ガンダムZZって作品の世界に転生してきたプル似のTS転生者だけど、ヤザンとかいう人にゼータ強奪を持ちかけられてます~ガンダムZZ別伝 作:ひいちゃ
さぁ、今回はいよいよ、ネキの秘密が明らかになるかも!?
「あれがコア3か……」
目の前に浮かぶひときわ大きなコロニーを見て、ビーチャがそうつぶやく。
それを受けて、通信スクリーンのマシュマーさんがうなずいた。
『そうだ。我々の間では、ジオン発祥の地と言われている。ハマーン様は、サイド3を手に入れた暁には、あそこをネオ・ジオンの拠点にするとおっしゃっていた』
そのマシュマーの言う通り、ネオ・ジオンはあのコロニー、コア3を拠点化する作業を本格化させているようだ。大きな小惑星をコロニーに接続する作業を行っている。
「あの小惑星に潜入すれば、そこからコア3に潜入することができるか……?」
オレがそうつぶやくと、ジュドーもうなずいて答えた。
「あぁ、きっとな。それに、拠点というからにはハマーンもいるはずだ。彼女に肉薄するにはまたとなる機会だと思うぜ」
それを聞いて、すぐに反応したのはマシュマーさんだ。やはり、ハマーンというワードに弱いらしい。
『よし、それでは私も行こう! この手でハマーン様と相対し、問いただし、その行いを正さなくてはならない!』
しかし。
『いえ、マシュマー様。マシュマー様はネオ・ジオンでも顔を知られすぎています。あなたが行かれては、潜入の意味をなさないでしょう。ここは大人しくしていてください』
掲示板の常連の一人、ラド・カディハに説得されてしょぼんとするのだった。こういうところは相変わらずみたいだな。
* * * * *
1:ジャンク屋ネキ
というわけで、コア3に潜入することになったんだが。
2:名無しのオールドタイプ
ついにここまで来たか。この後は、いよいよ最終決戦が待ってると思うから、気張るんやで。
3:名無しのオールドタイプ
とはいえ、ここでうまくいけば、最終決戦をショートカットできるかもしれんな。
4:考察ニキ
プルツーも潜入してくるはずだからな。うまくいけばもしかしていけるかもしれんで。
5:ジャンク屋ネキ
『プルツーも!?』
もしかしてうまくいけば、プルツーを説得することもできるか……?
6:名無しのオールドタイプ
うまくいけば、な。
7:ラド
あとそれと、途中でけばけばしい姉ちゃんを見かけたら、ジュドー引っ張って全力で逃げるんやで。
8:ジャンク屋ネキ
どういうことや?
9:名無しのオールドタイプ
その姉ちゃん……キャラ・スーンというんだけど。彼女はジュドーたちとは顔見知りでな。洗脳が解けかかった彼女はジュドーとの再会を喜び合い、それを見て誤解した反ネオ・ジオン派につかまってしまう、という一幕があったんや。原作でな。
10:考察ニキ
そうそう。ネオ・ジオンとの交渉カードになる、という理由でな。くれぐれも気を付けるんやで。
11:ジャンク屋ネキ
わかった、気を付けるよ。プルもよろしく頼むぜ。
『うーん、それも面白そうだけど……わかったよ』
……あれから、誰も変なこと吹き込んでないよな?
