当時、文章のいろはも無い時期の作品なので粗が目立ちますが、某異世界に繋がる食堂から発想を頂き読み切り短編として書き上げたものです。
自衛隊駐屯地に偶然錬金術店が繋がってしまう短編です。
完全読み切り作品なので連載はありませんです。
「師匠、お帰りなさい、長旅ご苦労様です。」
「うむ、息災にしていたか?」
「ばっちり元気ですよ!特に変わった事も無かったし、何時もの様に薬売ったり、窯をかき混ぜたりしてました。」
「こちらは、色々と収穫があったぞ?旧錬金文明の遺産が多く見つかってな、どれも状態が良く破損も少ない。」
「わぁ、凄いですね、・・・・あれ?それじゃぁ当分は研究室に籠りっきりですよね?もう暫く店番続けるのかぁ・・・。」
「すまんな、ロミ、遺産の解析が粗方終わったら、店に復帰する、もう少しだけ私のわがままに付き合ってくれ。」
「それじゃあ、お茶を淹れるので、荷物を置いてきてください、ついでに、お店の看板も下ろしてきます。」
「うむ、では私は、奥で少し休む。」
私はローゼマリー、王都から少し離れた平原で、小さな錬金術店のお手伝いをさせて貰っているの。
エリザベートお姉ちゃ・・・エルゼ師匠は、ちょっと変わり者で、昔の錬金術を調べたり怪しい薬を作ったりしているんだけど、
実は元々興味が無くて、親から逃げる口実が欲しかったみたい、今はのめり込んでいるけどね。
「ロミーーー!!!これは何だ!ブリッツフラムじゃないか!高火力の爆発物の調合は許可した覚えないぞ!」
「はわわっ、ご・・・ごめんなさい!鳥よけの爆竹作るつもりだったんだけど、調合間違えちゃって・・・。」
「爆竹作るのに何処をどう間違えたら、こんなものが出来るんだ!?錬金術店を半壊させるつもりか!?」
「つ・・・次は気を付けますー!!!」
私はエリザベート、王都から少し離れた街道沿いに小さな錬金術店を営んでいる。
弟子のロミは、体を悪くしてしまった親の為にと、私に弟子入りして出稼ぎをしに来ている。
ある程度錬金術の基礎は叩き込んだつもりだが、時折とんでもない調合ミスをやらかす。
しかし、あり得ない素材で、あり得ない物を完成させる事もしばしば起こる、お蔭で論文や新作レシピが何個か出来た。
こいつは、ある意味天才だな、数十年に一人か二人か居ればまだ良い方だろう。
「まぁ、幸い店には被害が出ていない、こいつは私が預からせてもらうぞ?」
「ごめんなさい・・・・。」
「いいんだ、それにしても・・・だ・・・。」
「師匠?」
「調合中に変な煙は吸っていないか?体に異常は?爆発に巻き込まれたりしていないか?怪我はしていないか?変な男に言い寄られていないか!?」
「し・・師匠っ!?だ・・大丈夫ですって!・・・あと、最後の方ちょっと変でしたよ!?」
「む、すまん、だが錬金術で作られた薬品の怪我は、唯では済まない物が多い、本当に気を付けるんだぞ?」
「わかっています・・・解かりましたから変なところ触らないでください・・・・。」
それから暫く経って、師匠が研究室から出てきて、解析が終わったぞーって、ごちゃごちゃした物を店の横に置いたの。
旅から帰るたびにお店の周りにガラクタ・・・・ううん、遺物が増えて行くから大分景観を損ねちゃうんだよね、お片付けが大変なの。
「ロミー、頼んでおいたものは完成したか?」
「うん、完成しましたよ師匠!魔法の雫・・・だっけ?調合楽しかったですよ!」
「ほほう、随分と透き通っているな、中々の高純度だ。それじゃぁ、早速遺物の起動に使わせて貰おうか」
「えっ?遺物に使うんですか!?わ・・私なんかが作ったので良いのですか?」
「あぁ、少しだけ動かすだけだから簡単な魔法液で良いんだ、本格稼働ともなると魔石を使わなきゃいかんが・・・。」
「師匠、その遺物・・・解析が終わったのですよね?一体何だったんですか?」
「これは、旧錬金文明が異国と交易をするために使用したと言う転送装置だな、それも現物の少ないポータブル型だ。」
「転送装置!?・・・・・て・・・何ですか?」
「かいつまんで話すと、遠くの場所に一瞬で物を移動させる装置だな、これがあれば馬車も必要なくなる。」
「わわっ、凄いですね!・・・でも、私何か嫌な予感が・・・。」
「大丈夫だ、魔法の雫程度では事故が起きるほどの魔力量は無い、回路が正常か確かめるだけだ。」
師匠はそう言うと、魔法の雫が入った小瓶を遺物にセットして、印を書くと起動の為の魔力を微量流して動作確認をしたの・・・でもね、嫌な予感って当たる物なのね。
「なぁ、ローゼマリーちゃん」
「なんでしょう、エリザベートお姉ちゃん。」
「君が作ったのは、魔法の雫なんだよね?」
「はい、その筈です・・・・。」
「見事にゲートが起動しちゃっているじゃないか!どこをどうやったら薬草と天然水だけで霊薬(エリキシル)が出来るんだ!!?」
「ごめんなさい!ごめんなさい!・・・・お願いだからヘッドロックやめて!」
「えぇいやかましい・・・・しかし、これは一体何だと言うんだ・・・・?」
