やはり、ゆるキャン△なら電話よりラインですよね。
後、前回を閑話に変更して今回を第五話にしました。
さてと、どーしてこーなったんだっけ?
今、俺達は図書室に集まっている。
というのも各務原が志摩を見たとたんに「リンちゃーーんっ!」と駆け寄り、ベタンッ!と窓ガラスに激突したからだ。
「あうぅ~~」と痛みに耐えながら蹲る彼女を見かねたのか志摩は中に入って来る様に勧め、野クルのメンバーも一緒に付いて行く。
俺はステルスヒッキーを発動させてこっそりと帰ろうとしたのだが腕を斉藤に摑まれ、志摩の目も「逃がさん…お前だけは…」と睨みつけていたので逃げられなかった。
「えへへ~~、二人共同じ学校だったんだね」
「まあ…な」
「ああ」
「あのね。私、野外活動サークルに入ったんだ。八幡くんとリンちゃんも一緒に入らな…」
俺と志摩の嫌そうな顔を見た各務原は言葉に詰まる。
「ごめんな。別に各務原と一緒が嫌だって訳じゃないんだが、俺も志摩も一人でのんびりやるのが好きなんだ」
「私もごめん。好意で誘ってくれたのは分かるんだけど」
「ううん、いいの。わたしもちょっとテンション上がちゃってて、無理に誘ってごめんね」
各務原はえへへと笑いながら頭を掻いているがやはり残念そうだ。
うん、ちょっと心が痛むな。
「まあ、その内にね」
「お、おう。気が向いたら…な」
志摩と一緒にそう言うと、各務原は”ぱあぁっ”と笑顔を輝かせる。
やだ、やっぱりこの子可愛い。
ー◇◆◇ー
その夜、食事を済ませて録画したプリキュアを見ているとスマホがピロンとラインの着信を告げる。
相手は…我が心の天使、トツカエルこと戸塚である。
戸《八幡、久しぶり》
八《ひ、久しぶりだな戸塚》
戸《うん。そっちはどんな感じかな》
八《何とかやってるよ。そっちはどうだ》
戸《交流試合の三連戦、何とか勝ち越したよ。忙しくて中々返事出来なくてごめんね》
戸《あ、それとこの前の富士山の写真、すっごく綺麗だった。夜の富士山ってあんなに神秘的なんだね》
八《それな。何度見ても飽きないまである》
戸《いいなー、僕も一度見てみたいよ》
戸《それと八幡、新しい友達出来た?》
八《いや、新しいも何も友達出来た事ないし》
戸《え、志摩さんって娘は?》
八《あいつはその…同じ趣味の知り合いだし》
戸《八幡ってばもー》
川《ただの知り合いならそんなにちょくちょく会話に出て来ないだろう》
八《うわっ!な、何だ、川なんとかさんか》
川《…ちょっと、歯ぁ食いしばりな》
八《や、やめてやめて。お前の場合、本当に拳が飛んで来そうだから》
戸《あはは》
川《で、どうなの?》
八《まあ、最近ちょっとした切欠で会話が増えた…かな?》
戸《ちょっとした切欠って?》
八《それはあれがあれで》
川《歯ぁ》
八《ごめんなさい、ごめんなさい。一昨日のキャンプで変な子と知り合って》
戸《変な子?》
八《各務原なでしこって子なんだけど、彼女が関わって来るとなんていうかこう、調子が狂うっていうか》
川《結局何なの?》
八《普通に会話してるんだよな。自分でも不思議な位に》
戸《へぇ、良かったね八幡》
八《何が?》
川《リハビリは順調って事だよ》
八《リハビリって、俺は別に病気じゃないぞ》
川《……》
戸《……》
八《ごめん、無言は止めて無言は。心が痛いから》
戸《とにかく、そういった関係は大事にしなよ八幡》
材《うむ、人間関係は大事であるぞ八幡よ》
川《あ、それと富士山の写真、他にもあったら送ってよ。けーちゃんが見たがってるんだ》
八《分かった、色々見繕っとく。じゃあ、お休み》
戸《お休みーー》
川《じゃあね、お休み》
