超次元ゲイムネプテューヌ Origins Succession   作:シモツキ

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第六話 ぬらちる小冒険

──ある朝の事。神生オデッセフィアの教会、守護女神であるイリゼの部屋からは、元気な声が聞こえてきました。

 

「ぬらっ、ぬらっ…ぬら〜♪」

 

 ぴょこん、ぴょこんと跳ねる身体。ぴくぴくっと動く耳と尻尾に、適度に湿ったちっちゃなお鼻。そこに住むスライヌ、ライヌちゃんは、積み木を使って遊んでいました。

 ライヌちゃんは、積み木を頭に載せて運び、それを積み重ねていきます。器用に頭へと載っけた積み木を、身体を弾ませるようにして放り、縦に連ねていきます。

 そうして出来ていくのは、統一感のない、ちょっと不安定な積み木の塔。ですが、ライヌちゃんは塔を作りたい訳ではありません。統一感のないただの重なりでも、ライヌちゃんにとってはとっても凄い何かなのです。

 

「ぬー…ぬららっ!……ぬら?」

 

 それからも積み木箱から運んでは重ね、重ねてはまた戻って頭に載せてを繰り返すライヌちゃん。見た目的に三つ位纏めて運べそうですが、ライヌちゃんは律儀に一つ一つ運んでは積み木の塔に載せていきます。段々塔は高くなっていきます。

 運んで、放って、また運んで、放って。そんな繰り返しを続けていたある時、放った積み木が外れて、塔の向こう側へ転がっていってしまいました。

 外れた積み木を、すぐにライヌちゃんは取りに行きます。そして頭に載せ直そうとしたライヌちゃんですが…そこでライヌちゃんは、ある物に気付きました。

 

「ぬららぅ?…ぬら、ぬ……ぬら!…ぬーら…?」

 

 偶々ライヌちゃんが見つけたのは、イリゼが普段使っているペンケースです。ペンケースという名前も、どういう道具なのかも分からないライヌちゃんですが、それがイリゼの…大好きなおねーさんの持ち物であり、いつも使っている物だという事は知っています。

 そのおねーさんは、今いません。だからこそ、ライヌちゃんは想像しました。おねーさんは、いつも使っているこの道具を忘れてしまっている。という事は、おねーさんは困っているかもしれない…と。

 更にライヌちゃんは想像します。ライヌちゃんの想像の中では、困ったおねーさんが、泣きそうになってしまいました。しかし、そこにライヌちゃんが来たらどうでしょう?ライヌちゃんがこれを持ってきてくれれば、きっとおねーさんは大喜びです。笑顔になって、ライヌちゃんを抱っこして、一杯撫でてくれる事間違いなしです。

 

「……!ぬらぁぁ…♪……ぬぅー…ぬらっ!」

 

 大好きなおねーさんによしよししてもらえる事を想像して、ライヌちゃんは良い気分。ですがその為には、これを届けてあげなければいけません。ライヌちゃんが、おねーさんを助けてあげなきゃいけないのです。

 頑張ろう、持っていってあげよう!…そう決めたライヌちゃんは、積み木ではなく頭にペンケースを載せて部屋の出入り口へと向かいます。廊下に繋がる扉の所まで辿り着くと、大きく跳ねる事でドアノブに飛び付き、体重をかけて扉を開けます。この扉をどう開けるかは、おねーさんの開ける姿を何度も見ていて学習済みのライヌちゃんでした。

 

「ぬー…らうっ。ぬらっ、ぬららっ」

 

 垂れ下がるような体勢で廊下に出たライヌちゃんは、ドアノブから離れて床に降ります。そこからライヌちゃんのお届けもの開始です。

 意気揚々と、廊下を進むライヌちゃん。おねーさんの為を思えば、それだけでライヌちゃんはやる気に満ち溢れてくるのです。…ですが……

 

「…ぬ、ら……?」

 

 初めの曲がり角まで行き着いたライヌちゃんは、そこも進もうとし…だがそこで、気付きました。どうやったら、おねーさんの所まで行けるんだろう、と。

 ここはこれまでいた住処ではなく、最近おねーさん達と一緒に移った、新しい住処です。しかもライヌちゃんは、普段はあまり部屋の外を出歩きません。時々おねーさんと一緒に出る事はありますが、どこを進み、どこを曲がるとどこに着くかなんて、まだまだよく分からないライヌちゃんなのです。

 ライヌちゃんは困ってしまいました。これではおねーさんにお届けものが出来ません。おねーさんも、きっと困ったままです。

 

「ぬぬらぬ…ぬぅぅ、ぬらーぬ……」

「ちるー?」

「ぬらぁ!?」

 

