ガンダムZZって作品の世界に転生してきたプル似のTS転生者だけど、ヤザンとかいう人にゼータ強奪を持ちかけられてます~ガンダムZZ別伝   作:ひいちゃ

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マリハ「前回の元ネタは、ガンダムWの第43話『地上を撃つ巨光(オーロラ)なんだってさ」
マシュマー「ふむ、やはりそうか。それにしても、かの作品に出てくるトレーズという者、ぜひ一度決闘をしてみたいものだ」
マリハ「マシュマーさん……エレガントって言葉知ってる?」
マシュマー「し、知っているに決まっているだろう!」
マリハ「はぁ。当たった人には、作者が祝福をプレゼントするってさ」

さぁ、いよいよアクシズ決戦、開始ですぞ!


Act.29『ソーラ・レイ始動! 出撃ガンダムチーム!!』

 ソーラ・レイ発射後、グレミーは司令部をアクシズに移した。

 

 司令部の安全や指揮の利便性などから、戦艦であるグワンバンより、要塞であるアクシズから指揮をとったほうが良いというオウギュスト・ギダンの進言を取り入れたからだ。

 

 そして今、グレミーはアクシズの市街地スペースに作られた演説台に立っていた。

 

「やはり演説というのは慣れないものだな」

「何をおっしゃるのです、グレミー様。一軍の大将たるもの、それぐらいの道化は演じなければならないものです」

「わかっている」

 

 オウギュストにそう言うと、グレミーは覚悟を決めて壇上に上がった。

 

「聞け、私の元に集った兵士たちよ! 先ほど我らが放った正義の光が、再びコロニー落としを成そうとした女狐の尖兵を消し飛ばした。これは我々の決起を祝福し、忍従の終わりを告げる光である!」

 

 前に並ぶ将兵たちから歓声が上がる。

 

「もはや、我らが脾肉を嘆く時は終わりを告げた。諸悪の根源は、ミネバ様をいただき、欺瞞あふれるネオ・ジオンを作ったハマーン・カーンにある! 真なるネオ・ジオンを築き上げるのは、ハマーンの軍を打倒し、彼女を降伏に導くそなたたちである! さすれば、この地球圏の英雄として、末代まで称えられよう!」

「おおおおおお!!」

 

(青二才にしては、美味い事を言う)

 

 歓声をあげる将兵たちの中のラカン・ダカランがそう独り言ちる。

 

「もう一度言う。ハマーンの軍を打倒し、彼女の作った欺瞞あふれるネオ・ジオンを討ち倒すのだ! その戦いの中で功績を立てた者には、それに応じた褒賞を与えよう!」

 

 再び歓声が上がる。

 

「そしてハマーン・カーンに告ぐ。私は無益な殺し合いは望まない。真にネオ・ジオンのことを思うなら降伏せよ。そうすれば、残った将兵の安全と身分は保証し、貴様にとっても悪いようにはしないと約束しよう」

 

 そして歓声の中、グレミーは壇上から降りて行った。

 

 その中、グレミー派の兵士たちはひそひそと話し合っていた。

 

「ハマーンの軍と戦って勝てってことか?」

「コロニーの一つ、くれるってことか?」

「地球の大陸の一つぐらい、くれるっていうぜ?」

 

 その声が聞こえる中、グレミーはオウギュストとプルツーの元に戻っていった。

 

「気に入ったよグレミー。そういうのは好きだ」

 

 そう評するプルツーに、グレミーは苦笑を浮かべて言う。

 

「お前に喜んでもらいたくてやったわけではない。それまではハマーンの下で戦っていた者たちだ。彼らをやる気にさせるには、このぐらいのことはしないとな」

「お見事でございました、グレミー様」

「うむ。さて、これでハマーンがどうでるか……」

 

* * * * *

 

「欺瞞あふれるネオ・ジオンを作った諸悪の根源、か。ふふ、グレミーめ。言いたい放題に言う」

 

 旗艦・サダラーンのブリッジで、ハマーンはそう言って嘲笑を浮かべた。

 そこに、副官が話しかけてきた。

 