酒樽位の大きさだった遺物は、きれいなアーチを描いて別の場所と繋ぐ門を作ってたの、どこかの国のお城みたい。
「・・・・一体何だ此処は・・・何処かの砦だろうか?・・・何だこの鉄の塊は?どこか遺物に通じる造形だが・・・」
「師匠、危ないですよ、良く分からない所に繋がっているみたいですし、戻らないと・・・。」
「ア・・・ノー・・・・スミマセン~~~」
「ひゃぁっ!?」「ぬぅっ!?」
「カンケー・シャ・イガ・・・タチ・キンシー・・・・」
「むぅ・・・そちらの物言いは良く分からないが我々は怪しい者では無い・・・ぞ?」
「師匠っ!早く戻りましょうよ!変な格好の人が集まってきてます!」
「ガイコクジン?ニホン・ゴ・ワカリマスカー?」
「っ!?荷馬車が勝手に動いている?なっ・・・この鉄塊と同じものもっ!?何なんだ此処は!?」
「早く戻って!」
師匠は、門の向こうで不思議な物を見てすごく驚いているみたい、でも怪しい恰好の人はどんどん集まってきています。
だから、手を思いっきり引っ張って門を潜って錬金術店に戻って来ました。
「はぁっ、はぁっ・・・すまんロミ」
「何とか戻ってきましたね、早く遺物を止めないと・・・・。」
「・・・そうだな、遺物から霊薬を引き抜けば・・・むっ!?」
次の瞬間です、門の向こうから、さっきの怪しい恰好の人が現れたのです、遺物もピカピカ光って変な動作をしています。
「何だ・・・これは?どこでもドアか何かか?」
「はわわわっ、向こうから来ちゃいましたよ!?どうしよう!」
「貴様!此処はルインブルグだ!早くここから立ち去れ!いや、本当、お願いだから帰ってください不法入国になっちゃいますヨ?ハイ。」
「リンブルグ?オランダの何処か?それよりも日本語喋れるんなら最初からそう言ってよ。あれ?日本語だよね?」
「相も変わらず何語か分からんが、意味は通じるぞ・・・?一体何だこれは?」
「発音も全然違うのに・・・師匠・・・これは一体?」
「遺物がこの男に反応している?まさかっ!!」
「師匠?どうしたのです!?」
「・・・・・不味い、向こうの国と接続が登録されてしまった様だ。」
「登録?」
「旧錬金文明は、国交のある国同士で門の接続を登録し、半永久的に門を稼働させていたと言う。」
「霊薬を引っこ抜いても駄目ですか?」
「解除の方法が分からん以上は、止め様が無いな、原理は不明だが接続先が登録されている場合は魔力を殆ど必要としないらしい」
「あー・・・お嬢さん達、良く分からんけど、これはいったいどういう事か説明してくれんか?」
「異国人よ、すまないがこちらの手違いで魔法の門がそちらと繋がってしまった様だ、暫く門が邪魔になるかもしれんが許してくれんか?」
「門って・・・あのどこでもドアの事?いや、困るんだよ駐屯地に変な物置かれても・・・。」
「駐屯地?あそこは軍事施設だったのか?」
「あぁ、駒門駐屯地・・・日本の自衛隊の駐屯地ね。」
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これが・・・・私たちの異世界との出会いの始まりでした・・・師匠は向こうの錬金術、カガクと言う技術に興味津々で遺跡探索が終わると、すぐに向こうの世界に行っちゃいます、お蔭で一人で店番する事が多くなっちゃいました。
でも、向こうの世界から斑模様のお客さんが来るようになって、少しだけ錬金術店が繁盛しました、お金が無いから物々交換ですけどね。
これが・・・私達の異世界との交流の始まり、なるほど、旧錬金文明が何故何の脈絡も無く、異常発達したのか解るな。
かの文明は、幾つもの異なる世界と交流を持つことで、貪欲に技術を吸収してきたのだろう。
異世界の文明から学べる知識は、実際に文明そのものを進化させる程の物を秘めているのは間違いないのだから・・・。
これが・・・日本と異世界の交流の始まり・・・・まさかドラゴンキラーに祭り上げられたり、害獣駆除と言う名目で巨大昆虫相手にEDFまがいの事やらされたりする羽目になるとは、この時思ってもいなかった・・・。
だが、遺物とやらの規模が大きい場合は、日本と繋ぐゲートを拡張する事も可能だとか・・・まぁ、ゲートの拡張をするかしないかはお偉いさんが決める事なんだろうけどな。
エリザベート エルゼ
師匠 ロミには厳しく接しているつもりだが、外からは激甘にしか見えない
遺跡から小型転送装置らしき物体を掘り起こして研究室に持って行くが、弟子のミスで誤作動を起こし日本と接続されてしまう。異世界の錬金術「科学」に強い興味を持つ
実は貴族の娘で、親から勧められた縁談から逃げるために家出している。
ローゼマリー ロミ
弟子 エルゼに弟子入りしてから本当の姉妹の様な関係になる。
頑張り屋だが、師匠に甘えてしまう事もしばしば、また勘違いから空回りする事が多く、様々なトラブルを呼び寄せてしまう。
実は錬金文明人の血を引いており、先祖返りで途轍もない魔力を保有しているが、幸か不幸か魔法よりも錬金生成物に作用してしまうため、普通の素材でとんでもない物が完成してしまう体質がある。