滅びが確定した女王の物語の中で、たった1人だけ。
異なる次元から転生した男が、最期の最後の時まで愛した女王のために身を捧げた。
結末は変わらなくとも彼は最後まで女王のためにあり続けた。
コレはそんな一途な転生者の物語である。




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書きたいと言う衝動が高まって勢いで書いてしまいました。
短編だからいっかぁ〜。
と言う訳で、どうぞ。
完全に自己満足で書いています。
批評はNGでお願いします。





終わりの始まり

「まさか、そんな身体で来るとは?!」

「妖精騎士モードレッド」

「あり得ない!」

「呪いを受けているのに」

「今なら殺せる!」

「やっぱり化け物だ!」

 

口々にうるさいヤツらだ。

だが、今はそんなことどうでもいい。

 

「…らい、と?」

 

「貴様ら…いったいどれだけ、いつまで、オレの愛する人の願いを、想いを、心を、踏みにじれば気が済むんだ!!」

 

絶え間なく血を流し続ける1人の剣士は、自らの全てを懸けて護ると誓った“たった1人の愛する人”のために剣を取る。そして、彼の意志に呼応して彼の中にある力は、黒き鎧となり、その姿を変える。

 

今、目の前で殺されそうになっている愛する人を救うためなら、オレはどれだけ、この手が血で濡れようが迷いは無かった。かつて、力を授かる前のオレだったら、僅かに剣を握る手が震えていただろう。でも、それも転生する前の、彼女と出逢う前のオレの話だ。

 

今のオレ……ロード・オブ・ワイズにそんな物はない!

 

オレが来たことに誰よりも驚愕を露わにする謀反の首謀者の胸にレイピアを投げつける。音速を超える速さを持つ投擲に、逃れる術はなくレイピアは彼の狙い通りの位置に到達すると勢いを全く殺すことなく、謀反人の心臓ごと上半身と下半身が引きちぎれる。そして、レイピアに串刺しにされた謀反人は、その名の通り“醜い妖精”の如く痛みによる絶叫あげながら辺りを自分の血の池に染め絶命した。

 

「死んでも醜い奴だな、スプリガン」

 

スプリガンと呼ばれた男が死んだことで周りの妖精たちは、動揺、恐怖、混乱を露わにする。しかし、漆黒の剣士———ロード・オブ・ワイズである妖精騎士モードレッドまたの名を、四月一日(わたぬき)来斗(ライト)は、武器をレイピアから大鎌へと武器を転換し、彼女の愛する娘であるバーヴァン・シーを拘束する者達へその刃を振るう。

 

「オレたちの愛する娘に触れるな!」

 

主君であるスプリガンの死に動揺した妖精達は、咄嗟に拘束しているバーヴァン・シーを盾にしようとするが、妖精騎士最優と謳われる妖精騎士モードレッドである来斗の速さに敵うはずもなく、首を斬り落とされた。

 

その光景はまさしく死神が、生者を狩るそのものだった。

 

そして、また残っている妖精達は我が身を守るためライトに抱き抱えられているバーヴァン・シーもろとも串刺しにするべく剣を突き立てる。突き立てられた剣は無数に存在し、傷口から大量の鮮血が滴るのだが、来斗はまるで痛みを感じていないのか、意に返さない。全くの無反応に恐怖した妖精達は、咄嗟に剣を握る力が緩んでしまう。その隙に、来斗は周りの妖精達を蹴り飛ばし、大事そうにバーヴァン・シーを寝かせ、今度は武器を片手斧と長剣へと転換する。

 

「オレたちの娘に、剣が刺さる所だろ。俗物が!」

 

仮面の下で血を流しながら激昂を露わにする来斗は、斧と長剣を持ち、今にもモルガンに止めを刺そうとする妖精達の前に一瞬で移動してみせた。そして、目に映る全ての妖精達を暴風の様な斬撃を斧と長剣からそれぞれ放つ。吹き飛ばされた妖精達は、そのまま全身を斬撃の余波によって切り刻まれ、瞬く間にスプリガン同様に物を言わなぬ存在へと成り果てる。まるで天災の様に進みを阻む存在を薙ぎ払い続けていく。

 

「らい、と……なぜ?」

「何があろうとキミの側にいる約束したろ、トリネコ(モルガン)

 

どれだけの苦痛を受けたのか、目が見えなくなっているのに、それでも今のオマエはオレを心配してくれるなんて最光だよ。モルガン。

 

「あ、あぁぁ……らいと…らいとぉ…」

「待っていてくれ。すぐに終わらせる」

 

震える声で何度も自分の名を呼んでくれるモルガンを背にした彼は、己の半身とも言うべき武器を喚び出す。

 

