超次元ゲイムネプテューヌ Origins Succession 作:シモツキ
僕が信次元に来るのは、これで二回目。一回目は何故か飛ばされちゃった形で、でも二回目である今回は、グレイブと一緒に、イリゼに招待をされて来た。何だかんだで一回目も楽しかったし、嬉しい出会いもあったけど…やっぱり理由が理由な分、今の方がずっと安心して信次元や皆との話をする事が出来てる。知らない場所に行くのは、普段の旅でもそうだけど…突然飛ばされていつ帰れるかも分からないのと、自分の意思で来るのとじゃ、全然違うもんね。
でもまあ、それは別に重要じゃなくて…僕は思っていた。いつかやるんだろうな、って予想していた。グレイブの事だから、絶対に…絶対どっかのタイミングで、イリゼとのリベンジマッチをする事を。リベンジするのはイリゼの方だけど、間違いなく乗り気で「いつやるよ?」とか言いそうだって事を。前に信次元に来た時は、状況的にそういう話にはならなかったけど…旅行みたいな感じで来た今回なら、絶対言う。絶対やる。断言出来る、間違いない。グレイブは、そういう人間だから。僕は、そう思っていて……予想は当たった。その通りだった。その通りでは、あったんだけど…当たったのに、僕はびっくりした。
「ちるっ!ちるちるーっ!」
「ヒュララララ…」
だって、だってさ、ここまでは予想出来る訳ないじゃん。する訳ないって思うじゃん。そんな、イリゼとるーちゃん相手に…チルタリス相手に、キュレムを選ぶなんてさぁっ!
「さぁて、準備はいいか?イリゼ」
「勿論。私もるーちゃんも、準備万端だよ」
「いやいやいやいや!準備はいいか?じゃないよ!?準備万端だよ、でもないよ!?」
ここはテニスや温泉に行った時と同じような、街からは離れた開けた場所。そこでグレイブとキュレムの氷淵、イリゼとるーちゃんでそれぞれ正対し、声を掛け合ったところで、僕は待ったをかけた。かけるよ、かけるに決まってるじゃん!
「何だよ愛月。…あ、もしや愛月もイリゼと勝負を……」
「したい訳じゃないよ!?そうじゃなくて…るーちゃん相手に氷淵はあんまり過ぎるでしょ!」
「かもな。けど俺はそうするって決めた。イリゼもそれでいいって言った。なら、どこに問題があるんだよ」
「いやそれは……」
さも当然みたいに言うグレイブに、僕は頭を抱える。うん、分かってる。グレイブが手加減なんて全く出来ない事位。それに本気だからこそ得られるものとか、全力だからこそ楽しめる事とかがあるのも、分かってはいる。けどやっぱり、この勝負はあんまりで…そう僕が思っていると、イリゼが僕に近付いてきた。
「ありがとね、愛月君。でも、大丈夫だよ。私は相手がどんな存在か知った上で、それでもここにいるんだから」
「ほ、ほんとに分かってる…?確かに昨日話した時、氷淵の話もしたけど……ってまさか、昨日のあれは今日の為の事だったの!?」
「え、うん。…あ、そうとは知らずに話してたんだ……」
昨日僕は、イリゼにグレイブの手持ちの事を聞かれて色々話した。思い返せば、氷淵に関しては特に色々訊かれたけど…まさか勝負に向けた情報収集だったなんて…。
「…けど、良かったの?昨日の段階で、氷淵を出すって私に教えてて」
「良いも何も、俺はイリゼがるーちゃんを出す事も、るーちゃんがどんなポケモンなのかも知ってるんだ。だったらイリゼもこっちの事を知ってなきゃ、フェアな勝負にならないだろ?」
そう言って、グレイブは勝気に笑う。やっぱり選択肢がるーちゃん一択なイリゼ相手に、チャンピオンのグレイブが伝説のポケモンの一体で、タイプ的にも有利な氷淵を選ぶなんて、フェアでも何でもない気がするけど…はぁ、言っても止まらないのがグレイブだもんな……。
「僕は止めたからね?後で大人気ないチャンピオンだって言われても知らないからね?」
「大人気ないも何も、まだ大人じゃねーし」
口を尖らせてと言い返すグレイブを僕はじとーっと見て…離れる。イリゼとるーちゃんには頑張って、と伝えて…ここまで一緒に来た皆のところに戻る。
「490対660かぁ……」
「タイプ一致で四倍弱点狙ってくる禁止級……」
「……?ズェピアさん?カイトさん?」
「おっと、何でもないよ。けど、驚きだね。るー君が進…もとい、あんな姿に変わるなんて」
「ポケモンには進化っていう…現象?…があって、チルットって種類のるーちゃんは、進化すると今の姿…チルタリスって呼ばれる姿になるんだ。…一度したら元には戻らない普通の進化と違って、何故かるーちゃんはチルットの姿に戻れるんだけどね」
「つまり、るーちゃんは変身が出来る?」
「変身…うん、そんな感じかも」
戻れる…っていうか戻っちゃうんだから、確かにるーちゃんのは進化じゃなくて変身って言った方がいいのかも。そう思って僕は、イリスちゃんの言葉に頷く。
ここには僕やバトルする二人の他に、ズェピアさんとカイトさん、イリスちゃん…そして、イリスちゃんに抱っこされたライヌちゃんがいる。バトル、って事でグレイブやイリゼ達とはちょっと距離を取っていて……あ、そうだ。この勝負、スマホロトムで撮っとこっと。そうすれば、来てない皆も後で見れるし。
「んじゃ、改めて…始めても良いんだな?イリゼ。氷淵の事について、今ならまだ答えるぞ?」
「大丈夫だよ。愛月君から色々聞いたし…自分の目で、戦いの中で相手の事を掴んでいくのも、勝負だからね」
「確かにな。…前と違って、今回はハンデ一切無しだ。うかうかしてたら、速攻で終わらせちまうぜ?」
「グレイブ君こそ、私とるーちゃんが前と同じだと思ったら大間違いだよ?私はここに、戦いに来たんじゃなくて…リベンジを果たす為に来たんだから」
余裕のある笑みを浮かべるグレイブと、同じ位の余裕で視線を返すイリゼ。どっちもよく見る表情をしているけど、もう雰囲気は臨戦態勢そのもので…見てるだけでも、緊張する。
翼で胴体を包んでるるーちゃんは、見た目からしてやる気一杯。静かに立つ氷淵は、流石伝説のポケモンって位に堂々としていて…分からない。普通に考えたらグレイブと氷淵が圧倒的に有利だし、圧勝出来そうな気もするけど…良い勝負になりそうな気も、イリゼがそれ以上のものを見せてくれそうな気もしてくる。
だから、僕はもう何も言わない。最後まで見届けるって決めた。ほんと、フェアじゃないと思うけど…二人は本気だし、僕だってポケモントレーナーなんだから。
「やろう、るーちゃん」
「俺達の実力見せてやろうぜ、氷淵」
