銀魂の世界に蓬莱のお姫様が迷い込んだ話   作:芋けんび

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Q.蓬莱山輝夜ってこの作品では味方なんですか?敵なんですか?

A.時には自由奔放に周囲を混乱させて、時には意味深なことを呟き周囲を助ける。あまりにもマイペースな姫様。


「国取り」より「国盗り」って書いた方がなんかドキドキするよね

 

 

「見廻組の佐々木殿が捕まったぁ!?」

 

「でっけぇ声出すんじゃねぇよ。殿中に賊の侵入を許した上、将軍様の御身を危険に晒したなんざ幕府開闢以来の不手際だからな。上はこの事が外部に漏れないよう細心の注意を払えだとよ」

 

「佐々木殿が…そんな大罪を…」

 

佐々木は「剣をとれば二天、筆をとれば天神」という文武両道な生粋のエリートで、先の真選組と見廻組の対立は二人にとっては記憶に新しい。

 

あの対立で両者の関係性は悪化。元々お互いがお互いを疎ましく思っていただけに、亀裂が生じるのも早かった。

 

「だが、どうも臭ぇ」

 

「え、臭い!?何が!?」

 

「上はロクな取り調べもしねーまま明朝に佐々木と賊を処刑するなんてのたまってる。どうも何かをモミ消そうとしてるとしか思えねぇ…ん?近藤さん?」

 

「あー、良かった。スカしたのバレたかと…。おう、そうだな。確かに薮蛇臭ぇが…まずは佐々木殿に事情を聞くのがいいだろう」

 

 

 

 

 

 

 

 

***** *

 

 

 

江戸城を一目見ようと須臾の中に潜り込んで目的の場所に来てみると、面白い場面に出くわした。

 

「あれって万事屋さんかしら?」

 

万事屋さん達と別れてまだそれほど時間は経っていないはず。それなのにこんなに早くまた万事屋さんと再会するなんて…。今日は面白い日ね。

 

私が銀ちゃんさんに渡したあの石ーー

 

アレは別にあの石を持っているからといっても特別な能力が目覚めるとか、そんな大層な代物ではない。

 

見た目は路上に転がってる石と何ら変わりないが、売り払えば一生遊んで暮らせるだけの価値のある石。

 

彼らが石の真価に気付くかどうかはわからないけれど、江戸を案内してくれた私からの些細なお礼。

 

そんな高価な代物を簡単にあげても良いのかって?

 

ふふっ、大丈夫よ。

 

私には必要のないものだもの。

 

 

 

 

 

 

 

 

先代将軍にまんまと泳がされ敢え無く御用となった銀時達。牢屋には既に新八と神楽が捕らえられていた。

 

しかし、先に捕まっていたのは万事屋の二人だけではない。

 

「信女さん。姫様方の身辺警護を貴女に任せたはずですが…。一体何を仕出かしたんです?」

 

「それはこっちの台詞。異三郎こそどうしてここに居るの?」

 

「私は彼等を外まで警護していただけです。間違っても法に触れる真似などしてませんよ」

 

「だったらなーんで俺達と一緒に牢にぶち込まれてんだ。明らかにヘマやらかしたから捕まったんだろうが」

 

「エリートの私がヘマなどする訳がないでしょう。勘違いしないで下さい。私は敢えて捕まったんですよ。誰か助けて下さい」

 

「助けてって言ったよこの人!?かっこいいセリフの後に物凄いかっこ悪いこと言ったよ!?」

 

「大方の事情は彼等から聞いてます。鈴蘭の為とはいえ、無計画にも江戸城に入城して先代将軍と接触しようと試みる。見上げたその根性と勇ましさは褒めましょう。ですが、それは無謀というものです」

 

「缶蹴りはエリートの私もやりたかったですがね」と冗談か本当かわからない事を無表情のまま話す。

 

「なら、今度は異三郎が鬼」

 

「それはいいですね。見つけた人を撃ち抜いていく。このルールを追加してやりましょうか」

 

「怖いんですけど!?もうそれ缶蹴り関係なくないですか!?」

 

「クソ…一体どうすりゃいいんだよ。このままじゃ明日の朝には処刑されちまうぞ俺達」

 

「心配せずとも大丈夫ですよ。こんなこともあろうかと既に手は考えてあります。エリートに抜かりはないですからね」

 

「それって一体…」

 

「何でおめーらがここにいんだ!?」

 

牢屋に響き渡る大声に全員が開けられた扉に注目する。そこに立っていたのは事情聴取をしに来た真選組の近藤と土方であった。

 

「随分と遅かったですね、お二人とも。首を長くしてお待ちしていましたよ」

 

「佐々木殿…。これは一体どういうことです?それにお前らまで何でここに…」

 

