魔法学校であるホグワーツの生徒であるリリー・エバンスはジェームズ・ポッターのガールフレンドになることを受け入れたが、心にあるモヤモヤのせいで素直に喜べなかった。
そんな時、ジェームズに瓜二つの容姿を持つ青年が現れて?……。


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スネイプに報われてほしくて書きました。
その後どうなったのか、読書の皆様に委ねたいと思います。
好評なら続編がある……かも。


リリー・エバンスと謎の青年

ある小雨が降っていた日のこと……。

私は一人、湖を眺めて自分の心に問いかけていた。

 

➖本当にこのままでいいのだろうか? 私は彼と付き合ってもいいのだろうか?➖

 

晴れ間がある時であれば、綺麗に見える湖がまるで私の心を表してるかのようにモヤモヤとした天候によって暗い影と化している。 

昨日、私は同じグリフィンドールにいるジェームズに付き合って欲しいと告白された。

ジェームズはハンサムで成績も良い。

以前はヤンチャで私の元友人をイジメていたこともあったけど、今は傲慢さも薄れ、優等生になりつつあった。

ジェームズの最初の印象はあまり良くなかったから、告白された時、意外とすんなり受け入れた自分に正直驚いている。

明日からはジェームズとボーイフレンド、ガールフレンドの関係になるがやはり心にあるのは絶縁になった元友人のこと……。

 

「穢れた血か……」

 

私はそう元友人に罵られた。

純血の魔法使いではない者の間に産まれた者をマグルと言い、その事を私はこれまで庇ってきた元友人から罵倒され、悲しみと怒りが込み上げてどこかにあった糸が切れた……と思っていたのだが……。

 

「セブ……」

 

どんな差別用語で罵られて、バカにされても心の中では身を案じていた。

そんな想いはセブに届くことはないのだろう……。

いや、もうゼブの事は忘れなければいけない。

そもそも絶交したのは私の方だ。

謝罪は一応セブはしてきたけど、口先だけにしか見えなかったしあれ以来謝罪どころか歩いている最中にすれ違っても目を伏せて、私を遠ざけているようにも感じる。

もしかしたらジェームズと付き合うこと、それはセブを忘れられるいいチャンスなのかもしれない。

いや、チャンスにすべきなのだ。

 

「さよなら、セブ……」

 

私は湖をセブに見立て、そう呟く。

そろそろ寮に帰ろうかと立ち上がりかけたその時、一人の男性が近づいてきた。

 

「や、やぁ……」

 

「ジェームズ!?……じゃない? 誰、貴方?」

 

その男性はこれから付き合うジェームズと容姿があまりに似ていたので、一瞬見間違えてしまった。

 

「あ、えっと……僕はハリー・ロン」

 

なんか自分の名前言うのにしどろもどろして変な人……。

名前からしてジェームズの兄弟とかと言う訳ではなさそうだし、こんな人一度も会ったことないけど……。

 

「隣、座っていいかな?」

 

「私はもう戻るからゆっくりして行けばいいわ まぁ雨が降ってるし寒いけど」

 

「あぁ……その君に話しがあって! 少しだけ時間をくれないかな? すぐ終わるから」

 

「話し? 私に?」

 

「う、うん」

 

話しって何だろう?……。

告白とか?。

いやでも、少なくとも私はハリーという人物とは初対面だし、いきなりそんな展開になられても……。

そんな事を思っていると、ハリーの口から出てきたのは私には受け入れ難い頼みだった。

 

「いきなりこんな事言うのもどうかと思うんだけど、スネイプを許してあげてほしいんだ」

 

私は一瞬、言葉に詰まる。

何故、こんな初対面の他人にそんな事言われないといけないのか。

腹立たしくて仕方がない。

何も知らないくせに。

 

「まずその前に聞かせて 貴方はセブとはどんな関係なの?」

 

まずそこだろう。

セブと無関係な人に言われる筋合いはない。

 

「そうだなぁ……スネイプは嫌味ったらしい人ではあるけど、僕にとって先生でもあり、恩人でもある そんな人だよ」

 

先生?……恩人?……。

セブの友達って訳でもなさそうだし、謎だ。

 

「そう……でも貴方には悪いけど、セブを許す訳にはいかない」

 

「どうして? かあさ……いや、優しい君ならもう分かっているはずだよ? スネイプが本気であんな事言う訳ないって」

 

このハリーと言う人、何なの?。

私の何を知っているというのだろう。

 

「仮に本心じゃなかったとしても、心のどこかで純血以外を見下してるからあんな事が言えるのよ!」

 

普段、私が声を荒げることは滅多にない。

でも我慢する事ができなかった。

自分でもそれは分かっていたから……。

 

「もし好きな人に情け無い姿を見られたら、君ならどうする?……愛している人にバカにされたように笑われても君は何も感じないのかい?」

 

