序章
振り返れば、まぼろしの如きの日々であった。もし、その日々を真実とするならば今、現在の彼自身がまぼろしとしか思えぬ日々であった。
わが国が世界の列強を相手に国力を尽くして戦った歴史がともすれば、若い世代の知識から薄れようとしている今日、彼はあえてそんな日々を描き返してみようと思い立った。
8月ー 蝉時雨の時ともなれば、彼の脳裏にはあの終戦の日を迎えるまでの長く激しかった3年に及ぶ戦いの日々の思い出がふつふつ蘇ってくる。
今は戦友たちの顔と飛行機乗りたる彼とともにあの時代を戦い抜いた愛機の雄姿。どれひとつとして忘れるわけにはいかない骨肉を分けた分身の様に思える機体たちである。その操縦席に座り、操縦桿を握り、ある時は勝利に酔いしれ。
ある時は敗北の屈辱に歯噛みした熱血の日々ー
当時を偲ぶよりのよすがとして彼の手元には大学ノートに書き記した陣中日誌が残されている。
西暦1942年、沖田進次郎が初陣の年であった。
振り返れば、まぼろしの如きの日々であった。もし、その日々を真実とするならば今、現在の彼自身がまぼろしとしか思えぬ日々であった。
わが国が世界の列強を相手に国力を尽くして戦った歴史がともすれば、若い世代の知識から薄れようとしている今日、彼はあえてそんな日々を描き返してみようと思い立った。
8月ー 蝉時雨の時ともなれば、彼の脳裏にはあの終戦の日を迎えるまでの長く激しかった3年に及ぶ戦いの日々の思い出がふつふつ蘇ってくる。
今は戦友たちの顔と飛行機乗りたる彼とともにあの時代を戦い抜いた愛機の雄姿。どれひとつとして忘れるわけにはいかない骨肉を分けた分身の様に思える機体たちである。その操縦席に座り、操縦桿を握り、ある時は勝利に酔いしれ。
ある時は敗北の屈辱に歯噛みした熱血の日々ー
当時を偲ぶよりのよすがとして彼の手元には大学ノートに書き記した陣中日誌が残されている。
西暦1942年、沖田進次郎が初陣の年であった。
- 登場人物 (改)
- 第1話 羽ばたく勇気ある翼 (改)
- 第2話 初陣の翼 (改)
- 第3話 決戦、南太平洋海戦 (改)
- 第4話 休息で運命の出会い (改)
- 第5話 南洋のラバウルと騒動 前編 (改)
- 第6話 南洋のラバウルと騒動 後編 (改)
- 第7話 結束と誓いの短剣 (改)
- 第8話 遣独、アナザー・ウェイ (改)
- 第9話 オアフの晩餐 (改)
- 第10話 南洋の大対決
- 第11話 離別する勇士
- 第12話 大決戦の前夜
- 第13話 血に染まりしマリアナ、月夜のノルマンディー (改)
- 第14話 二人の仲人
- 第15話 咲き競う比島
- 第16話 雪原のアルデンヌ
- 第17話 血煙の比島
- 第18話 別れと新たなる翼
- 第19話 帝都防空 (改)
- 第20話 南海に消えない肖像 (改)
- 第21話 大和よ永遠に (改)
- 第22話 さらば、ベルリンと仲間 (改)
- 第23話 疲弊する戦翼 (改)
- 第24話 音速雷撃隊 (改)
- 第25話 終戦の蛍火
- 第26話 別れと再会の決意
- 最終話 我らは生きている (改)