「俺らはあの狸ジジィに用があって此処に来ただけだ。誤解するんじゃねーぞ。ちゃんと許可取って入城してんだからな」

 

「狸ジジィ?もしかして、定定様のことか?だとしてもあまりにも無謀過ぎる行動だろーが」

 

「城に潜入したまでは良かったんだがなぁ…。缶蹴りで将軍の額撃ち抜いてこの有様…っておいコラ!どこ行きやがんだ!?」

 

手に負えないとばかり扉を閉める。汚れは洗剤で綺麗に洗い流せるが、こびり付いた頑固な心の汚れはどんな洗剤でも落とすことはできない。

 

「旦那ー。土方さんも言ってやしたけど、それは無謀ですぜ。まぁ、そこのエリート様まで事件に加担してたなんざ驚きですがね。この事を将軍様が知ったらなんて言われるんだろーね、見廻組のお二人?ああ、ごめん。ンなことしなくてもとっくに潰れたんだっけ?」

 

ぬがああああ!ポンテリングよこせぇぇぇぇぇぇ!!

 

そっち!?ぎゃあああ!股が裂けるぅぅぅぅ!?

 

「すいませんね。ウチの信女さんはドーナツには目がないもので。くれぐれも発言には気を付けた方がよろしいかと」

 

総悟の足を引っ張ってドーナツの入った箱を奪い取る。もう片方の足を神楽が引っ張り「晩飯寄越せやゴラァ!」と此方も手が付けられない猛獣と化していた。

 

「件の幕臣連続暗殺事件。私はその真なる容疑者は先代将軍ではないかと睨んでいます」

 

「定定さまが!?なんだってそんなことを…。確かなのかそれは」

 

「間違いない。そして、それを実行できるだけの切り札があの狸ジジィにはある」

 

「切り札…?一体なんだそりゃ」

 

天照院奈落(・・・・・)。古来より時の権力に利用され、影より国の采配に関わってきた暗殺組織」

 

「私の言葉を疑うも信じるも、あなた方次第ですよ。どの道、我々は明朝に処刑され、見廻組の取り潰しも時間の問題ですからね。なので、私は残した遺言状でもあなた方に預かっていただくとしましょうか」

 

懐に手を入れて一枚の手紙を取り出すと土方に手渡した。

 

「遺言状だぁ?随分と用意周到じゃねーか。まるでこうなる事を予想してたみてぇな口ぶりだな」

 

「エリートに抜かりはないんですよ。ああ、今は開けないで下さいね。実行するのは深夜にお願いします」

 

 

 

 

 

*****

 

 

 

「神楽ちゃん達の気配を追ってきてみれば、何だか大変な状況になってるわね」

 

牢屋の中に侵入して会話を盗み聞きする。さっきはそこでお菓子?を頬張っている女性に危うく斬られそうになったけど、今度は能力を調整してるから問題はない。

 

白い服の男性が刺されそうになっていたから慌てて助けてしまったけども、あれで良かったのかしら。

 

どうも万事屋さん達は厄介事に巻き込まれているわね。

 

私としては、お城巡りよりも楽しそうな場面に出くわせて良かったと思っている。

 

「私が小さい頃に爺やに聞かされた寝物語を聞かせてあげます。とってもつまんなくてスグ眠れるんです。あのね、むかーしむかーし…」

 

「「「ぐがー」」」

 

「どんだけつまんねーんだテメーら!失礼だろォ!!佐々木さんまでなにシレッと参加してんですか!」

 

話始めた物語はとっても悲しいものだった。

 

家来とお姫様の身分違いの恋物語。

 

殿様の奥方はとても殿様を大切にしていました。

 

殿様はそんな姫様の気持ちを利用して、姫様にヒドイことばかりやらせていたという。

 

叶うはずはないと理解しているからこそ、男性は思いをずっと胸に仕舞いこんでお姫様の涙を拭い続けた。

 

彼女に飽きた殿様はお姫様を始末しろと家来に命じる。

 

しかし家来は、愛する人を殺めることなどできなかった。

 

『一緒に牢獄から抜け出そう。次の満月の晩、あなたを迎えに来る』

 

そうして二人は月に照らされた綺麗な夜に、約束の指切りげんまんを交わしました。

 

全てを知っていた殿様は、家来の片腕を落とした。

 

『会えば姫様を殺す』

 

二人の約束は死よりも重い鎖に変わりました。

 

例えーーシワだらけの醜い老人になろうとも。

 

例えーー姫様が彼を忘れたとしても。

 

彼女に会えるその日まで、生き続けようと、そうして家来は三本の足で這いつくばって生きているのです。

 

「片腕の家来…?あのお爺さんも片腕がなかったけど…。ひょっとして、そのお話はお爺さんの実話なのかしら…」

 

「そして、姫様と家来はーー」

 

「いい…もう結構です姫様」

 

