「ねぇ、俺の子供たち、お前たちに話があるんだ」
守護者統括のアルベドが応える
「はっ、なんなりと。」
「これから俺はお前たちに信じがたい、もしくはとても信じたくないような話をするかもしれないけど、まずは全部話を聞いて欲しいんだ。お前達にとっては凄く悲しかったりショックなことだろうけど、今から話すのは全部本当のことなんだ。」
「?分かりました。」
「まずは1つ目。
先程の宣言時から俺たちは今までいたユグドラシル世界から全く別の世界にナザリックごと転移してきた。後で外部に索敵として下僕を出すように。魔法やスキルの仕様が変わった者もいるはずだから、後で確認しておいてくれ。」
「!?わ、分かりましたわモモンガ様。」
「あと、マーレ、ナザリックの外壁を汚しても構わないから周りの大地を盛り上げたり、木や森を生やしてナザリックの隠蔽をするように。幻術は後で俺がやっておく。」
「分かりました!モモンガ様!」
「次に2つ目だ。ギルメン達、君たちの親、創造主に関しての話だ。」
「「「「!?!?」」」」
「結論から言おう。彼らはもうこのナザリックに戻ってくることは無い。」
「「っ……そんな…っ………」」
「待て、詳しく話すからまずは聞いてくれ」
「…ふーっ……詳しく話すには俺たちプレイヤーという存在と、あのユグドラシル世界、そして君たちとの関係から話さなければならないね。
俺たちプレイヤーはな、元はみな人間なんだよ。ああ、お前たちが思ってるような人間種プレイヤーとは別だ。
俺たちプレイヤーがいる世界、これを上位世界と呼ぶぞ?
上位世界に住んでいた俺たち人間は、個々人は魔法やスキルのような特別な能力は持っていなかった。しかし、非常に優れた技術を持つ超巨大文明を築いていたんだ。
そしてその優れた技術は、仮想世界、お前たちからすれば、1つの確かな世界を作り出す程だった。その世界に自ら設計した化身を下ろし、意識を移してその世界で遊ぶことが俺たちにとっての娯楽だったんだよ。
あぁ、勘のいい者達は気づいたな?
そう、その仮想世界こそが俺達がいたユグドラシルだ…
ユグドラシルにおいて、人間種か異形種かの違いはな、自らが作った化身のベースにどちらを選んだか?という問題に過ぎないんだ。
気が合うプレイヤー達は次第にグループで行動するようになった。
そのグループのひとつが、ギルド『アインズ・ウール・ゴウン』だ。
自分の化身、アバターの能力が育っていき、余裕が出始めると、
自分達の眷属、子供をユグドラシル世界で一から作った。それがお前たちNPCだ。
特に俺たちアインズ・ウール・ゴウンのメンバーはな、
このNPC作成には凄く夢中になった。
何故かわかるか?
自分の夢、自分の理想、自分の趣味、自分の欲望…
これらを自分の手で、「こんなのがいたらいいなぁ」と昔思い描いたような存在を、自分の手で一から形にすることができるからだ。
それはもう熱心になったよ…
今のを聞けば分かる者もいるんじゃないか?
お前たちは全員、確実に、ギルメン達つまりは創造主達に愛されていたよ。
お前たちを形作る数多の装備、データ、細かい設定が、お前たちへの愛を、物語っているよ。
なぜ、ギルメン達はユグドラシルを去ったか、の話だがな?
俺たちの上位世界は、もう詰んでいたんだ。
教育で教えられる知識は制限され、
装備無しでは外出が出来ないほどの環境汚染が人間達の技術によって惑星レベルで進行し、
いくら働いても貧富の差が激しすぎて生活は楽にならず……
そんな、詰んでいて、苦しい世界だったんだよ……
だからこそ救いを、娯楽をユグドラシル世界にみな求めていたんだ。
ギルメン達の多くはそんな苦しい状況だった。
上位世界での生活を優先してユグドラシル世界を去って行ったんだよ。
俺はそんな彼らを止めることはなかった。俺もまたその苦しい世界に住む1人だったから、気持ちはよく分かったんだよ。
だからこそ、色んな事をしたよ。とにかく悔いが残らないように。
気持ちよく送り出すように。
お前たちは愛されていたよ。
だからほら、皆そのまま何も言わずに捨て置かれはしなかっただろう??
彼らは、俺に正式に引き継ぎをして、君たちを俺に託して行ったんだ。
ひとまず、一旦話は終わりだ。
ショックだったりするだろう…
1時間後に、守護者とプレイアデスのみ、玉座の間に集まってくれ。一旦解散だ。
では、俺も私室に行く。」