休日のグリフィン。カリーナの彼氏が彼女を迎えにやってきたようです。
指揮官と人形たちがその彼氏とお話しします。


『ザ・アウトロー』という映画のパロディです。

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カリーナのボーイフレンドとお話してみた(ザ・アウトローネタ)

 指揮官:元正規軍。強面で背丈は二メートル以上。腕にタトゥーの入った黒人男性。事情がありカリーナのことは小さなころから知っていて肌の色こそ違うが娘みたいに扱っている。

 カリーナ:指揮官には娘みたいに扱われてる。初めてのボーイフレンドができた。

 スプリングフィールド:指揮官と長いことコンビを組んでいた。カリーナを子供みたいに扱う

 ロニー:カリーナを迎えに来た彼氏。線の細い純朴な青年。

 

 

 


 

 

 

 

 5月1日。この日は祝日でグリフィンも休日シフトに入っているが、責任ある立場の人間が一人はいなければいけないということで指揮官は基地の外に出れない。

 指揮官は外に出れないのだが、後方幕僚は完全OFFで外出ができる。今回の物語はそんな広報幕僚の私室から始まる。

 

 

「これでバッチリですわね」

 後方幕僚ことカリーナは小さくガッツポーズをした。普段は制服を着崩したスタイルにグリフィンのジャケットを着ているが、今日は普段以上にばっちりメイクをして、ボディラインがはっきりわかる赤いワンピースを着ている。

 カリーナ部屋を出て、スプリングフィールドがやっているカフェへ向かう。スプリングフィールドはいつもと雰囲気が違うカリーナの様子に驚いたようだ。

「あら、カリーナさん、とっても素敵よ」

 スプリングフィールドの反応にカリーナは気を良くする。彼氏も喜んでくれるだろうか。

 

 少し離れた席で指揮官は新聞を読むふりをしてカリーナとスプリングフィールドの様子を見ている。小さいころから知っている娘の成長に感慨深いものを感じている。それを見られないように新聞で顔を隠しているが他の人形たちにはバレバレだ。

 

 コーヒーを飲み談笑していると、受付を担当する人形からメッセージが来た。

 

「カリーナさんに面会だって。ロニーって男の人。今応接室で待ってもらってる」

 

 スプリングフィールドはQSB-91にこの場を任せ、カリーナと一緒にロニーという名の男性を迎えに行く。

 こっそりと指揮官もついていく。指揮官もいつもの制服ではなく、タンクトップにカーゴパンツのラフな服装なのだが、背丈は二メートル以上で丸太のような太い腕。そしてその腕にはタトゥーが刻まれている。グリフィンの指揮官というよりかはマフィアの用心棒のような外見だ。一度本社に出張に行った帰り、G41と街を歩いていたら誘拐犯と間違われた。

 

 

 


 

 

 

 ロニーは応接室で緊張しながら待っていた。平和な地区で育ったロニーにとってPMCとはどのようなものかいまいちピンとこない。受付の女の子も変わった服装をしているが物々しい見た目ではない。少し待っていると、カリーナが入ってきた。普段のカリーナは可愛い系だが、今日は大人っぽく見える。

 

「ロニー、もしかして似合わなかったかな」

 カリーナが不安そうな表情で問いかけてくる。ロニーは慌てて否定する。

「そんなことない。とっても素敵だよ。素敵すぎて言葉が出なかったんだ。とっても素敵だよカリーナ」

 そう言って、カリーナの手を握るロニー。

「ロニー、あなたも素敵よ」

 甘い空気になりかけたところでカリーナは後ろにスプリングフィールドがいたことを思い出し紹介する。

「この人はスプリングフィールドさん。私のお姉さんみたいな人で、指揮官の副官をつとめているの」

「はじめまして、ロニーと申します」

 ロニーは姿勢を正して挨拶する。礼儀正しいロニーの様子にスプリングフィールドは好印象を抱く。

「姉のような方がいるって聞いたけど、なるほど。美人姉妹だ」

 

