団長ラブ勢のギャルハーヴィンだってそうさ!!必ず存在する!!!! 作:梏 桎
Q.ロイルミラってどの辺まで原作知識入ってるの?
A.拙作の連載開始ぐらいまでに実装されたもの(つまり8周年まで)はほぼ全て入っていますが、全て覚えているとは……といった感じです。
因みにベンヌは22年の4月、エニアド最初のオシリスは21年の12月です。
Q.というか何でエニアド? 何でベンヌ?
A.エニアドなのは現時点で絶妙に設定が開示されていなくて、且つ台詞があって個性が垣間見え、何よりも女の子の割合が高いからです。
ベンヌがトップバッターなのは話を作っている内に流れでそうなってしまっただけなので深い理由はありません。
Q.更新が止まっている間に色々来ましたね。
A.カグヤがプレイアブルになったり白詰草想話に続編が来ていたりでヤバいですね。ですが、拙作は独自設定のタグという免罪符を振り回しながら亀の歩みの如く進むので宜しくお願いします。
「我ハ回生スルモノ。 不滅ノ獣。 加護持ツ娘ヨ、歓迎スル」
眼前の巨躯はそう言いながらゆっくりと、然し明らかに戦う前提であろう構えを取る。
私はワンチャン忘れているだけという淡い希望に縋って君を必死に思い出そうとしているので、後回しにしてほしいんですけれども。
(ベンヌ……ベンヌ? ベンヌって誰だ、何処の神話体系だ?
ってか星晶獣は原則不滅じゃん! 不滅の獣は当たり前すぎて情報が増えて無いって!!)
回生と言われてもピンとこないが、要は頑丈なんだろう。 ゴツいし。
んー……どうしたものかなぁ。 私は会いたかっただけで戦いたかった訳じゃ無いのに。
というか、ガマヤおじさんはウキウキしながら拳を握るな!
「あの御方が直々に『試練』を課してくださるとは!
お前さん、矢張り素晴らしい素質の持ち主なのじゃなぁ!!」
「ニコニコしてんじゃねー!! やる気ってーか、殺る気マンマンじゃんか!!
明らかにマズい元素の集まりを私でも感じるっt────」
「オオオオオ!!」
「こっち無視して
私のツッコミも虚しく、全身に力を漲らせたベンヌなる星晶獣は『ヌン!』という短い声と共に石柱を投擲してくる。
────いや、速っ!? 死ぬぞこれ!!
「
「素晴らしいお力です!!」
素早く印を結び難を逃れた私に対して、ガマヤおじさんはあろうことか正面で石柱を殴り、打撃によって軌道を逸らすというトンデモフィジカルを見せ付けてきた。
……って! 私のいる方に石柱を飛ばして来んなし!!
「
今から月虹を抜いては間に合わないので、懐剣の朧霓に魔力を乗せて刀身以上の斬撃を放つ。
パッパから教えてもらった剣技はこういう緊急時にも出し易くて良き。
「斬ルカ」
「人に物をぶん投げといて最初の感想がそれぇ?」
いや本当に。 もっとこう……あるじゃん?
『すまん』でも『やるな』でも良いから、リアクションみたいなものがさ。
何よ、『斬ルカ』って。 見りゃ分かるわ。
「往クゾ」
ベンヌさん、迫真の会話放棄。
見るからに『殴る』という構えを取り、そこから無言の正拳突き。
その拳から放たれる衝撃波だけで一般人なら消し飛びそうではあるけれど、私とてただの可憐な美少女という訳では無い。
「目には目を、拳には拳を!!
魔力を纏わせ硬度を得た私の渾身のストレートが、ベンヌから放たれた衝撃波とぶつかり轟音を周囲へ響かせる。
綺麗だった丘の草花が吹き飛び、大地が捲れ上がる。
……これ、街の人に見られたらヤバそうじゃね? 今更か、今更だな。
「……」
私の対応を見て、ベンヌはその構えをゆっくりと解いた。
一切喋らなくなってしまったけれど、これはどういう事なんだろうか。
困ったなぁ……何をするのが正解なのかまるで見えてこないぞ、この星晶獣。
「ふむ……
「えぇ……? 反応無さすぎてなーんも分からんけど」
「これ! 失礼じゃぞ!!」
「だってだって! ツクヨミ様はもっとフレンドリーだし、分かりやすかったし!!」
「お前さん達が特殊なんじゃ!!」
打てば響くなぁ、この人。
ガマヤおじさんは、偶に妙なトリップする以外は付き合いやすい人だな。
まぁそのトリップが少々怖いのだけれども。
でもそれは一旦置いといて、だ。
星晶獣なんて一部の例外を除けば空の文化なんて知らないんだから、きちんと関わった空の民が教育しておきなさいよ。
ツクヨミ様なんか私との会話を通じて──あくまで出会っていた当時のだけれど──流行のスイーツやファッションまで知っている。
私が本気を出せば、ダサT着せて横になりながらファッション誌片手にお菓子つまむ姿ぐらいまでは堕とせたと思うね!!
