NURUTO   作:ONE DICE TWENTY

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最終回です。


お前に教える術は、昔っから決めてたんだってばよ!

 さて、戦後処理……になるのだけど、マダーラもといオビートが五影会談で宣言した無限月読については、俺の【緑色の眩いぬるぬるしたもの】がそうだったんじゃないかとまことしやかに囁かれることとなった。というのも、みんな【緑色の眩いぬるぬるしたもの】や化け物を見た、という記憶のほとんどを忘れていて、月が強く光った瞬間に幻覚を見ただとか、自分が自分じゃなくなっていただとか、原作で言う「幸せな夢」ではなくちゃんとした恐怖の夢を見たって話で、まーまーマダーラへのヘイトが高まった。

 俺の仕業だって知ってるのは、あの時発狂しなかった極僅かな忍だけ。

 そんな忍達は、けれど口を割らなかった。お人よしが過ぎるのか、あるいは助けられたことを理解しているのか。まーあんま知らないけど、前者なんじゃないかなー。NARUTOだし。

 

 んで、宣言通り俺は楼蘭へ籠城……としたかったんだけど、んまー、ね。

 

 ちょいと、気になることがあったからさ。

 

「帰ってきました波の国……。思えばこの国でも色々あったなんてことはないなぁ……」

 

 結局、両親の顔も名前も知らなければ、他に血縁がいるかも知らない。物心ついた時には捨てられていた。それは、波の国がこんなになる前からの話だ。

 だから本当に俺は何にも知らない。

 そも、そんな二人がいたのかすらも。

 

 あるいは──俺は。

 

「あれ……ヨゴシ? 何してるんだってばよ」

「は?」

「お前こそここで何をしている、ナルト」

「は? サスケ? お前こんなとこで何してんだ!?」

「え、サスケ君!? に……ナルト!? なんでここに……」

「おーおー、珍しい面子というか、昔懐かしい面子というか。すまんのぅここにいるのがカカシじゃなくて」

 

 ──何度も否定したけどさ。

 やっぱなんか作為性あるよな、この世界。

 

 最後に、って。そういうことなんだろうけど。

 

 

 

 

「えーとオレは、波の国へ依頼があって……ちょっと内密な奴で、一人で来たってだけで」

「俺は依頼を受けてきた。波の国周辺に現れるらしい"化け物"……その退治にな。だが、まさかとは思うが」

「いやいや俺じゃねーって。つーか忘れたのか、波の国は俺の出身国だぞ。なんで俺が波の国襲わなきゃいけないんだよ。別に愛情なんか欠片もないけどさ」

「えっと……私と自来也様は波の国で相次いでる船舶失踪事件、っていうのの調査に来たのよ。たまには私も上忍らしいことしなきゃだし、波の国はある程度知ってたからね」

「カカシの奴ぅ、ワシにまで"たまには働いてください、健康なんですから"なんて言いやがって……老いぼれを労われというのにのぅ」

 

 というのが、彼らの集まった理由らしい。

 それらがベストタイミングで。……といってもまぁ、ナルート以外は同じ目的っぽいけど。

 

「ヨゴシ、お前は?」

「あー……まぁ、やり残したことを片付けるため、かな」

「おい、いい加減その曖昧な言い方をやめろ。それで受けた誤解がいくつある」

「そうよ、サスケ君の言う通り。アンタ、また罪状重ねてるみたいだけど、後々話を聞いてみれば"無くなってよかったもの"が多いらしいじゃない。そりゃそうよね、強大な力を持つ物、なんて一般人には取り扱えないし、平和になった今じゃ無用の長物だし。持ち主はみんな"無断で食べられたので窃盗としてはいますが、言ってくだされば差し上げたかもしれませんね……"とか言ってたし」

「ヨゴシ……お前、また消えるつもりじゃあないだろうな?」

「……ヨゴシ。それ、ホントなのか?」

 

 うわージラーヤこれ絶対こーなるってわかってて言ったじゃん。ナルートが本気モードになるってわかってて言ったじゃんコレ。

 しかも図星だったりする。

 