 どうしたら良いか分からず、ライヌちゃんは立ち往生。左を見て、右を見て、前を見て…しかしやっぱり分かりません。どうしよう、どうしたら良いんだろう。ライヌちゃんは迷ってしまい…次の瞬間、いきなり後ろから聞こえた音にライヌちゃんはびっくりしてしまいました。

 あんまりにも驚いて身体が大きく躍動してしまったライヌちゃんが振り返ると、そこにいたのはいつも一緒に過ごしている子、るーちゃんです。ぱたぱたと綿雲の様な翼をゆっくりとはためかせて飛んでいたるーちゃんはライヌちゃんの隣に降り、どうしたの?と訪ねてきました。

 そういえば、ライヌちゃんは扉を開けたままです。るーちゃんにも、何も言っていません。だからきっと、気になってきたのでしょう。

 

「ぬらぬー、ぬっら。ぬーらぬら、らぬら、ぬらー!」

「ちるる?ちっちる、ちるーる!」

「ぬぁぬー!…ぬら、ぬらぬーぬ、らーぬ…」

「ちるち〜…ちる!ちーるー、ちーっ!」

 

 これをおねーさんに届けるんだ。そうライヌちゃんが答えると、るーちゃんは大賛成をしてくれました。それによって嬉しくなったライヌちゃんですが、場所は分からないまま。それもるーちゃんに話すと…なんとるーちゃん、一緒に探してくれるようです。

 怖がりなライヌちゃんと違って、るーちゃんは色んな事に積極的。そんなるーちゃんが来てくれるなら心強いとライヌちゃんは喜び、ライヌちゃん達は一緒に行く事に。そしてやっぱり、るーちゃんもおねーさんがいる所への行き方は分かっていませんでしたが…取り敢えず進んでみよう、とるーちゃんは飛び上がりました。そのるーちゃんを追って、ライヌちゃんもぴょんぴょこと進んでいきます。

 

「ちーる〜、ちるるちる〜♪」

「ぬーらー、ぬぬらーぬ〜」

 

 ふんわり飛びながら、綺麗な声で歌うようにるーちゃんは鳴きます。ライヌちゃんも、それに合わせて鳴いてみます。るーちゃんは歌うのが好きで、ライヌちゃんもるーちゃんの歌は好きなのです。

 お部屋の中は、安心の住処。そこから離れた事で、実はちょっぴり不安だったライヌちゃんですが、るーちゃんがいてくれる事で楽しそう。さっきまでの立ち往生が嘘の様に、軽快にライヌちゃんは跳ねていき…またライヌちゃん達は、通路の分かれる曲がり角へと到達しました。さて、ライヌちゃんとるーちゃんはどうするのかな?

 

「ぬぬーら、ぬら?らぬら?」

「ちる〜……ちっる!」

 

 見上げてライヌちゃんがどうするか訊けば、るーちゃんは少し考えた後にこっちだ、と決めます。勿論根拠はありません。気の向くまま勘のまま、るーちゃんは決めているだけなのです。

 

「るちーち、ちーるる?」

「ぬぅらっ、ぬらぬぬーぬ!」

 

 さっきは歌っていたるーちゃんが、今度はお届けものを持ってあげようか?とライヌちゃんに訊きます。確かにるーちゃんから見れば、側から見れば、頭に載せて跳ねているライヌちゃんは、ちょっと大変に見えるものです。

 しかしこの持ち方、ライヌちゃんにとっては慣れたもの。今は安全な住処にいるライヌちゃんも、昔は野生だったのであり、決して柔ではないのです。

 と、いう訳でまだ大丈夫だよとライヌちゃんは返し、ぴょこぴょこぱたぱた廊下を進みます。人にとっても広い教会は、ライヌちゃん達にとっては更に広く、何だかお出掛けしている気分にもなります。それは楽しい反面、やっぱり少し不安でもあり……また一つ曲がり角へ入ったところで、ライヌちゃん達はある人を見つけました。

 

「ちるっ!ちるち…る?」

 

 見覚えのある色と後ろ姿に、ぱぁっと表情が明るくなるるーちゃん。おねーさんを見つけた、そう思ったるーちゃんは大きく鳴いて呼ぼうとしますが…よく見ると、何となく違います。似ているけど、あれはおねーさんではありません。違いますが、おねーさんに似ています。そう、それは……

 

「…あら?ライヌちゃんにるーちゃんじゃない。え、もしかしてお散歩してるの?」

 

 イリゼの姉、ライヌちゃん達からすればおねーさんのおねーさん…つまり、セイツです。ライヌちゃんとるーちゃんは、廊下でセイツと遭遇しました。

 

「ぬ、ぬら。ぬらら…」

「ちるーる?ちるぅ、ちっちるちっち〜」

「ふふっ、るーちゃんは今日も元気ね。ライヌちゃんは…慣れてくれるまで、もう一息…ってところかしら」

 