* * * * *
というわけで、さっそくコア3に潜入したんだが……。
「ん? お前は……ジュドーじゃないかぁ! あは、ジュドー!! 久しぶりだねぇ! 元気かぁい!?」
パンク・ロックみたいな髪のけばけばしい女性……彼女がキャラ・スーンらしい……に抱きしめられるジュドーを見て、オレとプル、エル、ルー、モンドは遠い目をしていた。あぁ、空が青いなぁ。
ちなみにスレ内は大草原状態。
いや、だって仕方ないだろ。潜入してすぐ、民間人に当たり散らしている彼女を見つけたジュドーが、オレが止める間もなく、キャラを止めに行って、こうなってしまったんだ。オレは悪くない。不可抗力だ。
「まずい」
「若い男を見て、『元に戻った』のか!?」
よく似た顔だちのイケメンたち……キャラの付き人かな?がそんなことを言いあっている。ごめんなさい。若い男だからじゃないんです。ジュドーたちと旧知の仲だからなんです。
まぁ、そんなことがあり、キャラはその二人に引っ張られていって、そして……。
「やっぱりあの時、全力で止めに行っとけばよかったぜ……」
「だから悪かったって。というか、街の人が困ってるのに助けないわけにはいかないだろ?」
縛られたまま、そんな会話を交わすオレとジュドー。その横でぶつぶつ言ってる女性組とモンド。はい。案の定、反ネオ・ジオン派の人たちにつかまってしまいました。
やっぱり、スレ内は草原状態です。
そこに。
「君たちが、猫目のキャラと仲良しだった者たちか?」
鉱山小惑星キケロの坑道にある、反ネオ・ジオン派のアジト。その奥から聞き覚えのある声がした。……え?
そしてそこから現れたのは……。
「え、お、親父!?」
「マリハ……マリハか!?」
なんてこった。こんなところで、親父との再会を果たすとは。
その再会の横で、ジュドーは目を丸くしていますが。
そう、現れたのは、オレの義父、ロイ・クトゥル(なお、クトゥルは偽名で、本当はレビンというらしい)だった。もうびっくりだよ娘さんは。
「まさか、親父がここのリーダーやってたなんて、驚いたところの話じゃないよ……」
「済まなかった。少し前にここに出稼ぎにきたんだがな。少し前にネオ・ジオンがここを制圧して、それからこうしてレジスタンスを組織して、抵抗活動するようになったんだ」
なんとも、バイタリティあふれる親父だ。
「そういうお前こそ、どうしてここに?」
「シャングリラで色々あってさ。それでエゥーゴに所属することになったんだよ」
「そうなのか……もしかしたらこれも運命なのかもしれんな……」
運命? なんのことだろう。
だが、さらに驚くのはそこからだった。
入口のほうから足音が聞こえたのだ。
そして現れたのは、オレより少し年下ぐらいの少女。彼女に対し、反ネオ・ジオンの人たちが銃を向けるが、親父がそれを手で制する。
「撃つな! ルチーナ!?」
「父さん!?」
* * * * *
え、父さん? 親父、いつの間に子供作ってたの!? というか、彼女が親父の娘ってことは、オレの妹に当たるのか?
……プルよりはマシな妹であってほしい。そうであってくれ。
「ふん、マリハのぱかー! ジュドーにかまってもらうからいいもん!」
「そ、そんなにくっつくなって……」
やべ。口に出てたか。
「ルチーナ、どうしてこんな所に!?」
「アンタの代わりに徴用されたんだよ! 子供を親戚に預けて、どこかにとんずらしてたからさ!」
娘がこんなところで徴用されていると聞いて、親父は愕然としている様子だ。いや、もう一人の娘がエゥーゴのパイロット候補生やってることはいいのか親父よ。
「ネオ・ジオンが、子供まで徴用に取るなんて……お父さんは色々あって、それでネオ・ジオンに追われていたんだ。家に帰れば、お前まで巻き込むので、隠れるしか無かった……」
「でも私、一人だったんだよ!」
「あのー、修羅場のところすみませんが、お二人はどのような関係で?」
そこまで話が進んだところで、オレがそう口をはさむと、二人ともそろってこちらを向いてきた。いや、ルチーナのほうはすぐに親父のほうに顔を向けたが。
「父さん、この子は誰? 父さんの隠し子? お母さんを裏切ってたの?」
「そ、そんなんじゃないって。今説明するから……」
そして話してくれたことによると、今から12年前の宇宙世紀0076年にルチーナが生まれたらしい。それから、8年後の0084年に、親父は突然、ネオ・ジオンの工作員に脅されてアクシズに連れてこられ、プルクローンの研究をやらされていたらしい。そして……。
「あれ? だけど親父、3年前にはオレと一緒に逃避行中だったよな? 研究所はどうしたんだ?」
「あぁ。研究所から脱走してきたんだよ。お前を連れてな」
「は?」
そこからの話は、ちょっと衝撃的なことだった。それは。
「オレが、プルクローンの一人?」
「あぁ、そうだ。プルトゥエルブの下、プルサーティーン。お前はそれになるはずだったんだ」
プルトゥエルブといえば、ガンダムUCに出てきたマリーダさんのことだよな。ということは、オレはマリーダさんの妹ってことなのか? というか、プルがオレの姉?