「決まりだな。ナルト、お前の用事は緊急性を要するものか?」

「いや、結構時間の余裕はあるってばよ」

「それならば、俺達の依頼を手伝ってくれ。恐らくだが、ヨゴシの目的も同じだ」

「うわー、偏見とか憎しみが無くなった分洞察力が爆上がりしたサスケやめてくれー」

「それって……もしかして、サスケ君に退治依頼が入った"化け物"と、私達の船舶失踪事件と……ヨゴシがここに来た理由が同じ、ってこと?」

「ああ。恐らくな」

 

 ナルートはまだヒナータと結婚前。腕は柱間細胞の培養で戻っているけど、サスケェ! は一人旅から帰ってきてない、そんな時系列です。

 故にだろう、サクーラは久しぶりに会ったサスケェ! と一緒にいたい気持ちが強いし、ナルートもまた同じ。ジラーヤはよーわからんが、ろくでもない事考えてるのだろうことはわかる。

 

 えー、逃げ場、逃げ場。

 

「あ、ナルト! 逃げようとしてる!」

「おう! ヨゴシの捕まえ方はオビトに習ったからな! わかるってばよ!」

「そんなの教える時間あったんだー」

 

 ぐるりと巻き付く布。ああそうね、俺の捕まえ方は確かにソレね。

 そういえばオビートってどうなったんだろうね。余命短いはずだけど、死んではないはずだし……あとウォロチマールとか穢土転生体とか。

 流石に……術は解いた、よな? 俺あの決戦の後一目散に逃げたからなんも知らないのよな。シカークとは口裏合わせに連絡はしたけど。

 

「じゃあ案内しろヨゴシ。お前は知っているんだろう。化け物の場所も、船舶失踪の原因も」

「……マジでみんなついてくる気?」

「ほう? ヨゴシお前、ワシらに任務失敗しろ、と言っておるのかのぅ。しかも、ろくに調査していない状態で」

「俺も路銀がかかっている」

「オレはまー、友達だろ? な? な!」

 

 胸の内に、問いかける。

 大丈夫かな。

 ……まぁ大丈夫か。

 

「ん、わかった。けど、それなりの覚悟はしておいて。多分戦いになるから」

 

 んじゃ……行きましょうか。

 

 親元へ。

 

 

 

 

 

「へぇ~、綺麗ね。海底洞窟……波の国に、こんな場所があったなんて」

「まー深度が深度だから、一般人は寄り付かないよ」

「……ナルト」

「ああ。ここ、なんか……」

 

 敏感二人組は感じ取っている。

 感じるのだろう。この先にいるモノを。

 

 ここは秘境。波の国の地下も地下にある海底洞窟。生命の気配無き死の洞窟。

 ちなみに同じく秘境である妙木山と湿骨林には自力で行ってものっそい勢いで追い出されました。

 

「にしても寒いのう」

「まーそりゃそうだよ。この先凍ってるし」

「波の国は比較的温暖な気候なはずだ。それを、いくら深いからと言って、」

「もっと古代、氷河期の洞窟だからねぇ。まー表に出てきてるのはソレの子供というかクローンというか、ある意味俺の兄弟というか」

 

 ツカツカと先を歩いていく。こっから急になる。暗くもなる。チャクラコントロールの修行は欠かしてないのでいやぁ楽ちん楽ちん。

 一応彼らが俺を見失わないよう、褐返のマントからライターを取り出して松明替わりにする。

 

 ほぼ竪穴に近いそこを、ツツと降りて行く。

 

「サクラちゃん、エロ仙人、アレ……」

「……えっ」

 

 ふと、ナルートが何かに気付いたように、壁面を指差した。

 何の変哲もない氷の壁。

 

 否──その向こうにある、まるで何かに引きずり込まれたかのような角度で凍り付いている、船。船首は巨大な指で摘ままれたように両側をへこませていて、船舶のあらゆる機能はほとんどが破壊されている。

 そんな船が、周囲にいくつもいくつも。

 

 ホウ、という、笛の音のようなものが響く。

 

「本来は、この冷たい氷の底で眠っているはずの存在だった。けど、起こしちゃったんだよ。アイツらの敵の力を俺が使ったから。でも、最初は様子見だった。基本的にそこまで好戦的な奴らじゃないからね。その後も各地に複製体を飛ばして、けれどやっぱりずっと様子見だった。……だけど、この前。ほら、十尾と戦った時さ。波風ミナトが尾獣玉を海に飛ばしたことがあったじゃん」