 残念ながらおねーさんではありませんでしたが、るーちゃんはおねーさんのおねーさんとも仲良しです。ぱたぱたと周りを飛べば、おねーさんのおねーさんは柔らかく笑ってくれて、それからライヌちゃんの前でしゃがみました。

 側に来たおねーさんのおねーさんに、ライヌちゃんは少しだけ緊張してしまいます。おねーさんのおねーさんは、おねーさんと同じで優しいという事をもうライヌちゃんも知っていますが、それでも怖がりなライヌちゃんは、るーちゃんより誰かと仲良くなるのに時間がかかってしまうのです。

 

「ね、ライヌちゃん。撫でても良いかしら…ってライヌちゃん、それはどうしたの?」

「ぬら?ぬらっら、らぬらー、ぬら〜!」

「ちるちる、ちーちる!ちるるーち、るちるる〜!」

「…へ、へぇ〜そうなの。ライヌちゃん達も頑張ってるのね…」

 

 頭を撫でようとしたところで、おねーさんのおねーさんはライヌちゃんが頭に載せたペンケースが気になった様子。何となくおねーさんのおねーさんが言っている事を理解したライヌちゃん、それにるーちゃんがその質問に答えると、おねーさんのおねーさんは何だか変な顔をしました。しかしどうやら褒められたようなので、ライヌちゃんとるーちゃんはちょっと良い気分です。

 

「それじゃ、頭の代わりに顎をこちょこちょ〜」

「ぬっら…?ぬ、ぬ…ぬらぁ〜…」

「気持ち良い?るーちゃんもおいで〜、なーでなで〜」

「ちるちちるぅ〜♪」

 

 そんなライヌちゃんの顎を、おねーさんのおねーさんは指先で擽るようにして撫でます。撫でられてちょっぴり驚いたライヌちゃんでしたが、心地良くて段々ほっこり。続いておねーさんのおねーさんはるーちゃんの頭も撫でてくれて、るーちゃんも心地良さからにこにこ笑顔。おねーさんのおねーさんも、そんなライヌちゃん達を見てくすりと笑ってくれています。

 ライヌちゃんもるーちゃんも、セイツがおねーさんのおねーさんである事はよく分かっていません。家族や兄弟、姉妹というものは知っていますが、表情や声音なら何となく言いたい事、伝えたい事を感じ取る事は出来ても、言語として正確に理解している訳ではない為に、似ているとは感じても、姉妹である事はよく分かっていないのです。

 ですが、おねーさんのおねーさんは、おねーさんととっても仲良しな事、おねーさんと同じように優しい事は知っています。だからこそ、撫でてもらえると嬉しいのでした。

 

「るるち〜る〜……ちる?…ちるる、るー!」

「ぬぁ〜……ぬぅ!?ぬ、ぬらぬっら……」

「ちるるぅ、ちっる?ちーるちーる、ちー?」

「らぬー…ぬら!ぬぁーぬ、ぬぬららぬらーら!」

「はー、どっちも可愛い…同じモンスターでも、性格やこっちの認識が異なってれば、ほんと違って見えるものよね…。…に、しても…ライヌちゃんが頭に載せてたペンケース、どこかで見た気が……って、あれ…?」

 

 のんびりした気持ちで撫でられていたるーちゃんでしたが、少ししたところで、お届けものの最中であった事を思い出します。おねーさんのおねーさんに撫でてもらえるのは嬉しいですが、おねーさんには早くこれを届けてあげないと。そう思ってライヌちゃんに呼び掛け、同じようにお届けもの中だったと気付いたライヌちゃんと共に、おねーさんのいる場所探しを再開する事にしました。

 しかし、ライヌちゃんもるーちゃんも、その事をおねーさんのおねーさんに伝えるのを忘れてしまっています。おねーさんのおねーさんが一人で喋っている間に行ってしまい、おねーさんのおねーさんはライヌちゃん達がどこに行ったか分からなくなってしまいました。ライヌちゃん、るーちゃん、おねーさんのおねーさんに、おねーさんの所へ行くのを手伝ってもらわなくて良かったのかな?

 

「ぬっぬぬっら…ぬぁら〜〜」

「ちちるる〜?ちるち……ちるっ!?」

 

 そんな事は気にせず進むライヌちゃん達は、窓が開いていた場所を通ります。吹き込む風が心地良く、ライヌちゃんが耳をぴこぴこさせていると、何となーくるーちゃんは窓の方を見やりました。綿雲の様な翼で飛ぶ、風に乗ってふんわりと飛行する事が得意なるーちゃんは、風の流れが気になったのかもしれません。

 そうして窓の方を見ていたるーちゃんですが、しかしそこでるーちゃんは気付いてしまいます。窓の端、目立たない所に、多少ですが埃が溜まっている事に。

 

「ちるーっ!ちる、ちるるっ、ちーるーっ!」

「ぬ、ぬらぁ……」

 

