何のとりえも無い少女が異世界で生き抜くお話(チート能力は無い模様)   作:カルデアの廃課金マスター

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 アニメ3期始まりましたね……。前回は3期開始に間に合わないと言っていましたが、内心ではアニメが始まる前に1話は投稿出来る妄想だったんですよ。
 ですが、家のWi-Fi環境が壊れて数週間パソコンが使えなかったり、単純に別の作品に浮気してたり、FGO君で新章が始まったりと。7割サボりでした。お待たせしました。今週末には11周年なので更に遅くなりそうです。


30冊目

4月9日

 最近は何も無い。事件が起きないのは良い事だけど、毎日代わり映えの無い日々が暢々と続いている。

 それが悪い事じゃあなく、良い事なのは間違いなののだけど、やっぱり振り返るとこんな事もあったな、と思える充実した一日一日を送りたいのは当然の願いだろう。

 やはり友達なのか?

 知り合いと呼べる人達はルーデウスやシルフ君ちゃんのお陰様で増えてるけど、知り合い止まりでそれ以上の関係性には発展しない。

 どうしたってルーデウスやシルフ君ちゃんの繋がりがあってこそ知り合えたので、どうも踏み込みにくいというか、踏み込んでくれないというか……。

 ルーデウスもシルフ君ちゃんも、幼女先生の手も借りないで知り合った人とが一番発展しやすい感じもするんだけど、誰も私自身と話してくれないのが悔やまれる。

 

 

5月1日

 あぁ……。そう言えば一人だけ家族以外で私に構ってくる変人が居たのだった。

 友達が欲しい身からすれば、私に話しかけてくれる人の事を変人と呼ぶのは失礼が過ぎるのだろうけど、あの男については話が違う。

 そう、シルフ君ちゃんの同僚でパパウロみを感じるイケメン変体ハーレム騎士様だ。

 いつもいつも女の子を侍らせている危険な奴でもある。

 そんな変態騎士様は次のターゲットに私を選んだらしい。

 ふざけるな。異世界だから重婚にはとやかく言うつもりはないけど、既に身を持っている女性だけを大事にしてあげてほしい。

 とっかえひっかえに女の子を弄んで節操のない奴め。

 そりゃあ重婚が認められている場所で、キッチリと責任を取るなら私がどうこう言う筋合いはないだろうけど……。

 お遊び感覚でナンパは辞めろ。少なくとも私にはするな。

 この学校の表のボスである生徒会長様の取り巻きで、シルフ君ちゃんの同僚で友達で、アスラ王国のお貴族様じゃなければ斬ってたよ。

 殺人事件は起こしたくないから峰打ちでボッコボコだ。

 一応生徒会長様の護衛騎士っぽいけど、あんまり強そうには見えないから私でも楽勝でしょうよ。

 でもやっぱり暴力にはあまり頼りたくないのが本音。

 この変態騎士様の対策求むと。

 

 

5月2日

 友達は出来ない。でも変態騎士は寄ってくる。

 私がゼニスママの血を濃く継いでいて可愛くて綺麗なのは分かるけど、もう少し遠慮ってものを知ってほしい。

 まぁ、基本的に庶民は逆らえないお貴族だし、顔面偏差値が高い事に間違いはないから一般的な女性からすればいい寄られて嬉しくない事の方が少ないだろう。

 女性関係で挫折を知らないから、拒否ってる私が物珍しいだけなはず。

 私だってゼニスママに似て綺麗に育っているけど、まぁそれを差し引くくらいボロボロだからね。

 髪質や肌は段々と調子を取り戻してきているけど、ベガリット大陸で負った傷は完治は出来ない。

 特に酷いのは胸だけど……あれは痛かった。

 下手に治癒魔術を使って完治すると意味がないから調整が大変だった嫌な思い出だ。

 それ故に私が誰かに肌を見せる事はないだろうね。

 こんな見苦しい私を受け入れてくれる素敵な人が現れれば別だろうけど……ま、今のままじゃ何年経っても男の人は苦手なままだろう。

 ごめんなさいパパウロ、ゼニスママ。孫の顔はルーデウスに……もうルーシーちゃんが居るんだった。今後もまだまだ増えそうです。

 でもパパウロはもう死んじゃってるし、ゼニスママも完治する見込みは薄いから、直接顔を見せられないのは残念な点でもあるし、逆に結婚を催促されないのはメリットでもあるとも言える。リーリャは何か言いたそうな表情を見せるけど……。

 ゼニスママについても、せめて意思疎通くらいは満足に出来るくらい回復して欲しいと願ってる。

 話しは戻って彼氏とか結婚とか、私だってそう言う願望が全くないとは言い切れないけど、やはりベガリット大陸での体験が私の中に深い傷跡を残したんだと思う。

 うん。普通にトラウマ物だ。

 どうしてあのようなおぞましい事が行われているのか理解しかねる。

 そんな事よりも変態騎士の対策はどうしようか?