呼び掛けに、るーちゃんと氷淵はそれぞれ頷く。それから二組は互いに見合って、一瞬静かになって……
『──勝負ッ!』
二人の戦いが、グレイブとイリゼの…チャンピオンと女神の、二度目の勝負が始まった。
「先手必勝だ!」
「跳んで迎え撃つよッ!」
真っ先に動いたのは氷淵。地面を蹴って、技としての突進並みの勢いで氷淵は突っ込んでいって、それをるーちゃんは真上に跳んで回避する。跳んで避けた後すぐに翼を開いて、一気に減速して、るーちゃんは上からキックを返す。
避けられた氷淵は、そこからもう一歩前に踏み込む事でるーちゃんのキックを紙一重で躱す。続けて踏み込んだ脚を軸に回転して、るーちゃんに向けて翼を振る。翼から伸びる、杭みたいな氷を武器にるーちゃんを狙って、けれどるーちゃんは羽ばたいてまた上昇。上がる事で、るーちゃんの方もギリギリ回避して…グレイブとイリゼは、同時に叫ぶ。
「氷淵!」
「るーちゃん!」
『竜の波動!』
空のるーちゃんと、地上の氷淵、その双方の口から放たれる紫色の光。ドラゴンの力が込められた光線は、宙で激突して…そこから強い光が巻き起こる。
ぶつかり合ったのは、同じ技。でも、氷淵の方がより高出力で、少しずつるーちゃんの竜の波動を押し始めて……けれど、押し切るより先に光線は爆発。爆煙が広がって、どっちの姿も見えなくなって……それが晴れた時、氷淵とるーちゃんは、どちらも無傷のままでいた。
「ヒュララ…」
「ちーる…ちるるっ!」
ここまでは小手調べ。そう言うように氷淵は見上げて、るーちゃんは深呼吸するように空から鳴く。
まだお互い、出した技は竜の波動一回だけ。ここまでの時間も、一分だって経ってない。だけど…もうかなりの攻防の後みたいな、緊張感があった。
「おぉ…るーちゃんも、氷淵も、凄い。今の…光線?…も、格好良い」
「確かに凄いな…氷淵は伝説の名に恥じない動きと余裕を感じるし、それと互角なるーちゃんも凄い」
「純粋に強い、シンプルに能力の高い氷淵君と、恐らく空気抵抗や風の影響を受け易い翼を活用して対応するるー君…これは中々見応えのある勝負になりそうだね」
氷淵とるーちゃんが見合う中で、イリスちゃん達三人が呟く。僕はそれを聞いて…頷く。氷淵もるーちゃんも、強いし凄いんだから。
「やるじゃねぇか、るーちゃん。単純なスピードなら獄炎よりずっと速い筈なんだがな」
「言ったでしょ?その獄炎と勝負した経験も含めて、前とは違うって。それに、最高速度に加速力、旋回力に上昇下降能力…一口にスピードって言っても、その時々で必要になる力は違うからね」
戦う氷淵達と同じように、グレイブとイリゼもまだ余裕。けどきっと、二人は考えてる。ここまでの、一分もない戦いの中から、相手の強さを分析して、どう戦おうかっていう作戦を。
でも、ただ見合ってる訳じゃない。言葉を交わした数秒後、二人の視線は鋭くなって…また、戦いが動き出す。
「るーちゃん、エアカッター!」
「真上に跳んで反撃だ、氷淵!」
強く羽ばたいたるーちゃんの翼から放たれる、幾つもの風の刃。広がりながら振るエアカッターを、氷淵はがっしりした脚で踏み切る事で大きく跳んで、避けた後すぐ翼の先をるーちゃんに向ける。そこにある氷を一気に伸ばして、槍みたいにるーちゃんを狙う。
左右で合わせて四本の氷の槍を、るーちゃんはくるりと後転して回避。一回転してまた氷淵の方を向くと同時に竜の波動を撃って、紫の光は氷淵に迫って……
「いけるな?氷淵。フリーズドライ!」
「ヒュラリラ…!」
けれど竜の波動は当たる直前、氷淵の寸前で止まる。氷淵の力、フリーズドライで急激に固まっていって…凍結した竜の波動を、氷淵は蹴り砕いた。
「マジか、竜の波動を凍らせやがった…」
「マジだぜカイト!氷淵のフリーズドライは『特別製』だからな!」
「……っ…だとしても、空にいる限りはるーちゃんの方が……」
「違うな。間違ってるぜイリゼ。空も氷淵の…領域だッ!」
今のはイリゼも驚きだったみたいで、動揺した顔に。でもだからって気弱になったり、何かミスをしたりする事はなくて、蹴り砕いた反動でまだ空にいる氷淵へと次の攻撃をしようとする。
そのイリゼへ向けて、にやりと笑ったのはグレイブ。空も氷淵の領域、それはきっと氷淵へ向けた合図で…次の瞬間、氷淵の翼から冷気が吹き出す。それと同時に氷淵の足元が凍り付いて…氷淵は、滑り出す。足元を凍らせて、冷気を噴射する翼をブースターにして……空を、滑る。
「ちるぅ!?」
「速い…ッ!くっ…コットンガード!」
最初の突進にも負けない…ひょっとしたらそれより速いかもしれない突撃を氷淵はかける。るーちゃんは突撃を躱したけど、氷淵は体勢も翼の向きも変える事で、スキーしてるみたいに滑らかに旋回。びっくり状態のるーちゃんを、突撃を繰り返す事で少しずつ追い詰めていって…何度目かの突撃の末、背後を取った氷淵は竜の波動。咄嗟のイリゼの指示でるーちゃんはコットンガードを、厚い綿のガードをする事で防いでいたけど、氷淵自身は止まらない。竜の波動を撃ちながらも氷淵は突撃を続けていて…激突。防御で散ったコットンガードが周囲に広がる中で、氷淵の突進はるーちゃんに直撃して、氷淵諸共るーちゃんは地上へ。
「うっしまずは一発!けど油断するなよ氷淵!反撃される前に、至近距離からフリーズ……」
フリーズドライ。グレイブはそう言おうとした。言おうとして…けれど、止まる。そしてその理由は…すぐに、分かった。
凄い速度で氷淵が叩き込んだ突撃。技じゃなくても、絶対十分な威力を持った一撃。…それが、止まっていた。るーちゃんの寸前で、ぎりぎりるーちゃんに触れない形で……コットンガードに阻まれて、攻撃が塞がれていた。
「ちーる、ちるーっ!」
「これは……ただのコットンガードじゃねぇな?」
「ご明察。これが、私とるーちゃんで編み出した『技』の一つ──コットンガード・アブソーバースタイルだよ」
普段よりずっと綿の増した…胴体を中心に綿が大増量状態のるーちゃんは、翼を広げて高く鳴く。氷淵を一度下がらせたグレイブは、少しだけ目を見開いて…イリゼは薄く笑う。
この勝負の決着が、どうなるかは分からない。でも……これが前の勝負にも負けない激戦に、心から凄いって思えるポケモンバトルになる事は、間違いない。
*
コットンガード・アブソーバースタイル。一見すると通常のコットンガードと変わらないそれは、その実同じではない。
