『フェアリーテイル』のリサーナと『ワンピース』のバーソロミュー・くまの『ニキュニキュの実』の能力のクロスオーバーを思いつき、突発的に書きました。
そのため、何故かポケモン要素がかなり入っています。『レジェンズ:アルセウス』のネタバレも含みますので、プレイする予定・まだクリアしていない方は読まないほうがいいかもしれません。


※ほとんどヒスイ地方が舞台
※主人公はリサーナに神様転生するため原作崩壊します。そういうのは嫌だと言う人には読むのはオススメ出来ません。
※『ニキュニキュの実』の能力の技は出ません。

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作者はレジェンズ:アルセウスをプレイ済み。
最初の三匹はヒノアラシを選びました。


第1話

 マガジンに連載していた漫画『フェアリーテイル』のリサーナに転生してしまった。

 

 何を言っているのか意味が判らないと思うけど、一番説明を求めているのは私だ。

 

 神様の不注意で死んでしまった私は『転生させるんだけど、何か希望とかある?』という質問に『じゃあ、可愛い顔で転生したいです』と安易に答えてしまった。

 

 仕方がないじゃない、急に言われたから咄嗟にそれしか言えなかったんだもん!

 

 漫画とか小説とかで『あ、じゃあFateのギルガメッシュの宝具(ゲート・オブ・バビロン)が欲しいです』とか『無限の魔力と何でも創造できる力をくれ』とか言えば良かったー!!

 

 というか、神様『フェアリーテイル』知っていることに驚きなんだけど。

 

 いやいやディスってないよ!? 人気漫画なのは間違いないけど、それを大統領が読んでるかどうかっていうのはまた別の問題が発生しているわけで――!!

 

 ……誰に説明しているんだろう、私。

 

「…………失敗した―」

 

 チート能力欲しかったー。

 

 私は地面に背中を預け、空を仰ぐ。

 

 ……………………あれ、ジバコイルじゃない?

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 あれから3年が経ってしまった。

 

 どうやらこの世界はポケモンゲームの世界らしい。

 

 らしい――というのは、この地方が私の知らない地方だからだ。ヒスイ地方というらしい。

 

 長い青髪をしたコンゴウ団の人に拾われ、集落の長たちから色々と説明してもらった。

 

「リサーナ、いるか? 俺のイーブイなんだか、ちょっと診てくれないか? 最近調子が悪いように見えるんだ」

「セキくん。はい、ちょっと診てみますね」

 

 現在、私はコンゴウ団の中でお医者さん的な立場にいる。

 

 この世界に来た時から、私はなんとなくだがポケンモンの体調や病気、怪我などしているのか判るようになった。それだけでなく、なんとなくだが野生のポケモンと軽く会話さえ出来てしまう。

 

 それに里の長が感動し、コンゴウ団として働いてくれないかと提案されたのだ。

 

 もちろん、私は二言で頷いた。

 

 一人で生きていくには難しいだろうからね。

 

 そもそもだ。どうして、私にこんな力があるのか。それには、なんとなく心当たりがあった。

 

 『フェアリーテイル』の漫画の中では、リサーナは『テイクオーバー・アニマル』という魔法を使っていた。確か、動物の特性を体に発現出来る魔法だったと思う。

 

 代わりと言ってはあれだが、私はこの世界で魔法は使えない。

 

 『鋼の錬金術師』の主人公、エドワード・エルリックが言っていた『等価交換』のように、私は魔法を失う代わりにポケモンのジョーイさんのスキルを獲得したみたいだ。

 

 無理矢理決めつけた感は否めないけど、この世界で魔法を使おうものなら完全に異端児扱いを受けていただろう。かなり助かった。

 

 ちなみに、ポケモンもゲットした。いや、モンスタボールないからゲットしたとは言えないかもしれない。

 

 相棒はヒメグマ。実際のヒメグマはかなり可愛い。里では私の助手として患者に手当をしたり、重いものを運んでもらっていたり、かなり手伝ってもらっている。

 

 忙しい毎日だけど、辛くはない。むしろ、ポケモンの世界に入れてかなり幸せだ。子どもの頃の夢が叶ったような夢気分で毎日を暮らしている。かなり幸せ、大事なことなので二回言った。

 

 ありがとう、シンオウ様!!