材《あ、あれ?我は?我との会話のキャッチボールは?》
八 画像
(自爆スイッチを押すヒイロ)
材《ちょ、ちょっと八幡?はちまーーーん》
ー◇◆◇ー
「大事にしろ…か」
各務原のアドレスをみながらそう呟き、そのまま志摩のアドレスに移る。
「解っちゃいるんだがな」
待ち受け画面に戻したスマホをテーブルの上に置き、台所に行くと洗っておいた鍋を見つめる。
何時もはカップ麺だが、その日は何となく鍋が喰いたくなったので材料を切り分けて持って行った。
其処で各務原と出会い、志摩と一緒に三人で鍋を囲んだ。
美味そうに喰ってたよな、自分でも何時もより美味く感じられた。
笑いながら食べる各務原の顔を思い出すと口元が緩んでいた自分に気付く。
そして志摩とも自然に会話が出来ていた事にも。
部屋に戻り、スマホを手に取るとあの日以来、使われる事の無いグループラインのアカウントを開くが当然誰も打ち込んではいない。
解ってはいる、彼女達に拒絶された俺だがそれを受け入れた俺自身も彼女達を拒絶したという事に、結局は意地の張り合いである。
ただ、お互いにそれを認められないでいるだけなのだ。
『富士山、とーーっても綺麗だった!またキャンプやろーね、じゃーーねーー』
ふと、各務原の笑顔と一緒に彼女の言葉が頭に浮かび、山梨に来て初めてのデイキャンでの志摩との出会いも思い出す。
俺が焚き火台、志摩がテーブル、お互いに二つずつ持ちながら呆然としている時に目が合い、何ともいたたまれない事だった。
「あれが切欠でラインを交換したんだよな」
正直に言おう、楽しい。
そう、楽しいのだ。
キャンプ場に彼女がいた時、後からやって来た時、ほっとするのだ。
もう一度、もう一度だけ信じてみても良いのかもしれない。
「リハビリ、言いえて妙か」
そう言い、スマホを待ち受け画面に戻すと同時にピロンと着信音が鳴る。
誰だ?とラインを開くと…
な《八幡くーーん、なでしこでーーす!( ´ ▽ ` )ノ》
「…各務原?な、何故に?」
な《えへへ、びっくりした?リンちゃんに教えてもらったんだーー》
な《わたしのアドレスも教えるから八幡君も今度ラインしてね。今日はもう遅いから挨拶だけにするよ、また明日ね、お休みーー( ˘ω˘ )zzz》
「……」
八《おい》
リ《…逃がさん、貴様だけは……》
楽しい…で良いんだよな、良いのかな?
ー◇◆◇ー
別のグループライン~
材《ちょっと、何故我だけ仲間はずれにするのだ。酷くない?ねえ、酷くない?》
川《あんたが入って来るのが遅いだけだろ》
戸《ゴメンね材木座君》
材《だってお風呂に入ってたんだモン》
川《あんたの風呂の時間なんて知らないよ。後、普通にキモイ》
材《うむ、今のは我も反省してる》
戸《あはは、でも良かった。八幡、友達出来たんだ》
材《あやつは素直ではないゆえ、自分で出来たとは言わぬがな》
川《とりあえず、心配事の一つは解決したって事で良いのかな》
戸《だね、後は》
材《あの二人。否、三人か》
川《大志から聞くと、小町ちゃんは学校では普通に過ごしているらしいけど》
川《やっぱり、どこか無理してる感じがあるみたいだよ》
戸《由比ヶ浜さん達もだよね。八幡が元気にやっている事、教えてあげたら》
材《それは止めた方が良い。自分達で現状を知る方法などいくらでもある》
川《だね、それをしない以上私達から言う事じゃ無いよ》
戸《じゃあ、これからも影ながら見守ると言う事で》
材《まったく、世話の焼ける相棒である》
(`・ω・)こうして八幡は一応の落ち着きを取り戻しました。
これからは「ゆるキャン△」メンバーとも積極的に交流させたいですね。
と言うか、今回殆どラインの会話でした、反省。