通常の、従来のコットンガードが単に身体へ全体的に綿を纏う技であるのに対し、アブソーバースタイルは綿を胴体のみに纏い、その分の余剰リソースで胴体の綿を密度の違う積層構造とする、より『受け止める』事に特化した技。表層の低密度帯で衝撃を拡散させ、深層の高密度層で確実に止める、コットンガードの正統強化。纏う部位を全身としない点も、コットンガードを展開したままでの行動力確保に繋がっており…氷淵の突進を真正面から受け止め阻んだ。その事実が、通常より高難度である事を差し引いても、技としての有用性を見せていた。
「るーちゃん、反撃に出るよ!スタイルチェンジ、エアリアルフォーム!」
イリゼからの指示を受け、るーちゃんは飛翔。ある程度動けるとはいえ、そのままでの空戦は分が悪いという事なのか、纏っていた綿を解除し…新たに別の綿を纏う。先のそれとは対照的に、翼を中心に尾羽や脚の一部へと綿を纏い、舞うようにして空へと上がる。
「違う展開の仕方…今度は飛行能力重視ってとこか。だったら氷淵、竜の波動!スピードで翻弄するぞ!」
「ルヒュラ…!」
空に上がるるーちゃんを追って、氷淵も再び空へ。下から回り込んだ氷淵は竜の波動を撃ち込むも、るーちゃんは僅かに身体を傾ける事で、それだけで身体一つ分横に逸れて攻撃を回避。氷淵は数度攻撃を続けるが、どれも僅かな動きで、翼と綿とで巧みに風に乗るるーちゃんには当たらない。
「そう簡単にいくとは思わない事だね!るーちゃん、エアカッター!」
「来たか…!氷淵、さっきのより広範囲に来るぞ、気を付けろ!」
数度の攻撃を避けた後、避ける挙動から更にるーちゃんは一回転。綿で拡大された翼からは、より多くの刃が放たれ、氷淵を襲う…が、急反転と加速をかけた氷淵は間一髪で回避し、そこからは複雑な軌道を描く事でるーちゃんに狙いを定めさせない。
風に舞うるーちゃんと、空を滑る氷淵。全く違う形で空を疾駆する両者だが、やはり速度は氷淵が上。されど自力飛行と風に乗っての飛行を組み合わせるるーちゃんの動きは変幻自在であり、双方の距離は開いて縮んでを繰り返す。
「ヒュラルラ…」
「るちるっ!」
ドッグファイトを思わせる、背後の取り合い。後ろを取る度お互い攻撃を仕掛けるも躱され、攻撃が裂くのは空ばかり。一度氷淵が接近した際、フリーズドライでるーちゃんの左翼を凍結させるも、るーちゃんは凍結が自身の翼に到達する前に左翼を覆う綿をパージし、即座に再展開する事で被弾を無効化。直接的なダメージは一切無く…されどもイリゼ、グレイブ共に焦りはない。
「自由自在、って感じだな。けど、翼が大きくなってるんだ。飛ぶ能力は上がっても、接近された時は辛いんじゃないのか?」
「そう思うなら、接近するといいよ。接近、出来るならね!るーちゃん!」
声に反応し、翼を広げて脚を振り出するーちゃん。綿が一気に抵抗となる事でるーちゃんは瞬く間に減速し、後方から前に投げ出される形となった氷淵に向け、下から竜の波動で偏差攻撃。それは氷淵の未来位置へ的確に放たれていた……が、グレイブと氷淵は、それを逆手に取った。
竜の波動が直撃する寸前、氷淵は再びフリーズドライを発動。先と同じように、氷淵の放つ冷気が問答無用で竜の波動を凍結させ…しかし蹴り砕いた一度目とは違い、二度目である今は反転しながら竜の波動に、凍結したエネルギーの柱に氷淵は飛び乗る。そこから下へ、斜めに伸びた柱の上を滑走し…面食らったるーちゃんに肉薄する。
「ち、ちる…っ!?」
「捉えたぜ、るーちゃん。──氷淵、氷獄砕破!」
「ヒュルラララ…!」
懐に飛び込まれる直前、るーちゃんは拡大した翼で大きく羽ばたき、一気に距離を取ろうとした。だがそれより一瞬早く、グレイブは覇気の籠った声を上げ…氷淵が応えた瞬間、るーちゃんの周囲に氷塊が出現。それ等は氷淵の咆哮が響いた瞬間、一斉に砕け……炸裂した氷塊の破片が、るーちゃんへと殺到した。
「……っ!るーちゃんッ!」
「ちる…ちる、るぅ……!」
「決まった…!……けど、るーちゃんはまだやれる感じか…」
「今の攻撃、何割かは綿の方に当たっていたね。先程の姿…アブソーバースタイル程ではないにしろ、綿を纏っている部位なら防御ないしは威力の軽減が出来るという事だろう」
遂に入った、まともな直撃。弱点を突かれた形でもあるるーちゃんは、綿を瓦解させながら落下する…が、イリゼの声に反応し、頭を振りながら再び空へ舞い上がる。
ズェピアの見立て通り、氷獄砕破はるーちゃんへと直撃していたものの、翼を中心に纏っていた綿が盾となり、当たった全てがダメージとなった訳ではなかった。それでも強大なポケモンである氷淵…キュレムに弱点を突かれた事は大きく、立て直すべくるーちゃんは距離を取る。当然氷淵はそれを追う。
「逃がすかよ!立て直させるな氷淵、回り込め!」
「逃げる?それは違うよグレイブ君。るーちゃん…今だよ、後ろに一回転!」
指示の通りに加速し、上方から回り込んだ氷淵は、滑走したまま翼の先端を下へと向け、両翼から氷の槍を打ち込む。対するるーちゃんもまた、指示の通りに後方宙返りを行い、躱した直後に急降下。氷淵も追って降下をかければ、るーちゃんは地上すれすれで飛行を行い、砂煙を巻き上げる。一度はその砂煙でるーちゃんの姿は見えなくなり、氷淵も飲み込まれる…が、すぐさま冷風で吹き飛ばす。
「逃げてないってなら、次の手の準備中ってところか…いいぜ、見せてみろよイリゼ!」
砂煙が四散した時、るーちゃんは反転し、氷淵と向かい合う形になっていた、その時点でもう、るーちゃんは突撃を掛けており…グレイブは正面からの迎撃を選ぶ。
勿論それは、強者の余裕…グレイブの持つ、圧倒的な自信に起因している部分もある。だが同時に、氷淵に…伝説に名を連ねるポケモンに、逃げ腰の戦い方はさせられないという、共に戦う仲間を思っての選択でもあった。
その上で、グレイブは考える。感覚を研ぎ澄ませ、るーちゃんがどんな技を使ってくるか何パターンも想定し、その一つ一つへ対処法を組み立てていく。
「ちるちるるーっ!」
(これは…このまま突っ込む気か!だったらギリギリまで引き付けて……)
真っ直ぐ迫るるーちゃんに対し、地に脚を付けた氷淵もまた向かっていく。そのまま突進、或いは超至近距離から弱点を突ける竜の波動を放ってくる、そう予測したグレイブは、見切って返り討ちにするべく引き付ける。ギリギリまで、寸前まで引き付け、来ると思った瞬間口を開き……
