地球を防衛する傭兵になりました 作:No.28
7.静かなる脅威
おい、このエリアは敵がまだ来てないって話だったろ!?なんでドローンがいやがる!!
……!? クソ、撃ってきた!!
反撃!反撃しろ!!
あれは……民間人が! 彼らを護衛しろ!お前とお前、俺についてこい!お前ら二人で民間人を護衛するんだ、いいな!
俺たちでドローンを抑えるぞ!
撃てぇッ!!!
七話 彼の者
「────えるか! 聞こえるか!? 応答せよ、本部、応答せよ!! こちらチームドルフィン! 敵のドローンに阻まれた! 我々の装備では歯が立たない! スナイパーチームを寄越してくれ!!」
建物に隠れて本部に連絡を取ろうとする数名のレンジャー隊。3名が立ち上がって周囲に銃を向け、その奥にピクリとも動かない2人のレンジャーがいた。彼らの更に奥に隠れるように4人の作業員がいた。
「聞こえているか、本部! こちらは民間人を保護している! ブルージャケットチームを手配してくれ!!」
「……隊長、ダメです! ドローンから微弱なジャミング波を検知しました! 長距離通信は恐らく妨害されています!!」
部下の隊員、ドルフィン3が計測装置の画面を見せてくる。100メートルを超える距離では通信さえ難しい、そう示されている。悪態をつきながら、荒々しく無線機のスイッチを切る。マガジンの残数を確認した。残り4個程度。怪物の相手ならともかく、高速で動き回るドローンに弾を当て続けられる自信はどこにもない。
「……あの、俺たち助かるんすか……?」
作業員のひとり、最も若い青年の男性が不安げに話しかけてくる。絶望感と敵への怒りをひた隠しにし、事実と希望的観測を綯い交ぜに述べた。
「………すみませんが、作戦司令本部との通信が妨害されています。ですが安心してください。EDFは仲間を見捨てません。付近に展開していた部隊があります。彼らは我々が消息を絶った事を察知し、調査に来てくれるはずです。そうすれば、我々でドローンを殲滅し、皆さんを無事に家へ送れます。ですから心配はご無用です」
「……そう、っすか。良かった……」
脱力して地面にへたり込む青年。隣にいた壮年の作業員らも安心したように壁……というよりはパイプやタンクの基盤部コンクリートなどにもたれかかった。
「(もちろん、助けが来る保証はない。あと30分待って助けが来なかったら、俺達ができるのは囮だ……。 ……もしもの時は許してくれ、ケイト…)」
妻の顔を思い浮かべた。
「クソ……ドルフィンがこの付近にいるはずだが……よりによってドローンだと……ついてないな」
「隊長、電波が遠くまで届きません。恐らくあのドローンはジャマーとしても機能するのかと……」
通信が取れない。彼が放つ言葉の意味が、機械に詳しくない私にだって、わからない意味ではない。
事実上の本部との通信途絶。我々は孤立したのだ。
「ドルフィン、こちらはチームラビット。聞こえていますか? 付近に存在するなら応答してください!」
……反応はない。近くにはいないのか?あるいは……。 そこまで考えて、首を振って考えを止めた。必ずドルフィンを連れて生きて帰るのだ。
ドローンを観察する。相当に飛翔速度が早く、重火器では捉えきれない可能性が高い事が容易に窺える。
こちらの武装はショットガン、対するドローンは高機動で敵を翻弄するタイプだ。先日もドローンと巨大浮遊空母の攻撃を受けてベース210が壊滅したと聞いている。対空火器の歯が立たない相手となれば、恐らくは機動力に特化した相手。小回りの効くスナイパーライフルが必要だが……。
工業地帯では遮蔽物として機能するものが多い。閉所では、跳弾の可能性を捨てればドローンと少数で戦える可能性はあるが、その場合は付近にいるはずであるドルフィンも巻き添えを食いかねない。手を出す訳にはいかない。