「それでハマーン様、降伏勧告への返事はいかがなさいましょうか?」

「降伏を拒否する、以外の選択肢があると思うか?」

「は……ですが、ソーラ・レイはその照準をコア3に定めているとの情報も……」

 

 その副官の報告にも、ハマーンは態度を崩さなかった。

 

「心配には及ばぬ。奴が本気で勝ちにくるなら、一射目でコア3ごと私を仕留めるべきだった。それができぬ甘い奴など、私に勝つことはできぬよ。それにソーラ・レイとて連射できるわけではあるまい? 二射目を撃つ前に、ソーラ・レイを潰すか、グレミーを討ち取るかすれば問題ない」

「確かに……ですが、先ほどのソーラ・レイの一撃と、グレミーめの演説で、アクシズの宙域に展開しているこちらの先鋒部隊は浮足立っております。そちらはどうにかしなくては」

「わかっている。サダラーンを前線に急行させろ。御旗である私が到着すれば、軍の士気も上がろう」

「了解しました」

 

 艦長がサダラーン発進を指示する中、ハマーンは傍らのキャラ・スーンに声をかけた。

 

「キャラ・スーン、コア3でグレミーの人形を仕留めることができなかった失点、ここで取り返してもらうぞ」

「はっ、お任せくださいハマーン様。必ず、汚名を挽回してみせます!」

 

 正しくは汚名返上なのだがな、とはハマーンは思ったが、口にはしなかった。

 

* * * * *

 

 一方、アクシズにて。

 

「グレミー様、ハマーンより返事が届きました」

「なんと言ってきた?」

 

 そう聞き返したグレミーに、オウギュストは少し顔を曇らせて答えた。

 

「ミネバ様に刃を向ける逆賊に下げる頭など持ち合わせていない、とのことです」

「やはりそう来たか……。だが、まだ敵の前衛は浮足立って、十分な迎撃態勢がとれていない。ここで押せば、二射目発射までの時間は稼げるはずだ。後はソーラ・レイで脅すか撃つかすれば決着がつく。全軍戦闘配備。ハマーンが戻ってくるまでに決着をつけるぞ」

「ははっ」

 

 そこでグレミーは、プルツー、ラカン、アリアスに顔を向けた。

 

「三人とも、私についてきてくれて礼を言う。この先の戦いは貴様たちの活躍に全てがかかっている。その武名に劣らぬ戦いを期待している」

「わかっている……」

 

 答えるプルツーはどこか複雑な表情を浮かべていた。

 

「任せてもらおう。だが、地球の支配権をくれてやるという約束、お忘れなきよう」

「わかっている」

 

 邪悪な笑みを浮かべたラカンに、グレミーはそう答えた。

 最後に、アリアスがきりっとした表情で言う。

 

「お任せください。必ずグレミー様に、勝利をもたらすと約束しましょう」

「うむ」

 

* * * * *

 

1:名無しのオールドタイプ

いよいよ始まったな、グレミーとハマーンの戦い。

 

2:名無しのオールドタイプ

見る限り、グレミー軍のほうが押している感じだな。

やっぱり、ソーラ・レイと演説の効果かな。

 

3:考察ニキ

それもあるし、向こうにはラカン、プルツー、アリアスと三枚看板のエースがいるからな。キャラしかエースがいないハマーンにとってはつらいやろ。ハマーン自ら出陣するわけにはいかないだろうしな。

 

4:ジャンク屋ネキ

プルツー……。

『やっぱり、グレミーに従って、戦いに身を置いているんだね……』

 

5:名無しのオールドタイプ

プルツーはまだ、グレミーに依存している状態だからな。

プルはあの大気圏突入のショックで、依存から脱することができたけど。

 

6:ジャンク屋ネキ

『うん……。でも、やっぱりプルツーには戦いから脱してほしい……』

そうだよな。オレも本当にそう思うよ。

 

7:ラド

気持ちはわかるけど、今はこの戦いを切り抜けることだけを考えたほうがいいで。

その前に命を落としたら、助けるも何もないからな。

 