 ルーデウスの威を借りるには忍びないし、同僚であるシルフ君ちゃんに頼めば何とかしてくれそうな気もするけど、ひと段落ついて落ち着いてきたとは言えルーシーちゃんのお世話もあるので頼みにくい。

 シルフ君ちゃんには家でも色々とお世話になっているから、これ以上負担を増やすのもなんだかなぁ。

 やはり幼女先生か?

 でもあの先生も長い間独りぼっちを拗らせて居たそうだったから、私が相談しても一緒に悩む以上の結果にはならない様な気もする。

 幼女先生一人で解決できる問題なら、私一人でも解決できそうな予感が……しないね。腐っても水王級魔術師で学校の先生。生徒の悩み事くらい良く解決しているのだろう。

 ……そうなると打ち明けた方が良いのでは?と思わなくもないけど、シルフ君ちゃん同様にこれ以上迷惑はかけられない。

 結局解決策は見つからず。もう遅いので今日も何も思いつかずに寝る事とする。

 

 

5月3日

 今日は休日だった。

 鍛錬に時間を費やすのも良し。家でゴロゴロして自堕落な一日になるのも良し。

 まー、日課の鍛錬だけは軽くする予定だった。

 とりあえず朝起きてルーデウスに久しぶりに鍛錬を一緒にどうか?と誘ったが、忙しいと断られた。

 毎日部屋に籠ってロボットを作ってちゃあ身体が鈍ると思って誘ったのに、兄は妹の心知らずらしい。

 多分妹も兄の心知らずだと思うから、お互い様と言えばお互い様なのだろうが……。

 兄は妹の願いを何でも叶える人だと耳にした記憶があるのにね。

 ルーデウスに断られたせいで気分が鍛錬ではなくなったので、午前中だけ軽く汗を流して午後はゆったりタイムにした。

 アイシャが家事をするのを眺めて、ルーシーをジッと見守って、ゼニスママとリーリャとお話して。

 そんな一日でした、まる。

 

 

5月4日

 休んだ日の次の日は倍頑張る。

 力が漲るようだった。

 必殺技や良さげなコンボは何時も通り思いつかなかったけど、日々の鍛錬は何時かきっと私の助けになるさ精神で頑張った。

 ご飯も美味しかった。

 友達は出来なかった。

 

 

5月5日

 何がダメなのだろうか?と、自力で解決が出来なさそうなのは既に分かっていたので、知り合いに助けを求めた。

 いいや。助けと言うほど切羽詰まった感じじゃなかったけど。助言を願ったと言うのが正しい言葉遣いだろうか?

 まぁ、独り言のような物なのでその場その場で分かればいいの。誰に見せる物ですらないし、振り返る事もないだろうしね。

 で、助けを求めた相手と言うのはシルフ君ちゃん。じゃなくてそのおばあちゃん兼パパウロの冒険者仲間兼ルーデウスの友人の妻であるエリナリーゼさん。

 求めたと言うか向こうから接触してきたと言うのが正しいと思うけど、そこから助けを求めたのは間違いないから求めたのだ。

 内容は単純、どうやったら友達が出来るか?だ。

 明確な答えは教えてくれなかったけど、学校だけが全てじゃないとか、もっと声を掛けられやすい雰囲気を作るとか、いつもとは違う自分を演じてみるとか、なんかそんな事を言ってたような気がした。

 早口じゃなかったけど、喋った内容が多すぎて半分くらい忘れたよ。

 エリナリーゼおばあちゃんに相談して良かった。吹っ切れたし明日からも頑張ろう!

 と、簡単にいけば良かったんだけど、生憎とそう簡単に吹っ切れる訳がない。

 そもそも、学校が全てじゃないのは知ってるしパパウロの意志と金銭があったから通ってるの。

 声を掛けられやすい雰囲気と言われても、私はウェルカムと手を広げている。話しかけてこないのは他の生徒だし、何なら私を見て避ける生徒も居るくらいだ。

 酷い。私が何をしたっていうのだろう。ちょっとベガリット大陸での生活が抜け切れていないから、少し物音が聞こえるだけで剣の柄に手が行ってしまうだけじゃない。

 …………それが一番駄目だって分かっていても、長い期間で染みついた生き残る術は消えないのよ。

 

 

 