「──ッ!るーちゃん…スリング・ブレイドッ!」
「ちぃぃぃぃ…るぅぅッ!」
「は、ぁ……!?」
次の瞬間、グレイブは目を見開いた。左翼を氷淵の首へと巻き付け、そこを基点に半回転し、左翼を離した直後に右翼を再び首へ打ち付けたるーちゃんの姿に、それによって倒され地面に叩き付けられる氷淵の姿に。そして何より……聞いた事のない、未知の技に。
「え…な、何あの技!?スイング……」
「スリング・ブレイドッスよ、愛月」
「あ、そっか。スリング…って、アイさん!?」
目を見開いたのは、愛月も同じ事。全く知らないその技に愛月は驚き…直後に聞こえた言葉で訂正をするが、すぐにまた驚いた。つい先程までいなかった筈のアイの存在に、仰天した。……だが、いつの間にかいたのは彼女だけではない。
「旋回式ネックブリーカー・ドロップを更に変化させた、遠心力を使っての技…まさかそれを、ポケモンがやるなんて…ね」
「これ、素早く正確に腕をフックさせるのが重要なんだけど…確かにあの翼なら、軽く引っ掛けるだけでも上手くいきそうだものね。面白い事考えるじゃない、おねーさん」
「うおわっ、ビッキィにエスト…え、なんか皆やけに詳しいな……」
興味深い様子で言葉を続けるもう二人…ビッキィとエストの存在に、カイトも驚く。イリスも目をぱちくりとさせており、少なくとも外見上落ち着いているのはズェピアだけだったが、なんて事ない様子で三人は二組の勝負を見つめる。
「ヒュル、ラ……!」
「これは…まさか格闘タイプか…!?……っ、飛び退け氷淵ッ!」
叩き付けられた氷淵の反応と、るーちゃんの動きからグレイブは今の攻撃が格闘タイプ…氷淵の弱点を突く事の出来る技だと判断。流石の彼もそれ以上の事は分からなかったが…そこで直感的に危機を感じ、思考を止めて回避を指示。それを受けた氷淵が飛び退いた直後、一瞬前まで氷淵がいた場所をるーちゃんの竜の波動が貫き…下がる氷淵を、羽ばたくるーちゃんが追う。
「もう一撃叩き込むよ!コットンガード・カウンタースタイルッ!」
追撃するるーちゃんは、今一度発展型のコットンガードを使用。三度目であるカウンタースタイルにおいて綿を纏ったのは翼の一部と脚のみであり、一見すれば綿を切り離した際の残りにも思えてしまうような、脅威を感じられないスタイルチェンジ。
だが、グレイブは軽んじない。展開部位と積極的に近付いてくる事から、彼は近接戦に重きを置いた姿だと考え…反撃のタイミングを図る。
「ちっる!」
「ヒュララ……!」
宙返りにより振り出されるるーちゃんの尾羽。氷淵は左に躱し、両翼の氷で左右から狙う。るーちゃんが下がれば、氷淵は振り抜いた翼の氷を伸ばして追撃し、されどるーちゃんは身体を九十度回し、左右からの氷の合間に滑り込む。地面とほぼ垂直になったまま、近付きながら竜の波動を氷淵に放つ。
それを氷淵は、氷を切り離し、尚且つ前に踏み込みながら跳躍する事で回避。切り離した氷は左右への回避を阻み、地上戦故に下に避ける事も出来ない。そんな状況を即座に作り出した上で、跳んだ氷淵は再度翼に現れた鋭い氷を眼下のるーちゃんに向けて振り抜く。
「こいつで…ッ!」
「ふっ……今だよ、るーちゃんッ!」
上から迫る氷淵に対し、るーちゃんは脚を振り上げ飛ぶ。上から下への翼と、下から上への蹴りが交錯し、氷淵は地に、るーちゃんは空に。そして互いに…ダメージはない。
「喰らってない…って事は、接近戦用のプロテクターだったか。なら追うぞ氷……何!?」
ダメージが入らなかったのなら、次の手を打つまで。一瞬でそう切り替えたグレイブだったが、追撃を指示しようとし、氷淵も凍結と冷気噴射で空へ上がろうとしたところで…気付いた。つい先程までるーちゃんが脚に纏っていた綿、それが今は氷淵の翼に纏わり付いており、冷気で凍り付いた綿が蓋となる事で飛行に支障が出た事に。
それ自体は、致命的ではない。即座に冷気ではなく氷の槍を突き出す事で、凍結した綿を砕いた氷淵だったが、イリゼにとっては、僅かにでも時間が作れれば十分だった。末端部位に纏った綿を相手の直接攻撃にぶつけ、威力を殺しつつ綿を纏わり付かせる事で動きの阻害と綿排除の手間を取らせる…それがカウンタースタイルのコンセプトである以上、一瞬だろうと動きが鈍ればその目的は達成されているのであり…氷淵の直上に、紫色の光が輝く。
「これで二撃目…るーちゃん、竜の波動ッ!」
「ちるるぅぅッ!」
動きの止まった隙に上昇から反転をかけたるーちゃんの、溜めを作っての竜の波動。今なら回避もされない、溜めた分これまでより凍結させられる可能性も低い筈、そんな判断と推測を踏まえての攻撃であり…イリゼの見立て通り、竜の波動は躱される事も氷漬けにされる事もなく、音を当てて直撃する。だが……
「……ッ!」
「…氷塊防壁。完全には間に合わなかった分、ちょっとばかし抜かれたが…まぁ、許容範囲だな」
一瞬、直撃により広がった霧。しかしその中から現れた氷淵は、弱点を突かれた割には涼しい顔であり…そんな氷淵の周囲に転がるのは、砕けた氷塊。
それを見て、イリゼは先の攻撃…先程はるーちゃんの周囲に展開した氷塊を、今度は自身の周囲に展開し防壁にしたのだと理解。隙を突いた為不完全な防御となり、多少のダメージは入っているようだったが…成果としては、想定よりも明らかに低い。その事にイリゼは表情を歪めたが、ならば仕方ないとるーちゃんに上昇をするよう伝えた。
「…本当に、凄いな。相性も、トレーナー的な意味でも、どう考えたってるーちゃんの方が圧倒的不利な筈なのに…ここまで誇張抜きに、ほぼ互角じゃねぇか」
「うん、凄い。…ほんとに、凄いよイリゼは。前の時もそうだったけど、今もコットンガードで色んなフォルムを作ったり、全然違う技を使ったり…そんなの、僕は思い付かないもん。僕はそうだし…グレイブだってきっと、そこまでは思い付かない」
一進一退の攻防を前に、カイトは感嘆混じりの言葉を漏らす。その言葉に愛月も頷き…真剣そのものの顔で、言う。イリゼの戦い方は、発想は、無茶苦茶なグレイブですら思い付かない、と。
「んー…それはきっと、イリゼおねーさんがポケモンのいる世界じゃなくてゲイムギョウ界の女神で、トレーナーじゃないからこそ、ね。わたしも詳しくは知らないけど、ポケモンの技って基本的に、それをそのまま使うでしょ?」
「……?それって、どういう……」
「ふむ…ポケモン世界の住人は独立した『技』として捉えているものを、イリゼ君は単なる『技術』として捉えるという事かな?」