 さっきまでは和やかな雰囲気だったるーちゃんは、埃を見た瞬間に豹変しました。飛びかからん勢いで窓の側まで行くと、翼で埃を拭き取り始めたのです。そしてそれを見るライヌちゃんは、わー…と言っていそうな、何とも言えない表情です。

 綺麗好きなるーちゃんにとって、汚れというのは見逃せない存在。ちょっぴりでも、汚れを見つけたら放っておくなんて出来ないのです。

 

「ちるっちちるっ、ちるっ、ちーっ!…ちるぅ…♪」

 

 まるで戦っているかのような雰囲気でもこもこふわふわの翼を振り、徹底的に埃を取っていきます。そうして埃を拭き取り終えると、文字通り塵一つ残さず綺麗にすると、るーちゃんはやり切った顔でほっと一息吐きました。るーちゃんが拭いた場所は、埃がなくなっただけでなく、それ以外でもさっきよりピカピカになった…そんな気がします。

 お掃除を終えて満足気なるーちゃんですが…そうです、また目的をうっかり忘れてしまっています。しかし今回は、ライヌちゃんは忘れていません。

 

「ぬらっらー…?ぬーら、ぬぬ〜」

「る…?……ち、ちる…ちるーる…」

 

 見上げて呼び掛けるライヌちゃんと、目をぱちくりさせた後に恥ずかしそうな顔をするるーちゃん。お届けものの事をるーちゃんが思い出した事で、またライヌちゃん達は探していきます。

 

「らぬぬーら、ぬらぁーぬ?」

「ちるう」

「ぬらぅ?」

「ちっちる。ちるっち〜、ちるち」

 

 移動しながら、ライヌちゃんとるーちゃんは作戦会議。ここまでは見つけられていないけど、このまま探しても良いのかな?何かいい案はないかな?と話しています。

 でもやっぱり、おねーさんのおねーさんに頼るという発想は出てきません。どちらも真剣に、けれど側から見ればとってもほっこりする雰囲気のやり取りをライヌちゃん達は交わし…またまた曲がり角を一つ曲がろうとしたところで、近付いてくる足音が聞こえてきました。

 耳の良いライヌちゃんには分かります。これは、おねーさんの足音でも、おねーさんのおねーさんの足音でもありません。

 

「ぬ、らら…!ぬーらっ、らぬらっぬ…!」

「るち…!?ちー…ちるるぅ…!」

 

 仲良くしてくれる人もいるけど、びっくりしたり怖がったりする人もいるから、知らない人には気を付けなきゃいけないよ。そうしっかりと教えられているライヌちゃんとるーちゃんは、急いで隠れられる場所を探します。住処では動かないフリをするだけで良いと言われているライヌちゃん達ですが、ここはもう住処ではありません。教会内なので、人や女神からすれば十分住処…家や拠点と言える訳ですが、ライヌちゃん達が住処と思っているのは、もっと狭い範囲なのです。

 急いで見回したライヌちゃん達は、置物の台…その下にある隙間へと飛び込みます。身体が半固形で形も変えられるライヌちゃんはすんなりと隙間に入れましたが、るーちゃんはそうはいきません。ばたばたともがいていましたが、見た目は小鳥の様でも、小鳥と呼ぶには些か大きいるーちゃんは床との隙間には中々入れず、無理だと思ったるーちゃんは置物…花瓶の裏へと飛び上がり、そこへ身体を滑り込ませました。裏側で花瓶の淵を掴み、翼を軽く開いて、花のフリをしてみます。

 

「…………」

「…………」

「……?」

 

 数秒後、教会の職員…るーちゃん達にとっては知らない人がやってきました。ライヌちゃんとるーちゃんが緊張する中、その人は花瓶の前で足を止め…しかし花を軽く見た後に、小首を傾げながらもそこから去っていきました。

 職員さんの姿が遠くなっていき、足音も聞こえなくなったところで、ライヌちゃん達はほっと一息。にゅーん、とライヌちゃんは隙間から出て、るーちゃんも花瓶から離れます。ばっちり隠れたライヌちゃんは勿論、るーちゃんも黄色…或いは金色の身体と真っ白な翼が上手く花瓶の花と合った事で、見つからずには済んだのでした。

 

「ちるーる、ちるちーるる?」

「ぬらぁら、ぬっ…!」

 

 ライヌちゃんが怖がりな事を知っているるーちゃんは、心配して問い掛けます。しかし、ライヌちゃんはまだ帰りたいとは思っていません。今のライヌちゃんには、ちょっと位驚いたり怖かったりしても折れない、固い意思があるのです。そう、おねーさんへとお届けものをするという、固い意思が……って、あれあれ?ライヌちゃんの頭に、ペンケースが載っていません。どうしたのかな?