好きな人?……。

何?、どういう事?。

セブが私の事を好きって言いたいのだろうか?。

そんなはずはない。

セブは私を友人として見ているだけだ。

 

「セブが私を好き?……やっぱり貴方は何も分かってない セブはきっと友達としか見てないわ もし私の事を好きで愛しているなら、あんなことは絶対に言わないし、闇の魔術だってとっくに辞めてるはずなんだから!」

 

私がセブを許せない理由は➖穢れた血➖と罵っただけではない。

セブは闇の魔術に没頭し、悪い人間たちと交友を始め、死喰い人を目指しているようだ。

私は何度も何度もそれを止めようとした。

周りから何を言われようと、セブを助けたい一心で……。

でもセブは私の忠告は全く聞かず、絶好した後からより没頭していった。

セブがもし私を愛している女性と見ているなら、俄には信じ難い行動だ。

 

「母さんこそ何も分かってない! スネイプは闇の魔術を極めれば君が戻って来てくれると信じてたんだ! 好きだからこそ、歯止めが効かなくなってること何で分かってあげないんだよ!? 勿論、やり方は間違ってるけど……」

 

セブ……。

貴方って人は……。

どうして好きって素直に言ってくれなかったの……。

もしかしたら別の道だってあったかもしれないのに……。

ん?……その前に母さんって?……。

 

「母さん?……母さんって誰?」

 

「あ……よく母さんと喧嘩するからつい間違えて……」

 

いやいや、明らかに目が泳いでいるし、表情を見てもやらかしてしまったと言っているようなものだ。

嘘はつけない性格か……。

 

「お願い、本当の事を言って 貴方は誰なの?」

 

ハリーは暫く、悩んでいたようだったが観念したのか深くため息をつくと、こう切り出した。

 

「……僕はハリー・ポッター……ジェームズと貴女の子供です 母さんとスネイプが仲直りしてほしくて未来から来ました」

 

雷のような衝撃が脳天に落ちたようだった……。

それでも何故だろうか、それは一瞬。

急に有り得ないような話しをされても素直に受け入れられたのは女性の勘ってものなのかもしれない。

 

「そう……でも過去の人間に干渉したらいけないはずでしょ?」 

 

「信じてくれるの?……絶対に信じてもらえない思ってたのに」 

 

「何となく……貴方が嘘を言うようには思えないから……」

 

「信じてくれてありがとう母さん……本来ならいけないことなんだけど、どうしてもスネイプに恩返しがしたかったから命懸けできたんだ」

 

恩返し?。

セブに?……。

じゃあつまり私の息子であるハリーは将来、セブと関わりがあるってことなのだろうか。

闇の魔術に没頭するセブに関わるなら死喰い人になったりしている可能性もある。

 

「ハリーって言ったわね? どうしてセブに拘るの? 理由があるんでしょう? まさか貴方も死喰い人になったわけじゃないでしょうね!?」

 

私がそう言うとハリーは首を横に振り、笑いながら否定した。

 

「それはないから安心してよ スネイプはホグワーツに入った時の先生でそっから色々とあった……腹が立つことも……でもスネイプは僕を命懸けで最後まで守ってくれた」

 

あのセブが先生?。

しかも守ってくれた?。

 

「それも僕の為じゃないんだ 全ては母さんの為にスネイプは贖罪を含めた無償の愛を最後まで貫き通したんだよ……」

 

「セブ……そんな……待って、それはセブが死んだってこと?」

 

ハリーの言い方だとセブはハリーを守って死んだように聞こえるけど……。

絶交した私と大嫌いなジェームズの子であるハリーを命懸けで守ってくれた?。

 

「さぁね……ただ一つ言っておくよ 本当に母さんはこれでいいの? 死んだらもう何も話せないんだよ? 仲直りだってさ……二人共意地張ってないで和解してほしい」

 

「でも、もし私がセブと結婚したらハリー、貴方は産まれなくなる なのにどうして命を懸けてまで?」

 

「これがバレたら罰を受けるかもしれないし、僕自身が産まれて来ない可能性だってある……それでもスネイプには感謝してしてもしきれないから だから母さん、僕の覚悟を無駄にしないでほしい」

 

私は涙腺が崩壊し、ハリーを抱きしめると自分の息子だという確信が持てた。

ホントに優しくて立派な息子だ……。

セブごめんなさい……私が意地を張っていた……。

誰よりも大切に思っていたのに気持ちにも気づいてあげられなかった。

まさか息子に教えられるなんて恥ずかしい……。

 

「そろそろ時間だ……母さん、会えて良かった 父さんにもよろしく」

 

ハリーの姿が透明になり、抱きしめていた感覚が薄れていく。

もうちょっとだけこうしていたい……それは贅沢な願いだろうか。

 

「待って! ハリー!!」

 

だが私が声を発した時にはもう、ハリーの姿は完全に消えていた。


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