「……」

「アレで、起きた。完全にね。しかも攻撃されたと勘違いした。だから──周囲の生物に、攻撃し返すことにした」

 

 一体何m降りた事だろうか。百や二百はくだらない。海底を突き抜けて、更に更に奥。

 永久とも呼べるほどに凍り付いた地面の下。

 

 そこに、それはいた。

 

「……花?」

「いや……」

 

 おっけ、発狂は無しと。まぁ【緑色の眩いぬるぬるしたもの】よりかは気持ち悪くないし。

 

 それは確かに花のようだった。大きなヒトデのついたサボテンかっこトゲ無しかっことじる、みたいな。氷壁に体の九割を埋めている、二メートルちょいの植物のようなもの。

 ああ、けれど、罅の入った氷壁から露出するその身は、明らかに動物だ。枝葉かツタのように見えるものは、ガリガリにやせ細った皮膜であるとわかるだろう。

 そしてそれが、少しずつ、少しずつ、出て行こうとしていることも。

 

 んだば、退治だべさ。親が死ねば子も死ぬだろう理論で。

 

「古のもの……多分、チャクラよりも先にこの世界に辿り着いていた宇宙生物。あるいは俺が生まれた日に、そうである、ということにされた歴史の修正物」

「ワシらにわかる言葉で喋れェ」

「簡単に言えば、サスケの討伐対象の化け物の親玉で、サクラと自来也の爺さんの任務対象である船舶失踪事件の主犯で、俺がずっと、それとなく探してたもの」

 

 もっと簡単に言うと。

 

「俺の親だよ」

 

 

 

 

 

「え、親? あれが? お、親? もしかしてヨゴシって、トゲトゲアロエヤローみたいな存在だったりする!?」

「白ゼツは無限月読の犠牲者だって知ってるでしょ。まーそう大差ないけどね。俺は多分、コイツが生み出した過去の創造物に縫い付けられた魂……ある意味で穢土転生体、みたいな?」

「無駄話はいい。アレを殺せば化け物退治は完了だな?」

「いや、化け物は化け物で存在するよ。アレはそれを生み出してる親玉ってだけ。だから、アレを殺さないと化け物を殺したって永遠に新しいのが生まれ続ける」

「完了じゃないと言いたいのはわかったが、言葉が多すぎる。もっと簡潔に話せ」

 

 ナルートとのぶつかり合いでちーっとは丸くなったサスケェ! だけど、やっぱり俺にはアタリ強い気がする。

 なんでかなー。俺何かしたかなー。

 

「殺すのはいいが……この洞窟、耐久性はどれくらいのものかのぅ」

「さぁ? まぁ火遁とか使いまくったら普通に崩れるんじゃない?」

「というかあんまり広範囲且つ威力の高い術使ったらダメだと思うんだけど……」

「……」

「……アハー」

 

 サスケェ! が手に纏った千鳥を、ナルートがその手に浮かべた螺旋丸を消す。

 威力高い代表ね。

 

「こんなもの、お前はどうやって殺す気だったんだ」

「え、普通に生き埋めだけど。俺はホラ、こーだからさ」

 

 なんて言って、頭部をぐじゅりと溶かす。

 首切られても平気になったからなー、凍らされる、とか以外大体無敵だぜ俺。

 

「……」

「ん、どしたん」

「いや……水月を思い出していた」

「ああ、鬼灯一族の」

 

 これは全く関係ない話だけど、一応彼とは何度か鉢合わせている。その中で、やっぱアンタ鬼灯一族じゃないね、のお墨付きは頂いた。多分ウォロチマールとかになんか言われてたんだろう。ごめんねごめんねー。

 

 ま、その件があったからこそ、俺の親について気になった、というのもあるんだけど。

 

 笛の音が響く。

 ……。

 

「これ、多分救難信号だな。外にいたコイツの複製体がこぞって集まってくるぞ」

「丁度いい。纏めて始末してやる」

「でも強い術使っちゃダメなんだろ?」

「別に、崩れたら崩れただ。ヨゴシ、お前は俺達を外に逃がす手段を持っている。違うか?」

「……持ってるけど……」

 

