ガンダムZZって作品の世界に転生してきたプル似のTS転生者だけど、ヤザンとかいう人にゼータ強奪を持ちかけられてます~ガンダムZZ別伝   作:ひいちゃ

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ボットン「今度は俺たちの番か~。なぁ、ラド、これも宮仕えなのか? 宮仕えの範疇なのか?」
ラド「そうですよ(本当は違うけど)。だから、頑張ってやってください。さて、前回のタイトルの元ネタはなんでしたっけ?」
ボットン「なんか聞き逃せないことを聞いた気がしたけど……まぁ、いいや。前回の元ネタはGガンダムの48話『地球SOS!出撃ガンダム連合!!』だそうだ。俺はガンダムWの『出撃Gチーム』からだと思ったんだけどなぁ」

さて、いよいよ最終話前! 今回の次回予告では、気になる発表もありますよ!


Act.30『さよならプルツー』

 グレミー軍のMS(モビルスーツ)を撃破しながら進むキャラのゲーマルクと、ニーのガズエル、ランスのガズアルの三機。

 

 その前に現れたのは、通常のMSより一回り以上大きい機体と、それをとりまく、キュベレイらしきMSの群れだった。その数10機。

 

 大型の機体、クィン・マンサに乗るプルツーは、周囲のキュベレイ……量産型キュベレイのパイロットたちに言い放つ。

 

「来たぞ、用意はいいな?」

 

 プルツーの言葉に、彼女と同じ姿、同じ声の少女たちが応える。

 

「はい」

「グレミー様のために」

「この命に代えても」

「ハマーンの艦隊を叩いてみせます!」

「よし、行くぞ!」

 

 そして、クィン・マンサと量産型キュベレイたちは、一斉にキャラたちに襲い掛かっていった。

 

「な、なんだいあいつらは!?」

「グレミーのニュータイプ部隊だと思われます!」

「笑わせるんじゃないよ! 甘いんだよそういうの!」

 

 そう叫ぶと、キャラはゲーマルクの背中から二基の大きなファンネルを射出。さらにそこから通常サイズのファンネルが射出される。

 

 かくして、キャラとプルツー率いるニュータイプ部隊とのファンネル戦がはじまった。それと同時に、キャラも全身のビーム砲で応戦する。

 

 しかし、やはり多勢に無勢。戦況はキャラ達に不利であった。しかも、キャラと同行しているニーとランスは、ニュータイプではないのだ。

 

 かくして。

 

「うわぁー!!」

 

 ランスのガズアルが、背後からのファンネルに対応できずに撃墜される。

 

「おい、ランス! おのれ!」

 

 だが、ランスの撃墜に気を取られたその一瞬が致命的な隙となった。

 その隙に、一機の量産型キュベレイが、ゲーマルクに襲い掛かった!

 

 そこに、一条のビームが放たれ、その量産型キュベレイの下半身を吹き飛ばした。中のプルクローンが脱出したと同時に、そのキュベレイは爆散する。

 そのプルクローンが、後にマリーダ・クルスと呼ばれることになるのは後のことになる。

 

「な、なんだい?」

「あれは……ZZ(ダブルゼータ)です!」

 

 そう、ジュドーのZZガンダムと、マリハのリャナンシィが援軍に駆け付けたのだ。その後ろには、ルーの(ゼータ)ガンダムと、エルのガンダムMk-Ⅱ(マークツー)も続いている。

 

 リャナンシィから三機のモビルビットが分離され、ニーのガズエルに襲い掛かろうとしていた量産型キュベレイの両腕を撃ち抜いた。

 

 だが、ネェル・アーガマの援軍がやってきても、プルツーの不敵な表情は変わらなかった。

 

「それだけの数で、私たちに勝てると思っているのかい?」

 

 しかし。

 

「待ってください、プルツー様、あれを!」

「なに?」

 

 プルツーが見ると、ハマーン軍艦隊に、ハマーンの座乗艦・サダラーンが合流してくるのが見えた。そのサダラーンからキュベレイが発進する。

 

「よくぞここまで耐え抜いた、我がネオ・ジオンの精鋭たちよ。今こそ反撃の時だ! ミネバ様のために、裏切者グレミーの軍を叩け!」

 