8:ジャンク屋ネキ

あぁ、わかってるで。

……あ、作戦会議するみたいだから行ってくる。

 

9:考察ニキ

おう、がんばってや。

 

* * * * *

 

 コロニー落下阻止を終えたオレたちは、急ぎサイド3の空域に引き返し、その外縁にて、先に到着していたラビアン・ローズからの補給を受けていた。幸いにも、ハマーン派もグレミー派も、互いへの対処でいっぱいのため、ラビアン・ローズが襲われることはなかったという。よかった。

 なお、ラビアン・ローズはこのまま、サイド3の外縁で待機するという。

 

 そして、作戦会議がはじまったのだが、まずあがったのが、連邦とエゥーゴの動向。

 

「連邦とエゥーゴの連合艦隊も、サイド3の境界付近から動かないな」

 

 そう不満そうに言うビーチャに、イーノが言う。

 

「仕方ないよ。向こうにはソーラ・レイがあるんだし、いくらなんでも『撃たれる前に突っ込んで来い』なんて言えないでしょ」

 

 オレもそれにうなずくと口を開く。

 

「あぁ。それに、あちらからしたら、ハマーンとグレミーが潰しあって消耗したところを叩くのが、エゥーゴとしては犠牲が少なくて済むからね」

 

 その意見に異論を唱えるのはジュドーだ。その表情には決意と、少しの怒りが浮かんでいた。

 

「だけど同士討ちを狙っていてはダメだ。双方ともに討ち果たさないと。戦いが終わって奴らがまた一つに戻ったらまた元通りじゃないか」

 

 そこに、ネェル・アーガマを訪れていたマシュマーさんが、別の議題を振ってきた。

 

「だが、問題はどちらを先に叩くかだ。ハマーン様とグレミーをどちらも同時に相手にしては、数に劣る我らはあっという間に負けてしまうだろう。ここは、先にどちらかを集中して叩き、その後でもう片方と決着をつける、というやり方がいいと思う。私は、先にハマーン様のほうに向かいたいのだが……」

 

 先にハマーンを叩きたいと言うマシュマーさんに、ビーチャが異論を唱える。

 

「いや、ここはソーラ・レイを擁するグレミーのほうじゃないか? いつまたあれが撃たれるかわからないんだぞ」

「そうだよ。脅威になってるのは、あのソーラ・レイのほうだと思うぜ」

 

 モンドも、ビーチャの意見に賛成のようだ。

 それを聞き、マシュマーさんもうなずく。

 

「そうだな。確かにソーラ・レイをそのままにしておくわけにはいかん。私も、ハマーン様のことは横に置いておくことにしよう」

 

 それで結論が出たらしかった。

 

「よーし、それじゃ俺たちはこのままグレミー軍を叩きにいく、ということでいいな」

『異議なし!』

「よし、ネェル・アーガマ、前進だ!」

 

* * * * *

 

 そしてMS(モビルスーツ)の発進準備にかかる。

 エルは、愛機であるガンダムMk-Ⅱ(マークツー)のコクピットに入ると、すぐに発進準備を始めた。そこに、ブリッジから通信が入る。

 

「ビーチャ? どうしたのさ?」

「いや、出撃の時なんか表情曇らせてたからさ。どうしたのかなと思ってさ」

「なんでもないよ……」

 

 ビーチャの言葉に、そう否定するエルだが。

 

「嘘だな」

「なんでわかるのよ?」

「俺はアーガマに乗ってから今まで、お前をずっと見ていたんだぜ? それぐらいわかるっつーの」

「な、何を言ってるのよ、もう!」

 

 そういうエルの頬は少し赤く染まっていた。

 

「本当になんでもないよ……。厳しい戦いが待ってるってのに、気休めの言葉一つもかけれない自分に自己嫌悪してるだけ。ビーチャはそうして声をかけてくるってのに……」

「俺はいつもこうしてたつもりさ。誰かさんの気分が、よそに行ってたから気づかなかっただけだ」

「え、どういうこと!?」

「こんな恥ずかしいこと、二度も言えるかよ」

 