スレ民から可能性を示唆されて、オレ自身そうかもと思ってはいたが、こうして改めて聞かされると、やはり衝撃を受けずにはいられない。
「だが、0085年の冷凍睡眠カプセルから出しての検査の結果、お前のニュータイプ能力はほとんど確認されてなかった。それで上層部は、お前を失敗作とみなして、放逐するか、冷凍睡眠したまま封印するかの処分をすることにした。だが」
「親父は、それに異を唱えて、オレを連れ出して逃亡したってことか」
「あぁ。あまりにお前がかわいそうでな」
あとは、オレが覚えている通り。ネオ・ジオンから逃れて逃走しまくり、やがてシャングリラにたどり着いてそこで暮らすことになる。そして今年(0088年)になって、コア3に出稼ぎに戻るも、そこで色々あって、反ネオ・ジオン勢力を作ることになった、と。うん、事情はわかった。
「マリハ、大丈夫? 顔色あまりよくないよ? (小声で)スレ民のみんなも心配してる」
「はは……大丈夫。そうではないかなーと予測はしてたしな……あ、あれ?」
と、突然力が抜けて、しゃがみこんでしまった。あれ、おかしいな……ははは……。
「お、おい。本当に大丈夫かよ?」
「ははは……大丈夫と思ってたけど、内心結構ショックだったかな……。すまん、モンド。ちょっと胸貸してくれるか?」
「お、おう」
「~~~っ」
そしてオレはモンドの胸に顔をうずめ、少しの間嗚咽した。
* * * * *
214:ジャンク屋ネキ
というわけで、どうにかショックから立ち直って来ました。
215:名無しのオールドタイプ
おう、お帰り。
216:名無しのオールドタイプ
モンドの胸は暖かったか?
217:ジャンク屋ネキ
あぁ。とっても安心できたで。あの暖かさは、親父より……って何を言わせるねん(赤面
218:ラド
しかし、本当にネキがプルクローンだったとはなぁ。
219:名無しのオールドタイプ
プルのクローン、プルの妹だったとはなぁ。
220:考察ニキ
良かったなプル、妹が増えたで!
221:ジャンク屋ネキ
『うん! ほら、マリハ。私をお姉ちゃんと呼んで!』
呼ばん、絶対呼ばんわ!
『えーーー』
222:名無しのオールドタイプ
それで、反ネオ・ジオン派と連携が成立したんだっけ?
223:ジャンク屋ネキ
あぁ。やっぱり、オレがリーダーの娘だというのが大きかったみたいや。あと、ルチーナが説得してくれたこともあってな。ただ、完全には信用してもらえなくて、エルとルーを保証人としてアジトに残しておくのが条件だけど。
224:名無しのオールドタイプ
まぁ、妥当なところやな。
225:ラド
まずは、キャラさんを説得するんだっけ?