 

「……ちる?ちるるーる?」

「ぬら?…ぬ、ぬら!?ぬら、ぬっ…ぬらぁぁ……!」

 

 お届けものがない事はるーちゃんも気付いて、ライヌちゃんに訊きます。訊かれて初めて気付いたライヌちゃんは、おねーさんの物を無くしてしまったと思って慌てて探し始め…しかし、すぐに見つけられました。再びライヌちゃんが台と床の隙間に入って出てくると、今度はライヌちゃんの頭の上にペンケースが載っていました。

 そうです。ペンケースは、隙間へ飛び込んだ際に床へ落ちてしまったのです。ですが無事見つけられた事でライヌちゃんは安心し、ライヌちゃん達もまた、花瓶の前を後にしました。

 

「ぬらっぬぬ、ぬーらぬっ」

「ちるちち、るちるち…」

 

 跳ねて進み、飛んで進み、ライヌちゃんとるーちゃんはおねーさん探しを、お届けものを続けます。いつもは住処である部屋の中にいても、時間があればおねーさんと運動が出来る場所に行って遊び回っているので、ライヌちゃん達はまだまだ疲れていません。

 しかし、まだ元気なライヌちゃん達ですが、ちょっぴりある事が気になってきました。…お腹が、空き始めてしまったのです。

 

「ぬららっぬ、ら〜…」

「ちーるち、ちちる〜…」

「ぬぅぬぅ、ぬらぬ……らぬら…?」

「ちちる…?ちちーる…?」

 

 お腹空いたね、とライヌちゃん達はやり取りを交わします。それだけならただの会話でしたが…そこでライヌちゃんの鼻を擽ったのは、香ばしい匂い。今回もライヌちゃんの方が一足先にその匂いを感じ取り…元々直感と何となくで進路を決めていた事もあって、思わず匂いのする方へと向かってしまいました。

 それにるーちゃんはあれ?…と思うものの、取り敢えず付いていきます。その内にるーちゃんも匂いを感じ、同じくそちらへ行きたくなってしまいました。

 ですが当然、教会の中で香ばしい匂いが何も無しに起こる事はありません。そしてライヌちゃんとるーちゃんがお届けものをする為に部屋を出てから、既にそこそこの時間が経っています。つまり、香ばしい匂いがする理由は…一つ。

 

「ぬー、らら…?」

「ちるー…ち?」

 

 ひょこっ、と扉の隙間から匂いとする部屋を覗き込んだライヌちゃんとるーちゃん。そこでは沢山の食べ物と、賑やかな音の数々があり…何より、知らない人が何人もいました。おねーさんが美味しいご飯を作ってくれる時と、同じような物を持った人がいて、忙しそうにしていました。

 何人もの人を見て我に返ったライヌちゃん達は顔を見合わせ、慌ててそこから離れます。おねーさんにお届けものをしなければならないライヌちゃん達ですが、誰かに見つかってしまっては一大事。ぴゅーん、とライヌちゃんもるーちゃんも逃げていき……しかし、大変です。慌てて逃げたせいで、どこをどう通ってきたのか分からなくてなってしまいました。

 

「ちるぅ、ちるぅ……ち、る…?ちーるち、るる…?」

「ぬ、ぬらぁ…ぬっ、らぬっ…ぬーぅ……」

 

 きょろきょろ見回すライヌちゃん達ですが、全然今どこなのか分かりません。まだ通ってない場所なのか、通ってきた場所なのかも分からないのです。

 これにはライヌちゃんだけでなく、るーちゃんもちょっと不安そう。外ならるーちゃんは空に上がって見回す事も出来ますが、ここではそれも出来ません。

 

「ち…ちるっ!ちっち、ちるるーち!」

「ぬぬ、ら…ぬ……っ!」

 

 どうすればいいか分からず、暫くそこにいたライヌちゃん達ですが、ぷるぷると身体を振った…首を横に振るような動きを見せたるーちゃんが、行こう、とライヌちゃんへ呼び掛けます。不安ですが、どこへ行けばいいか分かりませんが、とにかく動かなきゃ…と勇気を出します。

 そんなるーちゃんに勇気付けられ、ライヌちゃんは頷きます。一頭身のライヌちゃんが頷く姿はとっても不思議ですが、ライヌちゃんも頑張る気持ちを燃やします。…頑張って探さなくちゃ、行かなくちゃ、おねーさんに届けられない。その事だけは、ライヌちゃんもるーちゃんも忘れていないのです。

 

「ぬぬー、らぬ…ぬら!ぬらーら、ぬらぬ、らぬぅ!」

「ちーるー?ちるる…ちるぅ!」

 