「そうそうそういう事。多分だけど、おねーさんは…コットンガード?…を、防御に向いている綿を纏う技術、って考えてるのよ。けど貴方やグレイブは、違うんじゃない?」
エストに言われ、愛月は気付く。確かにそうだ、と。自分はコットンガードを防御に使う技…体当たりを始めとする、主にポケモンが自分の身体をぶつけて行う技への耐性を大きく上げる技だと考えていた、と。
しかしイリゼは違う。剣を振る、翼を用いて飛翔する、シェアエナジーを圧縮するといった、基本的な技術と同様に捉えているが故に、ポケモンの技に対する固定観念が全くない。無論、炎を放つ技を加速や飛翔に使うという程度の応用は、ポケモントレーナーも思い付くが…その発想の幅が、イリゼは桁違いだった。元から変幻自在な戦闘スタイルを得意としている事も手伝って、発想力による派生や応用においては、明確にイリゼが上回っていた。
「本当に大したものだ。…だけど、良くないね」
『良くない…?』
トレーナーには出来ない芸当を披露し、グレイブ達に渡り合うイリゼとるーちゃんの力は、その場の誰もが認めるところ。しかしそれを認めた上で、ズェピアは現状を良くないと称する。その言葉に全員が視線を向け…彼は、続ける。
「確かにほぼ互角である事は間違いない。でも、どうも私の目には、イリゼ君とるー君は次々と手札を切っているのに対し、グレイブ君と氷淵君は手札を小出しにしているように見えてね。一方は出し惜しみなし、もう一方は手を抜いてこそいなくとも、次々新たな一手を打つ必要はない程度に戦えているという状況なら……」
「一見互角に見えても、それぞれの余裕には大きな差がある…という訳ですか」
「そういう場合、おねーさんとるーちゃんに求められるのは短期決戦だけど……」
「それが出来そうにはないッスねぇ。むしろイリゼはそれを分かってて、一気に決着を付ける為に出し惜しみなしの戦い方をしていたのかもしれないッス」
それはまるで、長距離走のペースで走る者に対し、短距離走のペースで何とか喰らい付いているようなもの。ズェピアの言葉にイリスを除いた女性陣は納得の表情を浮かべ、他の面々も確かに…と小さく頷く。
「それに、一つ気になる事があってだね。愛月君、るー君…いや、チルタリスだったか。……は、本来このように戦うポケモンなのかい?」
「へ?…えっと…そんな事はないかな。チルットよりずっと力強くはなってるけど、普通はもっと……あ」
「…そういえば…そうか、言われてみればそれもそうだ……」
尋ねられた愛月は途中まで答え…また気付く。続けてカイトも愛月と近い表情を浮かべるが、他の面々はきょとんとした顔。
「愛月、普通はもっとなんなの?」
「あ、うん。チルタリスは普通、自分だけでガンガン攻めるよりも、仲間のサポートをしたり、えーっと…搦め手、って言うのかな?…で、じわじわ追い詰めていく事の方が向いてるポケモンなの。だから……」
「ははぁ、つまり今の戦い方は、種族的に向いてるスタイルじゃないって事ッスね。それならウチも、ズェピアの言いたい事は分かるッス」
「るーちゃんの技の中で、チルタリスに向いてる技はコットンガードだけ…でもそれを、イリゼは知らないんだ…るーちゃんの事は知ってても、チルタリスの事は……」
ビッキィの問いに愛月は答え、自分の中で理解を深める。イリゼの持つ、短所を知る。
向き不向きというのは、ある意味他者と比較して把握するもの。だがイリゼはポケモンの多くを知らず、当然信次元にはるーちゃん以外のポケモンも、ポケモンに詳しい者もいない為に、相対的に見たるーちゃんの強みというものを分かっていない。ポケモンを知らないが故に、その普通に縛られず、ポケモンを知っていないが為に、実力者ならば当然把握し戦術の根底に置いている『最適解』を外したまま戦ってしまっている…それが、イリゼだった。
そして、愛月達が会話を交わしている間も、戦闘は続いていた。戦闘は続き……イリゼ達は、見る事になる。伝説のポケモンたる氷淵…その力の、真価を。
「ちるっ…ちるっ……」
「…るーちゃん…?」
少し前から低下し始めていた、るーちゃんの敏捷性。始めそれを、イリゼはるーちゃんの体力消耗…激しい戦いが続いている為に仕方のない事だと考えていた。
だが、何か違う。単なる体力消耗が…少なくともそれだけが原因ではないと、直感的にイリゼは感じ始め……それに勘付いたグレイブは、やっとか…と内心思いつつ、にやりと笑う。
「なぁ、イリゼ。なーんか…ちょっと寒いと、思わないか?」
「……!」
小馬鹿にしたような…そんな響きで揺さぶりをかける事を狙った、グレイブの言葉。それを聞いた瞬間、そう言われて漸く、イリゼは肌寒さを感じ…気付いた。いつの間にか、グレイブの策は展開されていた事に。自分とるーちゃんはもう、その術中に嵌っている事に。
「今更何かしたってもう遅いぜ?…ようこそ、『凍える世界』へ」
戦いの場に漂う冷気。動きが鈍り始めたるーちゃんと、冷気の中でも悠然と立つ氷淵。表情に浮かぶ焦りを隠せないイリゼと…仁王立ちをするグレイブ。
特別何かをしていた訳ではない。ただ氷淵は、自身の放つ冷気で周囲を冷やし続けていただけ。ただ存在するだけでも周囲に影響を及ぼす氷淵の力により、戦場が冷やされ続けていただけ。本当に、ただそれだけであり……しかし、その効果は絶大。発せられた名の通り、氷淵のいる戦場は氷淵がいる限り冷え続け、凍てつく環境は敵も味方もその影響から逃れられず……氷淵だけが、生まれた凍土の主だけが、絶対者としてそこに立つ。それが、それこそが──凍える世界。
「……ッ!るーちゃん、アブソーバースタイル!」
「ち、ちるるっ!」
「うん?…考えたなイリゼ、確かにそれなら凍える世界の影響も和らげられる…けど、そのままで戦う気かよ!」
不味いと分かっても時既に遅し。そこまで理解した上でのイリゼの対応は早く、るーちゃんをアブソーバースタイルへ…胴を中心に綿を纏う姿へ変化させる。それによって、るーちゃんの表情はある程度和らぎ…即座に対応策を繰り出したイリゼに対し、グレイブは大したものだと素直に思った。同時にるーちゃん…コットンガードを使える相手には、ほんの少し相性が悪かったな、と自身の認識を改めた。
だがあくまで、ほんの少しである。何も出来ないよりは、多少マシというだけで…イリゼとるーちゃんの状況は、まるで好転していない。