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 あれから、更に2年が経った。

 

 私は元の世界に戻ることとなった。

 

「リサーナさん……」

「ショウちゃん」

 

 やりのはしら――そう未来では呼ばれるであろう場所でショウと呼ばれるギンガ団の少女と、神と呼ばれしポケモン『アルセウス』が私を待っていた。

 

 そう、この世界『ヒスイ地方』は私の知っている『シンオウ地方』の過去の世界だったのだ。

 

 ……シンオウ地方っぽいところが沢山あったから、もしかしてとは思ったけど、まさか過去のシンオウ地方をゲームにしていたとは。

 

 やるな、任天堂! そして、私が転生する前にどうして発売しなかった!

 

 売っていたら絶対やっていたぞ! 私、『ダイヤモンド』と『プラチナ』やったんだぞ! ドダイトスだってレベル82まで育てたんだぞ! ラプラスだって可愛いからレベル72まで育てたんだぞ!

 

「あの、リサーナさん?」

「ああ、ゴメンさない!」

 

 怒りに身を震わせてしまっていた私を、ショウちゃんは不思議そうに見ていた。

 

 危ない、変人に勘違いされちゃう。

 

「仕方がないですよ、リサーナさんはこの世界に5年んもいたんですから。寂しいですよね」

 

 別の意味で勘違いされちゃった。

 

 心が痛い。

 

 ……まあ、ショウちゃんの言う通り、寂しい気持ちはある。

 

 っていうよりも、寂しい気持ちしかない。

 

「うん。寂しいね。セキくんやカイちゃんにも泣かれちゃったよ」

「……あの、やっぱり、戻りたくないですか?」

「……ちょっとね」

 

 というか、この世界しか知らないし、私。

 

「ねえ、アルセウス! どうにかならないかな!」

 

 私の言葉にショウちゃんが泣きながらアルセウスに尋ねる。

 

『無理だ。彼女は元々この世界の人間ではない』

「それは、私も同じだよ! ノボリさんも!」

 

 そう叫ぶショウちゃん。

 

 そう、ショウちゃんも、ノボリさんという男性の方もこの世界の人ではない。ノボリさんは知らないけど、ショウちゃんはこの世界を異変から守るために『アルセウス』から呼ばれた救世主だ。

 

 空が赤くなり、その責をギンガ団の団長デンボクさんから問われ、コトブキ村から追放された過去もあるのだが、よくそれを乗り越えたものだと思う。

 

 私より10歳ぐらい年下なんだけど、私だったら辛くて泣いちゃう、絶対。

 

 うん、強い女の子だ。

 

 ちなみに、それを知った私は怒りのままコトブキ村に乗り込もうとしたのを、ヒナツちゃんとヨネちゃんから止められた。争いはダメだと言うのだが、ここで戦争しないでいつ、あの恩知らずの爺さんの頭を引っぱたくのだ。

 

 だが、私は人間性が出来た女性。全てが解決した後に開かれた祭りのときに、あの爺さんの頬を一発引っぱたくことで許してあげた。うん、超寛大だ。周りの皆からも許しを貰えたデンボクさんは幸せ者だ。

 

 うん、今は懐かしい思い出だ。

 

 とても楽しかったな……。

 

 だけど、懐かしみに耽るのは後にしよう。

 

 アルセウスは優しい声でショウちゃんに私について説明してくれていた。

 

『そうではない。ショウ、よく聞いてくれ。お前とノボリという男はこの世界の延長線上の世界から来たのだ。だが、リサーナは違う。彼女は本当に異なる世界から来たものだ。魔力というエネルギーを中心に回っている世界からだ』

 

 アルセウスの言葉に私は悲しそうに頷いてしまう。それを見たショウちゃんは、また悲しそうな顔をしてしまう。

 

「ううぅ……。何を言っているのか、分からないようぅ」

「もういいよ、ショウちゃん」

 