もどかしさが我々を襲った。
敵の航空戦力ひしめく工業地帯。付近のガスを管理しているだけでなく、地下では水質改善の為の施設がある、地球環境改善プロジェクトと呼ばれるEDF設立4年目に発案・実行されているエリア。
「本部、到着したぞ」
『よろしい。ドルフィンとラビットを救助せよ!』
そこに5人の男達がやってきた。
「了解。仲間を救出する!」
「ヘッ、そりゃ無理ってもんだ。あの数を見ろよ、俺達だけでやれる数じゃねぇ!」
「弱音を吐くな。仲間を見捨てないのがEDFだ」
「へいへい、わーったよ!」
「軍曹。ドローンの数は尋常ではありません。どう戦えば……」
軍曹と呼ばれた男が敵にライフルを向けたまま思案する。確かに、自分たちの武装は突撃銃。対するドローンは、横方向に拡散する未知の弾丸を5連射し、射程も長い。到底こちらの叶う相手ではないのだが、だが、彼は厄介な事に、誇りあるEDFの一員だった。
『軍曹、聞こえるか。円盤に関する情報がある。少佐。説明を頼むぞ』
『わかりました。 軍曹、聞こえていますね? こちら戦略情報部。円盤の残骸を調査した結果、内部に人員などは搭乗していません。つまり敵はドローンです。無人機が相手であれば、やり方によっては少数でも戦えるはずです』
少佐と呼ばれた女性の説明を聞く4人のEDF、その後ろで銃弾の残りを確認する、一人の民間警備員の男。軍曹に武器を渡され、生き延びるために戦えと説得され、彼も軍曹の部隊に合流し、街から街へ移動しながら戦闘を行なっていた。
『青く輝くドローンは戦闘状態にありません。周辺の敵を探知するまで戦闘行動を控える、言わば警備モードです。恐らくこの状態では無害な状態である、と推測できます。
逆に、何らかの条件で警備モードのドローンは赤く変化します。発見した者を追跡・破壊する、殺戮マシーンです』
「なるほど。つまり、ドローンが赤く変色しない限り、俺たちに攻撃はされない、ならやりようはある、か」
『映像を分析した。そのエリアのドローンは全て警備モードだ。一度に全てを相手するのでなく、分散させ、各個に─────』
本部からの通信が切れる。部下の3人も困惑しているようだ。民間人は驚いた素振りを見せないが、緊張しているのかもしれない。
「軍曹、通信が!」
「切れちまった……どうなってんだ!」
「軍曹! 仲間を救出して、はやく逃げましょう!」
通信はともかくとして、仲間がこの付近で身動きが取れない状況はどうにかしなければならない。民間人には他の隊員からの遺品であるボディーアーマーを着せてやってはいるが、先の戦闘と同じように生き残れるとは限らない。
先刻での市街地戦では、D兵装を装備したウイングダイバーチームや狙撃銃を装備したレンジャー、ハンマーズに加え、対空戦闘型ニクスミサイルキャリアー、アームズの存在もあって、大軍から市民の大半をどうにか守りきれた。
だがここにいるのは彼らだけだった。小銃兵が4人、民間人が1人、安否すら分からない部隊がふたつ。ドローン数十機を相手するには無謀がすぎるというものだ。だが野放しには出来ない。
「お前達、聞いていたな? 少しずつ敵を誘き寄せ、少しずつ撃破する。長丁場になるだろうが、油断はするな!」
「了解! ……!? おい、民間人!?」
「どうしたんだアイツ!」
「そっちは危険だ、戻れ!!」
軍曹達の言葉を振り切って、狙撃銃を片手に突撃する民間人。最初の一機目に的確に銃弾を命中させて墜落させると、次に警備モードから戦闘モードに変化したドローンへ照準を合わせ、撃墜していく。
アンチマテリアルライフルKFF50はその構造上ボルトが引きにくく、訓練を受け平時から慣れておかなければ咄嗟の再装填は難しい。だが、民間人はなんの抵抗もないかのようにボルトを引き、薬室に次弾を押し込む。その動きは常日頃から慣れている熟練者の動きだった。