「我が女王より賜りし剣で葬られる事を誇れ」

 

「もう一度付き合って貰うぞ、終焉剣最終!」

 

ソレは魔神の様な禍々しさを、聖人の様な神々しさ、妖精の様な儚げなさを感じさせる終わりを司る剣だった。

 

「だめ、やめて……来斗くん。貴方の身体が、」

「さぁ今こそ終焉の刻」

 

『『『『フォース・オブ・ワイズ起動』』』』

『スパルタン』『ハイランダー』『ディアゴ』『クオン』

 

来斗が持つ漆黒の剣から4人の声が聴こえると、彼の背後には半透明の剣士が出現する。先程まで、来斗が使っていた双刀のレイピア、大鎌、斧と長剣に加えて、二刀を持った4人の剣士はそれぞれ己の武器を彼へ向けると、自らの力を授ける。

 

「宝具解放!」

 

瀕死の重症を負っている身体が、悲鳴を上げる中で来斗は己の使命を果たすため漆黒の4人の賢神————ロード・オブ・ワイズから貰ったチカラを受け止め、モルガンによって創り出された自分だけの剣『終焉剣最終』の宝具を解放する。

 

 

 

 

『『『『「我は昏き救世主の道筋(ロードレス・モルガン)」』』』』

 

 

 

終焉剣から放たれた漆黒の奔流となって射線上にあるゆる存在に終わりを齎した。 終焉剣は、宝具解放を行うと斜線上にある所有者の敵と認識された者は死と言う終わりを齎される。しかし、強力な反面、死を齎した命の数が多ければ多いほど所有者の命を削るデメリットを持っている。さらに主君であるモルガンの承認なしで使えば、デメリットはさらに増す。

 

その結果、

 

 

「はぁはぁ、ゴホッ!」

 

 

 

宝具を使用した来斗は、敵を消し去ったのを確認するのを待っていたかの様に身体中から滝の様に血を吹き出した。

 

今にして思えば、転生する前のオレは、ここまで何かに必死になることはなかった。

 

そんな退屈で普通の学生生活を送っていたオレはある時死んだ。

そのあと、神を名乗る存在はオレの様な若くして死んだ未練のある魂に、もう一度だけ生きるチャンスがあるそうだ。でも、チャンスを貰える反面、異なる世界で人生を送る事となると言うデメリットもあった。

 

ソレがこの世界“妖精國”だった。

 

そんな異なる世界で、また早々死んでは困るらしい神さまは、チカラをランダムであたえてくれた。ランダムにしてはオレが貰ったチカラは、多分マシな方だと思った。ソレはと言うと、仮面ライダーセイバーに登場する悪役であり最凶に最強の剣士達であるロード・オブ・ワイズのチカラだった。

そして、チカラを持つ者は普通でいられない。その意味をオレは、モルガンと言う最愛の人と一緒にいる中で嫌と言うほど知った。

それでもチカラを貰ったのには、後悔はしたことはなかった。

いや寧ろ、感謝しかない。

 

だって、力が無かったらオレは敵を殺せなかったから。

 

気が付いた時には、もうモルガンたちを殺そうとしていた腐った妖精どもは、何も言わないオブジェになった。逃げようとした奴もいたが、例外なく連帯責任よろしくグッバイしてもらった。

 

 

今のオレにはもう痛みを感じる余裕はなかった。

彼ら(・・)と一緒に自分の存在を保つのに精一杯だから。

ベリルのクソの所為で、手足が今にでも腐り落ちそうになっているバーヴァン・シーを治してやりたいが、オレにはできない。その役目は、母親であるモルガンに任せよう。

 

「全く、キミって奴は、何処までも優しいなぁ……なんど、オレを、惚れ直させるんだ……」

「らいと、私を玉座に。あなたとバーヴァン・シーを治さないと」

 

モルガンを抱き抱えるのに邪魔なので、オレは刺さっていた物を全て抜いた。すると、どうだろう。一気に熱かった身体が冷え始めてくれた。ラッキーだな。こんなに熱いとモルガンが火傷してしまう。文字通りモルガンをお姫様抱っこし、優しく玉座へと下ろす。

 

「…そんなっ?!どうして!どうして貴方は!!自分を!」

 

そして、来斗によって玉座へと下ろされたモルガンは自身の視界を完全に回復させると、彼の状態を目に見てしまった。

 

「あぁ……あ゛ぁぁぁぁ!!ぁそんな!どうしてなのですか!?そんな身体で来たのですか?!ライトくん」

 

あぁ、久しぶりだな。

またキミがそうオレを呼んでくれるのは。

懐かしい。

 