「すいません。やっぱり眠れませんでしたか?」

 

「そっから先は知ってんのさ」

 

「起きなさい信女さん。そろそろ時間ですよ」

 

「そこを開けてくださいますか姫様」

 

「え?でもどうやって…」

 

「あの手紙に書き残していたんです。この時間に扉を開けるようにと。ついでに、彼等(真選組)には江戸の内部と先代将軍の身の回りを改めて洗ってもらってました。エリートの情報とは言っても、彼等には疑われたままでは、元も子もないですから」

 

勢いよく開けられた扉には真選組が待ち構えていた。「ほら、早く白装束に着替えろ」と近藤が放り投げた荷物には銀時達の荷物が入っている。

 

「その様子だと、私が渡した遺言状をどうやら信じていただけたようですね」

 

「はっ、何が遺言状だ。初めからこうなる事を知ってて俺達に調べさせたんだろーが」

 

「私が何を言った所で、あなた方が簡単に信じるとは思えませんからね。…茂茂公は何と?」

 

「準備には時間が掛かるだとよ」

 

「何分、無理な申し出でしたからね。致し方ありません」

 

「旦那ー。処刑台の予約は入れときやしたぜ。ちゃんと首繋げたまま戻ってきてくだせーよ。俺らの首が飛ぶんで」

 

「ふん。精々処刑に相応しい罪を稼いでくるこったな。ちなみに罪状は何だ?」

 

「ンなもん決まってんだろ。殿様の下のマゲもぎ取った罪だ」

 

肩をダルそうに一揉みした銀時。万事屋二人と月詠を連れて戦場へと歩いて行く。

 

「あの馬鹿ども。今度の相手は将軍だとはな。全くデカく出やがったもんだぜ」

 

『私もいるわよー?』

 

「しかし、相手が悪過ぎる。今度ばかりは、あの背中を拝むのも最後になるかもな…」

 

「それは貴方達(真選組)も一緒ですよ。私達に付いたからにはもう後戻りはできない。定定公を仕損じれば、万事屋の皆さんだけではない。私達(見廻組)貴方達(真選組)も終わる。ここは仲良く協力といきましょう。呉越同舟ってやつですかね」

 

足音と共に真選組の背後から見廻組が現れる。まるで最初からこうなる事が分かっていたように。

 

「やかましい!俺達ゃテメーらにもアイツらにも手を貸した覚えはねーよ。お前らが殿中でバカ騒ぎ起こせば狸ジジィの化けの皮が現れる。俺達は邪魔者が消えた所で、狸鍋なり狸の丸焼きなり美味しい所をいただくだけだ」

 

「そーいうこった。だから安心して逝きな。それともお望みなら今ここで処刑してやってもいいんだぜ。下手人(・・・)さん」

 

「……!」

 

信女の背後にいた総悟が空気を切り裂く速度で抜刀する。信女はそれが分かっていたように振り向きざまに刀を引き抜いた。

 

「総悟っ!?」

 

刀が貫いたのは二人の刺客であった

血を噴き出して屋根から倒れ込むように落下する。

 

「くっ…」

 

だがーー生き残りがいたようで、地面を蹴って逃げていく。懐に手を伸ばして侵入を知らせる呼子笛を取り出す。

 

「しまった!一人逃がしたか!?」

 

誰かが叫ぶが、もう遅い。

 

逃げた刺客は呼子笛を唇に当てて音を鳴らすーー

 

『一人だけ逃げるなんて…大人気ないのね。こういう時は…卍解っ!』

 

前に突然足を滑らせて地面に倒れ込む。頭を強く打ち付けたようで、白目を剥いて気絶している。

 

「おい…なんだありゃ。あんなギャグ漫画みてーな転び方するか?」

 

「土方さん。アイツは自分ですっ転んだ訳じゃねーですぜ」

 

「気配…」

 

「え?」

 

「城内で感じた強い気配。見えない『何か』が私達を観察してる」

 

「信女さんが冷や汗をかくなんて珍しいですね。それだけの大物(・・)がいると…?」

 

『信女さん、ね。覚えたわ。貴女、本当に気配に敏感なのね。まるで何処かの博麗の巫女みたい。それにしても…、今日は満月がよく見えるわ。この月は私の知っている月なのかしら?それとも…』

 





Q.何で銀魂でトップクラスの実力を誇る総悟と信女が輝夜の存在に気付けないの?おかしくない?

A.何処もおかしくはない。輝夜は過ごしてる時間の流れが他人と違う為、そこに誤差が生じる。気配を察知したとしても、人が認識できない最小の時間に移動されてしまえば居場所を特定することは不可能。簡単に言うと、ずっと俺のターン状態。

輝夜の戦闘描写はあった方がいい?

  • できればあった方が良い
  • 無くてもいい
  • 作者に任せる
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