 サダラーンの合流と、ハマーンの参戦により、ハマーン軍の士気は上がった。

 ハマーン軍のMSたちは猛攻撃を仕掛け、グレミー軍のMSは少しずつ後退していく。

 

「くっ、もう少しというところで……! 我々も後退する!」

 

 そして、プルツーのクィン・マンサと、プルクローンたちの量産型キュベレイも後退を開始する。

 キャラのゲーマルクはそれを追撃しようとするが……。

 

「……!!」

 

 量産型キュベレイのファンネルによる足止めをくらい、止まらざるを得なくなった。

 それでもキャラは食い下がろうとするが……。

 

「キャラ、先走るな! 状況を考えろ! ニュータイプ部隊は強敵だ。今のまま突っ込んでもやられるだけだぞ!」

「くっ……わかったよ、戻ればいいんだろ!」

 

 そしてキャラとジュドーたちも態勢を立て直すために後退を開始した。

 

* * * * *

 

「ハマーンが前線に出てきたか、さすがだな。彼女の登場で、ハマーン軍の士気は高まり、こちらの部隊を押し返してきている」

 

 グレミーが感嘆と苦々しさをミックスさせた表情でつぶやくと、傍らのオウギュストもうなずき、それに同意した。

 

「一流の将とはあのような者をいうのでしょうな。彼女の到着により、戦線は膠着しつつあります。いえ、むしろ押されているかと」

「そうだな。だがここで負けてやるわけにはいかない。やりたくはないが仕方ない。作戦を第二段階に移行する。……モウサを切り離せ! ハマーンの艦隊のど真ん中に進路を設定せよ!」

 

 グレミーの指示の元、モウサのエンジンが火を噴き、少しずつ前進を開始した。

 

* * * * *

 

 その様子は、サダラーンにも見えていた。オペレーターが驚愕と恐怖に顔を硬直させて報告する。

 

「ハマーン様! モウサが移動を開始しました! この進路だと、我が艦隊の中央を突破し、背後のコア3に直撃します!」

「グレミーめ……。グリプス戦役での最後の戦いでも落とすことのなかったモウサをぶつけてくるとは……許せん! 全艦、モウサに砲火を集中! 進路をそらすのだ。モウサをコア3に直撃させるな!」

 

 ハマーンの指揮の元、ハマーン軍の各艦はモウサに対して砲撃を開始した。

 

 だが、モウサが接近するというこの事態に、ハマーン軍の将兵は再び動揺し、グレミー軍の逆襲を許してしまう。それで再び戦線は膠着状態に戻る。

 

 しかし、グレミー軍にはまだ、ニュータイプ部隊という切り札があるのだ。

 

* * * * *

 

30:名無しのオールドタイプ

しかし、グレミーもやるものだな。

 

31:ジャンク屋ネキ

どういうことや?

『どういうこと?』

 

32:考察ニキ

グレミーの狙いは、ハマーンをモウサでつぶしたり、コア3を破壊することじゃないってことや。

 

33:ジャンク屋ネキ

それでハマーン軍の人たちを動揺させて、その間に叩くってことか? 今まさにそうなってるけど。

 

34:名無しのオールドタイプ

それもあるが、それだけじゃないで。モウサが突っ込んでくれば、ハマーン軍はそれをよけるために、陣形を崩してしまうやろ? そこに、ニュータイプ部隊による攻撃をかければ……。

 

35:ジャンク屋ネキ

ハマーン軍は

『一たまりもないってこと!?』

 

36:ラド

そういうことや。ハマーンのことだから、もしかしたら持ちこたえるかもしれんが、少なくとも、ソーラ・レイの二射目を撃つまでの十分な時間稼ぎにはなるわな。

 

37:ジャンク屋ネキ

それは大変じゃないか!

 

* * * * *

 

「モウサでハマーンの艦隊を分断させて、ニュータイプ部隊で各個撃破する……か」

「あぁ、それで多少の戦力差は逆転できるし、その分グレミー軍は戦力を温存できるってわけだな」

 

 驚くべきことに、スレ民の人たちが教えてくれたグレミーの作戦は、ビーチャもすでに読んでいた。ビーチャがこれほど指揮官としての才能を開花させたとは驚きだ。ここまでの戦いが彼を成長させ、確変させたんだろうか。

 とはいえ、驚いてばかりもいられない。

 

「でもそしたらどうにかしないと。ソーラ・レイを撃たれたらおしまいだぜ!」

 

 オレがそういうと、ビーチャは右の拳を左手に叩きつけていった。

 

「わかってる! モンド、各機の補給のほうはどうだ?」

「あぁ。既に終わってるってさ。真っ先にマリハのリャナンシィに補給しといたからな。あと、ネオ・エンドラのほうも終わったそうだよ」

 

 ……オレの機体に真っ先に補給した、の部分を強調してるような気がするのは気のせいか?