「凄い殲滅速度だ……!」
「全員民間人を援護! 近づくドローンを撃ち落とせ!」
「イエッサー!」
民間人に駆け寄りながら、付近の戦闘モードのドローンへ集中して銃撃を加え、2機、3機と撃墜していく。絶え間なく襲いかかってくるが、その数は一貫して5機以内だった。
よく見れば民間人の照準の先にあるドローンは、群れから離れ孤立しかけている個体ばかりだった。がむしゃらに当てるのでなく、ターゲットを選んで撃っていた。
「そっちに行くぞ!撃て!」
「民間人! 俺達が守る! やりたいようにやれ!」
敵に銃を向けたままの背中で軍曹の言葉を肯定しつつ、敵へ攻撃する。何発で敵が落ちるか、どこへ当てれば敵が落ちるか。どこへ撃てば移動中の敵が落ちるか。彼は頭の中で常に計算を続けながら攻撃している。高速飛翔体の予測射撃など、訓練された職業軍人でも難しい技術だ。
それを何かしらのミスを犯すことも無く、ただ一度も外すこと無く命中させている。それだけでただの民間人ではない技量の豊富さを感じさせた。
『……30分、か。民間人の皆さんは我々と反対側へ走ってください! 我々が囮になります!! こちらドルフィン、救援部隊、本部!聞こえているか!? 追い詰められた、建物から出て反撃するッ!!』
『うおぉぉぉーーっ!!!』
驚いた事に、先に戦闘に巻き込まれていた民間人を保護、隠れていたチームがいた。民間人は彼らの場所を知っているかのように一目散に向かっていく。その間も敵への狙撃を怠らず、的確に数を減らしていく。
『民間人!? どこへ行く!』
『多分戦っているチームが見えたんです! 軍曹、行きましょう!』
『俺に続け!民間人を援護し、味方を助けるぞ!!』
民間人だけが頭一つ抜けて離れた位置にいたために味方の通信が聞き取れたのだろう。通信妨害を受けていたと思われるが、それを抜きにしても民間人の迷いのない行動は、軍曹たちレンジャーチームの行動指針となりつつある。
『撃て! とにかくこっちに来るやつだけを撃つんだ!!』
『隊長あれを! 民間人が走ってきます!!』
「なに? おい、そこの民間人!! 何をやってる、こっちは危険だ! 戻れ!!」
通信が必要なくなるほどの距離にまで近づいた為、隊長と呼ばれた男が無線機を切ってこちらへ呼びかけてくるが、民間人はそれに対して手をすっと伸ばして静止させると、KFF50でドローンを撃ち抜く。
続いて追いついてきた軍曹隊が生き残っていたレンジャーチームと合流し、端的に事情を説明する。
「ドルフィン、生きてたか! 民間人はドローン撃墜にかけては俺達より上だ! お前たちも手を貸してくれ!」
「民間人が!? 信じられん、が……了解した! ドルフィンはこれより彼に追随し、護衛する! 敵を撃て!!」
上空にアサルトライフルを向け、全員で引き金を引く。敵数が少なくなってきたとはいえ、まだまだ襲いかかってくるドローンの数は多数だ。民間人が積極的に攻撃を仕掛けていくが、数が減るスピードは遅々として進まなかった。
「民間人! ドルフィンチームの他にラビットチームがいるはずだ! 彼らとも合流したい、場所が分かったら向かってくれ!」
軍曹の指示に敵を撃ちながらも頷いて答える民間人。するとまた歩き始める。銃を上に向けながら迷いなく敵を攻撃、正確に撃墜しつつも、しっかり足元に何があるかを把握しているように動いて道路へ飛び出す。
「撃て、撃てっ!!」
「ドローン、機数6! まだ来ます!」
「叩き落とせ、あの民間人に近づけさせるな!!」
アサルトライフルの鋭角な弾頭がドローンの装甲を削り、撃破していく。爆発と共に原理のしれない浮遊力を失って墜落していったドローンを尻目に、民間人が的確に射撃体勢にあるドローンだけを撃ち抜き、破壊する。
