《デミウルゴスside》
モモンガ様からこの転移後の世界について教えられた私たち3人はすぐにアッシュールバニパルに向かい、モモンガ様が製本したという本を読んだ。
疑っていたわけではないがやはりモモンガ様がおっしゃっていたことは事実なのだろう。そこには確かに300年分の記録が詰まっていた。あまりにも細かく、そしてそれらには私たちナザリックのものが登場しているが今まで見聞きしたことは全くなかったのだ。
300年分の記録を読んでから私たち3人が感じたことは深い深い徒労感だった。
「歴史だけを見たのなら私たちはナザリック崩壊の最後の瞬間以外はずっと成功していたのだろうね。ただし、あくまでそれはモモンガ様の本当の想いを汲めていたのならば、という条件が付くようだけど……はぁ…私は自分が嫌いになりそうだよ…」
「私もよ、デミウルゴス…もしモモンガ様からの先ほどの情報開示がなければまた同じように暴走していたのかもしれないのよね、モモンガ様のお気持ちを置き去りにして、ね。」
「ンンッ父上はこの本には事実や事件だけを記録しているようですねぇ。まさにナザリックの歴史。おそらく父上の当時の心情や事件に対する評価を記録した手記もあるのではないかとも思うのですが…」
「…確かにパンドラズアクターの言うように手記の類はありそうだね…。あれだけ私たちに自分の意図を勘違いされたくないとモモンガ様はおっしゃられていたのだし、慎重な彼の方のことだ、きっとあることでしょう…
いや、これはモモンガ様がおっしゃる様な過大評価に入るのでしょうか…?
難しいですね…」
「私もそういわれると判断に困るわ…。パンドラズアクターはどう思う?」
「いえ、父上が頭脳明晰かは置いといても慎重な方であるのは間違いないでしょう。以前他の至高の方々が宝物殿にてよくお話になっていたのを覚えています。御方々曰く、石橋を叩いて叩いて安全を確認して橋を強化するがその後もやっぱり不安になって結局橋の上を飛んで渡るような慎重な性格であり、はっちゃけるようになったけどそこは相変わらずだ、と。
おそらくこれこそが父上の不変の気質なのでしょうねぇ。」
なるほど、そんなことが…
ん?これは…
「本当にありましたね。」
「はぁはぁ…ここにモモンガ様の素のお気持ちが…んんモモンガ様ァッ!」
「ふむ、やはりありましたか。アルベド様も読みましょうか、これを読めば当時の我々に対する評価も、モモンガ様が憂いていたことも、あるいは嬉しかったことも分かるかもしれません。もしかしたら好みの女性像も書いてあるやもしれませんよ?」
「!?
読みましょう!今すぐに!」
はぁ、アルベド…
我々に対する評価か…未来でのやらかし具合を知っているから怖いですね…しかし、モモンガ様のお気持ちを知れるという機会は非常に楽しみです。
なんというか、頭が痛いですね…。まさにモモンガ様がおっしゃっていたようにモモンガ様の意思とは違う方向に我々が暴走し、結果として上手くいって、その後始末をモモンガ様が尻拭いしていました。ナザリックの僕としてあるまじきことを300年も…
結果は我々の作戦や指針よりもいい方向に転がっていくから、モモンガ様も言い出せなかったのでしょうね。
「…」
「ッ…」
私と同じ思いなのか、アルベドもパンドラズアクターも言葉が出ないようです。
さて、いつまでも呆けていられませんね。
「私も二人と同じようにショックではあるけど、そろそろ今後の指針を立てないかい?モモンガ様からの指示もあるし、ある程度片付いて状況が落ち着けば食事会やお酒をモモンガ様と共にできるのだよ?」
「そうね、デミウルゴス。ではまずは防衛方針から始めましょうか。モモンガ様のお話と手記からわかるように、基本は専守防衛ね。これはもともとのナザリック地下大墳墓の性質に非常に相性が良いわ。それに加え、あとは物資さえ枯渇させなければまず問題はなさそうね。」
「父上が今世にてお創りになった施設のおかげで物資の枯渇は起こりそうにありませんね。まだ換金率はわかりませんが、細かい数字がわからなくても大丈夫なことはわかります。さすが“わたしの”父上です!」
「…言いたいことはありますが、それは後にしときましょう。情報収集に関しては後で恐怖公に話を通しておきましょうか。」
「うっ、き、恐怖公…。デミウルゴスにそれは任せるわね。私は情報共有用に文書を作っておくわ。」
別に構わないが、なにか押し付けられたような気がしますね。まぁいい。
ナザリックのために、迅速に仕事をこなしましょうか。
《モモンガside》
とりあえず今必要な指示は出したし、食堂に顔を出して食事会について料理長に話しておかなきゃな。ホムンクルス化、もとい人化のお披露目は食事会でしよう。みんな驚くだろうなぁ…
…………骸骨移動中……
「!?モモンガ様!」「ほんとだ、珍しい……」「日に二度もモモンガ様を見ることができるなんて!」
「料理長はいるかい?」
「はい!ただいま参りました!何か御用でしょうか?」
「実は今アルベドたちに今後に関する重要な指示を出していてね、それが済めばナザリックのものたち皆での食事会をしたいと思っているんだよ。人数も多いから前もって準備を頼みたくてね。」
「おお!それは盛大にしなければなりませんね。かしこまりました!」
「俺が死蔵していた食材アイテムも提供するから思う存分やってよ。あ、あと、俺も食べるから!二次会としてbarナザリックで守護者たちと酒も飲みたいからそれも頼んだよ。」
「なんと、ありがたく使わせていた、だ……!?モモンガ様もお食べになるのですか!?」
「みんなを驚かせたくて黙っていたけどそういう手段があってね。
ふふ…食事会でお披露目する予定だから内緒にしていてくれよ?」
「おお…おおお!ついにモモンガ様に私の料理の腕を振るう機会が!ナザリックの僕として、料理長としていつも以上に取り組ませていただきますモモンガ様!」
「楽しみにしているよ。」
よしっ、あとはスキル、魔法、装備の確認をして、そのあとは宝物殿のワールドアイテムを見ておきたいな。
あっ、オーレオール・オメガのいる桜花領域に顔を出して、分身スキルを使って外に出てもいいことを伝えておかなきゃ。
うーん、今世のリアルでも思ったけど、前回とは違って気持ちに余裕があるからいろいろなことに頭が回るなぁ…
はい、特に進展はないです。
ぶっちゃけネタ切れなので次の展開を思いつくまでしばらく空くと思います。
専守防衛を基本方針にすると話のメリハリがなくなって難しいです(笑)