 やる気を取り戻したところで、ライヌちゃんは思い付きました。良い匂いを嗅ぎ取ったように、おねーさんの匂いを感じる事が出来れば辿り着けるかもしれない、と。ライヌちゃんの様に鼻が良い訳ではないるーちゃんは、そう言われてもピンとこなかったようですが…ライヌちゃんが言うならきっとそうなんだろう。そう思って、任せてみる事にしました。

 

「ぬら…ぬぬら……」

「…………」

「…らぬぬ…ぬっら……」

「…るちるぅ…?」

 

 ぴっ、と耳を立てて、ライヌちゃんは嗅ぎます。お鼻をひくひくさせて、おねーさんの匂いを探します。ついでにおねーさんの声や足音がしないかも確かめてみます。

 ライヌちゃんは真剣な顔。見つめるるーちゃんも、真剣な顔。おねーさんさんを見つけようと、ライヌちゃんは頑張って……

 

「…ぬ、ぬららぁぁ……」

 

 ですが残念、嗅ぎながらうろうろしていたライヌちゃんですが、おねーさんに繋がりそうな匂いは見つけられませんでした。

 しかしそれも当然の事。ここは普段からおねーさん…イリゼが生活や仕事をしている教会内であり、尚且つきっちりと清掃も行われているのですから、環境として探し辛いのです。ライヌちゃんからすれば、おねーさんの匂いが何となく、それも複数している状況で嗅覚での捜索をしようものなら、むしろ混乱してしまう事でしょう。

 

「ちるちるる、ちーるちる」

「ぬぅぬら…」

 

 良い案だと思ったのに、としょんぼりするライヌちゃんを慰めるように、るーちゃんは翼でぽふぽふと撫でます。触り心地抜群な翼で撫でられた事で、少しライヌちゃんは元気が出ましたが…るーちゃんの飛行能力も、ライヌちゃんの嗅覚や聴覚も、ここではおねーさんを見つけるのに繋がらない事には変わりません。

 だからまた、ライヌちゃん達は地道に…直感で進路を決めて探します。じっとしているとまた不安になってしまうのもあって、おねーさんを探し続けます。

 

「ぬらら、らーぬー…?」

「ちっちる。…ちちるち…」

 

 偶にライヌちゃんとるーちゃんで行く方向の意見が分かれてしまった時は、話し合いです。でも、どちらも何となく「こっち」と思っているだけなので、どちらの意見にするかも何となーく決めてしまいます。おまけにライヌちゃんもるーちゃんも今どこにいるか分かっていない為、少し前までならまだしも……今は完全に、迷ってしまっていました。しかも、おねーさんがどこにいるか分からない事は認識していても、自分達が今迷子状態である事に、ライヌちゃん達は気付いていません。

…いえ、初めは気付いていませんでした。おねーさんを早く見つけたい、その気持ちの方が強くてそこまで頭が回っていませんでした。ですが、どこか分からない状態で探し回り、動き続ける中で…ライヌちゃんもるーちゃんも、段々と気付いていきます。このままでは、おねーさんを見つけられないかもしれないどころか、住処に戻る事も出来ないかも…と。

 

「…ぬ、ら…ぬら、ぬらぁ……」

「ちる…ち、ちるっち!ちるちる、ち…るぅ…!」

 

 お部屋を出たばかり時は軽快で元気一杯だったライヌちゃんのぴょんぴょこも、今では元気がありません。真っ直ぐの廊下でもしきりに見回し、不安そうに小さく鳴きます。そんなライヌちゃんをまた元気付けようとするるーちゃんも、感じている不安を飲み込む事は出来ず、表情にもその気持ちが浮かんでしまっていました。

 それでも動くのを止めないのは、止まっていたところで事態は好転しないと分かっているからであり、何が何でもお届けものをしたいからです。いつも優しくて、一杯遊んでくれて、忙しくて中々会えなかった事があれば、その後は目一杯一緒にいてくれる…そんなおねーさんを、大好きなおねーさんを、喜ばせてあげたいからです。

 

「ちるー…ちっち」

「ぬらぅ…ぬらーらぬ」

「ちるる、るるちーるっ」

 

 分かれ道ではない曲がり角。先を行くるーちゃんが覗き込むように向こう側を確認し、誰もいないと分かった事で、ライヌちゃんと共に曲がります。

 迷う要素のない場所は、ちょっぴり安心出来るライヌちゃんとるーちゃんです。しかし、ライヌちゃん達が曲がった先…その突き当たりにあったのは、一つの扉だけでした。

 

「…ぬっらぅ。ぬーらぅ、ぬっぬ」

「るちちー。ちるちーち」

 

 開けてみよう。そう思ったライヌちゃんはお届けものをるーちゃんに脚で持ってもらい、住処を出た時の様に、扉のドアノブへと跳び付きます。…が、開きません。どうやら鍵がかかっているらしく、身体を揺すってみても扉は閉ざされたままです。

 

