかショックから立ち直って来ました。

 

215:名無しのオールドタイプ

おう、お帰り。

 

216:名無しのオールドタイプ

モンドの胸は暖かったか?

 

217:ジャンク屋ネキ

あぁ。とっても安心できたで。あの暖かさは、親父より……って何を言わせるねん(赤面

 

218:ラド

しかし、本当にネキがプルクローンだったとはなぁ。

 

219:名無しのオールドタイプ

プルのクローン、プルの妹だったとはなぁ。

 

220:考察ニキ

良かったなプル、妹が増えたで!

 

221:ジャンク屋ネキ

『うん! ほら、マリハ。私をお姉ちゃんと呼んで!』

呼ばん、絶対呼ばんわ!

『えーーー』

 

222:名無しのオールドタイプ

それで、反ネオ・ジオン派と連携が成立したんだっけ?

 

223:ジャンク屋ネキ

あぁ。やっぱり、オレがリーダーの娘だというのが大きかったみたいや。あと、ルチーナが説得してくれたこともあってな。ただ、完全には信用してもらえなくて、エルとルーを保証人としてアジトに残しておくのが条件だけど。

 

224:名無しのオールドタイプ

まぁ、妥当なところやな。

 

225:ラド

まずは、キャラさんを説得するんだっけ?

 

226:名無しのオールドタイプ

原作通りとはいえ、いきなりハードル高いミッションだなぁ。

 

227:ジャンク屋ネキ

まぁ、オレはキャラさんとは会ったことはないから、ここはジュドーたち頼みだけどな。うまくいけばいいけど……。

 

* * * * *

 

「もう一度聞くよ。レジスタンスのアジト、その秘密の入り口はどこだい?」

「知らないよ。それより、元に戻ってくれキャラ!」

 

 はい、ダメでした。コア3のネオ・ジオン基地に潜入しようとしたオレたちだけど、あっさり見つかり、こうして尋問にかけられているのでした。ジュドーが必死に元に戻るように呼び掛けてるけど、よほど洗脳が強化されてるのか効果がない模様。

 

「仕方ないですな、キャラ様。それならもう一人の、そう、娘のほうに聞いてみてはどうでしょう? ちょっと強引に」

「私はできればそんなことはしたくないんだけどね。でも、どうしてもというなら無理はしないさ。でも、嫌なのは変わらないから、別の部屋に行ってるからね」

 

 イケメンの片方がオレのほうを見て、そう言ってきた。その表情や口調から、ちょっとどころではないのは明らか。

 そしてキャラは心底嫌そうな顔をして部屋を出て行った。

 

 そしてそのイケメンがオレのほうに一歩踏み出してきた。思わず冷や汗が伝う。

 

「や、やめろぉ!」

 

 モンドがそう悲鳴をあげる。それに対し、イケメンがまじめな顔でモンドに向きなおった。

 

「それなら、入口の場所を教えてもらおうか。こちらとしても、教えてもらえさえすれば、手荒なことはしない」

「わかったよ……」

 

 そしてモンドは、とうとうアジトの入口の場所を教えてしまった。

 それを聞いたイケメンは、二人とも部屋を出て行ったが、オレはもちろん、ジュドーも沈痛な表情を浮かべはしても、彼を責めることはなかった。多分、オレもジュドーも、大切な人が傷つけられるとわかれば、同じことをしただろうから。

 

「ご、ごめんよ、二人とも……」

「あの場合は仕方ないさ。それより、今はここを脱出する方法を考えようぜ。キャラたちを追わなきゃ」

「あぁ、そうだな」

 

* * * * *

 

 一方そのころ、そのアジト、その秘密の入り口には先客があった。

 ジュドーたちが潜入したと聞き、彼を倒すためにキュベレイでやってきたプルツーである。

 

 内部に入ろうとする彼女だが、その前にルチーナが立ちはだかっている。

 

「どかないと、あんたも撃っちゃうからね!」

「あなたにそんなことはできない! あなたも悪い人じゃないもん!」

 

 その言葉に、プルツーは困惑を隠せない。

 でも、彼女をどかして内部に潜入し、ジュドーを倒さなくてはならない。

 プルツーはファンネルを射出し、周囲を展開する。

 

「私はジュドーに仕返ししなきゃならないの! どいてよ! さもないと!」

 

 そこに。

 

「あれはキュベレイ!? プルツーもここを狙っていたってのかい?」

「それにしては、少し様子がおかしいですな」

 

 キャラの新型MS(モビルスーツ)・ゲーマルクと、双子の片割れ、ニーのガズエルが飛来してきた!

 

「ちぃ!」

 

 それを確認すると、タイムオーバーを悟ったのか、プルツーはキュベレイでルチーナと、後ろにかばっていたエルとルーをつかむと、その場を離脱していった。

 

* * * * *

 

232:ジャンク屋ネキ

ちょっとまいったな……。色々ありながらも脱出して戻ってきたと思ったら、今度は妹……ルチーナと、エルとルーさんが捕まるとは。

 

233:ラド

犯人のあてはついとるんか?

 

234:ジャンク屋ネキ

あぁ。目撃者の証言でわかったMSの特徴からするとキュベレイらしい。

『プルツー……まさか、誘拐までしちゃうなんて……。こんなこと、許しちゃいけないよね!』

 

235:名無しのオールドタイプ

エルやルーはもちろん、ルチーナも助けてあげたいところやな。

 

236:ジャンク屋ネキ

そうやな。義理とはいえ、オレの妹だしな。

ん、なんや、爆音?

 

* * * * *

 

「た、大変だ! 接続が完了してしまった! ネオ・ジオンの奴らが突入してくる!」

 




再び、XINNさんからファンアートをもらいました。大感謝です!

【挿絵表示】

そして、引き続きファンアート募集中です!

* 次回予告 *

オレたちはハマーンの新しいコロニーに再び潜入し、さらにプルツーもジュドーを追ってやってきた。
それにハマーンの反応が遅れたのは、彼女曰く「ジュドーがバリアーになったから」というけど、どう見ても、ジュドーのことが気にかかっていたからだよなぁ。
でもそれはともかく、今はみんなを助け出さなくちゃ! プルツー、素直になれって!

次回、『ガンダムZZって作品の世界に転生してきたプル似のTS転生者だけど、ヤザンとかいう人にゼータ強奪を持ちかけられてます~ガンダムZZ別伝』
第27話『脱走者たちの船出』

オレだって頑張ってる!

※次の更新は、4/20 12:00の予定です。

マリハの声、皆さんは誰の声で再生されてますか?

  • 本多知恵子さん
  • 本多陽子さん
  • 甲斐田裕子さん
  • 釘宮理恵さん

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