 そうして通信は切れた。

 

「ビーチャったら……でも、ありがと」

 

 一方、ZZ(ダブルゼータ)ガンダムに乗り込もうとしてるジュドーとプルに、リィナがドリンクを差し出してきた。

 

「はい、二人とも、ドリンクよ」

「あぁ、ありがとう、リィナ」

「ありがとー!」

 

 そして二人とも、そのドリンクを受け取り口をつける。プルはとてもおいしかったのか、とても幸せそうな表情を浮かべていた。

 

「うん、おいしいー!」

「二人とも、気を付けてね。そして、必ずみんなでシャングリラに帰ろうね!」

「あぁ、もちろんさ。リィナも祈っててくれよな」

「うん!」

「プルもお祈りする! そして頑張るよ!」

 

* * * * *

 

 と、そんな様子を、オレはリャナンシィに乗り込みながら言ってた。

 

「いや、いいね。若いってのは」

 

 いや、オレも転生前は大学生だったし、今は13だし若いのだが。

 でも、本当に微笑ましく思うと同時に、うらやましいと思ってしまう。

 

 と、そこに。

 

「マリハ!」

 

 モンドがこっちにやってきた。

 

「あぁ、モンド、どうしたんだ?」

「いや、お前にドリンクを届けようと思ってさ」

「そうか、ありがとうよ」

 

 そしてドリンクを受け取り、口をつける。うん、とってもおいしい。

 

「おいしいな、これ」

「もちろんさ。俺が作ったものだからな!」

「マジで!?」

 

 モンドにこんな才能があったとはびっくりである。

 

「あの、無事に帰ってきてくれよな。パインサラダ作って待ってるから」

 

 あの、すまないが、そんな死亡フラグてんこもりなメニューは嫌なのですが。

 

「あ、あぁ、ありがたいけど、できればチキンサラダのほうがいいな」

「わかった、用意しておくよ。頑張ってくれよな!」

「おう!」

 

 そして気が付くとオレの発進の番になっていた。よし、行くか。

 

「マリハ・クトゥル、リャナンシィ、行きます!」

 

* * * * *

 

 アクシズの新生ネオ・ジオン軍司令部。

 そのオペレーターが驚いて、グレミーに報告した。

 

「宙域の6時方向より、ネェル・アーガマの艦隊が接近! このアクシズに向かっています!」

 

 その報告にグレミーは、わずかに表情を曇らせて答えた。

 

「やはり来たか……。ソーラ・レイを擁するこちらを脅威と考えるのは当然だから来ると思っていたが。やむを得ん。よし、ラカンのスペースウルフ隊と、アリアス隊を向かわせろ。正面の戦力が薄くなるが仕方ない。並みの戦力ではガンダムチームを止めることはできん。正面は、プルツーとニュータイプ部隊に持ちこたえさせろ」

「了解!」

 

* * * * *

 

14:名無しのオールドタイプ

おぉ、さっそく迎撃部隊が出てきたか。ラカンとスペースウルフ隊のドーベン・ウルフと青いバウの部隊と……。

 

15:考察ニキ

ちょっと待て。向かってくるそのバウ隊の隊長機らしき奴、ギラ・ドーガじゃねーか?

 

16:名無しのオールドタイプ

ほんとだ。あれはギラ・ドーガだ。細かいことは違うっぽいが。プロトタイプかな?

 

17:ジャンク屋ネキ

強いのか?

 

18:名無しのオールドタイプ

何しろ、量産型は5年後の機体だからな。強いぞ。

 

19:名無しのオールドタイプ

なんとことだアナハイム、許さねぇ!!