そんなツクヨミ様とか無限に甘やかしちゃいそうだからしないけれども!
私達に向けて顕現するや数発かました
「はぁ……色々言いたい事はあるけどさ。 取り敢えず、改めて紹介してくんない?」
「その前に良いか?」
ガマヤおじさんが私を遮って口を開く。 まだ何かあるのだろうか?
「あんま良くないけど聞くよ」
「そうかそうか。 いや何、儂もタイミングを逸したと思ってのう……
お前さん、名前は何だ?」
名前? んなもん、今更聞かなくたって────
「あー!! 自己紹介してないじゃん!! ゴメンね!!!?!?」
「うるさいのう……」
いや失敬、さも当然のように声を掛けられて普通に会話していたのもあってすっかり忘れていた。
このおじさん、今日が初対面だし何なら最初はちょっと警戒していたわ。
気付けば『ご飯を奢ってくれた、ちょっと星晶獣に関して拗らせていそうなおじさん』ぐらいの認識になっていた。
然して私は簡単に挨拶を済ませ、改めて彼らに関して問うた。
先ず、星晶獣の方はベンヌ。
覇空戦争期において『復活の神』と畏れられた、原則不滅の星晶獣の中でも抜きん出て頑強さを全面に出した個体らしい。
数十年前、島で休眠中だったところを
当時そこまで売れない貧乏占い師だったおじさんは、副業と称するには余りにも収入差のあった傭兵稼業の最中、目覚めたベンヌと邂逅。
何を思ったのかベンヌは会って早々おじさんに『引接の試練』なるものを課し、おじさんも何を考えていたのか平然と受けてクリア。
以来、不定期に顕現するベンヌを
そして、そんなガマヤおじさんの経歴もまぁ……異様そのものだったけれど置いておいて。
ベンヌが彼に課した『引接の試練』は私達がつい先程体験した
傭兵稼業をしていたとはいえ、よくアレを生き残れたな……と素直に感心してしまった。
「そうして得たのが、この
お陰でよーく
「えぇ……激ヤバな力に聞こえるんですけど。 大丈夫なの? それ」
「自らの力に呑まれる程、軟弱なつもりは無い。 勿論、力を得てすぐは制御出来ず苦しんだ事もあるがの。
日々是鍛錬、努力とは裏切らぬものじゃな」
そう言ってガッハッハと笑うガマヤおじさん。
この人、もしかしてこの調子で筋肉も鍛えたのだろうか? だとすれば相当な脳筋なのでは……?
「然し困った事に、この力も未来視に関しては精度が甘いと言えよう。
お前さんの来訪時期も読めず、かの『災厄』も一体いつ起きるのやら……」
ガマヤおじさんの零した言葉に私は僅かに眉を顰める。
まぁ、未来視が出来るのなら『災厄』を知っているのは可笑しくも無いか。
彼の言う『災厄』が私の想定と同じであるという保証は無いけれども。
「んで、結局ガマヤおじさんはベンヌ……様と何を追い求めてるの?
今までの説明でザックリ2人の素性は分かったけどさ、これだけじゃガマヤおじさんの言う『永遠』も分からないし、そもそもガマヤおじさんの声に応えてベンヌ様が顕現するのも不明なんだけど」
「嗚呼……そこがまだじゃったか。 然し『永遠』に関してはお前さんも追っているだろう?」
「ワッツ?」
「……ん? お前さんは求めておらんのか? 『永遠』じゃぞ?
中身は人によって千差万別であろうが、星の獣に求むものは誰もが『永遠』じゃと思っておったが」
「いや、そんな事言われても……考えた事も無かった」
私の言葉を受けて唸るおじさん。 少し考えた末に合点がいったとばかりに顔を上げる。
「伝え方に難があったか! きっとそうじゃ、すまんかった」
『いや、そもそも特に求めていないんですけど……』と否定しようにも、こっちのリアクションなんか全く見ずにガマヤおじさんは説明を始める。
……この人、結構な頻度でスルーかましてくるな。
「儂が言いたい事は要するに、星晶獣と接触して縁を結ぼうとする以上は程度の差こそあれど目的があるじゃろう? という話よ」
「あーね。 そりゃ純粋無垢なお子様って訳でも無いし、ただ仲良くなりたかっただけとは言わないけど」
実際、私もツクヨミ様と懇意になった当初の目的は戦力強化とかそういう方面な訳だし。
今? 今はまぁ……単純に仲良くなったんだし、普通にお話したい気持ちもある。
ツクヨミ様はそれはそれは美少女だから、メドゥちゃんみたいに魔法少女して欲しいし、そういう文化とかに触れ合ってもらって一緒に旅がしたい……っていうのが、今の私の願いかな。
但し、前提として私と契約はして欲しいが!