 サクーラを見る。

 一瞬きょとんとしたサクーラだけど、すぐに顔を赤くして。

 

「い、嫌よ! もうアレは嫌!」

「え。おいヨゴシ、サクラちゃんに何したんだってばよ!!」

「なんだナルト、知らないのか? まぁナルトには早い事だからのぅ、いや、どうだ。婚前の男女ならば知っている事かもしれないが……」

「適当言ってるとその白髪全部抜くぞ爺さん」

 

 まぁサクーラは【緑色の眩いぬるぬるしたもの】に包まれる方を想像しているんだろうけど、俺の考える安全に運び出す手段はちょっと違う。

 食べて、飲み込んで、吐き出す。そっちのが安全だ。だから多分、アレ以上のトラウマになると思う。

 

「……なら、こういうのはどうだってば? 全員が全員、最大火力をぶっこむ! んで全員が全員全力で逃げる! 遅れたのがいたら助ける!」

「馬鹿丸出しの作戦だが、それが最も効率が良い気もするな」

「えーっ。ったく、しょうがないわねー」

 

 え、馬鹿丸出しの作戦だからダメに決まってるだろ、っていう流れじゃないの。

 なんでみんなやる気なの。

 

「ヨゴシ! お前もやるんだってばよ! 勿論エロ仙人も!」

「だ、そうだが……ヨゴシ。いざとなれば、助けてくれるのだろう? なら」

 

 そう言って、ジラーヤは俺の背を押す。いや、前に引っ張る。

 それぞれが「風遁!」「炎遁……」「しゃーんな──」と言っているそこに、「火遁!」なんて言葉を吐きながら。

 

 ……まぁ、そうだ。

 いざとなれば助けるさ。だって、俺は。

 

「約束するよ。──ヌル遁!」

 

 まだちゃんと、ヒト、らしいからさ。

 

 

 

 

 

 

「ナルトとヒナタが結婚、サスケとサクラが結婚。その他も結婚ラッシュラッシュ。ファイナルファンタジーだねぇ」

「……意味が分からんが」

「いや何、お前さんカッコイイんだから、モテんじゃないのって思ってさ」

「オレは……そういうのは」

 

 時が経って、木ノ葉。

 俺はフツーに犯罪者なんだけど、こーして木ノ葉に入り浸れているのは、一重に奈良シカクらによる擁護の声が大きい。

 あの時サイゾーと共に約定した恩赦……六道仙人の宝具を貰う、というのはソレで固まったんだけど、無限月読対策の方も報酬をくれるとかで、それが火の国内部での指名手配解除、になったというわけである。相変わらず他の国では追われる身なんだけど、まーこーしてゆったりできる場所が増えたのはありがたいかもね。

 基本は楼蘭でゆっくりしてるとはいえ。

 

「いやね、一応悪いとは思っててさ。だから女の子紹介してあげようかな、って」

「余計なお世話だ。……そもそも、何の義理がある。悪いと思われる筋合いすらない」

「ん-、でもネジの忍人生奪ったの俺みたいなもんだし」

 

 そう、日向ネジ。

 今俺がダル絡みしているのは日向ネジだ。

 

 というのも、やっぱり彼はあの発狂以来ちょっとおかしくなってしまったらしい。

 あの時、テンテンがとてもおいしそうなものに見えていた、というネージ。それが尾を引き、女の子を見ると「美味しそうだ」と思うようになってしまったのだとか。それ以外にも点穴を見ようと白眼を起動すると顔の周り蛭が這いずり回っているような気がしてマトモに立ってもいられなくなる、とかいう後遺症も……って、こっちがメインだわな。

 まーそんな感じで、もうマトモには戦えなくなったネージ。ちなみにそういう病状の奴はかなり多い。最後の無限月読対策で同じようなトラウマを負い、忍を続けられなくなった者は多数いる。平和じゃなかったらやばかったヤーツね。

 まーそこまで平和とは言えないんだけど、主要忍は大体発狂してないから大丈夫。

 

