セッ○スしないと出られない部屋に男女を閉じ込めるのが性癖の魔族に巻き込まれた話   作:柚香町ヒロミ

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ドワーフの平均身長を調べたところ120cm~150cm程度らしいのでそのへんを想定しています。

意外と身長ある方なんですね……小さいけど。




十六組目 〜鍛冶師と小人〜

 

 

 

『セッ○スしないと出られない部屋』

 

 掲げられた文字とピンクの異様な内装の部屋に2mは超える大男である鍛冶師の男と対照的に背が低くずんぐりむっくりな体型の女ドワーフが立っていた。二人は師弟関係であり仕事終わりに鍛冶師の家で酒を飲んでいたはずが突然謎の光に包まれ気がつけばこの部屋にいたのだ。

 

「はあ!? こんなデカブツのブツが入るわけねえだろ!!」

 

「し、師匠……そういうことはあまり言わない方が……」

 

 鍛冶師の股間を指差し叫ぶ女ドワーフに鍛冶師は頬を赤らめながら窘める。鍛冶師は人間と巨人族の混血児であり体躯が人よりも大きかったのだ。純粋な巨人族に比べると小柄だが。

 

 鍛冶師の言葉に女ドワーフは「どうせオレとお前しかいねえんだからいいだろ」と荒々しく手に持っていた槌で部屋の壁を叩くがヒビ一つ入らないので舌打ちをした。

 

「チッ、無駄に固え。こりゃ壊すのは無理だな……お前もやってみろ」

 

「はい。セイッ!!」

 

 部屋は巨躯から繰り出される怪力による攻撃もビクともしない。その鉄壁の守りに耐久性は抜群ですね……と鍛冶師は項垂れる。

 

「お前の馬鹿力でも駄目なのか……ん? そういえば確かにお前はデカブツだが……アレまでデカいとはかぎらねえな。実際どうなんだよ」

 

「師匠……酔い過ぎ……」

 

 酒が回っているのか普段以上に口が悪い女ドワーフに鍛冶師は照れつつも股間を手で隠した。ズボン越しとはいえジロジロと見られるのは恥ずかしいものだった。……意識している異性なら尚更だった。

 

「いいじゃねえかよ減るもんじゃねえ。どれどれ」

 

「わあ!?」

 

 そんな鍛冶師の複雑な男心を察することなく女ドワーフはぐいっと鍛冶師のズボンを引っ張り中を覗き込む。

 

「…………」

 

 そして無言で引っ張るのを止め、ベッドに座り込んだ。あ、コレ無理だわと明後日の方向を向きながら。

 

「……臨戦態勢になったら縮むような特殊体質だったりしねえか」

 

「どんな体質ですか。……普通に大きくなりますよ」

 

 こんな事言わせないでくださいよと鍛冶師は色んな意味で涙目になるがそれは女ドワーフも同様だった。ドワーフという種族は基本的に小柄であり比較的大きい方の自分でも受け止められないのではと戦慄していた。

 

「とはいえこのままここに骨を埋めることになるのはヤだな。依頼もあるし。……うし、覚悟を決めるか。脱げ」

 

 女ドワーフは冒険者達に武器を作ったり修繕するのを仕事としており今も複数の依頼をこなしていた。弟子である鍛冶師もその手伝いをしている。口は悪いが職人としての矜持を持つ女ドワーフはまるで戦いに赴くが如く険しい顔で服を脱ぎだした。

 

「師匠!? だ、駄目ですよ! 自分の事は大切にしてくださいっ!」

 

 女ドワーフの豪快な脱ぎっぷりに鍛冶師は咄嗟に目を逸らす。しかし目を逸らした先に女ドワーフの衣服が落ち逆に煽るような形になってしまっていた。

 

「オレの仕事を待ってる奴らがいるからな。四の五の言ってられねえ。 ……まあ、お前は嫌だろうけどな。こんなずんぐりむっくりな女」

 

 最後に出た引け目を含ませる言葉にそれまで慌てた様子の鍛冶師はピタリと動きを止める。

 

「……そんなことないですよ。僕は……師匠の事好きですから」

 

「は!?」

 

「こんな時に言うのも変かもしれませんが人として……いや師匠はドワーフなので厳密には人じゃないですけど同じ職人として尊敬してますし女性としても魅力的に思っています」

 

 普段気弱でうだつの上がらない鍛冶師からの突然の告白にそれまで覚悟を決めながらもあっけらかんとしていた女ドワーフは段々と赤くなり近くにあった布団に包まる。自分が魅力的だと言われ後から羞恥心が芽生えてきたのだ。

 

「な、なんだよ急に……調子狂うじゃねえか」

 