 

「よし、それじゃ出撃準備! 今度こそ、グレミーを叩いて、ソーラ・レイを止めるぞ!」

『おう!!』

 

* * * * *

 

40:ジャンク屋ネキ

なんか、ジュドーがZZにゴテゴテしたものをつけられて文句を言ってるんだけど、なんだあれ?

 

41:名無しのオールドタイプ

あぁ。あれは、ZZガンダム用に作られたフルアーマー用の増加装甲やな。

ジュドーは重くなるとか言ってるけど、ミサイルポッドがついてたり、腹部装甲にもハイメガ砲がついていたり、ビームコーティングされていたりと、なかなかの逸品やで。

 

42:名無しのオールドタイプ

本来は、ハイパーメガカノンもオプションとしてつけられるはずなんだけどな。さすがに今回は用意できなかったか。

 

43:ジャンク屋ネキ

はえー、そうなんか。

 

44:名無しのオールドタイプ

なお、あのフルアーマーのために、FAZZという試作機が何機か作られた模様。そいつらは、フルアーマーZZとしては今一つやったけど、遠距離支援機としてはかなり活躍したほうやで。

 

45:ジャンク屋ネキ

そんな色々手間がかかった、すごいユニットなら、ジュドーも文句言わなくてもいいのになぁ。

 

46:考察ニキ

まぁ、機動力が落ちるのは間違いないからね。

っと、ネキの発進の番がきたな。頑張ってや。

 

47:ジャンク屋ネキ

おうよ!

 

* * * * *

 

 そして、ネェル・アーガマからオレを含むガンダムチーム、ネオ・エンドラからマシュマーさんのモナーク・ガルスが発進、前線に向けて突撃していった。

 

 ラドニキたちネオ・エンドラのMS隊は同伴していない。ラカンはもちろん、プルツーたちNT部隊の相手は、彼らにはきつすぎるからな。MS隊の皆さんには、ネェル・アーガマとネオ・エンドラの防空をしてもらっている。

 

 周囲の敵を撃破しながら進んでいくと、前線の戦場が見えてきた。既にハマーン軍の艦艇が何隻か沈んでるようだ。これは急いだほうがよさそうだ。

 と。

 

『プルツー……? ジュドー、ごめん。プルツーのところへ向かって?』

『プル……? わかった』

「オレも行くよ。オレもプルクローンで、プルツーと無縁なわけじゃないからな。エル、ルーさん、マシュマーさんは先に行ってくれ。マシュマーさん。二人のこと、頼んだぜ」

『わかったわ!』

『ジュドーも気を付けてね!』

『任せてもらおう』

 

 そしてオレとジュドーは、ルーさんたちと別れて、ハマーンの艦隊を攻撃していると思われるプルツーの元へと向かった。一方のルーさんたちは、そのままアクシズへ。

 

* * * * *

 

「やめろぉ!」

「ん、奴か!?」

 

 ジュドーは、プルツーのクィン・マンサと共にハマーン艦隊を攻撃しているラカンのドーベン・ウルフにミサイルを発射する。しかし、さすがというべきか。彼はそれを簡単にかわす。

 

「あれは、ZZと変形する奴!」

 

 こちらに応戦しようとするプルツーに、プルとマリハが説得を試みる。

 

「もうよせ、プルツー! オレたちは敵じゃないよ!」

「そうだよ! ジュドーたちと一緒にいると幸せな気持ちになるって、どうしてわからないの!?」

「やめろぉ! 私を混乱させるな!!」

 

 プルツーの混乱が反映されたかのように、クィン・マンサが周囲に拡散メガ粒子砲を乱射する。その攻撃で、グレミー軍のMSも、何機か巻き添えにされて撃墜される。

 

 一方、ラカンはビームランチャーを撃つが、それはZZに着弾する前に弾かれてしまった。

 

