ホーモン、クレオ、ガンガディア、ガッルールが大魔王バーンの天地魔闘の構えの前に敗れ、『瞳』と呼ばれる宝玉に変えられてしまった。
最早我慢の限界だったハドラーちゃんの眼前にフレイザード2号の背中が立ち塞がった。
「つっ!?……フレイザード?」
「待ちなよハドラーちゃん!私の番がまだでしょ!」
バーンは呆れる様に溜息を吐いた。
「意外と手駒が多い様だな?ハドラー」
対するフレイザード2号は余裕をもって宣言する。
「そして!ハドラーちゃんが大魔王バーンを処刑する為に使う手駒は、私で最後だ」
自信満々なフレイザード2号を睨むバーン。
が、その前に幾つか説明をしなければならない様だ。
「先ずはその前に。
フレイザード2号の説明に呆れるバーン。
「バランを治療しただと?下手したら、余だけでなく貴様らにとっても
対するフレイザード2号は鼻で笑った。
「その台詞が出る時点で、アンタはハドラーちゃんの事、何も解ってない!」
その言葉にハドラーちゃんはある意味納得した。
「ふっ、余計なお膳立てを」
「つまり……余を倒した後は
「そうじゃないんだよ。バーン」
「ん?」
「ハドラーちゃんはね、勝つのが好きなんじゃねぇんだ……戦うのが好きなんだよ。そう、相手に悪口を言わせる余裕が無い程の綺麗な勝ちがね」
フレイザードの主張に呆れるマトリフ。
「……相変わらずの脳筋だなぁー。お前ら」
だが、その直後にフレイザード2号のトーンが変わった。
「でもね、組織運営はそんな綺麗事だけじゃ上手くいかない。それなりの卑怯はしないと長続きしない。けど、ハドラーちゃんは進んでその様な事をする
フレイザード2号は自分の胸を叩きながら宣言する。
「ハドラーちゃんがやりたがらない汚れ仕事は、全部この私が引き受ける!ハドラーちゃんと言う神輿を汚れから護る卑劣な盾。それがこの私、フレイザードの役目よ!」
「フレイザード2号……お前……」
フレイザード2号の宣言に対して呆然とするハドラーちゃん。
ただ、アバンはその宣言にお人好しな矛盾点を感じていた。
(そんな事を言ってる時点で、私は貴女が卑怯者には見えない。本当の卑怯者は、むやみやたらに自分を傷付けるなんて事は、絶対にしないのですから)
「で、卑劣な手で余の天地魔闘の構えを破ると宣言したは良いが、実際にどの様な方法で?」
バーンの質問に対し、フレイザード2号は自信満々にある物を懐から取り出した。
「それは……こいつの訊いてみな!」
フレイザード2号が持っていたのは、フレイザード2号が先程倒したキルバーンの生首であった。
「……で?それでは、ただの自慢ではないか」
傍から見たら確かにそう見える。
「貴様がキルバーンを殺した。それだけの話だ」
その直後、フレイザード2号が人を馬鹿にしたかの様な笑い方をした。
「……ふふふふふふふふ。バーン様は、キルバーンについて何かお忘れな事が有りませんかな?」
「そうだったな。Kill Vearn……余の計画の経過次第では、たちどころに余を殺す暗殺者へと早変わりする……だったか?」
「で、その方法は?」
「もはや知る術はあるまい。貴様がキルバーンを殺してしまったのだからな」
それを聴いたフレイザード2号が嬉々として種明かしを行う。
「これを観てもまだそんな事が言えるかぁー!?」
フレイザード2号がキルバーンの生首から仮面を引っぺがす。
だが、出てきたのはキルバーンの素顔……ではなく……
「な!?」
「なるほど。その手があったか」
「そう。その手があるのさ……大魔王バーン様が大好きな黒の
黒の
「何で……こんな所に黒の
「勿論、あそこにいる大魔王バーン様を……殺す為です」
「ヴェルザーめ……そこまでしてこの地上が欲しいと言う訳か?呆れた智慧ある竜だな」
「あの方は竜らしくないんだ。人間みたいに欲深い……こんな風にね!
そして……フレイザード2号は
フレイザード2号にこう説得されたバラン。
「こういう時こそ、万全な体制で戦える状態に戻す事こそ重要。大魔王バーンを斃さないと意味が無いからね。さっきも
と言う訳で鬼岩城の玉座の間に戻され、エリクサーを飲みながらフレイザード2号の帰りを待たされる
「どうやら……俺は歴代最低の
そこへ、フレイザード2号がハドラーちゃんと共に
「
フレイザード2号が自信満々に答える。
「消し飛ばしたよ。キルバーンが隠し持っていた黒の
「使った!?黒の
「うん♪」
バランは、目的の為なら黒の
「貴様……鬼だな」
「だが、大魔王バーンをこのまま野放しにしたら、地上界はもっと大変な事に成っちゃうよ?」
帰す言葉を失い困り果てるバラン。
そこへ、爆音と共に何かが飛んで来て、強烈な破裂音と伴う噴煙を発生させた。
「チッ!あいつらも無事って訳?」
「舌打ち!?フレイザード2号、お前まさか!?」
「そのまさかだよ」
砂煙の中から出て来たのは、マトリフの
「卑劣な汚れ役執行人を自称するだけあって、あぶねぇ事してくれるぜぇ。気付くのがあと数秒遅ければ、俺達はあの光の中でお陀仏だったよ」
「フレイザード……お前……」
フレイザード2号は、暫くハドラーちゃんへの言い訳を思案していたが、バランに言われたある言葉を思い出し、別の意味で顔が青くなった。
「……あれ?……バラン……お前今、『2人』って言ったよな?」
嫌な予感がしたフレイザード2号は自分の足下を確認し、あるのは4つの宝玉だけだと気付いて更に蒼褪める。
「……まさか……」
「その、まさかだ」
フレイザード2号の前に立っていたのは、キルバーンが隠し持っていた黒の
「嘘……でしょ……」
「嘘なモノか。あそこの人間共ですら逃れられる攻撃如きで、この余を倒せると、本気で思っていたのか?だとしたら、自称卑劣漢が聞いて呆れる」
フレイザード2号は慌てて
「カラミティエンド!」
「ぐお!?」
バーンの強烈な手刀がフレイザード2号の体を斬り裂き、その勢いでフレイザード2号を『瞳』に変えてしまった。
「フレイザード!?」
瞳と化したフレイザード達を拾い上げたハドラーちゃんが、その元凶であるバーンに斬りかかろうと立ち上がりかけたが、バランに肩を押されて片膝をつかされた。
「どけ」
「バラン!?貴様、何をする!?」
「どうやら……いよいよ
『天地魔闘の構え』攻略法を試す展開第4弾。
質もダメ。
量もダメ。
霞の呼吸もダメ。
となると、もうめんどくさいからキルバーンが隠し持っていた『黒の
フレイザード2号がカッコ良く『ハドラーちゃんの為に汚れ役を引き受ける卑劣漢』宣言しておいて、あっけなく失敗して大恥かいただけでした(汗)。
と言う訳で、次回は満を期して
果たして……