モルガンの瞳の先には、いつも自分を安心させてくれる彼の姿はなかった。胸部から伸びる尋常ならざる“この國を滅ぼそうとする奈落の呪い”を受けているだけでも、致命傷なのに、刺し傷や焼き傷などが幾つもあり、むしろ傷がない場所を探すのが困難なほどにボロボロの身体。

 

ソレは、最早意識で保っているどうこうの話ではない。

 

どうやって彼は生かされているのかモルガンには理解することができなかった。

 

混乱、絶望、哀しみ、怒り……さまざまな感情がモルガンの頭の中を掻き乱す。そして、彼女は先程の受けた苦痛など忘れて痛む身体を動かし、倒れる彼の側に駆け寄り、抱き止めた。

 

「おい、よせ…キミ……に…も…呪いが」

「知らない!そんなことどうでもいい!!お願い死なないで!!お願いだから生きて!!」

 

大粒の涙をオレの顔に落とす彼女の顔を見てもオレは死への恐怖はなかった。心にあるのは、

 

「キレイだなぁ……トリネコ(モルガン)

「っ?!こんな時に何を言っているのですか?!」

 

愛する人への美しさに関する賞賛の言葉だけだった。

 

「ゴ…メン…ちゃんと……守れ、なくて」

「いいえ、貴方はいつも私の側にいてくれた…謝るのは、私のほうです。私が不甲斐ないせいで、貴方とバーヴァン・シーは」

 

「キミ、は………いつも…正し………かっ、」

 

ダメだ。もう言葉が続かない。

 

瞳から光が消えていく来斗に涙を流し続けるモルガンは一心不乱に呼び掛け続けるが、彼女の想いは通じず、別れの刻が迫る。

 

「来斗!死んではダメです!!私との約束を違えるのですか?!」

「……あぁ、そ…ぉ…だな…少…しぃ…寝てた」

 

「すぐに浄化を…いえ間に合わない…なら封印を!」

「モル…ガン……キミと、キミの……國…は、最光だった、よ…」

 

最期と悟った来斗は、消えゆく命と意識を無理やり繋ぎ止め、最愛の人へ別れを告げる。対するモルガンは、真実を見抜く妖精眼を持つゆえ来斗の別れの言葉が、全て本心からである事を理解する。

 

数千年の年月の中で、ずっと側に居続けてくれた。

 

自分とパスを繋ぐ事で生きられる事は、永遠に私に縛られ続けると分かっていても、笑顔で応じてくれた。

 

救世主(トリネコ)として旅をしていく中で何度も何度も自分を元気付けようとしてくれた。

 

互いに想いを伝え合い、恋仲となり、真名を告げ合った事で、心と身体が重なった。

 

女王して君臨する事になっても、彼は私を想い続けけてくれた。

 

貴方を失う事を恐れ、壁を隔て拒絶しても、妖精騎士として剣を振るい続けてくれた。

 

貴方の全てが、私の光であり道筋だった。

 

 

「……愛しています、来斗。私だけの英雄(仮面ライダー)

「っ?!ふ、ふふ……さいご…に、ソレ…は、最光………すぎる…だぁ…ろ…」

 

 

冷たくなっていく来斗を優しく抱きしめ、愛の言葉をモルガンは瞳から涙から流しながら、彼の好きだった“あの頃”の様な笑みを贈り、そっと唇を重ねる。

口づけを交わした事を照れ臭そうにしする来斗は、そのまま愛するモルガンの胸の中で彼女の暖かみの中で

 

 

「俺も愛してるよ、モルガン。オレの、最光の女王」

 

 

深い、深い醒めない眠りにつく。

 

 

ロード・オブ・ワイズとして新たな生を受けた彼は、何度も何度も心の中で彼女への愛の言葉を贈り続けた。

第一の生では、決して味合うことが出来なった暖かさを感じながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「召喚の招きに応じたくないけど来たぞ。

 全く、偽物を召し上げるなんてお前も人理もバカだな。

 クラスはプリテンダー。

 名は、ロード・オブ・ワイズ。

 気軽にワイズでいいぞ。

 契約上、お前に尽くす。

 なぁに、俺が側にいる限りお前に敗北を許されないよ。

 俺の愛する人の國を壊した責任は取って貰うぞ。

 せいぜい覚悟するんだな、マスター?」

 

 





もしかしたらFGO版も書くかも知れません。
なんちゃって。
ちなみに終焉剣のカラーリングは、刃王剣の色を黒と金に塗装された感じです。あまり細かくは考えてはいません。皆さんのご想像にお任せします。
もっと、モルガン陛下の二次創作増えてくれないかなぁー。

それでは皆さん、ごきげんよう〜。



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