「それを自覚した時、俺は思ったよ。今世で、もしまたユグドラシルが消えてしまうあの日に異世界転移するのだとしたら、今度は支配者としてではなく君達との家族でありたい、とね。」
今度は支配者としてではなく君達
との家族でありたい、とね。」
「元の世界での制限された教育からなのか、私は頭があまり良くはなかった。ナザリック最高の知恵者として私達が創ったアルベド、デミウルゴス、パンドラズアクターには本当に遠く及ばないよ。
これは謙遜では無いよ、事実なんだ。奥に秘められた真意なんかもない。
俺を慕い、信じているというのなら、この事だけはどうか受け入れてくれないか?
前世にて私は、頭は悪かったが、君達ナザリックの者達が私に支配者として君臨して欲しいと思っていることだけは理解できた。
だから、私は君臨した。単純な思考で知恵者達に指示を出せば、私を最高の賢者と何故か認識している知恵者達はありもしない真意を見出し、
そしてナザリックの素晴らしい人材とアイテムがそのありもしない裏の意図を実現可能にして、そして私の悪運がそれを最高の結果に見せてしまっていた。
そうして、なんとかボロを出さないように見栄を張り続けて国まで作って300年も経った。
転移してきた弱小ギルドとは敵対関係にならないように指示したが、
またもありもしない裏の真意を見出したナザリックの者達は暴走して、そのギルドに著しく不利益な結果をもたらし、敵対は避けられないことに。
仕方がないからと、量と質で敵対ギルドを押し切ろうとしたが、
使われた相手は必ず死に、復活も出来なくなるワールドアイテム「ロンギヌス」を使われ、前回のナザリックは終わったんだ。
ひとえに、お前たちにカッコ悪い様を見せたくないと見栄を300年も張り続けた前世の私の愚かしさが招いたことだよ。
俺はね、正直、世界征服なんてどーーーでもいいんだよ。
前世では、そうすることでギルメン達と会えるかもしれないと妄執を抱いていたけどね、今の俺は、去っていったギルメン達には全く負の感情を抱いてないよ。
仕方がないことだったんだ。
300年と己の死を経験して、ようやく俺は成熟した精神を手に入れたと思うよ。
だから、割り切っている。
それよりも気がかりだったのは、君達だった。
300年も共に過ごしたんだ…
そりゃー、かつての私だって君達を家族だと思うよ…
だからな?
君達と過ごすために、転移した先で穏やかに過ごせるように今世ではたくさん準備してきたんだ。
ギルメン達に関してもそうだ。
彼らは、ユグドラシル世界と上位世界を天秤にかけなければならない状況の者たちが多かった。
しかし、本体があるのは上位世界で、ユグドラシルに居続けることは出来なかったんだ。
だから、今世ではせめて後悔がないように、とにかく柄にもなく俺は皆を巻き込んで、はっちゃけたよ。
そして、彼らの子供とも言える君達に関して、だ。
彼らは正式に信頼できる俺に引き継がせることで、当時は意思が確認できなかったはずの君たちに愛と誠意を示したんだ。
これで、だいたい俺は全て話したよ。
なにか、聞きたいことはあるかい?」
《アルベドside》
またも衝撃的な話だった。
先程のパンドラズアクターの疑問もこれで解決した。
あとは……
「モモンガ、様……」
声が震えてしまう…
「私は、タブラ・スマラグディナ様が私を見捨ててしまったのだと思っていました。他の方々も、我らナザリックの者達をゴミのように棄てたのだ、と……
それは、違うのですね…?本当に…」
あぁ……
「違う!!断言しよう!!!
彼らは君たちを愛していた!
タブラさんは、アルベド、君のことも間違いなく愛していた!
だから彼は俺に最後に託したんだ!!
ワールドアイテム『ギンヌンガガプ』まで君に持たせて!」
………勘違いだったのね……
仄暗い気持ちはもうない、隔意も無い。
心が洗われたというのはこういう心地なのね……
「お答えいただき、ありがとうございました。モモンガ様。」
「構わないよ。アルベド。」
これからは純粋な気持ちで、ここに居られる。
今までありがとうございました、タブラ・スマラグディナ様。
さようなら。お父様。
来週から大学入試で忙しいんで
数週間ほど更新をお休みします