「るーちゃん、飛んで!上ならまだ……」
「そうはいくかよ!氷淵、氷獄砕破!」
比較的でもまだ温度が高いであろう上方へるーちゃんを向かわせようとするイリゼだが、即座にグレイブは氷淵に攻撃を指示。上昇するるーちゃんの周囲に氷塊が精製され、咆哮と共に炸裂する。
機動力は落ちるアブソーバースタイルだった事もあり、氷獄砕破は直撃。当たる寸前、るーちゃんは綿の中に頭や翼を引っ込める事で、氷獄砕破をほぼ無傷で凌ぐものの、代わりに綿を剥がされる。そして当然、再展開を許すグレイブではない。
「滑走しながら竜の波動!こっからはどんどん冷やしていくぞ氷淵!」
「ヒュルリルラ…!」
空を滑りながら竜の波動を放ち、るーちゃんへ向けて薙ぎ払う氷淵。それを何とか躱していくるーちゃんだが、もうバレないようじっくり進める必要はないからか、グレイブの言葉通り戦場の気温低下は加速度的に進んでいく。戦闘時間が伸びていくだけで、イリゼとるーちゃんは不利になっていく。
「ほんと自在に空を飛び回ってるな…まるで氷の線路だ」
「そう言われると、氷淵の見た目も先頭車両感が…なんかこのまま、タイムトラベルも出来そうな気が……」
「イリゼ、るーちゃん……」
自分達もほんのりと冷気を感じながら、カイト、ビッキィが言葉を漏らし、イリスが呟く。
ほぼ互角の戦況が崩れ、グレイブと氷淵側に傾いているのは明らか。チルタリスらしい戦い方をしていないが故に、ダメージは稼げていてもるーちゃん側に有利な、氷淵側に不利な「積み重ね」は殆どない事も戦況悪化の一因であり、イリゼがポケモンを知らない点もここにきて響いてしまっている。
それでも何とか、るーちゃんは粘る。されど更に、凍える世界はイリゼとるーちゃんに牙を剥いた。
「るーちゃん、エアカッター!」
「ちーるっ……ちるぅ!?」
回避の動きから、そのまま掬い上げるように翼を振って放ったエアカッター。しかしそれ等は全て、氷淵に届く前に凍結する。凍り付き、重みで落ちていく。
それがフリーズドライによるものではなく、低温化した環境によるものだと、すぐにイリゼは見抜いた。見抜いたが…イリゼに凍結を防ぐ手立てはない。
「だとしても…竜の波動!」
「落とすぞ氷淵!ハイパーボイス!」
次の瞬間、るーちゃんより高高度を取った氷淵に向け、るーちゃんは竜の波動を照射。対する氷淵も、眼下に向けて音の攻撃を、不可視の衝撃波を放つ。
点の攻撃である竜の波動は素早く動く氷淵を掠め、面の攻撃であるハイパーボイスは動きの鈍ったるーちゃんへ直撃。落下する中、イリゼはコットンガードを指示し、綿をクッションとする事で墜落のダメージはほぼゼロに抑えられたるーちゃんだったが、冷え切った地面に触れた綿はすぐに凍り付いていく。
「……っ…るーちゃん…!」
急いで綿を切り離し再度空に上がる事で、るーちゃんは凍結を免れた。しかしこうなるともう、落ちただけで命取りとなる。高エネルギーを収束させた竜の波動はともかく、エアカッターや切り離した後のコットンガードは凍結をしてしまう。それは考えるまでもない、圧倒的不利であり……イリゼの心は、揺らいでいた。
まだ諦めた訳ではない。自分一人ならば、まだまだ粘り、逆転を目指す。だが…今直接戦っているのは、イリゼではなくるーちゃん。力を振り絞るのも、自分以上に寒い思いをするのも、傷付くのも、全てるーちゃんであって自分ではない。その事実が、イリゼの心を揺らがせ……
「……ち、る…?…ちるる、ちーるぅぅぅぅううっ!」
……だが、そんなイリゼの思いを感じ取ったのか、るーちゃんはくるりと一度、イリゼの方を見やり、その瞳でイリゼを見つめ…それからグレイブと氷淵に向き直り、鳴いた。高く、凛々しく、力強く…その鳴き声を響かせた。
それはまるで、宣言のよう。まだ負けない、まだやれる…まだ、諦めてなんかいないと、グレイブや氷淵…そしてイリゼに言い切っているかのよう。その響く鳴き声に、グレイブと氷淵はぴくりと肩を揺らし……イリゼの心に、火を点ける。揺らぎを沈め、凍える世界へ挑むように思いの炎を滾らせる。
「そっか…そう、だよね…あの時も、今も、るーちゃんは……だったらいくよ、るーちゃん!まずは立て直すなんて言わない…一気に勝利まで、駆け抜けるッ!」
「そうこなくっちゃな、イリゼ!ならこのまま、押し潰すッ!」
覇気を取り戻したイリゼの声に応えるように、るーちゃんは翼を広げて高く飛ぶ。それを追って、氷淵が鋭い軌道で空を滑る。るーちゃんもよく飛んではいるものの、やはり速度の差は覆し難く、次第に距離は詰まっていく。
「るーちゃん、エアリアルスタイルで上にエアカッター!直後にコットン切り離し!」
「あぁ?エアカッターはやったって凍るだけ……うおっ!?」
一気に増量する翼の綿。その状態で翼を振れば、多数の風の刃が作り出され…放った後すぐるーちゃんはエアリアルの綿を解除する。一方グレイブは、凍って届かない筈のエアカッターを行った理由を考えようとした……が、次の瞬間氷淵を複数の氷塊が襲った。
されど当然、それはるーちゃんが精製した氷ではない。それは氷淵の力によって生まれた氷。飛行状態から切り離された事で、急激に冷やされた綿が氷の塊となって、慣性のままに背後を取っていた氷淵へと飛来したのである。そしてエアリアルスタイルを選んだのは、エアカッターの強化に向いたスタイルである事に加え、カウンタースタイルと違ってそれなりの大きさを持つ綿を、アブソーバースタイルと違ってひと纏まりになっていない状態で作り出せるからであった。
「凍結を逆に利用しやがったか、やっぱイリゼの考え方は一味違──」
「ヒュラ……!?」
一味違う。そう言いかけたところで、再びグレイブは驚く。上から氷淵を叩く、無数の氷の刃に目を見開く。驚いて…それから理解した。これは、先程のエアカッターだと。
そう。イリゼが凍結を逆利用したのは、切り離した綿だけではなかった。凍結する前提で、イリゼはるーちゃんにエアカッターを使わせ…上へ飛んだエアカッターは、見立て通り凍って落ちた。風の刃は氷の刃へと変わり、その状態で氷淵を襲った。それ単体ならば、グレイブに見抜かれていた可能性もあったものの…それを考慮したからこそ、イリゼは切り離しを先に行う事でグレイブの思考を邪魔したのである。
(やられた、イリゼが一枚上手だったか…。…けど、こんなんじゃ碌なダメージにはならない。せいぜい氷淵が足止めされるだけ……って事は…!)