「ぬぅぅ…ぬらぅらぅ」

「ちるち〜…ちる。ちちちる、るるち……」

 

 暫く粘って見てもやっぱり開かないという事で、ライヌちゃんはドアノブから降り振り向きます。進めない事にるーちゃんは残念そうな顔をするも、仕方ないよねと気持ちを切り替えます。

 とはいえ、勘でも「こっちだ!」と思った道が行き止まりであった事は、やっぱりライヌちゃんにとってもるーちゃんにとってもしゅんとしてしまう事なようで、引き返そうとするライヌちゃん達は浮かない様子……

 

「……ぬ、ぬら…っ!?」

 

 と、その時、また足音が聞こえてきました。まだ遠くですが、その足音はこちらに近付いてきています。誰かがここに、やってくるようです。

 この事にライヌちゃんはびくりと身体を震わせ、ライヌちゃんから誰かが来ると聞いたるーちゃんもわたわたと慌て始めます。しかも今は、さっきと違って隠れる場所がありません。

 

「ちるー!?ちるるち、ちっるる…!」

「ぬぁ、ぬらぅら…!……ぬらっ…!…ぅ、ぬら…」

「ちち、る……」

 

 どんどん足音が近付いてくる中で、ライヌちゃんはぶんぶんと身体を動かし、るーちゃんもぐるぐる回ってどこかに隠れられないか探します。でも、本当にここには何もなく、奥の扉も開かない以上逃げ場だって……と、そこまで探したところで、ライヌちゃんは気付きました。ついさっきは扉を開けようとしましたが、何もそんな事をしなくたって、ライヌちゃんは扉の向こう側に行けます。さっき隠れたように、そしてそれ以上に身体を薄くする事で、扉の横側や下側、その枠部分との僅かな隙間へ身体を滑り込ませれば良いだけなのです。

 しかし、それが出来るのはライヌちゃんだけです。それをすれば、大切なお届けものはここに置き去りになってしまいます。それに何より、るーちゃんは同じ事が出来ません。ライヌちゃんは逃げられても、るーちゃんは逃げられずに見つかってしまうのです。

 怖がりなライヌちゃんですが、逃げたくて仕方ないライヌちゃんですが、大の仲良しであるるーちゃんを置いて、自分だけ逃げるなんて事は出来ません。だから、ライヌちゃんは決めました。どんなに怖くても、それはしない…と。

 

「ぬぅぅ……ぬららっ!ぬーらぅ、ぬらぬ、ぬらーらぬらっ!」

「ちーるち…ちるぅ……っ!」

「…………」

「…………」

「……ぬ、ぬぬらぅー!ぬら、らぬぬらぬ〜!?」

「ちっちるちちるー!ちーるちっ、るるちーっ!」

 

 決心したライヌちゃんの思いに、るーちゃんはじんわりと温かい気持ちになります。ライヌちゃんだって、そうした事に後悔はありません。置き去りにした方が、きっと嫌な気持ちになると、ライヌちゃんは分かっているのです。

 そうしてライヌちゃん達は心を通わせていましたが……状況は全く変わっていません。というか、いよいよるーちゃんにも聞こえる位近くまで来られてしまいました。曲がり角がある為にまだライヌちゃん達から見える事はありませんが、見つかってしまうのももうすぐです。

 もうこれしかない、と大慌てしながらも、るーちゃんはドアノブを脚で掴み、ライヌちゃんもまたぶら下がって、力を合わせて開けようとします。…が、それでも開きません。もしかしたら、るーちゃんがもう一つの姿になれば、扉を開ける…というか、扉を壊せるかもしれませんが、その発想は今のるーちゃんにはありませんでした。普段はおねーさんと一緒にいる時に、それも時々しかやらないからこそ、そこまで考えが至らなかったるーちゃんでした。

 

「ぬ、ぬぬ、ぬぬぬら……っ!」

「ち、ちちるる……」

 

 もう駄目かもしれない、と震えるライヌちゃん。実を言えば人はそんなに怖くないものの、ライヌちゃんの怯えにつられて不安な気持ちが一杯になってしまったるーちゃん。そして次の瞬間、遂に近付いていた足音が曲がり角を抜け……

 

「……あれ?…え…ライヌちゃんに、るーちゃん……?」

 

──聞こえたのは、柔らかな声でした。優しく、馴染みが深く、ライヌちゃんにとってもるーちゃんにとっても大好きな……おねーさんの、声でした。

 

「…ち、る…ちるるーっ!ちっちっる〜っ!」

「……ぬ…ぬらぁああぁぁぁぁ…っ!ぬぁーぬらぁぁぁぁ…っっ!」

「わわっ!?ちょっ、うぇっ…!?どういう事、ほんとにどういう事…!?」

 

