【概説】ゴールデンバウム朝銀河帝国史:第1巻「建国期~ルドルフ大帝」 作:旧王朝史編纂所教授
まず、初代の各省尚書を以下に列挙する。括弧内は貴族制施行後に与えられた爵位と、連邦時代の職業と地位。
国務尚書 ヘルマン・ハーン(伯爵。連邦議会下院議員、連邦政府副首相兼国務大臣)
軍務尚書 エリアス・シュタウフェン(公爵。連邦軍人、連邦軍中央艦隊司令長官)
財務尚書 ゲオルグ・リヒテンラーデ(子爵。財務官僚、連邦政府財務省次官)
内務尚書 エルンスト・ファルストロング(伯爵。元連邦軍人、連邦政府警察大臣)
国土尚書 ギュンター・ゲルラッハ(子爵。元企業経営者、連邦政府国土開発公社総裁)
司法尚書 ライナー・キールマンゼク(伯爵。検事、連邦政府検察庁検事総長)
学芸尚書 エドゥアルト・ランケ(子爵。社会学者、国立テオリア大学社会学部長)
科学尚書 フォルクハルト・ハイゼンベルク(伯爵。科学者、連邦政府科学技術庁長官)
宮内尚書 マルクス・ノイラート(子爵。政治家、ペデルギウス星系政府首相代行)
書記官長 アルブレヒト・クロプシュトック(伯爵。連邦議会下院議員、国家革新同盟書記長)
軍務尚書シュタウフェン公爵が武官貴族になった以外は、全員が文官貴族となった。彼らの中で内務尚書ファルストロング伯爵と書記官長クロプシュトック伯爵、そして宮内尚書ノイラート子爵の3名は、ルドルフがペデルギウス政界で活動していた時からの部下で、それ以外は連邦政府で頭角を現した後の部下だった。また、国務尚書ハーン伯爵と内務尚書ファルストロング伯爵、科学尚書ハイゼンベルク子爵の3名が、連邦政府の閣僚から横滑りしている。
彼らは無能と怠惰を嫌悪したルドルフに見込まれただけあって、全員、有能かつ勤勉な人物だったが、同時に癖の強い人物でもあった。時にはルドルフの意向にさえも逆らうなど、後世に想像されたように、単なるイエスマンではなく、新国家を建設する気概に溢れた者達でもあった。彼らの多くは、後の帝国政界で、政治家・官僚の亀鑑とされて、長く顕彰されている。それは先祖を高める事で、その子孫たる自分達の存在価値を高める手段でもあったのだろうが、公開された新史料を読み込んでいくと、彼らがそうされるに相応しい人物であった事も分かってきた。
以下、各尚書ごとに、その業績や為人をまとめてみた。また、読者諸氏の興味を喚起するため、各人の子孫の動向についても、紙幅の許す限り記述している。彼らの中には、旧帝国末期まで先祖の血統を繋ぎ、新帝国に影響を及ぼした人物もいる。現代にまで続く建国期の息吹を感じて頂ければ幸いである。