「オレは、お前の能力を否定することはない。その力がどういうものであれ、お前の出自がなんであれ……お前が皆を救ったのは事実だ。オレはそれを知っている」

「まーまー。あのさ、確かネジって運命って言葉好きだったよな」

「……今は、全く好きではないが」

「俺さ、未来から来たんだよね」

 

 ザァッと、風が吹く。

 木が揺れる。

 

「……そうか」

「その未来でネジは死んでたよ。運命はお前を殺していた。けど、お前さんは戦場に行かない事を選んで、その運命を跳ね除けた」

「眉唾だな」

「そんで──よいしょ。ヌル遁・生命返還」

 

 ボコゥ! と俺の体から【緑色の眩いぬるぬるしたもの】が吹き出し、それが人間大の大きさを取っていく。突然のことに目を逸らすネージ。まだ苦手なんだろ、知ってる知ってる。

 丁度ヒト一人分になった【緑色の眩いぬるぬるしたもの】。それをパチンと弾けさせて、回収すれば──そこには。

 

「──ッ、けほっ、けほっ……ぐ、が……お、れは」

「人!? ヨゴシ、これはどういうことだ!」

「この子も、運命に殺されてた子なんだわ。お似合いだろ?」

「兄さん! どうしたの!?」

「なんだなんだなんだぁ!? ネジ、どうしたんだってばよ!」

 

 あんまりにもネージが声を荒げるから、ヒナータの所に来ていたナルートとヒナータがこっちに来てしまったではないか。なんてことをしてくれるのか。

 

「え……あれ、もしかしてこの人……」

「りゅ……竜舌? なんでこんな所に……」

「こいっ……げほ、コイツに突然食われて……!」

 

 そう、竜舌だ。

 劇場版とはいえ、死ぬ運命にあった少女。親友を失った少女。オレっ娘。

 丁度独り身のネージで、同じような境遇で。

 

 いいんじゃね? って。

 

「お前なぁ。ヨゴシ……」

「ヨゴシ君……それは流石に、ちょっと……ナイ、かな……」

「わかっているのか……? オレはまだちゃんと草隠れの忍だぞ……? けほっ」

「隠れ里をまた争わせる気か、ヨゴシ!」

 

 ふむ。

 ダメか。

 いや、BORUTOがあるとして、俺はもう関わるつもりないけど、NARUTOの原作改変の影響をどーにか抑えられないかって奔走してたんだよね。功績はもうあるんだよ。ジラーヤとツナーデをくっつけることに成功してる。酒と少々の薬を盛ったら簡単だった。

 そうやって、ボルートのこと構ってくれそうな奴全員結婚させて、ちゃんとボルートに孤独感を与えれば原作通りに行くんじゃないかと。

 だからネージと竜舌も生真面目同士イケんじゃねって。ほら、NARUTOはカップル量産タイプの漫画だったし。

 

「まーまー、これを機に仲良くなってよ。んじゃ!」

「待て!」

 

 待ちません。

 フフーフ、俺は今、恋のキューピッドとして燃えているのだ。時間が惜しい! さらば!!

 

 

 

 

 

「ふ……白眼の使えぬ日向など、ただの一般上忍同然……」

「お前、ネジが白眼使えなくなったの悪いと思ってたんじゃねーのかよ」

「うわナルト!?」

 

 完全に逃げ果せたと思ってたら普通に隣にいた。

 ここは木の上。中忍試験の会場を見下ろせる──懐かしの、木の上。

 

 あんまり地面に溶け込んで逃げる、をやんないようにしてる。地盤怖いから。

 だからこーいうとこに逃げたんだけど、見つかっちった。

 

「お前さ、ヨゴシ。本気であーいう事言ってんの?」

「ああさっきの? 勿論。出会いが無けりゃ恋は始まらないからね。出会いを強制的に作るのはアリだと思ってるよ」

「……そっか」

 

 え、なんでシリアス。

 もしかしてアレか? そういやコイツ倫理観育ってないんだった、とか思われてる? 確かに最近のキューピッド行為は傍から見ればあまりに外道、だってボルートを孤立させるための行為だし、とか思ってたけど、そう思うくらいの心はあるよ俺。

 

