銀魂の世界に蓬莱のお姫様が迷い込んだ話   作:芋けんび

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一国傾城篇に入ります。
原作とは違うオリジナルの要素があるので注意してください。

ヤンデレタグを追加するか悩む…。


一国傾城篇
傾城逆転


 

 

人が生きると書いて「人生」と読む。

 

なら、何度死を迎えようと生き返る生き物は「生きてる」と果たして言えるのだろうか?

 

どんなに惨たらしい最期を遂げても人生の終着が訪れない。

 

死して苦しみから開放される事は無上の喜びだとボクは思う。

一体どれだけこの苦しい現実から早く逃れたいと願ったことだろうか。

 

この世は非情で、人は自分達と違う「異端者」を良しとはしない。

 

忌み子として人間達から迫害される辛い毎日。痛みを和らげる最も効果的な方法は、痛みそのものを忘れること。

 

だからその痛みから逃げる為に──ボクはボクを生み出した。

 

この痛みも苦しみも自分が受けてる訳じゃない…そう思い込むと不思議と気持ちが和らいだ。

 

助けて、許して、と呻いてもその声に耳を傾けてくれる人物など誰もいない。

 

それもそのはずだ。余計なことをすれば今度は自分も標的にされるからだ。

 

だから誰も彼もが見て見ぬふりを続ける。青アザになるほど暴力を振るわれようと人々は何食わぬ顔で通り過ぎ、地面に這いつくばってても誰も助けてなどくれはしない。

 

終わりのない辛い現実にボクは全てを諦め現実逃避をした。

 

「……っ」

 

フラフラになりがらも立ち上がり、近くにあった木にもたれ掛かる。

 

疲弊した心は既に壊れそうだった。

 

一体いつまでこの苦しみは続くのか。

俯きながら溜め息を零す。

 

ふと、自分の右頬に温かい感触を感じ取り顔を上げる。

 

「誰…ですか?」

 

警戒心を抱きながら自分の背後を振り向けば、そこに立っていたのは高級感のある紫と白を基調とした着物に身を包んだ長い黒髪の女性だった。女性は悪戯が成功した子供のように笑っている。

 

「私?私は蓬莱山 輝夜よ。…あっ、動かないでちょうだい。顔の泥を落とせないわ」

 

そう言ってボクの目の前で女性が屈んだかと思えば、小さい白い布の様な物でボクの顔に付いていた泥を拭う。

 

どうしてこんなことをするのか…。ボクにはそれがわからなかった。

 

「…あの、ボクに関わらない方がいいですよ」

 

「あら、どうして?」

 

「ボクは決して死ぬことができないバケモノであり、人に恐れられ疎まれる「鬼」なんです。だから…ボクと関われば、あなたは絶対に後悔します」

 

ボクの言葉に女性が一瞬キョトンとした表情をする。

 

言った。

 

言ってしまった。

 

でも、これでいいんだ。ボクを助けたら、この人まで標的にされてしまう。ボクのせいで誰かが不幸になるなんてイヤだ。それだけは絶対にあっちゃいけない。

 

 

早く、早くボクから離れ───────────

 

 

()()()()()()()()?」

 

「え?」

 

「私は気にしないから大丈夫よ。貴方、名前は?」

 

「ええと…」

 

ボクから離れる所か、更に距離を詰めてくる女性になんて返せばいいかわからなくなり黙り込んでしまう。

 

本当に何なんだろうこの人は…。どうしてこんなにボクを気にかけてくるんだろう?

 

「ない…です」

 

「名前がない?……そう。なら、私が名付け親になってもいいかしら?」

 

「え?あ、はい。よろしくお願いします…」

 

「うーん、そうねぇ。太郎。ポチ。タマ。ゾ〇リ。コ〇ソン。ビ〇ス。…ダメね。どれもあなたにピッタリな名前じゃないわ」

 

「……」

 

「あっ、“うつろ”なんてどうかしら?」

 

「うつろ?」

 

「貴方の顔を見てたらピンときたの。それで、どうかしら?」

 

「いい…ですよ…」

 

無言で首を縦に振る。名前がどのようなものであれ、ボクは名を与えられただけで嬉しかった。

 