狙いを見抜けなかった事を悔しく思うグレイブだったが、その程度で動揺するチャンピオンではない。すぐに状況を考え、氷の刃の影響を思考し…これがまだ本命ではなく、本命に向けた布石であると即座に判断。そしてその読みは当たっており…ここまでは逃げていたるーちゃんが、逆に肉薄。
「カウンタースタイル!そしてそのまま振り抜いて、るーちゃん!」
暫し前の氷淵の様に、左右から振り出されるるーちゃんの翼。一見それは、もこもことした翼を振るっているだけであり…しかし反射的にグレイブは、氷淵に翼の氷で防御する事を指示。そうして翼同士はぶつかり合い…高い音が、響く。
「あれは…綿が凍って出来た、氷の短剣…ッスか?」
「切り離さなくても、素早く振ったら凍る…とことん利用していくわね、おねーさん」
翼と翼がぶつかった。だが真にぶつかったのは、凍ったカウンタースタイルの綿と氷淵の翼から伸びる氷であり、両者はせめぎ合う形に。数秒の拮抗の後、やはりというべきか、氷淵は少しずつ押し始める…が、次なる指示を受けたるーちゃんは、そこで縦に回転。くるりと回り、踵落としを…否、翼側と同様の理由で凍結した脚の綿による打撃を浴びせ、先程の意趣返しとばかりに氷淵を地上へ落下させる。
「まだ終わりじゃないよ、グレイブ君、氷淵!るーちゃん、もう一回転してコットンガード、切り離し!翼と脚の綿を打ち込んで……あれをやるよッ!」
同じ落下でも、氷淵のダメージはるーちゃんの時よりも軽微。しかし噴射と足元の凍結で空を滑っていた氷淵は、すぐに持ち直すには至らず…そこに飛来したのは、回転の勢いを付けて切り離されたコットンガード。広がった綿は氷淵に覆い被さり、凍結が始まった事で重みを増して氷淵を完全に地面へ落とす。そこに思い切り翼と脚を振り抜く事で打ち込まれた、るーちゃんの凍った綿が突き刺さり、それ等は杭の様に綿と地面とを繋げて氷淵を地面に拘束する。
「…凄ぇ連続攻撃だな。こりゃ追い詰めた事で逆に、イリゼの底力を引き出しちまったか?」
流れるように連続で策を展開し、氷淵を地面に落としたイリゼとるーちゃんに対し、グレイブは驚きながらも笑みを浮かべる。だからいい、こうして驚かせてくれるからこそ楽しいんだ、とばかりに不敵な笑みを浮かべて…考える。
凍った綿で地面に繋がれたとはいえ、氷である時点で氷淵の脅威にはならない。加えてコットンガードと氷が組み合わさったこの拘束は、氷淵にとっては強固な盾にもなってしまう。その二点から、グレイブは考え、答えを出す。これも時間稼ぎだと。小さな時間稼ぎを大きな時間稼ぎへ繋げ、大きな時間稼ぎを切り札へ繋げる…そう読んだグレイブは視線を上げ…やはりか、と更に笑う。天空で翼を広げるるーちゃん、その姿が眩い光に包まれているのを見やりながら。
「ちぃぃぃぃるぅぅぅぅぅぅ…!」
「あれは…ゴットバード…!」
輝きを放つるーちゃんの姿に、緊迫の面持ちで愛月は声を上げる。それはイリゼとグレイブによる、嘗ての戦いでもるーちゃんが切り札として使った技であり…グレイブをギリギリのギリギリまで追い詰めた技。それを目にして緊張しない筈などはなく、更に光は増していく。
「ゴットバード…確かに喰らったらただじゃ済まねぇが…前みたいにいくとは思うなよ!氷淵ッ!」
名前を呼ばれると同時に、凍結した綿の檻を粉砕し現れた氷淵は、空に向けて竜の波動を放つ。続けて翼も上に向け、氷の槍を打ち込む準備も整える。
無論、グレイブも上手く当たるとは思っていない。十中八九避けられると思っている。だがグレイブにとっては、それで良かった。ゴットバードは、謂わば超強力な突進であり、溜めた力を解放しながら突っ込んでいく技である為、『回避』という動きをさせてしまえば、後は解放された力を無駄にしない為イリゼは突進指示を出さなくてはいけなくなるのである。そして氷淵は動く準備万端な上、前に戦った獄炎より速い以上、ゴットバードを凌げる可能性は十分にある…そう考えていたのである。
それは何も間違っていない。これが通常のゴットバードなら、その通りの結果になっていた。──通常の、ゴットバードであったのなら。
「──ゴットバード・オルタナティブ」
「な……ッ!?」
空へ、輝きへと伸びる紫の光芒。しかしそれは、やはりそれは、これまでとは比較にならない速度で以ってるーちゃんに避けられる。避けた事で、グレイブは笑みを浮かべかけ、追撃の氷の槍、更にはハイパーボイスがるーちゃんを狙い……そして、グレイブは目を見開いた。
素早く、且つ四連続で打ち込まれた氷の槍と、広範囲をカバーするハイパーボイス。だがそれを、るーちゃんは全て避け切った。それも超スピードで振り切るのではなく、本来ならばあり得ない程の、鮮やか過ぎる程の空中機動で。
ゴットバードは本来、その強大な突進力故に、方向転換を苦手とする。超スピードで突っ込む事は出来ても、飛び回る事は出来ない技となっている。にも関わらず、るーちゃんは確かに飛び回っており……グレイブは、理解する。今聞こえた名前の通り、これはゴットバードではなく、ゴットバードの発展技だと。
「…ああ、そうか…ゴットバードのエネルギーを、短時間の突進じゃなくて一定時間の強化に使ったって訳か!大したもんだぜ、イリゼもるーちゃんも!」
「それをすぐ見抜いたグレイブ君こそ脱帽だよ!けどもう、氷淵にるーちゃんは捉えられない!今のるーちゃんの速さは、氷淵を上回る!」
「かもな!けど、氷淵以上っつっても、前のゴットバード程じゃねぇ!それに飛行タイプの技じゃ、氷淵の弱点は突けねぇ!おまけに…そんなに速くちゃ、竜の波動も上手く狙えないだろうよ!」
対空攻撃を次々と躱するーちゃんに対し、氷淵は素早いステップで位置を変えながら攻撃を続ける。その間、イリゼとグレイブは言葉を交わし、双方闘志を見せ付け合う。
グレイブの言う通り、ゴットバードは強力な技ながら、これで決め切れる保証はない。グレイブの見立ては正しく、実際ゴッドバード・オルタナティブは発動時間の延長と超機動を得た分、速度そのものは多少落ちてそれが威力の低下にも繋がっている。まだ余裕のある氷淵に対し、これだけで決め切るのは些か難しいというのが事実であり……だからこそ、イリゼは決め切る為の最後の一手を、隠し球を切る。
「波動を纏え、るーちゃんッ!」
『……!?』
イリゼがるーちゃんに行わせたのは、竜の波動。しかしそれが氷淵へ向けて伸びる事はなく、るーちゃん自身が追い付くように紫の閃光と一体化する。イリゼが言った言葉の通り、竜の波動をるーちゃんは纏う。
黄金の輝きは、それに混ざる水晶の様な煌めきは、紫の閃光と重なり更に幻想的な光を放つ。その光は、見る者の心を奪い…しかし同時に、グレイブと愛月、それにカイトとズェピアは愕然としていた。
「竜の波動を纏う、って…愛月、ズェピアさん、あれじゃるーちゃんは……!」
「…あぁ…愛月君、あれはるー君的に大丈夫なのかい?私の見立てが正しければ、あの攻撃はるー君自身はとても……」