「あのさ、ヨゴシ」

「お、おう」

「術! 教えるって言っただろ?」

「あー。あれね。でもアレ、永遠に教えてもらわない事でずっと約束したままにする、みたいな話にならなかったか?」

「なんだそれ。それじゃ約束になんねーってばよ」

 

 今日は風の強い日だ。

 木々がざわめいている。川のせせらぎにも似た、木々の鳴き声。

 

「オレってば、これから忙しくなっちまう。多分もう、お前に術を教えてやる、なんて時間は取れねーってばよ」

「ああ、だろうね。七代目に推薦されてんでしょ? ヒナタとの結婚も控えてるってのに、大変だよね」

「だから!」

 

 俺の雑談を、ぶった切るように。

 ナルートは。

 

 うずまきナルトは。

 

「お前に教える術はむかーしっから決めてんだ。今日は、それを覚えるまで帰さねーからそのつもりで!」

「え、でもお前ヒナタは? さっきなんか用あって来てたんだろ?」

「ヒナタは誰かさんが誘拐してきた竜舌の護衛に回ったってばよ」

「アラそれはごめんミ☆」

 

 しかし……何を教えてくれるのだろうか。

 感動的でエモい感じにするなら……「お前に教えるのは──ヒトの心だってばよ!!」とか? いや、ナルートらしからぬな。そういうのはもっと成熟した主人公でやれ。

 えー、じゃあなんだろ。「お前に教えるのは──火の意志だってばよ!」とかかなぁ。シカマールっぽさある。ない?

 んじゃあ、「多重影分身の術だってばよ!!」か。いやいや、アレ禁術だよ。俺のチャクラ量じゃ枯れるって。

 

「いいか、ヨゴシ! お前に教えるのは──」

「お……おう」

 

 その、術を。

 俺は、教えてもらった。

 

 

 

 

 

 

「ヨゴシー? どこにいますかー?」

「んぁ、サーラ。何、どしたん」

「ああいたいた。もう、帰って来たなら一声かけてくださいと何度言ったら……」

「なーに言ってんの。旦那とイチャイチャしてただろ、昼間はオウ蹴るな蹴るな」

 

 楼蘭。

 すっかり夜になってしまったここは、けれど明るい。

 大陸全土で見ても最大級のエネルギーが常に出てる場所だからな。それを狙う輩もいなくはないけど、傭兵ヨゴシ君を舐めないで欲しい。十尾とマダーラ食べたからそれはもう凄まじい出力出せるんだゾ。

 

 そんな楼蘭の、ある塔のテラス。

 窓際で二人。

 

「全く……。貴方は本当に変わりませんね」

「あー……それがさ、今日変わったんだよね」

「はい?」

 

 ふむ、折角だ。

 ナルートからは「完璧だってばよ!」のお墨付きを頂いたけど──ナルート以外にも見せてみたい気持ちはある。

 これはそう、俺が不定形に成れた、慣れた事でできるようになった術だ。

 

 題して──。

 

 

 

「おいろけ──ヌルヌル☆逆ハーレムの術!」

 

 

 

 出現するのは無数の男。そのどれもが全裸で、そのどれもがヌルヌルした液体に塗れていて、要所要所が眩く光っている。

 

 うむ。ずっとできなかった変化の術。そして分身の術。分身の術は実はヌル分身で代用してるとはいえ、そのヌル分身を変化させるという、チャクラを通さない性質の【緑色の眩いぬるぬるしたもの】を扱った忍術として考えれば超超超高等忍術であるといえよう。

 

 

「……お母様に報告します」

「まぁ待て待て待て」

「夫を持つ私に複数の男性の姿を、ましてやその肌を見せ、押し付けてきた──これは確実な国家転覆罪。罪状追加です」

「まぁ待て待て待て。ちなみに女の子にもなれるぞ」

「変態」

 

 結構グサって来た。

 あ、行っちゃった。

 ヌル分身を消す。えーと、効果アリ、でいいのかね。なんか色々失った気がするけど。

 

「……やっぱり俺の事わかってくれるのはお前だけだよ」

 

 えぐえぐと泣き真似をしながら手に浮かべるは【緑色の眩いぬるぬるしたもの】。

 