 私は泣きながら嗚咽しているショウちゃんを抱きしめ、「ありがとう、ありがとう」と頭を撫で続けた。

 

「聞いて、ショウちゃん。このヒスイ地方も大事。大事だよ。大事だけど、私は帰らなくちゃならない。私の家族がどうなっているのか、知らなくちゃ」

「うぅぅー」

 

 私がリサーナの体で転生したとき、体は15歳ぐらいだった。

 

 確か原作では姉であるミラジェーンのS級クエストに同伴し、その途中で兄であるエルフマンが敵を倒すために全身にテイクオーバーという魔法を使うのだ。

 

 強力な代わりにコントロールが難しく、案の定エルフマンは暴走してしまう。

 

 そして、私は暴走したエルフマンにぶっ飛ばされ、行方不明になる。

 

 捜索するもリサーナは発見されず、任務中の死亡とされた。

 

 だが、真実はアースランド世界に転移されており、死んではいなかったのだ。

 

 その後の展開は難しくは曖昧なんだけど、無事に元の世界に戻ることが出来、ミラジェーンとエルフマンと涙の再会をするのだ。

 

『……ショウ、そろそろ』

「うん、うん。分かってるよ~」

「ごめんね、ショウちゃん」

「なんで、リサーナさんが謝るの~」

「あれ? なんでだろう?」

 

 おかしいな?

 

「……ねえ、ショウちゃん。お願いがあるんだ」

 

 私はポケットにあるモンスターボールを渡す。中に入ってるのは『ガチグマ』。ショウちゃんが来る前まで『リングマ』だったんだけど、ショウちゃんと協力して進化させたポケモンだ。

 

「この子、私の世界には連れていけないんだ。だから、このガチグマをショウちゃんに預けてもいい?」

「……預ける?」

「うん。私が、また戻ってくるまで」

「!!!」

 

 私の言葉にショウちゃんだけでなくアルセウスまで驚く。

 

 根拠はない。けど、フェアリーテイルの世界で人を異世界へ転移させる技術があったんだ。既存の技術を再現できないわけはないと思う。

 

 もちろん、そう簡単に上手くいくわけないと思うけど、ショウちゃんみたいに世界一つ救うことに比べたら難しいことでもない気がする。

 

 むしろ、10歳年下の少女が世界一つ救ったのだ。10歳年上の私が世界を渡らないでどうする、というもの。

 

 むむむ、燃えてきたぞ!!

 

「うんうん! リサーナさん、約束だよ!」

「うん、約束ね!」

 

 感動の涙を流しながら、ショウちゃんはアルセウスにお願いする。

 

『では、リサーナ。準備は良いか?』

「ええ。お願いします」

 

 アルセウスが時空の裂け目を開く。そこに私はゆっくりと足を動かし、謎の浮遊感によって体を奪われ、少しずつ裂け目の奥へと吸い込まれていく。

 

 後ろでブンブンと手を振っているショウちゃんの声が凄く嬉しい。

 

「絶対、また会おうね!!」

 

 これ以上ないくらい大きな声で叫んだ。

 

 転生する前でも、こんな声は外で出したことないぞ! いや、カラオケでもなかった!

 

 こうして、私はヒスイ地方から姿を消したのだった。

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 フェアリーテイルの世界に来た私。

 

 いや、戻ったという方が正解なのかな?

 

 早速、『テイクオーバー』の魔法を使ってみるけど、ちょっとおかしい。

 

「あれ? クマの手にしかならない?」

 

 どうして――と思ったが、思い当たることがある。

 

 フェアリーテイルの原作では、姉であるミラジェーンが敵の悪魔に攫われたときがあった。悪魔に改造されそうになったミラジェーンだったが、彼女の『テイクオーバー』はその悪魔を対象にしていた。

 

 改造のために注入された悪魔の力は彼女に害を及ぼすことはなく、むしろ彼女の力として吸収し、ピンチを乗り越えたのだ。

 

 話が長くなってしまった。何を言いたいのかというと、ほぼ5年間ヒメグマ&リングマ&ガチグマと暮らして来たのだ。彼らから影響を貰っても不思議ではないのかもしれない。

 