「でもそれって、下手すりゃ普通の人間関係でも無くはない話じゃない?」
「うむ。 じゃがな? 一般的には、意思疎通がとれるかも分からん存在を相手に対話なぞ試みぬものよ。
儂等が奇特な部類なのじゃ」
うーむ、否定し難い事実。
星晶獣と空の民というのは、
星晶獣が島と契約を結んでいる事が多いファータ・グランデでさえ、『星晶獣なんて大昔の存在』だとか、逆に『星晶獣は恐ろしい兵器だ』ぐらいの認識しか無い場合が殆ど。
その存在を認め、島に加護を齎していると知れば一転して神様扱いで、矢張りどう足掻いても『対話しよう』とはならない。
そう考えると確かに私やおじさんは奇特な部類だ。
私はツクヨミ様を敬いこそすれど友人感覚で接していて、おじさんは神として崇めているけれど力を借りようと歩み寄った訳で。
「そんな奇特者が、人と同じように縁を結びたがる。 それは凡そ、人智を超えた
それは何か? 儂はそれを『永遠』と呼ぶ。
して、『永遠』を求める『同胞』と友誼を結べれば、奇特者同士で多少は話しやすかろうと思って探していたわけじゃ」
成程、漸くおじさんの言いたい事が理解出来た気がする。
つまり『永遠』は、私達みたいな変人が星晶獣と仲良くする対価に得る力だとか権力だとかを引っくるめたワードだった訳だ。
いやいや、これ解説必須だったでしょ。 何で省略できると思ったんだ。
気になったので素直に聞けば、おじさんは当然と言わんばかりにこう返してきた。
────星晶獣という身近な『不滅』に求める力など相場が決まっておるじゃろう?
……あぁ、この人ってやっぱりヤバい人なんだなと改めて実感した瞬間だった。
§ §
「────って感じなんだけど、おじさんは何か知らない?」
あれから暫く。
ベンヌへの挨拶を済ませた私達人間組は、荒れてしまった丘を適当に均した後にガマヤおじさんの家へと戻っていた。
あの星晶獣は結局、私に対して大きなリアクションを起こさないまま帰ってしまったので、イマイチどう思われているのか分からなくて不気味極まりない。
けれども、星晶獣のリアクションというのはそもそも不明な方がデフォルトであって、ツクヨミ様も初期はまぁまぁ意味不明だった。
(だからまぁ、あんま色々考えても意味無いんだろうな)
一先ずベンヌの事は置いておき、私はアンブローズの発言をおじさんと共有して何か得られないかと喋っていたのが現状である。
「儂はお前さん以外の事を言われておらんから初耳じゃ。
然し、儂等以外にも『同胞』がいる事は理解しておる」
「へぇ? という事は
「如何にも。 じゃが、顔も周囲の景色もボヤけた不鮮明なものよ。
「私が会いに行く事に意味がある、か……」
おじさんの発言を受けて、私は思考の海に沈む。
確かに私やガマヤおじさんのような人間を集めたいだけなら、それこそ数十年前のタイミングで全部ガマヤおじさんに話してしまった方が手っ取り早い。
『私は何でもお見通しです』みたいな態度でここまで喋ってきているんだから、多分それも出来る筈……なのにしなかった。
(
だが、仮にそうだとして何を目的としているのかは判然としない。
私の特異性が十二分に発揮される状況というのは、それこそ原作が絡んでくるような事態。
少なくとも、この『星晶獣と仲良くしている人間』の原作イベントなんて私は知らない。
ガマヤおじさんに出会う前まではワンチャン十賢者かも……なんて頭の片隅にはあったものの杞憂に終わったし。
「アイツが何を企んでるのか全然わかんねー……」
「……別に、あの男の企みなぞ気にせんでも良いんじゃないか?」
私が項垂れて机に伸びていくのを眺めていたおじさんは、そんな事を言って煎餅を食べ始める。
……あなたの家だから構いませんけど、自由ですね本当に。
「そういう訳にもいかんでしょーよ。 絶対、ぜっっっったいにあの男は面倒な事を考えてると思う訳よ。
おじさんだって会ってるから分かると思うけど、マジで胡散臭かったっしょ?」
「だとして、他の場所には行かんつもりか?
彼奴の真意は兎も角、お前さんとしても友人が出来ると言われてこうして此処まで来たんじゃろう?