ようやく初めて人間になれたような…そんな高揚感で心が満ちる。

 

「ふふっ、なら決まりね。今日から貴方の名前は“うつろ”よ」

 

「うつろ…」

 

「私もね、死ぬ事ができない体質なの」

 

「……!ボクと同じ…?」

 

「ええ。まぁ私の方が長く生きてる分、あなたの“先輩”って事になるのかしら。ふふっ、何でも私に聞いていいのよ?」

 

おどけながらボクの頭を右手で撫でる。壊れやすい骨董品を触るような優しい手つきに瞳を閉じる。

 

──初めてだった。自分に恐れも疎ましくも思わない人間に出会ったことが。

 

──初めてだった。ボクと同じ性質の変異体の人間にあったのが。

 

 

 

 

ああ…。

 

 

 

この感情は一体何なんだろう───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……また…ですか…」

 

最近よくこの夢を見る。遠い昔の私の幼い記憶。「あの方」との出会いこそが「私」の誕生であり、始まりだった。

 

私の境遇を聞いたあの方は「じゃあ、私がうつろの保護者兼師匠になってあげましょうか?」と微笑みながら言ってくれたのを今でも覚えている。

 

全てを包み込むような慈悲深い温もり。

 

どんなに辛い現実でも、あの方が傍にいてくれるだけで幸せと感じることができた。

 

同時にこんな素晴らしい人物になれたらと憧れもしていた。

 

よく微笑むあの方を真似して自分も微笑んでみるが、どうもあの方ようには上手くいかない。

 

『蓬莱山 輝夜』

 

ちょっとした仕草や纏う雰囲気、身なりから想像はできていたが、あの方は私など比べ物にならないくらいかなり身分が高い人物だった。

 

城に住んでいると言われた時の当時の私の表情はさぞ滑稽なものだったに違いない。

 

一度だけ「勝手に城から抜け出して大丈夫なんですか?」と聞いた事がある。

 

私の問いにあの方は花が咲いたようにニコニコ笑いながら「んー、大丈夫じゃないかしら?“散歩をしてくる”って置き手紙は残してきたもの」と悪戯っぽく笑いながら言っていた。

 

まさか「城の外」に散歩に出掛けているとは誰も想像してなかっただろう。

 

 

「私に学を、そしてこの剣術も全ては師に教わったもの。勝手に教えるだけ教えて行方を眩ませるなんて…酷いお人ですね」

 

私の師は自身のことは余り教えてはくれなかった。

故に謎の多き人物でもあった。

 

私が知っていることと言えば、

 

「地球の外から来た異星人」

 

「この世のありとあらゆる事象を無に変える特技がある」という事だけ。

 

2つ目に関しては頑なに口を閉ざしていた為、具体的にどんな力なのかは私には解らない。

 

「天導衆という地位を利用すれば、何か情報が集まると思っていましたが…。そう簡単にはいきませんか」

 

どうやら自分はかなり執着心が強いらしい。ここまで他人が気になるなんて自分でも思いもしなかった。だが、一度知ってしまった以上は止められない。

 

 

 

どんな手を使ってでも居場所を突き止める───────

例え、それで師弟関係が壊れる事になったとしても…。

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

 

「まさか神楽が将軍の妹君と親交があるたァ思いもしなかったぜ。一体いつからそんな顔が広くなってたんだ?」

 

「でも、神楽ちゃんのお陰で何とか江戸城内部には入れましたよ」

 

「入れはしたがよォ、これからどうすんだ?あの爺さんと番犬と姫様がいたんじゃどの道思うようにゃ動けねーだろ」

 

城内の廊下を歩きながらヒソヒソと話し合う銀時と新八。

 

「主ら、何をコソコソ話しているんじゃ?」

 

「つ、月詠さん…」

 

「月詠」と呼ばれた金髪の美女が怪訝な顔をしながら二人の会話に混ざる。紫色の瞳を持ち、顔の左側には自身でつけた縦横2本の大きな傷跡がある。

 

地下都市吉原桃源郷の自警団「百華」の頭領であり、「死神太夫」の異名で恐れられる吉原最強の番人でもある。

 