 その表面に、「金輪際そういう使い方はやめて」の文字が書いてあった。

 筆談、できるようになったね……偉いね……。

 

 とまぁ、こんな締まらない終わり方が、俺のNARUTO世界での最後の記録である。

 その後はまー、平和な楼蘭で、独り身のまま自堕落に過ごしましたとさ。

 

 おしまい。




読了ありがとうございました。続編は書きません。

以下ヌル遁の読み方と効果

塗流槍(ぬるやり)【緑色の眩いぬるぬるしたもの】で造った槍を持ったり射出したり。
離岩槍(りがんそう)【緑色の眩いぬるぬるしたもの】で造った槍を突き刺して内側から砕いたり。
ヌル棒/塗流棒(ぬるぼう)【緑色の眩いぬるぬるしたもの】で造った棒を持ったり射出したり。
ヌルー壁/塗流壁(ぬるー壁)【緑色の眩いぬるぬるしたもの】を吐き出して壁を造ったり。
ヌル陣壁【緑色の眩いぬるぬるしたもの】を噴き上げて壁を造ったり。
蛭乃陽陣(ひのようじん)六角形且つ超広範囲をヌル陣壁で囲ったり。
ヌル鞠/塗流鞠(ぬるまり)熔遁・護謨鞠と大体同じ
ヌルり身の術/ヌル遁アーマー【緑色の眩いぬるぬるしたもの】を纏って防御したり。
触手アーマー【緑色の眩いぬるぬるしたもの】を纏って防御したりわさわさしたり。
須佐能乎/ヌルノオ【緑色の眩いぬるぬるしたもの】で見た目だけ寄せた須佐能乎。
ヌル瀑布の術大瀑布の術と大体同じ
ヌルナミ故意に発狂を誘ったり
ヌル分身の術【緑色の眩いぬるぬるしたもの】でもう一人の自分を作ったり
ヌル分身の術/糸間意送(しかんいそう)の術【緑色の眩いぬるぬるしたもの】でもう一人の自分を作ったり糸の先に自分を作り出してそっちが本体になったり。
緑無(りょくない)【緑色の眩いぬるぬるしたもの】で造った苦無を持ったり射出したり。
大太刀(おおだち)/大太刀の術【緑色の眩いぬるぬるしたもの】で造った大太刀を持ったり射出したり薙いだり。
太刀の術【緑色の眩いぬるぬるしたもの】で造った太刀を持ったり射出したり薙いだり。
ヌルチャクの術【緑色の眩いぬるぬるしたもの】で造ったヌンチャクを持ったり射出したり薙いだり。
圧塗(あつぬり)大量に出した【緑色の眩いぬるぬるしたもの】で敵を圧し潰したり引き千切ったり。
巨大ヌル魔手裏剣【緑色の眩いぬるぬるしたもの】で造ったでかい手裏剣を持ったり射出したり。
栄養分岐(えいようぶんき)【緑色の眩いぬるぬるしたもの】で捕食した対象を理解し己が糧としたり。【緑色の眩いぬるぬるしたもの】に機能を追加したり。
緑吹雪(みどりふぶき)花びらを舞わせて幻術を施したり(自身の姿を消す程度)
豪ヌル腕の術豪水腕の術と大体同じ
ミニ豪ヌル腕の術【緑色の眩いぬるぬるしたもの】で成人男性くらいの腕を造ったり。
堆鳬哩(テケリリ)【緑色の眩いぬるぬるしたもの】で相手を包んで咀嚼したり。「飲み込め」の言葉と共に咀嚼を開始する。ヌル遁に読み仮名振れなかった最大の原因。最大のネタバレ。
金魚掬いの術穴だらけの薄膜を作り出し、相手の攻撃を受け止めて絡めとったり。
魚侘洲雷陀(ウォータースライダー)の術【緑色の眩いぬるぬるしたもの】で相手を流したり。
爆ヌル衝波水遁・爆水衝波と大体同じ
毬栗(いがぐり)の術【緑色の眩いぬるぬるしたもの】をイガグリのようにトゲトゲさせたり、相手を突き刺したり、身を守ったり。
一斉開花の術毬栗の術のトゲからトゲを伸ばし、花まで咲かせちゃったり。