 和やかな雰囲気になり、応接室を出て玄関に向かおうとした三人の前に指揮官が現れる。

 カリーナが指揮官を紹介する。ロニーは先ほどと同じように挨拶したが指揮官は黙ったままだ。気まずい空気が流れる。

「ちょっと話がしたい。こっちに来てくれ」

 そう言って指揮官はドアを開け、階段を下りていく。ロニーは戸惑いながらも指揮官についていく。カリーナから、指揮官には小さいころから面倒を見てもらっていて、父親のような存在だと聞いていたからだ。

 

 地下室のドアを開け、指揮官はロニーを招き入れる。ロニーは怯えながらも地下室に入る。

 地下室にはトレーニング機器が置いてあり、複数の戦術人形がいる。

 指揮官とロニーが部屋に入ってきた瞬間、彼女たちはトレーニングをやめ、一斉にロニーの方を見た。

 ロニーは入り口からここまで温厚そうな見た目の戦術人形しか見ていなかったため、怖そうな顔をした戦術人形たちを前に恐怖で硬直する。

 

 この部屋にいる戦術人形はAK-15、MG5、Vector、M6 ASW、NTW-20、ディフェンダー、KLIN、G36、エクスキューショナーの九名。ダンベルを打撃武器のように持っているエクスキューショナー、銃を握りしめたままのMG5、弾の入ったマガジンを装填しチャージングハンドルを引いたNTW-20、火炎瓶の準備をしているVector。ディフェンダーは今にもとびかからんばかりに瞳孔が開いて血走った目でロニーを見つめているし、AK-15はダンベルを握りつぶした。呼んだ覚えがないのにいるKLINは腕を組んでドヤ顔している。G36は視線だけでロニーを殺しそうだ。

 

 指揮官はロニーの肩を叩き、ゆっくり語りかける。それを合図に人形たちが立ち上がる。

「よく聞け。この十数年、彼女を守るのは俺一人の責任でやってきた。その責任を今日初めて、人の手に渡す。失敗するなよ」

 指揮官がそういうと人形たちが一歩近づいてきた。余りの恐怖に後ずさることすらできないロニー。そして指揮官は言葉を続ける。

「でなきゃ一生車いすに乗る羽目になる。できる限り穏やかに伝えたが、わかったか」

 指揮官の言葉と人形たちの威圧感にロニーは恐怖し、視線が定まらず、口の中が乾ききっているが、なんとか声を絞り出した。

「はい。はい、わかりました」

 ロニーの返答にエクスキューショナーが鉄血の言語で詰め寄る。

「████ー████████████████。████████████████████」

 胸倉をつかみかからん勢いのエクスキューショナーが詰め寄る。何か言っているが機械言語で聞き取れない。MG5がエクスキューショナーを制止する。

「よせ、もういいって。こいつはあえて嬉しいって言ってる。“楽しい夜を”と」

 

 

 どう見てもそんなこと言っていないが、納得するしかないロニー。

「11時半に戻れ」

「わかりました。11時半に戻ります」

 

 ロニーはドアを開け、カリーナのところへ向かった。指揮官も送り出そうと後に続くがMG5達の方を振り返る。

「分かってくれたようだな」

 

 指揮官は笑顔を浮かべ、カリーナたちのもとへ向かった。

 ドアが閉まり、数秒たつと、部屋にいた人形たちは大笑いし、ハイタッチし、盛り上がった。あのAK-15ですら、仲間とハイタッチをし、Vectorも機嫌よさそうに笑っている。

 

 なお、ロニーとカリーナはきっちり11時半に帰ってきた。

 

 

 

 




おまけ


カリーナ「もし11時半に帰ってこなかったらどうなさるおつもりだったんです?」
指揮官「帰ってくるさ。じゃなきゃロニーが家に帰れなくなるからな」(後ろで頷く人形たち)




映画『ザ・アウトロー』公式ツイッターアカウント:@WildvsClever

『ザ・アウトロー』字幕版(AmazonPrimeビデオに繋がります)
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B07N49ML3T/ref=atv_dp_share_cu_r

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