「何、効かんぞ。バリアーがあるのか!? プルツー、援護しろ!」

 

 しかし、動揺するラカンの言葉もむなしく、プルツーはただ混乱し、暴れまくるだけである。

 そこにマリハのリャナンシィが突貫する。

 

「ダブリンの人たちの仇を討たせてもらうよ!」

 

 背中と両足のモビルビットたちを分離。サイコミュ制御でドーベン・ウルフに襲い掛からせる。

 ダブリンの市民たちの仇に燃えるマリハの闘志が反映されたかのように、モビルビットたちは巧みに激しく動き回りながら、ラカンをけん制し、翻弄する。

 

 そして。

 

「落ちろよぉぉぉぉぉ!!」

「なぜだ、あれには小娘が乗っているんだぞ!?」

 

 リャナンシィは懐に飛び込み、ビームサーベルでドーベン・ウルフの胴体を薙ぎ払った! 一刀両断!

 ラカンは最期の言葉を残すこともできずに、ビーム・サーベルのビームで消滅した。

 

 そしてリャナンシィが離れた直後、ドーベン・ウルフは爆散した。

 

「私は、私はぁ!! グレミー!!」

「待て、プルツー、戻ってこい!」

 

 そしてジュドーの制止もむなしく、プルツーのクィン・マンサはアクシズへと引き換えしていった。

 ジュドーのZZと、マリハのリャナンシィもそれを追う。

 

* * * * *

 

52:名無しのオールドタイプ

やっとアクシズまでたどり着いたな。おや、あれは……。

 

53:考察ニキ

マシュマーさんのモナーク・ガルスじゃないか?

 

54:ジャンク屋ネキ

ほんとや。かなりの奮戦ぶりやな。周囲のグレミー軍MSの残骸の数が半端やないで……。

……。

うん。『ルー・ルカとエルはこの中に入った。お前たちも後を追うがいい。例え己の肉が骨からそぎ取れようと、グレミー軍の奴らはここから先には通さん』だって。

 

55:名無しのオールドタイプ

マシュマーさん、それ原作での最期の台詞……。

 

56:ラド

お願いですから、死亡フラグ立てないでください、マシュマー様……。

 

57:ジャンク屋ネキ

一応、「無理しすぎないでくれよ」と声かけておいたわ。それじゃ内部突入するで。

 

* * * * *

 

 それより少し前。アクシズの、新生ネオ・ジオン軍の司令部前に、プルツーのクィン・マンサが戻ってきた。

 それを見て、グレミーが驚く。

 

「どうしたのだ、サイコミュの調整がうまくいっていないのか?」

 

 そして、司令部を出ると、クィン・マンサに飛び乗ってハッチを開いた。中のプルツーはひどく取り乱している。

 

「どうしたんだ、プルツー?」

「私が……もう一人の私が、私の邪魔をするんだ……うぅ……! もう一人の私が、プルにほだされて……」

 

(あぁ……)

 

 そう言われて、グレミーは理解した。

 プルにほだされた『もう一人の私』は別の存在ではない。それはプルからクローニングされたさいに、彼女から受け継がれた優しい心だ。今までは精神操作で抑え込まれていたそれが、プルたちの説得で目を覚まし、この戦いの中で悲鳴を上げ続けていたのだ。

 

 だが、このまま彼女を解放するわけにもいかない。彼には司令官として、プルツーを戦力として活用する使命があるのだ。彼は心の中でプルツーに謝ると、ともにコクピットに乗り込んだ。

 

「私がともに戦ってやる、プルツー。そうすれば、もう一人のお前も、ガンダムチームも恐れるに足らん」

 

 すると、プルツーも少し落ち着いたようだ。それを確認すると、グレミーは司令部に通信を入れた。

 

「もうすぐここでも戦いが始まる。貴様たち司令部要員はグワンバンへ退避しろ」

 

 そして、膝の上に座る少女とともに侵入してくるであろう敵を待ち受ける。やがて、司令部の要員が退避した後、市街ブロックにガンダムMk-Ⅱが現れた。

 

「このクィン・マンサの力を思い知らせてくれる!」

 

 胸部の拡散メガ粒子砲を発射。エルのガンダムMk-Ⅱはそれをバーニア全開で回避しようとするも、回避しきれず、右腕と両足を破壊されて擱座してしまう。

 