 

20:考察ニキ

アナハイムのバックにいる某財団がグレミーに手を貸していたという説を何かで見たことがあるけど、その片鱗を見ることになるとは……。

 

21:名無しのオールドタイプ

もうここまで来たら、クシャトリアが出ても驚かんわ。

何はともあれ、ギラ・ドーガはそこそこ強いから気を付けるんやで。

 

22:ジャンク屋ネキ

おう、サンガツ。

 

* * * * *

 

『プルツーはいないのか……』

「多分、ハマーン軍のほうにいるんだろうな。でもそれより今は……」

 

 ジュドーのつぶやきにオレはそう答えた。それと同時に、敵部隊からビームが発射される。オレたちは急いでそれを回避した。マシュマーさんから通信が入る。

 

『ドーベン・ウルフどもは我々が相手する。お前たちはザクもどきが率いている部隊を頼む』

『了解した。マシュマーさん、気を付けてくれよ!』

『承知した!』

 

 マシュマーさんと、ガンダムチームのリーダーであるジュドーと短い会話で意思疎通を行い、オレたちは戦闘に突入した。

 ZZのダブルビームライフルがドライセンを撃ち抜き、エルのMk2がガ・ゾウムを牽制しつつ翻弄し、その隙に。

 

『いただきね!』

 

 ビームライフルで背後からそのガ・ゾウムを撃ちぬく。見事なコンビネーションだ。

 

 そしてオレの元には、スレ民が言っていたギラ・ドーガとやらが向かってきた。

 

『あの動き……マリハ嬢か。大気圏突入のさい、命を助けてもらった恩はあるが、敵として立ちはだかるなら容赦はせん!』

「アリアスさんか!」

 

 アリアスさんのギラ・ドーガが右手のビームマシンガンからビームを連射する。オレはそれを回避しながら、リャナンシィの両足と背中から一郎、次郎、三郎を切り離した。

 

 次郎、三郎にはAI制御で、部下たちの青バウの相手をさせ、オレ自身は、一郎とともにアリアスさんに立ち向かう。

 

* * * * *

 

「いいか。ラカン・ダカランとその手下は、普通の者たちがかなう相手ではない。奴らの相手は私がする。ネオ・エンドラ隊各機は私のバックアップに専念せよ!」

『イエス・マイ・ロード!』

 

 マシュマーのモナーク・ガルスをはじめとしたネオ・エンドラのMS隊も、ラカン率いるスペース・ウルフ隊との戦いのときを迎えていた。

 

「それそれ!」

 

ラドのズサがミサイルを乱射して、敵に牽制をかけ。

 

「くそう、宮仕えは大変だ。でも頑張らないと!」

 

 ボットンのガ・ゾウムがハイパーナックルバスターとビームサーベルで奮闘する。

 

 一方のマシュマーも奮闘している。

 モナーク・ガルスはまず、その肩のミサイルポッドからミサイルを乱射した。この先制攻撃に、一機のドーベンウルフが直撃し、爆散する。残りはそれを回避したに成功できた……が。

 

「逃がすと思ったか!」

 

 モナーク・ガルスは右腕にマウントしたシールドからビーム砲を発射! また一機のドーベン・ウルフを撃墜した!

 

「やるな! だが、これはどうだ!」

 

 ラカンのドーベン・ウルフは左腕を射出! モナーク・ガルスの右足をつかみ、動きを封じた。さらに、残り三機も腕を射出し、両腕と左足を拘束する。

 

「む……!」

「ひと思いに楽にしてやる!」

「なめるなぁー!!」

 

 そう叫ぶと、マシュマーは、左腕の有線ビーム砲を射出! 左腕を拘束していたドーベン・ウルフの頭部を逆につかみ、そのまま零距離でビーム砲を発射! これを撃破する。

 さらに、フルパワーで拘束された右腕を曲げ、シールドをドーベン・ウルフに向けてメガ粒子砲を発射。これも撃破する。そして、ビームサーベルで左足をつかんでいた有線アームをつないでいるワイヤーを切断。それに動揺したドーベン・ウルフは、ラドのズサがミサイルを撃ち込んで撃破された。

 

「私は、ハマーン様を正すまで、やられるわけにはいかないのだ!」

「うわぁー!!」

 

 もう一機の一般兵用ドーベン・ウルフのボディに有線クローアームを射出して貫き、これも撃破した。 

 

「お、おのれ、なんて奴だ!!」

 

 残り一機となったラカンは、たまらずその場から離脱していくのだった。

 