 手も、どこかリングマの手みたいだし。

 

 不思議ではないのかもしれない? のかな。

 

 ダメだ、自分のことなのに自分でも分からない。

 

「ギルド:フェアリーテイルを調べるのも大事だけど、私自身について調べないとなー」

 

 魔法が使えない魔導士は嫌だからね。

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 結論から言おう。

 

 原作は崩壊せず進み、現在主人公ナツたちは『天狼島』に封印されていた。

 

 確か、フェアリーシェル……だったかな? ちょっと覚えてないや。

 

 ともかくナツたちは7年封印されることになっている。

 

 ええと、私がヒスイ地方に行ってから5年が経っていて。原作でリサーナが元の世界に戻るのは2年後だから――時間に乱れがなければ封印が解けるのは4年後。

 

 私が24歳のときか――。

 

「あれ? 私、いつ姉ミラジェーンと兄エルフマンに会えばいいの?」

 

 再開のタイミングどうしよう?

 

 

 

 

 

 

 

 ……あれ?

 

 ……思い返してみれば、家族として過ごしてきた思い出や、ギルドに暮らしてきたであろう記憶が一切、私の頭の中にないんだけど。

 

 物語としては知ってるよ。けど、物語として知っているだけで、実際の内容がどういったものなのかは全く知らない。

 

 そもそも、私がこの世界のリサーナである証拠もなければ証明もしていないし、確か原作でも並行世界のナツやグレイがいたっけ。

 

 もしかしたらだけど、私ではない本来のリサーナが存在して、原作通り家族と再会を果たしている可能性だってある。

 

 誰かに聞いたら判るの? でも、誰に訊くの?

 

 話、ややこしくならない!?

 

 あれれ、頭がグルグルしてきた――――。

 

「…………よし、魔法の研鑽でもしますか!」

 

 未来の危機に対し、今から対策を取ることにした。

 

 詰まるところ、考えるのを辞めたのだ! どうせ、考えても結論が出なさそうだし。

 

 せっかくクマの手だから、ワンピースの『バーソロミュー・くま』のニキュニキュの実の力を再現してみたい。

 

 魔法ありきの世界だし、いけるでしょ。

 

 あと、ショウちゃんとの約束を果たすために、異世界に渡す技術も勉強しないといけなかった!!

 

 うわ、やること多くない?

 

「まあ、ナツたちとの再会は結局4年後になっちゃうんだろうし、それまで研鑽の旅にでも出てますか」

 

 私はヒスイ地方で使っていたバッグの整理、取り合えず方角を決める。

 

 棒が倒れた方角は、北か。

 

「では、冒険の旅にシュッパーツーー!!」

 

 

 

 

 

 こうして、私は故郷(仮)の大地であるアースランドを跡にした。

 

 とりま、異世界転移技術があろうエドラスでも目指すことにした。

 

 にしても、並行世界ってどう行けばいいの?




登場人物設定

リサーナ(転生)

今作の主人公

エルフマンの暴走で吹っ飛ばされた後、原作ではエドラス(平行世界)に行くのだが、神様転生のせいか、今作では何故かポケモン世界のヒスイ地方へと飛ばされる。
ヒスイ地方ではジョーイさん的な立場となり、ポケモンの生態と医療について深い知識を得る。 
ヒメグマを相棒にしていたせいか、何らか形で『テイクオーバー』に作用していた。
リングマっぽい手を活かし、ワンピースのバーソロミュー・くまの『ニキュニキュの実』の力を再現しようとする。並行して、ヒスイ地方へ渡す方法を模索している。

転生前の原作のリサーナとしての記憶も持っている。しかし、本人はそれが記憶喪失が原因であることを知らない。前世の名前も忘れている。

家族であるミラジェーンとエルフマンには会いたいと思っているが、顔を合わせるのは気まずいと思っている。心の弱さに負けて、遠目の確認で済まそうとしている気が見られる。

ミラジェーン&エルフマン
リサーナとの再会をしていない。物語は原作のまま進行しており、現在封印中。

ナツ&ハッピー
エドラスでリサーナと再会していないが、物語は原作のまま――以下同文。

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