「きゃああ!!」

「私とプルツーの力で、ガンダムなど暗黒の底に落としてくれる!」

 

 続いて、ルーのZがやってくるも……。

 

「ルー・ルカ、こうなった以上、貴方に抱いた情ごと葬らせてもらう! 落ちろ!!」

 

 クィン・マンサは拡散メガ粒子砲を発射した。ルーのZはそれをなんとかかわすも、今度はファンネルが彼女を襲う! その攻撃まではかわしきれず、頭部と左腕を破壊されて、これまた擱座してしまった。

 

「どうだ、プルツー。お前と私が組めば、もう怖いものはない」

「あぁ……そうだね……」

 

 そしてついに本命、ZZガンダムとリャナンシィがやってきた。

 

* * * * *

 

 駆け付けたオレたちを待っていたのは、魔王のように悠然とたたずむクィン・マンサと、それにやられたらしきガンダムMk-ⅡとZガンダムの二機が擱座しているところだった。

 

『グレミーの奴、まだプルツーを……!』

『グレミー……!』

「とにかく、今はクィン・マンサを止めなきゃ!」

『おう! 行くぞマリハ!!』

 

 そして、左右に分かれて戦闘を開始する。オレは一郎、次郎、三郎のモビルビットを展開して挑むも……。

 

「くっ……!」

 

 さすがに激戦で疲労してきたのか、モビルビットの動きが鈍く、単調になってしまい、三機ともファンネルに撃墜されてしまった。

 そこに、拡散メガ粒子砲の射撃。なんとか直撃は避けられたが、それでも頭部と右腕を破壊されてしまう。

 

「すまん、ジュドー、後は頼んだ!」

 

 そして力及ばず、擱座してしまう。後は、ZZに任せるしかない……。

 

 そのZZのジュドーは、クィン・マンサの攻撃を回避しながらも、プルツーに呼び掛ける。

 

「プルツー、グレミーはお前を道具にしているんだぞ!」

「私にはそこまでしてまでも戦わなければならん大義がある! お前こそ、正義など見えていないのになぜ戦う!」

「!!」

 

 グレミーが攻撃しながら、さらに言い放つ。

 

「私は自らこの道を選んだ。そのことに後悔はしていない。だが、状況で戦ってきたお前に、そのようなものはあるまい。そのような者は、私の前から去れ!」

 

 と、そこでZZはクィン・マンサの前に着陸した。そして、ジュドーは口を開いた。

 

「違うよ。俺は、身勝手な奴らの独善に対して、多くの人の意思を背負って戦ってる!」

「多くの人の意思だと?」

「あんたはザビ家の血のことを言ってるんだろうけど、その血はどこからきた? 地球だろ。青く美しい地球が俺たちの故郷だ。ザビ家の血なんて、その中の何億分の一だろ! そんなもののために戦うなら、アクシズの中だけでやってくれ!」

 

 次の瞬間、オレの周囲を宇宙のイメージが取り巻いた。これは、カミーユの時と同じ、いやそれ以上だ。彼の地球を想う熱い思いが映し出しているのか。

 

「今はね。人類全体がやり直さなくちゃならないんだ。あんたみたいに小さなことに拘ることや、血に縛られてることは、それには邪魔なんだよ! 人間の可能性を、ちっぽけな自己満足で潰されてたまるか!」

 

 そしてイメージの向こう、グレミーとともにシートに座るプルツーにも、プルの言葉が届く。

 

「プルツー。ジュドーは優しい事を言ってるんだよ、ほら、おいでよ。私たちのところに!」

 

* * * * *

 

 グレミーにも、ジュドーが見せる宇宙のイメージが届いていた。

 それを見て、彼は驚愕していた。ジュドーがこれほど大きく深く、地球のことを案じていたのか。状況の中、兵士として戦っていたと思っていた彼が、実はそうではなかったのだ。

 

 ふと、自分の前のプルツーを見る。その表情はつきものが消えたかのようであった。いや、むしろ、ジュドーたちに居場所を求め、そこに帰りたがっているかのようであった。

 

 それを見て、彼は悟った。

 

(あぁ……そうか……)

 

 彼は悟った。自分の野望の敗北、終焉を。それはただの力だけではない。人の可能性、人類の未来という大きなものを、ひたむきな心で見据え、切り開こうとする若き心に、彼の野望、理想は敗れたのだ。だが不思議と、そのことに後悔はない。