『うわぁぁぁあ!! このままじゃ、全滅だぁっ!!』
『こちらラビット、敵にバレました! こうなったら、少しでも多く道連れにしてやります! ラビットチーム、行くぞ!!』
ラビットチームの3人が接近してきたドローンにショットガン・スローターE20の子弾を撃ち込み、破壊する。部下達もそれに乗じて接近してくるドローンを撃ち落として破壊し、道路の側へ走り込む。広いところへ出て敵の注意を引き、可能な限り敵を破壊する算段だったのだろう。
それによって、偶然か必然かは知れないが、その覚悟によって彼らの命は、大口径対物ライフルを構えるひとりの民間人に委ねられることとなる。
「なっ…民間人!? ここは危険です、逃げて!」
「ラビットチームか! 俺たちはドルフィンだ、よく無事だったな! 軍曹が助けに来てくれた。俺達も合流して戦うぞ!」
「了解! ……でも、なぜ民間人が?」
ラビットの疑問を、民間人はまたもドローンを射撃して撃ち落とす事で払拭する。
「……なるほど、ただの民間人じゃないということか! 心強いな。 ラビットチーム、あの民間人を支援! 戦闘開始!!」
生存していた両部隊が合流できたことで、近距離での火力が高まり、接近してきたドローンにも余裕を持って対応できている。民間人の精密射撃を邪魔する敵を、仲間で手分けして撃墜する。凄腕の彼がいなければできない芸当である。
『い、EDFの人! 俺達、無事に逃げれました! 本当にありがとう!!』
「『構わない! その装備も君達にやる! 仲間と合流したら事情を説明して匿ってもらえ! 私達がここを抑える、安心してくれ!』」
ドルフィンチームの隊長が死亡した隊員の装備を渡して離脱させた民間人が無事に脱出できたことに喜び、そして勇ましく近距離のドローンに弾丸を浴びせかける。
「おおぉぉぉーーーーーっ!」
「ウォォォ!!」
「ドローンどもめ、俺たちを倒してみろォ!!」
自分たちを奮い立たせる雄叫びを響かせながら、ドローンを減らしていく。敵の個数がこちらの残り人数を下回ったところで、通信が回復したらしい。
『こちら本部、工業地帯で戦闘中の部隊は応答せよ! 何があった!?』
「こちらドルフィン! どうやら敵のドローンは群体として行動する事で、自分たちの電波を放って我々の無線通信を妨害するジャミング波を放出するようだ! こちらは2名死亡、ラビットチーム、及び救援部隊は無事! 繰り返す、ドルフィン2名死亡、ラビットチーム及び救援部隊は無事!!」
『了解した! 状況はどうなっている!?』
「民間人がドローンを次々と叩き落としている! 状況はこちらの優勢に傾いた!!」
ドルフィンが銃声で聞き取りにくい無線に叫ぶように伝えながら、アサルトライフルをドローンに向けて撃つ。
『了解した、よく無事だった! 各員は全てのドローンを破壊し、その民間人を街へ護送してやれ』
「了解!」
民間人の放ったスナイパーライフルの弾丸がドローンの装甲を穿ち、敵は爆発を挙げて撃沈する。レーダーにはもう敵影はなかった。
「……よく助けに来てくれた。もう死ぬものだと覚悟していた」
「俺達もだ。あのドローンの中でどう戦えばいいかわからなかった。感謝する!」
ドルフィンとラビットの両名が民間人に敬礼し、民間人は手持ちの銃のリロードを行いながら頷く。ヘルメットに付属するゴーグルでその目元は窺えないが、その口元は僅かに笑みを浮かべていた。
「凄いぞ、民間人!」
「飛び出ていった時は生きた心地がしなかった……」
「ホントだぜ、まったく!」
「そう言うな。民間人! お前には素質がある。軍に志願するといい。熱烈歓迎だぞ、俺達は」
民間人はそれに親指を立てる。肯定の合図だろうか。わからないが、軍曹は本気にしていないらしい。