他の場所も行ってみれば、儂のようなおっさんじゃなくて同年代の友人も出来るやもしれんぞ?」
「それは……まぁ、そうかもしれないけどさ」
「どうせ、ああいう輩が目論むのは秩序の崩壊か世界の破滅なんてのが
であるならば、儂等のような星晶獣と縁深い者が結託すればどうとでもなる」
「えぇ……? 楽観視が過ぎない……?」
この人、サラッと言ってくれたが秩序の崩壊も世界の破滅も勘弁願いたい事案すぎるんですけれども。
ただでさえ原作と同じ流れになるだけで世界の危機が数回はやってくるのに──私の記憶に存在しないという意味で──原作外からも世界の危機なんて来てほしくないです。
「さて、そんな悩めるお前さんを、儂が占い師らしく占ってやろうか」
そう言って、隠す事も無く料金表らしい紙をすっと差し出してくるガマヤおじさん。
ちゃっかりしてるなぁ、本当に。 まぁ、私としても次の目的地が決まるっていうのは悪く無い話ではある。
「ごめんだけど、色々あってあんまり
「む、まぁ良かろう。 漸く逢えた『同胞』であるからな、特別じゃぞ」
「わーい!!」
私がサッとお金を渡して暫し。
一度席を外したおじさんが取り出したのは誰もが想像しそうな普通の水晶であった。
……別に水晶占いが悪い訳では無いが、筋肉ムキムキのおじさんが小さい水晶に手を翳して覗き込む姿は何というか、とても奇妙だ。
というか、前置きとかそれっぽい口上とか一切無く始めやがったぞ。
本当に占いで商売出来ているのだろうか?
「ふむ……騎空艇、風、職人、岩塊、太陽、廃墟か」
「んー? なんか共通点みたいなのが全然無くない?」
「恐らくじゃが2つの景色に分かれておる。
騎空艇、風、職人はガロンゾじゃろうな。 思えば見覚えのある
2つの景色、片方がガロンゾか……ノアにでも会いに行くのだろうか。
或いは単純にシェロちゃんの依頼という線もある。
「もう片方は? 岩塊、太陽、廃墟だよね?」
「うーむ。 お前さん、逆に聞いて悪いが心当たりはあるか?」
「えぇ〜? 岩塊、太陽、廃墟の心当たり〜?」
困った、ビックリするぐらい『コレだ!』って感じの場所が無い。
「強いて言えば、岩塊ってだけだけどダイダロイトベルトが浮かんだかなぁ。
でも太陽と廃墟って感じの場所でも無い気がするんだよね」
「ダイダロイトベルト……空域を跨ぐ岩塊群じゃったか。 流石に儂も行った事が無い場所じゃ。
瘴流域に覆われている部分もあるような場所じゃから太陽は兎も角、廃墟に関しては困らなさそうじゃな」
「否定しないけどさぁ……それはそれでどうなのさ」
「ガッハッハ!! 占いなんぞ当たるも八卦、当たらぬも八卦じゃよ。
儂が思うに、お前さんも儂も聞き覚えの無かった地名のどれかが、あの岩塊群の中にあるんじゃろうな。
お前さんの友人が増えるチャンスなんじゃないか?」
あぁ、そうか。 その線は考えていなかったかも。
聞き覚えの無い地名だからと言って勝手に何処かの秘境か何かだと思い込んでいたけれど、私の知っている島の中にそう呼ばれている場所が有る可能性もあるのか。
────おじさんのお陰で光明が差したかも?
まぁ、この感謝は声に出したりはしないけれど。
だってこのおじさん、暗に『星晶獣と仲良くしたがる変人以外とお前が友達になれる訳ねーじゃん』って言ってきやがったもん!*1
「そうと決まれば即出発!! って言いたいところなんだけど……」
「何じゃ?」
「もう日が暮れちゃうしさ、宿も取ってないし泊めて♡」
「はぁ……好きにせい」
然して私の『ドキドキ!アンブローズに言われた地名巡り!』の初回は平穏無事に幕を閉じた。
軽くとはいえ星晶獣と手合わせをしたのは平穏無事に入るのかって?
……怪我とかは無いし! セーフ!!
因みにガマヤおじさんのお家の布団は、なんかペッショリしていてふわふわに欠けていた。
無理をしてでもミザレアまで戻るか考えたのはここだけの話である。
これにてガマヤ&ベンヌが終了です。 彼らの次の出番は……何時になるんですかね。
以下、ガマヤのプロフィールになります。
年齢:39歳
身長:219cm
種族:ドラフ
趣味:庭の木の手入れ、筋トレ
好き:人の笑顔、肉料理
苦手:人の悲しむ顔、魚料理