「……メガチルタリス…」
『え?』
「ポケモンの中には、メガシンカっていう特殊な進化を出来る種族もいるんだ。チルタリスもそれが出来るポケモンで…メガシンカしたメガチルタリスは、ドラゴン・飛行から、ドラゴン・フェアリーってタイプに変わるんだよ!で、フェアリータイプっていうのは、ドラゴンタイプの技を無効に出来て…そうだよ、きっとそうだよ!元々るーちゃんの進化は、メガシンカと似てるもん!だから姿はチルタリスのままだけど、メガチルタリスみたいにフェアリータイプの力を得てて、だから竜の波動を纏ってもダメージがないんだよ!」
口にしたのは、完全なる予想。確証のない、愛月の想像に過ぎない答え。だが現に、るーちゃんは苦しむ様子などなく…氷淵に向けて飛び続ける。
それはさながら、光の舞。溢れ出る飛行の力を、身に纏う竜の力を、イリゼとの繋がりが紡いだシェアエナジーの力を光に変える、輝きそのもの。その光に、イリゼは勝利へと思いを込め……グレイブもまた、勝利への意思を轟かせる。
「は、はは…ははははははっ!面白ぇ、だから待ってたんだ!だから楽しみだったんだよ、イリゼとの再戦が!……けど、勝つのは俺達だッ!離れてろ皆!氷淵……凍える世界、全開だッ!」
直後、凍て付いた領域は一気に広がる。愛月達のいる場所も、領域の中に飲み込まれ、急激に冷やされていく。次の瞬間から、領域の至る所に氷塊が生まれ、イリゼとるーちゃんはこれこそが本気だと…ここまではグレイブが、愛月達の事を考え氷淵に力をセーブさせていたのだと理解し…その上で、浮かぶ氷塊を躱していく。
そして、超機動のまま低高度まで降りたるーちゃんは、半円を描く旋回をかけて氷淵の後方へ回り込む。氷淵は即座に振り向き、るーちゃんと氷淵の視線はぶつかり、それぞれの背後に立つイリゼとグレイブの闘志もぶつかり……最後の攻防が、戦場に響く。
「超えるよ、るーちゃんッ!今ここで、私達でッ!!」
「ちるぅぅぅぅううううううッ!」
「超えさせねぇよ、俺もッ!氷淵もッ!氷塊防壁、最大出力ッ!!」
「ヒュララララァァアアアアッ!」
残る力の全てを込めて、全力全開で突撃するるーちゃん。その前方へ、自身とるーちゃんの間の空間へ、無数の氷塊を、氷壁を生み出し阻む氷淵。上へ下へ、左へ右へ、一切速度を落とす事なくるーちゃんは阻む氷を避け、躱す。
イリゼは超えると言い放ち、グレイブもまた超えさせないと言い放つ。無数に生まれる氷の全てを避け切ったるーちゃんは、遂に氷淵に肉薄し…次の瞬間、最後の壁だとばかりに、これで終いだと言い切るように、巨大な氷塊群が外から内へ、氷淵の周囲からるーちゃんの前へ、一斉に殺到する。るーちゃんは怯む事も、恐れる事もなく、最後の壁へと挑みかかる。そして……
「ち、る…るぅぅ、ぅ……」
「…ヒュラララ、ラ」
白い光の様に、砕けた氷の欠片が舞い散る。霧が広がり、るーちゃんと氷淵は霧に包まれる。そうして静かな、沈黙の時間が流れ……視界を阻む全てが消えた時、そこにあったのは地に倒れ伏するーちゃんと、地面へ踏ん張り、かなりの距離を押された跡を残しながらも、その両の脚でしっかりと立つ氷淵の姿があった。
力なく、それでもゆっくりと頭を上げ、るーちゃんは氷淵を見上げる。それを見下ろす氷淵は、立派だったと言うように静かに鳴き、前脚でるーちゃんの頭に軽く触れ……るーちゃんがチルットの、普段の姿に戻った事で、戦いは終わった。
*
「お疲れ様、るーちゃん。最後まで一生懸命戦ってくれて、ありがとね」
元の姿に戻ったるーちゃんを抱え上げて、撫でる。終了と同時にグレイブ君は凍える世界を解除してくれた訳だけど、すぐに寒さが収まる訳じゃないし…だからぎゅっと、包み込む。
「イリゼもお疲れ様。前もだったけど…今回も凄かった!」
「同感だ。どう考えても滅茶苦茶不利なのに、あそこまで良い勝負になるなんてな」
「見てるこっちまで熱くなりましたよ、イリゼさん。…まあ、冷気で身体的には寒いですけど」
「るーちゃん、大丈夫?氷淵も、痛いところない?」
興奮や感心の面持ちを浮かべて集まってくる皆。イリスちゃんはまずるーちゃんを、次に氷淵を撫でて…るーちゃんだけでなく、なんと氷淵もイリスちゃんに撫でられると、何だか少し心地好さそうな表情に変わる。…ほんと、イリスちゃんはどんなモンスターにも好かれるんだね…後、ビッキィ達はいつの間にここに……。
「しっかしまあ、良い勝負だったとはいえ最後は堂々の勝利ッスね、グレイブ」
「チャンピオン、なんだっけ?確かにその称号は伊達じゃない、ってとこかしら」
「まあな。ふー…けど、流石に疲れた。負けるとは思ってなかったが、ここまで喰らい付いてくるとも思わなかったぜ」
「はは。まあ何にせよ、グレイブ君もお疲れ様。君達の舞台が、見る者を魅了するものだった事は私が保証するよ」
私に声を掛ける人がいれば、グレイブ君に声を掛ける人もいて…皆からの声に言葉を返す中、私はグレイブ君と目が合う。目が合って…思う。
(リベンジ失敗、これで二連敗か…。…悔しいなぁ……)
多分、皆が凄かったと思ってくれてる。私も全力を尽くせたし、前の時も今の時も、負けたって何も恥ずかしくない勝負だったんだろうとも思う。…それでも、悔しい。負けて、二連敗して…凄く凄く、悔しい。……そう、私が思っていると、目の合ったグレイブ君は、今日何度目か分からない笑みを浮かべて……
「…何度だって、リベンジを受けてやるよ。だから…またやろうぜ?イリゼ」
「……勿論だよ、グレイブ君。私は諦めなんて、しないんだからね」
不適に、自信満々に…何より真っ直ぐ笑うグレイブ君に、私は返す。
二度目の勝負で、また私は負けた。完敗した。だけど…終わりじゃない。負けても、私の思いは折れていない。きっとそれは、るーちゃんだって同じ事。だから…絶対に勝つ。どれだけ負けようと、どんな不利な勝負だろうと、私は、私達は挑み続けて……いつの日か、必ず勝つ。
今回のパロディ解説
・「違うな、間違っているぜイリゼ〜〜」
コードギアスシリーズの主人公の一人、ルルーシュ・ランペルージ(又はヴィ・ブリタニア)の台詞の一つのパロディ。グレイブは王者ではあっても王族(皇族)ではないですね。
・「〜〜なーんかちょっと〜〜思わないか?」「今更〜〜ようこそ、『凍える世界』へ」
BLEACHに登場するキャラの一人、平子真子の台詞の一つのパロディ。勿論「ようこそ、『凍える世界』へ」は、斬魄刀の解号ではありません。氷雪系でもありません。
・「〜〜このまま、タイムトラベルも出来そう〜〜」
仮面ライダー電王における、時の列車の事。意識したのではなく、結果的にキュレムが空を駆ける列車みたいになりました。外見的にはガウォークっぽさもありますが。
・「波動を纏え、るーちゃん!」
ガンダムビルドファイターズシリーズに登場するキャラの一人、ユウキ・タツヤの台詞の一つのパロディ。トランザムはしてませんよ?どちらかというとYF-29風です。