「フッ、冗談だ。お前はよくやってくれたが、民間人であることに変わりはない。しっかり家へ送ってやるから、安心しろ」
『軍曹、迎えの部隊がそちらへ向かっている。休んでいいぞ』
『───これは記録に値する、素晴らしい戦果です。このデータを解析すれば、戦いの流れを変えられるかもしれません』
戦局情報部少佐が安堵したように言葉を発した。
たった一人の民間人に出せる戦果では、到底ありえない。訓練されていない人間がただの一人で訓練した人間が出せる戦果を上回る功績を得るなど。
本当の事を知るものはただ一人だけだった。
『聞こえているか』
『よし、繋がった、成功だ。この状況を打開する為のキーが見つかったかもしれない。
『私は今回でデータを提出し、参謀に掛け合うつもりだった。だがやはり今回では参謀には掛け合わない事にする。
『ベース229。君のいた場所のひとつ隣と覚えるんだ。私はあれを完成させないといけない。チーズバーガーは
『……そうだ。私達が繰り返すうちに、特異点が生まれたんだ。《プライマー》の手の者かと疑ったが、協力的な以上同じ人類として認識を固定する事にした。彼女とはまだ会っていないだろうが、会えばわかるさ』
『歴史改変のリスクを負うには私達二人では荷が重すぎるかもしれない。 ……だが、彼女と私達なら? この仮説を決定的なものとしたい。プライマーの過去改変を上回る何かが、彼女と彼女の乗る機体に、そして君の、どんな戦場でも生き残るイレギュラー性に込められていると、私は信じる』
『ああ、それと……。 君の言う通り、妻は先技研の私の部屋で寝泊まりさせている。窮屈な思いをさせてしまっているが。だが、彼女への変わらぬ愛が、私を奮い立たせてくれる。次こそプライマーへ勝利する』
『君は歴史をなぞりながら、特異点となる彼女と接触してくれ。出来れば、次で決着に持ち込みたいところだな』
『……もう切るぞ。アイデアが浮かんできた。君も自由に戦ってくれ。勝った暁には、食事にでも誘おう』
「…………自由に、か」
兵員輸送装甲車、通称グレイプの車内で、通話先の男に《ストーム1》と呼ばれた民間人は呟く。自由に、それはどうすればいいんだろう。
ストーム1は、彼に教えられてリングの存在を完全に認識してから三回目の《くだんの日》を迎えている。何度戦って何度生き残って何度仲間の死を見届けても。悪夢は繰り返し、そして終わらない。
プライマーへの変わらぬ復讐心だけが、彼の支えだった。
「変わらないよ、プロフェッサー。俺は戦うだけだ」
誰もいないグレイプの中でひとり、決意を固めた。
ストーム1
!!ERROR!!
存在しないコールサインです。もう一度ご確認の上、正確なコールサインを入力してくださ%(F/#*$&¥?=+<」:
プライマーとの最終決戦の際に活躍したと言われている、幻の特殊遊撃部隊。4つの部隊で構成され、それぞれがEDF内別兵科で最大級の戦果をもたらした、伝説級の兵士達と噂されていた。
誰もが不可能と考えていた敵母船の撃墜を実行、成功させたただ一つの部隊であり、彼と肩を並べた兵士は全員が生還したという報告すら上がっている。最大の戦果を挙げた部隊であり、母船撃墜直前には北米総司令部への転属が打診されていた。
しかし、ストーム1でさえ敵母船の砲撃を受け無傷ではいられず、ストーム1を除くストーム2、ストーム3、ストーム4の全滅をきっかけに、怪我のせいで活動さえままならないままある基地の医療施設で眠り続けていた。
復帰した時、人類は勝利したにも関わらず敗戦後のような絶望の中に生き延びていた。
生存したストーム1は、同じく生き延びたEDF軍事拠点のひとつ、ベース251に配属される運びとなり、誰にも本来の部隊として認識されないまま、繰り返す度に新兵として戦場に身を投じるはずだった。
プロフェッサー。
そう呼ばれた男が話しかけてくるまでは。