これからユグドラシルを全力で楽しむために、生活に少しは余裕が欲しいな…
前世では、かなり厳しい暮らしの中で縋るようにユグドラシルにのめり込んで行った。できるだけ課金をしないと見栄を張っていたが、実際は課金するだけの余裕が無かっただけだ。
となると、だ。
前はなぁなぁでこなしていた仕事を真面目にするか。あの血なまぐさい世界で300年過ごし、かつ知識ゼロの状態から国まで運営してたのだ。
側近には、とんでもなく頭のいい者達がいた。
このくらいサラッとこなせないとな。
今改めて見ると、面白いくらい捗るな…
せめてデミウルゴス達に恥を晒さないようにと、一時期、凄く勉強したもんなぁ……
世界や分野は違くとも、やはり学ぶ機会があるだけでだいぶ違う。
俺がいるこの世界は、もう詰んでいるのだと本当に実感する。
技術は発展し切ってしまい、経済は停滞し、貧富の差も大きい。
ブレイクスルーを起こすような外科的要因も無し。
かつてのリ・エスティーゼ王国の方が下手したらまだマシかもしれないな。あそこは、私達がいなくてもバハルス帝国に飲み込まれていたし、そうなれば、肥沃な土地を手に入れた帝国はジルクニフの手で大きく発展しただろう。
仕事が早いからか生活にも心にも余裕が出てきた。
前世では、初期の方はユグドラシルの他にも趣味に金をつぎ込んでいたが、今はユグドラシルと自己投資にのみつぎ込んでいる。
なんちゃって戦士のモモンとして活動していた経験からか身体を動かすのは嫌いではない。
体術だったり格闘技だったり、とにかく余ったお金で色々手を出してみた。
昇進したことで、職場の優秀な同僚達とも仲良くなったし、前世の日本では知らなかった知識や書籍、専門書まで手に入った。
さて、今世でのキャラクタークリエイトに関することだ。
前世と全く完全に同じにするつもりは無いが、基本的な方向性は変わらない。
魔王ロールを重視した、死霊系マジックキャスター。
ただ、今世はもっと遊びとガチビルドを搭載したいと考えている。
前回はロールを追求するためだけに、ビルドを犠牲にし、それによって様々なことに制限がかかった。
(…まぁそれによって、戦術面はかなり鍛えられたが……)
特に異世界転移後の飲食睡眠不可というのがキツかった。
せっかくナザリックの設備が現実化したのにほとんどが私に意味がなかったのだ。
そんなの、勿体なさすぎるじゃないか!!!
私もあの子たちと食事をしたかったし!
BARナザリックで酒を飲みたかった!!
もっと言えば、
童貞のまま、ち〇こが消えたのは本当に辛かった。
あの骨の身体になったとしても、キャラ設定として擬人化により飲食、睡眠、生殖可能の1文を加えることを固く決意している。
あの世界での経験は、今様々なことに活きている。
仕事も資金運用も、
そしてユグドラシル初期においての戦いにおいても。
異形種狩りに遭っても、蓄積された戦闘経験によって、容易に撃退できる。
そして私1人でもなかなかの量と質のアイテムが集められる。
たっちさんとのあの運命的な出会いまでは、まだしばらく時間があるが、あの頃とは違って私はもう弱くはない。
たっちさんへのある種の偏執的な憧れも、劣等感も無い。
『私』と俺は、
初期のナインズ・オウン・ゴールのメンバー達とは、今世は対等な気持ちで出会えるということが、堪らなく嬉しかった。