* * * * *

 

 一方こちらはガンダムチームです。

 

 さすがアリアスさんはベテランだけあって、リャナンシィと一郎の攻撃を次々と交わして、反撃を返してくる。ミンドラ時代、MS隊長をしていただけのことはあるな。

 オレと一郎だけではきついが、ZZはもちろん、ルーさんの(ゼータ)と、エルのMk-Ⅱも、他のMSとの戦いでこちらを援護する余裕はなさそう。ここはオレだけでどうにかするしかなさそうだ。

 

 サイコミュを通して周辺の様子を確認すると、次郎と三郎が戦っているあたりの敵はほとんど片付いたようだ。よしそれなら、彼らにもアリアスさんへの攻撃に参加してもらおう。

 スイッチを操作し、次郎と三郎の制御をサイコミュ制御に設定する。

 

「よし、戻ってこい。次郎、三郎!」

 

 オレの意思を受け、次郎と三郎もアリアスさんのギラ・ドーガに向かっていく。あらゆる方向からビームを浴びせるオレとモビルビットたち。それをも交わし続けるアリアスさんはさすがだが。

 

「!!」

 

 ついに、次郎の一撃がギラ・ドーガの足に命中! その脚部を粉砕する。その攻撃に態勢が崩れる。この機を逃さずオレはリャナンシィをハイメガキャノン発射モードに変形させる。頭部が胴体に収納され、背中にマウントされたハイメガキャノンが倒れこみ、発射態勢をとる。

 

「いけーーーー!!」

 

 そしてハイメガキャノンからビームが発射! ギラ・ドーガはなんとかそれをかわそうとするが、態勢を崩していた影響でかわしきることができず、その機体の右半分をハイメガビームに飲み込まれることになった。

 ハイメガビームを喰らって機体の半分を破壊されたギラ・ドーガは、やがて爆散して果てた。脱出ポッドは射出されなかったので、おそらくアリアスさんもろとも……。

 

「……」

 

 少しの間感傷に浸っていたが、ミサイルの飛来に気が付き、我に返ってそれを回避する。どうやら、この戦いは、感傷に浸る暇すら与えてくれないらしい。

 

 一郎、次郎、三郎をAI制御で放ち、接近してきた敵を迎撃される。

 モビルビットたちとジュドーたちの奮闘のおかげもあり、新たな敵はあっけなく蹴散らされた。

 

「なんとかひと段落したな……」

『うむ。艦に戻り、補給しながらさらに前進するとしよう』

『了解だ、マシュマーさん』

 

 そしてオレたちはネェル・アーガマ艦隊に引き返していった。

 おそらく、次がいよいよ正念場だろう。

 

* * * * *

 

 一方そのころ、キャラはゲーマルクを使い、その火力をもって、接近してくるグレミー軍のMSをかたっぱしから撃破していった。

 

「このぉ、邪魔するんじゃないよ! とっとと道を開けろぉ!!」

『き、キャラ様、あれを!』

「なんだい?」

 

 敵を薙ぎ払いながら進むキャラのゲーマルクの前に立ちはだかったもの。

 それは、大型のMS、そしてそれを取り巻くキュベレイによく似た機体の群れであった。

 




ファンアート募集中です!

* 次回予告 *

有利になったと思われたグレミーだが、ハマーンが戻ってきてまた互角に戻った。
そこでグレミーは、モウサをコア3にぶつけようとしてきたんだ。
オレたちは、グレミーを止めるため、再び出撃するけど、やっぱりプルツーの新型のパワーは強大で……。

次回、『ガンダムZZって作品の世界に転生してきたプル似のTS転生者だけど、ヤザンとかいう人にゼータ強奪を持ちかけられてます~ガンダムZZ別伝』
第30話『さよならプルツー』

グレミー……潔い。

※次の更新は、4/27 12:00の予定です!

マリハの声、皆さんは誰の声で再生されてますか?

  • 本多知恵子さん
  • 本多陽子さん
  • 甲斐田裕子さん
  • 釘宮理恵さん

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