「城内の何処を見渡しても賊を警戒した殺気ムンムンの奴らばっかだぜ。本当にこんな状況で先代将軍に宅配地獄(デリバリーヘル)をプレゼントするってのか?」

 

銀時の問いに対して無言で瞼を閉じる月詠。何かを決心したように目を再び開くと、客人用に出されたお茶を一口飲んだ後、「…無論じゃ。わっちの覚悟はとうに決まっている」と返答する。

 

「困りましたね…。姫様に話してみますか銀さん?」

 

「姫様に吉原の事情を話せってか?そんなの姫様の隣にいる爺やとそこの番犬が許すわけねーだろ。第一、いたいけなお姫さんまで事に巻き込めねェよ」

 

“そこの番犬”とは、銀時達からは離れた位置で木にもたれかかって此方を監視する見廻組副長「今井 信女」のことである。

 

彼女がここにいる理由は同じ見廻組であり局長の「佐々木 異三郎」の命によるもの。穴が開くほど観察されているこの状況で下手に城内を歩き回るのは得策ではない。

 

 

「こんな石っころ1つが国宝級の価値があるとはにわかに信じがてェ。そこらの川で探したらすぐ見つかりそーだぜ。今からでも遅くはねェ。やっぱ押し返して…」

 

「ダメですよ銀さん。せっかく輝夜さんから貰った石なんですから大事にしないと」

 

「ンなこと言っても、どっからどう見ても何の変哲もねーただの石ころだろうが。「実は賢者の石でしたー」みたいな展開もなさそうだしよォ。本当に大金が山ほど貰えるような価値がコイツにあんのか?」

 

「ぐーやんは「江戸を案内してくれたお礼」って言ってたアル。きっと卵かけご飯がたらふく食べられるぐらいの“価値”がこの石にはあるはずネ」

 

「どうも嘘くせェ」と言いながら銀時がズボンのポケットに宝石を乱暴にしまい込む。

 

「神楽ちゃん。ぐーやんさんって?」

 

「そよちゃんと同じキラキラの着物のすっっっごいブルジョワの姫様ネ。きっとそよちゃんとも仲良くなれるアル!」

 

「まぁ!それは是非ともお会いしてみたかったわ」

 

現将軍の妹君と神楽、そしてあの自由奔放な姫さまが揃ったら何だかカオスな場面が生まれる気がする、と銀時は女子トークで盛り上がっている二人をボォーと見ながら考えていた。

 

『そんな呑気に寛いでていいの?城内には貴方達を監視している者達が至る場所にいると言うのに…』

 

「……」

 

「そよちゃんそよちゃん!今日は何して遊ぶ?鬼ごっこでもしよっか!」

 

「鬼ごっこ?楽しそう!やってみたい!」

 

「いけませんぞ姫様、鬼ごっこなどはしたない!」

 

『鬼ごっこ…いいわねぇ。楽しそうね』

 

「…やっぱり厳戒態勢が敷かれてるこの状況で他のお偉い様に会うのは難しいですよツッキーさん。まして、正攻法では…」

 

「つまり、自由に城内を動き回るには、爺やとあの番犬を引き剥がせばいいんじゃな」

 

『それはそうですけど…。銀さんはどう思います───銀さん?」

 

「なぁ、何か変な声聞こえねーか?」

 

「声?…いえ、僕には聞こえませんが…」

 

「わっちもじゃ」

 

ギギギ…という擬音が付きそうなロボットのような動きで横にいる新八達の方を向く銀時。表情はまるで幽霊でも見たかのように怯えきっており、顔は真っ青だった。

 

「え、ウソだろ…?お前ら聞こえねーの?」

 

「こんな時に冗談を言ってる場合か銀時」

 

「冗談じゃねええええええ!!本当に聞こえたんだってば!」

 

 

 





輝夜「え?剣術?あー、あれね。アレは私の当時の付き人だった御老人が私に教えてくれたものよ。あの子には教わったことをそのままそっくり教えただけ。私の流派じゃないから勘違いしちゃ駄目よ」

輝夜の戦闘描写はあった方がいい?

  • できればあった方が良い
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