「……師匠こそ僕が相手とか嫌じゃないんですか。こんな図体だけデカい奴。覚えも悪いし力加減がヘタでいつも叱られてますし……」

 

 言うだけ言って後から自信なさげに俯く鍛冶師に女ドワーフは布団に包まったまま近づく。

 

「……アホ。好きでもねえやつに抱かれる覚悟を決めるほど軽い女じゃねえんだよオレは」

 

「えっ」

 

「もしお前以外だったらぶっ殺してでも外に出てるぜ」

 

「ぶ、物騒ですね」

 

「自分が死ぬのはゴメンだからな。……オレのこと本当に好きなのか? オレかなり口も悪いだろ」

 

「でもなんだかんだ優しいですよ師匠は。叱りながらもどうすればいいのかちゃんとアドバイスくれますし」

 

「……チビだし」

 

「ちょこちょこして可愛いです」

 

「うっせ、背高のっぽ。……オレは………」

 

「はい」

 

「オレ……髭生えてねえんだぜ!?」

 

「あ、はい……それは別に気にしてないというか……生えててもいいですけど」

 

 ドワーフ族にとって髭とは毛髪と同等の価値があり誇り、そしてドワーフという種の象徴でもある。それなのに大人になっても髭が生えない自身を女ドワーフはコンプレックスに思っていた。

 

 もっとも鍛冶師本人は基本的に感性は人間のものなので特に気にしていなかった。まあ立派な髭が生えててもサンタみたいで可愛いだろうなと思えるくらいにはベタ惚れであったが。

 

「……オレ達両想いってやつなのか?」

 

「み、みたいですね」

 

「「………………」」

 

 気まずい、けれど甘い沈黙が二人を包む。長年の師弟関係から発覚した事実に二人とも困惑半分嬉しさ半分だった。

 

「えっと……どうすんだ? 景気づけに一発ヤるか?」

 

「そんな飲みに行くみたいに」

 

「仕方ねえだろ! 酒抜けてきて恥ずかしいんだよ! 勢いで押し切るしかねえだろ!」

 

「……まあ気持ちは分かりますけど。……本当にいいんですか? さっきから色々限界なので師匠がいいなら遠慮なく抱きますけど」

 

「お、おおおおう! 来いや!」

 

 と布団を下ろし全裸のままベッドに豪快に寝転がる女ドワーフであったが鍛冶師の臨戦態勢になっていた凶悪なソレに怯んだり、鍛冶師の入念な『準備』にヘトヘトになりながらバチクソに抱かれるのであった。

 

 

 

 

 

 

「おい……自分で歩けるって」

 

「足腰ガクガクじゃないですか。駄目です」

 

「そんなことねえって。それより恥ずかしいんだよ。お姫様抱っこって歳でもねえし」

 

「僕がそうしたいんです。……ふふ。あの時の師匠、可愛かったですね」

 

「うっせ。調子に乗りやがって……」

 

「そういうつもりではないですが……自信はついたかもしれません」

 

「……アホ」

 

 口ではそう言いながら甘えるように身を委ねる女ドワーフとそんな女ドワーフを大切そうに抱える鍛冶師なのであった。

 

 

 

 

 

   ◇◇◇

 

 

 

 

 

「ちょっと体格的に大丈夫か心配だったけど無事済んでよかったですな。場合によってはサイズ調整的なサポートしようと思ってたけど」

 

『ドワーフの神秘を感じました。苦痛を感じさせないように鍛冶師の方が頑張った成果もあるでしょうが』

 

「まさに愛ですな〜。男勝りで粗雑なところのある女性がそういうことになると初心になっちゃって普段気弱だけどそういうことは割とガッツリ攻め攻めになる隠れ肉食系男子ってヨクナイ?」

 

『……性別が逆でもアリかと』

 

「あー、夜は弱々な俺様男と夜つよつよゆるふわ女子……それはそれで滾りますな……話せるようになってきたね水晶玉クン」

 

『……なんだか変な事ばかり学んでいる気がします』

 

「言えてるぅ〜。ごめんね☆」

 

『ウザいです』

 

「ストレートな罵声!? うう……まあ水晶玉クンの毒舌はいつもの事ですからな。気を取り直して次のターゲットの事を教えてくだされ」

 

『次該当するターゲットは…………………検索完了。蛇神とそれに仕える巫女です』

 

「おっと……インモラルな組み合わせですな! だがそれがいい! ついに神様をターゲットにする時が来ようとは……これは気合を入れて拉致りませんとな! ちょっと本気出すわ!!」

 

 魔族は軽く体操をして体を温めた後、何の躊躇いもなく他所の神と巫女を拉致る為の術式を展開させるのだった。

 

 

 

 

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