緊張が高まる東シナ海。同海域で訓練中の第2護衛隊群の八隻に統合幕僚監部よりとある一報が入る。この物語は日中開戦前夜の東シナ海にて最初の一撃から日本を護った男たち物語である。


※作者は一般人であり、自衛隊関係者ではありません。そのため、セリフや行動はあくまで作者個人の妄想であり、本来とは違う可能性があります。
※この作品は作者が初めて書いた小説です。おかしな点は指摘していただけると嬉しいです。

カクヨムにも投稿しています。

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ミリタリーにわかが授業中に妄想したことを文字に起こしました。指摘等コメントしていただけると嬉しいです。


満月二 飛沫ヲ上ゲシ 鋼城

 満月が照らす深夜の東シナ海、輪形陣を組み大海原を進む八隻の鋼の城。右側面を警戒する護衛艦あしがらの艦橋では艦橋要員があわただしく動いていた。

 

 救命胴衣に身を包みヘルメットをかぶりながらそれぞれが決められた持ち場へ動いている男たち。赤色灯に照らされた男たちの表情は、冷静を装うもの、 緊張して顔が引きつるもの、興奮をあらわにするものなど様々だった。その中でも最も多かった表情は怒りだ。それも無理はない。つい先ほどCIC (Combat Information Center)戦闘指揮所にいる砲雷長より告げられた一報が男たちの表情を険しいものに変えたのだ。

 

 さて、なぜこの一報が艦橋の男たちの表情を険しくしたのか、それを説明するには少し時間を遡らねばなるまい。

 

 それは突然だった。いや、可能性があったとはいえまさか本当に起こる考えられないことだった。ただ、それは脅しではなかった。

 

 「統合幕僚監部より入電。宮古島分屯基地警戒管制レーダー、米、嘉手納基地及び日米両警戒衛星が目標を探知。山東省莱蕪市発射基地より二発、 及び河北省滄州市発射基地より二発、計四発の弾道ミサイル、コードCSSー5の発射を確認。」

 

 通信士官は淡々と伝える。

 

 「腰抜けかと思っていたが、まさか本当に打ちやがるとは。俺たちはとんだ当たりくじを引いちまったようだな。」

 

 艦長がぼそりと愚痴をこぼす。

 

 「各部、対BMD戦闘配置に着けよ。旗艦に連絡、『我これよりBMD戦闘を行う。』」

 

 「了解、各部、対BMD戦闘用意。これは演習ではない。繰り返す、これは演習ではない。」

 

 艦長の指示に対して砲雷長の復唱とけたたましいサイレンが艦内全域へ放送で伝える。

 

もうお分かりだろう。艦橋の男たちの表情を曇らせたのはこの号令だ。

 

 「SPYー1レーダー送信開始」

 

 砲雷長の指示を受けたSPYレーダー員は索敵を開始する。

 

 「SPYー1レーター目標探知。間違えありません。レーダー上で四発の目標を確認しています。」

 

 続いてレーダー士官も報告する。

 

 「敵弾四発。目標を以降a(アルファ)、b(ブラボー)、c(チャーリー)、d(デルタ)と呼称する。警戒中のきりしま、みょうこう、米軍のマクキャンベル との情報共有を開始する。以降aをきりしまへ、cをみょうこうへ、dをマクキャンベルへ引き継ぐ。本艦はbを対処する。システムをBMDモードに

 

 艦橋へ、第四戦速、面舵三十度、ヨーソロー。」

 

 艦長は素早く指示を出す。

 

 「対BMD戦闘、CIC指示の目標。SMー3攻撃はじめ。」

 

 艦長から射撃の許可が下りた。間を置かず砲雷長が指示を飛ばす。 

 

 「目標b、アサイン、トラックナンバー1452へ、エンゲージ。SMー3。」

 

 砲雷長の指示に従い、ミサイル員はSMー3を発射する。

 

 「CIC指示の目標、リコメンス・ファイア。てぇー。」

 

 ミサイル員が言葉を放つと同時に押されたスイッチによって点火されたSMー3は満月の夜空を背に轟音と火を散らしながら空へと羽ばたいていく。

 

 「SMー3、バーザウェイ。」

 

 僚艦のきりしまもSM-3を打ち上げる。夜空に光る四発のミサイルは花火であるかのような美しい火花を散らし空へと駆け上っていく。

 

「本艦のSMー3は無事打ちあがりました。きりしま、みょうこう、マクキャンベルも同様にそれぞれの配分目標に対して打ち上げました。」

 

艦長がつぶやく。

 

「あとは命中を待つのみか。」

 

SM-3発射から1分40秒が経過した。ミサイル士官が伝える。

 

「間もなく目標に着弾です。」

 

さらに10秒経過した。

 

「インターセプトまで10秒」

 

ミサイル士官は秒読みを開始する。

 

「9,8,7,6,5,スタンバイ!マークインターセプト」

 

レーダー士官は興奮をあらわにする。

 

「本艦のSM-3、ターゲットbを撃破、きりしま、みょうこう、マクキャンベルも各目標を撃破。防衛成功です。」

 

CIC内には静かな歓声が巻き起こる。戦闘中であるから声を上げて喜ぶことはできない。しかし、それぞれが静かに迎撃成功という四文字をかみしめる。

 

 目の前で見たのではない。確認したのはレーダーの画面上でしかない。しかし、確かに男たちは日本を護ったのだ。

 

 

 

 これは開戦の初めの一手に過ぎない。これから戦いは激化するだろう。それでも彼らは戦い抜くだろう。




ある程度知っているオタク向けなので一般受けはしないと思いますが、これからも書きたいものを書いていこうかなと思っています。

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