美しき終焉。
虚空怪獣グリーザをscp記事風に記述したモノです。


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【美しき終焉】

scp-■■■

【美しき終焉】

object class:keter

 

 

【特別収容プロトコル】

scp-■■■はその性質、座標の観点から、収容が不可能です。

scp-■■■の軌道を変える為、地球上で活動中の大型scpの終了を速やかに行って下さい。(O5認可済み)

 

scp-■■■の存在、或いはそれに起因する星の消滅が観測される事が無いよう、各天体観測機関の記録改竄を行ってください。

また、上記の漏洩が起きた際はそれぞれ、カバーストーリー【現代アート】と【超新星爆発】が適用されます。

 

 

 

[説明]

scp-■■■は宇宙に開いた虚空です。

視認した人物によって姿が異なる特性があり、全体から突起の生えた幾何学模様の球体だと言うものや、表情の無い巨人の様だと言う証言が多く確認されています。

 

 

scp-■■■の存在する座標には、一切の質量が存在しません。

計測機器は空間エネルギー量0を示しました。

上記の視認者によって姿が変わるという特性は一切のモノが存在しないという宇宙においてあり得ない現象を、人の脳が無理に解釈した結果見る幻覚と推測されます。

 

 

よってscp-■■■は存在しません。ですが、存在します。それは観測と過去の事例から確かです。

scp-■■■とは、謂わば究極の【無】という現象であり、矛盾を内包しながら存在する宇宙の穴です。

 

20■■年■月■日

サイト-■■■で大規模な収容違反が発生。多数の財団職員が死亡しました。

収容違反の直前に空から黒い雷が降り、ソレに曝露したscp個体が凶暴化、或いはより攻撃に適した形に変化した事が確認されています。

 

これ以降、48のサイトで同様の事案が発生。

財団は黒い雷の発生源を辿る中でscp-■■■を発見しました。

 

scp-■■■は確認された限り、三つの星を滅ぼしています。

その何れからも生命体の痕跡が確認されており、scp-■■■は生命体の存在する星へ現れる特性があると見られます。

その際、大型で長命の種から襲い、消していく事から生命力を探る索敵機能が備わっている様です。

黒い雷による凶暴化は、この機能の副次的作用と推測されます。

この事から、scp-■■■が地球に現れた場合、

優先して襲われるのは大型のscpと見られ、大規模な収容違反に繋がると共に、XKクラス世界終焉シナリオを引き起こすと予測されます。

 

【追記】

scp-■■■の軌道変更は失敗しました。

20■■年■月■日。PM2:40分前後にイエローストーン国立公園に現れると予測されています。

 

 

【scp-■■■-Z】

scp-■■■は消失しました。

20■■年■月■日。

イエローストーン国立公園を壊滅させたscp-■■■は南東方面に移動を始めました。

それと同時刻に日本の神奈川県に存在する竜ヶ峰湖に次元断層が発生。その裂け目から【scp-■■■-Z】が出現しました。

scp-■■■-Zは人間と同じ四肢を持ち、表情の無い仮面の様な顔と、無機質な体を有した約50mの青い巨人です。

scp-■■■-Zはscp-■■■の存在したマサチューセッツ州に飛行移動し、交戦を始めました。この際scp-■■■-Zは鎧の様なモノを纏い、身体機能が向上したように見えます。

数刻の交戦の後、scp-■■■-Zは奇怪な顔の様な持ち手の剣でscp-■■■を切り裂き、scp-■■■は爆発の後、反応は消失しました。

その後scp-■■■-Zは飛翔し、成層圏付近で反応は消失しています。

 

 

 

【編集済み】

我々はあの忌々しい穴に何も出来なかった。

闘争も、逃避も、迎合も、命乞も、ヤツは一つも許さなかった。

アレは間違いなく終焉だったのだろう。

強い命、より多くの命を喰らう事しか考えていない獣を前に俺達の文明は全てが餌だった。

ともすれば【編集済み】のあるイエローストーン国立公園を最初に壊滅させたのも、納得がいくというものだ。

ヤツからすれば【編集済み】すら格好の獲物だっただけなんだろうがな。

いや、scp-■■■の事は良い。もう終わった事だ。時期にNeutralizedに再分類されるだろう。

今我々が見るべきはscp-■■■-Z。あの巨人だ。

彼が居なければ、我々は終焉を辿るのみだった。

勿論、彼は未知の存在であり、明らかな異常だ。財団職員としてはその解明と収容を考えるべきなのだろう。

だが、俺には彼が神に見えた。

こんなどうしようもなく滅びが付きまとう世界に、あんな簡単にそれを覆す者が居たのかと。救われた気がしたんだ。

彼であれば「犬」ですら、或いは。

 

……世界の人々は覚えちゃいないだろうが、記憶処理が完了するまでの数ヶ月間、彼には名前がついていた。

なんでも日本の映像作家がつけたそうだ。ここにその時の記録を残しておく。

また、その名前が必要になるかもしれない。まったく、そうなれば我々は形無しだがな。」

 

 

【記録no.1966】

「アレは神じゃない。きっと人に近いものだ。

神様はあんな面白い形した剣使わないでしょ。

僕は彼から、ごく普通の善心を感じた気がするんだよ。

それにさ、君あの時の現場映像見たかい?彼は逃げ遅れた人達を背中で庇っていたんだよ。

それがとても人らしいというか、美しい心を感じたんだ。アレに神様の格とか無いよ。勿論良い意味でね。

……彼とかアレとか固有名詞が無いと面倒だな。

なんか名前つけようか。

そうだな、超人……【ウルトラマン】ってのはどうかな」

 



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