ヌル本桜一斉開花の術の後、咲かせた花を散らし、刃となった花弁で相手を切り刻んだり。
奮割堤込(ふんわりつつみこみ)【緑色の眩いぬるぬるしたもの】で相手をふんわり包み込んだり。
蔓菁葉(まんせいば)の術【緑色の眩いぬるぬるしたもの】を藤の蔓に形成して相手を縛ったり引きずり込んだり。
苛伏四怨(イラプション)の術円錐台状にした【緑色の眩いぬるぬるしたもの】の発射台から礫状の【緑色の眩いぬるぬるしたもの】を噴射したり。
ぬりかべの術硬質化させた【緑色の眩いぬるぬるしたもの】で防壁を張ったり。
得塗流塔(エッヌルトウ)【緑色の眩いぬるぬるしたもの】で造った巨塔で相手を貫いたり。
緑雹(りょくひょう)【緑色の眩いぬるぬるしたもの】の礫を降らせたり。
粘水塊アニオリの濡羅吏が使った粘水塊と大体同じ。
ヌル牢の術水遁・水牢の術と大体同じ。
脳朽知由(のうくちゅ)の術対象の耳に【緑色の眩いぬるぬるしたもの】を突き入れ、脳を破壊したり寄生したり。
一突きの術/心ヌき三代目雷影の地獄突きと大体同じ。
八重斗六鎖(はえとりくさ)扇状に展開した【緑色の眩いぬるぬるしたもの】で対象を挟みこんだりぶつ切りにしたり。
吹綿条衝(すいめんじょうしょう)【緑色の眩いぬるぬるしたもの】の面を大きく持ち上げて対象を受け止めたり押し止めたり。
一転地変(いってんちへん)【緑色の眩いぬるぬるしたもの】の面を裏返して相手を包んだり。
ヌル龍の術所謂ドラゴンではなく雨神的な形に形成した【緑色の眩いぬるぬるしたもの】で攻撃したり噛みついたり移動したり。
ヌル髭危機一髪某おねぴーすのバギーのアレと同じ。
ヌル繭(ぬるまゆ)の術糸状にした【緑色の眩いぬるぬるしたもの】で相手を拘束したり
濡れ刃烏(ぬればがらす)超圧縮した【緑色の眩いぬるぬるしたもの】を手裏剣の形にして飛ばしたり展開したり
山津波の術【緑色の眩いぬるぬるしたもの】で濁流を生み出したり
行火掘十(アンカーボルト)の術足裏から【緑色の眩いぬるぬるしたもの】を地中深くにまで出してその場に留まったり
九条土矛(くじょうクレーム)【緑色の眩いぬるぬるしたもの】を地面から生やして相手を拘束したり。ネチネチとしていて拘束時間が長い。
柄楠雁芭(えくすかりば)剣の形にした【緑色の眩いぬるぬるしたもの】の先端から高圧水流みたいな【緑色の眩いぬるぬるしたもの】を放出したり。ビームって言え。
粘り蜘蛛の術【緑色の眩いぬるぬるしたもの】で蜘蛛の巣をつくって相手を捉えたり包んだりへばり付いたり
踊り蜘蛛の術【緑色の眩いぬるぬるしたもの】で蜘蛛の巣をつくって上下から相手を捉えたり包んだりへばり付いたり。粘り蜘蛛の術より効果範囲が広い。
ヌル沼土遁・黄泉沼と大体同じ。
挿し木の術木遁・挿し木の術と大体同じ。
心中斬首の術心中斬首の術と大体同じ。
堕暗(おくら)の術滝のような糸を吐き出して相手を拘束したりぶん回したり。
無限倍化の術/バイバインの術出せる限りの【緑色の眩いぬるぬるしたもの】を出したりそれで包んだり圧し潰したり。
緊急回避【緑色の眩いぬるぬるしたもの】を噴き出して強制的に体を移動させたり。
おいろけの術・ヌルヌル☆逆ハーレムの術多少緑がかっているもののローションっぽい何かでヌラヌラした全裸のイケメン達が寄ってきたり。女の子ver.はR18になるためお蔵入りになった。
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