 

 そしてこれから先のことに、プルツーをつき合わせるわけにはいかない、と。

 

 そして彼は、プルツーに言った。

 

「行くがいい、プルツー。お前が行くべきところへ」

「グレミー……?」

「私の戦いはもう終わったようだ。これからは、お前の真なる心に従え」

 

 それを聞き、プルツーは自らを縛っていた鎖が砕けたのを感じた。本人にもなぜかはわからないが。

 

「マリハ・クトゥル。プルツーを解放する。受け取るがいい」

「あ、あぁ、わかった」

「グレミー……!」

 

 通信機から聞こえる、感極まったかのようなジュドーの声。

 

 そして、マリハがリャナンシィをなんとか再起動させ、こっちに接近してくる。そしてリャナンシィは外に出たプルツーを左手に乗せると、そのままコクピットへ招き入れた。

 

 その様を穏やかな瞳で見つめるグレミーに、グワンバンから通信が入った。

 

『グレミー様。ハマーン軍の猛攻が始まりました。ハマーン自らが参戦していることもあり、MSも戦艦もほとんどやられ、戦力はこのグワンバンと小数のMSしか残っておりません。残念ですが……』

「負け……か」

『は……無念ですが……』

「いや、これでいいのだ」

『グレミー様?』

 

 プルツーを引き取ったリャナンシィが下がっていくのを見ながら、グレミーは清々しい気持ちでつづけた。

 

「これで私が消え、ハマーンが敗れれば、それでミネバ様を除いて、ザビ家につながる悪しき全ては、深淵の闇に消え去ることになる」

 

 通信機の向こうで、オウギュストが息をのむ音が聞こえる。

 

『まさか、グレミー様はそのために……!?』

「勘違いするな、オウギュスト。私が、大志に燃え、野心を抱いて立ったのは確かだ」

『……』

「だが、負けるからには意義がほしいではないか? この我々の決起、そして敗北が、後の地球圏の明るい未来につながったとなれば、我々の敗北やこれまでの犠牲、そして私の死にも意味があるというものだ」

『グレミー様……。私はあなたのようなお方にお仕えできて、幸せでありました』

「ありがとう……。最後の命令を伝える。新生ネオ・ジオン軍は私の戦死後、ただちに全ての戦闘行為を中断し、ネェル・アーガマに降伏せよ。これ以上の犠牲は無用だ」

『は……』

「後のことは、お前が我が軍の将兵にとって、少しでもプラスになるようにせよ。全てお前に任せる。私は、ハマーンがこっちに来た時に、どんな言葉を投げつけてやるべきか考えるのに忙しいのでな」

『了解いたしました……』

 

 そして通信は切れた。

 

「さて……それでは行くか。このグレミー・トト、最後の大舞台へ」

 

* * * * *

 

 プルツーがこちらに来て、それで万事解決かと思ったが、そうはならなかった。

 クィン・マンサが少しずつ、鈍い動きながらもこちらに向かって歩いてくるのだ。グレミーが、手動操縦で動かしているのだろう。だがなぜ……?

 

『グレミー……!』

『どうして……?』

 

 ジュドーもプルも信じられないものを見ているかのように絶句する。

 全周波で、ここにいる全ての者に、グレミーからの通信が届く。

 

『確かに、戦いは我々の負けに終わった。だが私には、大義と野望に燃え、この内乱を起こした責任がある。お前たちに愚かだと非難されようが、私は自らのしたことに対してのケジメをつけなければならない。それが大人というものだ』

 

 そう言いながらも、クィン・マンサはゆっくりとこちらに迫ってくる。本来ならサイコミュ制御で動くクィン・マンサは、プルツーなしの状態では動くのがやっとで、戦闘などままならないはず。それでもクィン・マンサはこちらに向かって歩いてくる。

 勝ち負けなど関係なく、ただオレたちに討たれるために向かってきていることは、オレたちにも感じ取れた。

 

 そこに。

 

『ジュドー……最後の介錯は私にやらせて』

『ルー?』

『グレミーに好かれ、一度でも触れ合った私が、彼を討たなければならない。そんな気がするの』

『わ、わかった』

 