 足音の正体が念願のおねーさん、探していたおねーさんであったと分かった事で、るーちゃんは驚きと喜びの混じった鳴き声を思い切り挙げます。そしてライヌちゃんは、じわりと目に涙を浮かべ、そのままおねーさんに飛び付きます。追うようにるーちゃんも、おねーさんの胸元へと飛び込んでいきました。

 反射的にライヌちゃん達を受け止め抱き抱えたおねーさんですが、びっくりしたようで目が白黒。しかしライヌちゃん達の気持ちを感じ取ったようで、すぐに優しい顔をして、ライヌちゃん達を撫でてくれます。

 

「ちるぅぅ…♪」

「ぬららぁ…♪」

「よーしよし、なーでなで〜。…えっと、それでどうしてここに?…と、いうか…これ、私のペンケース…だよね?」

「……!ぬらっ、ぬらっらぅ!ぬーぬら、ぬぬら、らぬーらぁ!」

「ちーるち、ちる!るー、ちるるち、ちっちるるぅ〜!」

「……あー、っと…あ、もしかして…これを、私の忘れ物だと思ったの?」

 

 気落ちしていたせいで、ライヌちゃんはおねーさんの足音だと気付かなかったのでしょう。それを示すように、ライヌちゃんもるーちゃんも、凄く嬉しそうな顔でおねーさんに擦り付いています。そんなライヌちゃん達に微笑んだ後、おねーさんが質問をすると、意図が分かったライヌちゃん達は元気な声で答えました。そうです、ちょっと意外な形にはなってしまいましたが、お届けものは無事成功です。

 そうして教えてもらったおねーさんですが、なんだかちょっと困り顔。しかし少ししたところで分かってくれたようで、次のおねーさんの言葉に、ライヌちゃんもるーちゃんも満面の笑みを浮かべました。

 

「あはは…そっか、そうなんだ…。そういえば今日は、これ仕舞うの忘れちゃったんだっけ…。…これは仕事用じゃなくて、仕事用のペンケースは別にあるんだけど……」

『……?』

「…でも、うん。ライヌちゃんもるーちゃんも、私の事を思って、私を助けてくれようとして、ここまで来たんだもんね。ありがとう、ライヌちゃん、るーちゃん。私は、とっても、とっても…とーっても、嬉しいよ」

 

 また不思議な顔を、少し変な笑い方をしたおねーさんは、その後一人で何かを言って……それからぎゅっと、強くライヌちゃんとるーちゃんを抱き締めてくれました。嬉しそうに、笑ってくれました。

 ライヌちゃんもるーちゃんも、ちゃんと言葉が分かる訳ではありません。ですが、それでも…今ははっきりと、おねーさんの思いが伝わってきました。おねーさんは、嬉しい気持ちで一杯です。だからライヌちゃんもるーちゃんも、嬉しい気持ちで一杯なのです。

 

「某お使い番組で子供を迎える親の気持ちって、こんな感じなのかな…。……さてと。ライヌちゃんもるーちゃんも、お腹空いたでしょ?今日は一緒にお昼ご飯食べよっか。きっと一杯頑張ってくれたご褒美に、今日は美味しいものを沢山食べさせてあげるよ?」

「ちちるっ!ちーる〜!」

「ぬぁらぅ、ぬらっうっー!」

「ふふっ、良いお返事だね。それじゃあお昼ご飯を食べに、レッツゴー!」

「ぬらーっ♪」

「ちるーっ♪」

 

 実はご飯という言葉が分かるライヌちゃんとるーちゃん。もうお腹ぺこぺこだったのでうんうんと頷き、片手を上げたおねーさんの真似をするように動いたり翼を上げたりすると、またおねーさんは笑ってくれます。それを見て、ライヌちゃん達も笑顔です。

 そのままライヌちゃんはおねーさんに抱かれて、るーちゃんは特等席であるおねーさんの頭の上に乗って、おねーさんと一緒に行きます。もう不安な事も、迷う事もありません。おねーさんと一緒なので、安心安全、おまけにとっても楽しいです。

 そして待っているのはお昼ご飯。おねーさんと一緒に美味しいものを食べる、素敵な時間。無事にお届けものが出来て、一杯撫でてもらえたり抱っこしてもらえたり、それからお昼も一緒に食べられる事になったりして、ライヌちゃん達は大満足です。色々大変だったけど…良かったね、ライヌちゃん。るーちゃん。




今回のパロディ解説

・見た目的に三つ位纏めて運べそう
スラもりシリーズにおける主人公、スラリン及びゲームシステムの一つの事。スラリンではなくぬらりんなら、原作にもOriginsシリーズにも出てきましたね。

・某お使い番組
はじめてのおつかいの事。お使いではなくお届けですし、人ではなくモンスターですし、イリゼが送り出した訳でもないですが…それでもやはり、凄く嬉しいのでしょう。
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