226:名無しのオールドタイプ
原作通りとはいえ、いきなりハードル高いミッションだなぁ。
227:ジャンク屋ネキ
まぁ、オレはキャラさんとは会ったことはないから、ここはジュドーたち頼みだけどな。うまくいけばいいけど……。
* * * * *
「もう一度聞くよ。レジスタンスのアジト、その秘密の入り口はどこだい?」
「知らないよ。それより、元に戻ってくれキャラ!」
はい、ダメでした。コア3のネオ・ジオン基地に潜入しようとしたオレたちだけど、あっさり見つかり、こうして尋問にかけられているのでした。ジュドーが必死に元に戻るように呼び掛けてるけど、よほど洗脳が強化されてるのか効果がない模様。
「仕方ないですな、キャラ様。それならもう一人の、そう、娘のほうに聞いてみてはどうでしょう? ちょっと強引に」
「私はできればそんなことはしたくないんだけどね。でも、どうしてもというなら無理はしないさ。でも、嫌なのは変わらないから、別の部屋に行ってるからね」
イケメンの片方がオレのほうを見て、そう言ってきた。その表情や口調から、ちょっとどころではないのは明らか。
そしてキャラは心底嫌そうな顔をして部屋を出て行った。
そしてそのイケメンがオレのほうに一歩踏み出してきた。思わず冷や汗が伝う。
「や、やめろぉ!」
モンドがそう悲鳴をあげる。それに対し、イケメンがまじめな顔でモンドに向きなおった。
「それなら、入口の場所を教えてもらおうか。こちらとしても、教えてもらえさえすれば、手荒なことはしない」
「わかったよ……」
そしてモンドは、とうとうアジトの入口の場所を教えてしまった。
それを聞いたイケメンは、二人とも部屋を出て行ったが、オレはもちろん、ジュドーも沈痛な表情を浮かべはしても、彼を責めることはなかった。多分、オレもジュドーも、大切な人が傷つけられるとわかれば、同じことをしただろうから。
「ご、ごめんよ、二人とも……」
「あの場合は仕方ないさ。それより、今はここを脱出する方法を考えようぜ。キャラたちを追わなきゃ」
「あぁ、そうだな」
* * * * *
一方そのころ、そのアジト、その秘密の入り口には先客があった。
ジュドーたちが潜入したと聞き、彼を倒すためにキュベレイでやってきたプルツーである。
内部に入ろうとする彼女だが、その前にルチーナが立ちはだかっている。
「どかないと、あんたも撃っちゃうからね!」
「あなたにそんなことはできない! あなたも悪い人じゃないもん!」
その言葉に、プルツーは困惑を隠せない。
でも、彼女をどかして内部に潜入し、ジュドーを倒さなくてはならない。
プルツーはファンネルを射出し、周囲を展開する。
「私はジュドーに仕返ししなきゃならないの! どいてよ! さもないと!」
そこに。
「あれはキュベレイ!? プルツーもここを狙っていたってのかい?」
「それにしては、少し様子がおかしいですな」
キャラの新型
「ちぃ!」
それを確認すると、タイムオーバーを悟ったのか、プルツーはキュベレイでルチーナと、後ろにかばっていたエルとルーをつかむと、その場を離脱していった。
* * * * *
232:ジャンク屋ネキ
ちょっとまいったな……。色々ありながらも脱出して戻ってきたと思ったら、今度は妹……ルチーナと、エルとルーさんが捕まるとは。
233:ラド
犯人のあてはついとるんか?
234:ジャンク屋ネキ
あぁ。目撃者の証言でわかったMSの特徴からするとキュベレイらしい。
『プルツー……まさか、誘拐までしちゃうなんて……。こんなこと、許しちゃいけないよね!』
235:名無しのオールドタイプ
エルやルーはもちろん、ルチーナも助けてあげたいところやな。
236:ジャンク屋ネキ
そうやな。義理とはいえ、オレの妹だしな。
ん、なんや、爆音?
* * * * *
「た、大変だ! 接続が完了してしまった! ネオ・ジオンの奴らが突入してくる!」
再び、XINNさんからファンアートをもらいました。大感謝です!
【挿絵表示】
そして、引き続きファンアート募集中です!
* 次回予告 *
オレたちはハマーンの新しいコロニーに再び潜入し、さらにプルツーもジュドーを追ってやってきた。
それにハマーンの反応が遅れたのは、彼女曰く「ジュドーがバリアーになったから」というけど、どう見ても、ジュドーのことが気にかかっていたからだよなぁ。
でもそれはともかく、今はみんなを助け出さなくちゃ! プルツー、素直になれって!
次回、『ガンダムZZって作品の世界に転生してきたプル似のTS転生者だけど、ヤザンとかいう人にゼータ強奪を持ちかけられてます~ガンダムZZ別伝』
第27話『脱走者たちの船出』
オレだって頑張ってる!
※次の更新は、4/20 12:00の予定です。
マリハの声、皆さんは誰の声で再生されてますか?
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本多知恵子さん
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本多陽子さん
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甲斐田裕子さん
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釘宮理恵さん