 そして擱座したルーさんのZガンダムはビームライフルを構え、クィン・マンサに狙いをつけた。

 それに気が付いたクィン・マンサは一度止まり、Zに向きなおった。

 

 そしてしばしの間、互いを見つめあうかのように動きを止める。

 その様子を見て、オレにはグレミーの声が聞こえた気がした。

 

『ルー・ルカ、君に討たれるならば本望だ。この戦いに関わり、内乱を起こした罪人の終わりにはもったいないほどの、幸せな終わりだ』

 

 と。

 それは、あまりに哀しい幸せだと思った。

 

 そして、クィン・マンサは再び、Zに向けて歩き出した。

 

『グレミー……。私のことを好きだと言ってくれたの、忘れないよ……ごめん……』

 

 そのルーの声とともに、ビームライフルが発射された。それは狙いあやまたず、クィン・マンサの頭部、コクピットを貫いた。

 そしてクィン・マンサは、主のグレミー共々、爆散して果てたのだ。

 

* * * * *

 

 そしてプルツーを救ったオレたちは、アクシズを出た。しかしそこでは衝撃がオレたちを待っていた!

 

「マシュマーさん……!」

 

 そう、ハッチの前では、マシュマーさんのモナーク・ガルスが、大破というのも生ぬるい状態で立ち往生していたのだ。

 周囲にはグレミー軍のものと思われるMSの残骸が、先ほどよりも多く漂っている。

 おそらくは、オレたちが出てくるまで、このハッチを守り切って果てたのだろう。

 

「マシュマーさん、ありがとう……。あんたは本当に素晴らしい騎士だったよ……」

 

 だがそこに。

 

『勝手に殺さないでもらおうか!』

 

 マシュマーさんの声。えぇっ!?

 

「生きてたのか、マシュマーさん!?」

『当たり前だ。言ったはずだ。このマシュマー・セロ、ハマーン様を正すまで倒れるわけにはいかんとな』

 

 いや、知らんがな。少なくともオレは今まで聞いたことがない。

 

『だがこのモナーク・ガルスではこれ以上戦うことはできそうにない。無念で不本意だが、ハマーン様を正す役は、ジュドー・アーシタ。お前に任せた。必ずハマーン様を止めてきてもらおう!』

『わ、わかった……』

『よし。それでは少し待て。備え付けのノーマルスーツに着替えてから、この機体を脱出する』

 

 だがそこで。

 

『ごめん、マシュマーさん。プルが一緒に乗るの嫌だって言ってるんだけど……』

『な、なにぃ!? それでは、マリハ・クトゥルのMSに……』

 

 うーん、すまないんだけど……。

 

「ごめん。オレのほうも、エルとルーとプルツーの三人を同乗させてて満員なんだよ」

『えぇい、『済まないなのび太、この車は三人乗りなんだ』とでも言うつもりか! なんとかしろ!』

 

 そんなこと言われても。というか、なんでドラ〇もんのことを知ってるんだよ。

 

 そんなオレたちのもとに、ラドのズサがやってきて、マシュマーさんを回収していったのだった。

 

 




ファンアート募集中です!

* 次回予告 *

グレミーが倒れ、いよいよ残るはハマーンのみとなった。
彼女との決着をつけるため、ジュドーは出撃していったけど、今度はそのジュドーたちに脅威が!
それを助けるためにオレたちは出撃していったんだけど、さらに原作通りだと、え~!!
ジュドー、プル、死ぬな! 生きて帰ってこーい!!

次回、『ガンダムZZって作品の世界に転生してきたプル似のTS転生者だけど、ヤザンとかいう人にゼータ強奪を持ちかけられてます~ガンダムZZ別伝』
最終話『ウォーリアーズ・アゲン』。

いよいよラスト、ニュータイプの修羅場が見られるか?

※次の更新は、4/30 12:00の予定です。お楽しみに!



そして、ここから新しい発表です!

皆さんお待ちかねぇ!
いよいよ5月から、TS転生ガンダムファイターの熱きバトルが始まります!
彼女の進む道はいかに!?

新連載『ちょっと待って。なんで俺、Gガンダム世界にTS転生して、東方師匠と拳交えてるの!?』
にReady Go!!

マリハの声、皆さんは誰の声で再生されてますか?

  • 本多知恵子さん
  • 本多陽子さん
  • 甲斐田裕子さん
  • 釘宮理恵さん
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