5月6日

 あれから偶にエリナリーゼおばあちゃんと話すようになった。

 朝や放課後の鍛錬中とか、学校の帰り道が主な場所だけど。

 夫である人とは一度だけあったことがある、と思う。

 ルーデウスの先輩兼友人。

 今はルーデウスの中型ロボット作成に協力している神父さんの恰好をしている人。

 エリナリーゼおばあちゃんには絶対に彼の話題を出してはならない。

 この前、その人……名前はクリフ先輩?について聞いてみたら、話が止まらなかった。

 大半が惚気話だった。

 日常でキュンとした瞬間、カッコイイと思った瞬間のエピソードが津波の様に襲ってきた。

 後、毎日エッチなことをしているみたい。

 これはまあ二人は夫婦だし、ルーデウスだって似たような物だ。

 二人共色欲の魔人だ。

 そっちの方向で歴史に名を残しそう。

 

 

5月7日

 とはいえ。エリナリーゼおばあちゃんの生活はアレだけど、得る物が全く無い訳ではなかった。

 エリナリーゼおばあちゃんはパパウロの元冒険者仲間。

 パパウロは冒険者の中でも最上位レベルのパーティーだったらしく、当然かなり強い。

 純粋な勝負ならルーデウスの方やパパウロ、その他にも強い人は沢山居るけど、エリナリーゼおばあちゃんは身のこなしが上手かった。

 攻撃の方向性、防御の耐性、受け流し方、足さばき、言葉による錯乱。

 見習うべき点が多い。

 これが世界でもトップクラスの冒険者かぁ。

 色欲に塗れている点以外は尊敬出来る人である。

 

 

5月8日

 エリナリーゼおばあちゃんと言えばクリフ先輩と言う神父さん。

 歳で言えばルーデウスや私と同年代。

 何でもミリス教のお偉いさんの系譜だそうで、シャリーアではほぼトップの存在だそう。

 シャリーアにあるミリス教会の管理もしており、私と違って敬虔な信徒であるノルンも時折訪れており世話になっていたと言う。

 彼にも直接お礼を申し上げたいが、ルーデウスの中型ロボット作成の中核を担っている人でもあるらしいので中々会えずじまい。

 エリナリーゼおばあちゃんと鍛錬する時は、クリフ先輩が忙しい時間帯だからすれ違いが多い。

 ノルンとついでにルーデウスがお世話になっているから、一度ちゃんとした挨拶をしておきたいと思っているんだけどなぁ。

 妻帯者でミリス教徒だし、私の周囲の人が殆ど知っている人だから私を襲う事はないだろうから、拒否反応は出ないはずだ。

 今度、中型ロボットの性能テストの時にでも話しかけてみよう。

 共同開発者ならその場にいるでしょうよ。

 

 

5月9日

 エリナリーゼおばあちゃんに「学校で友達が出来ないなら冒険者仲間はどう?」と問われた。

 問を投げかけられた瞬間、それは無理と言いそうになったけど我慢して答えを考えた。

 冒険者。確かに子供の頃は憧れの対象だった。

 パパウロから何度も寝るときに冒険の話を聞いて育ったから。

 でも、憧れだった冒険者はそんなに良い人達じゃないと気づいたのはベガリット大陸で彼らの生体を目の当たりにしたからだ。

 乱暴で品が無い。学が無くて力さえ有れば活躍出来る職だからと言って、あそこまで酷い場所だとは思わなかった。

 言葉が通じても話が通じない時がある。ベガリット大陸に居た時は言語が違うから仕方ないと諦めてたけど、それでも身振り手振りや雰囲気である程度は意思疎通が出来そうだと思うけど、彼らはまるで常識が違うが如く接してくる。

 言葉が通じないからってぼったくろうとしてくるし、変な食べ物渡してくるし、犯罪行為に嵌めて来るし、街中だろうが外だろうが性行為を求めて来るし。

 言葉が通じる、ある程度の意思疎通が出来ると思ったら私を奴隷にしようとしてきたし……。

 女性だろうと安心は全くできなかった。一度嵌められて痛い目をみたから、同性であっても簡単に信用してはならないと学べた。

 当然、報復はしたから遺恨は無い。遺恨する人生が無くなればそれまでだもんね。

 ともかく、誰一人として信用出来ないと悟った私は街の外で一人で生きていくしかなかったのだ。

 学校に通い始める前、パパウロの遺産を食いつぶすだけで収入が全くなかった私は冒険者をやりたいと家族に相談した事があった。

 結局はパパウロの遺産と意志を尊重し卒業までは学業に専念する事となったけど、なにもその時も近い歳や実力の人達とパーティーを組んで冒険者をするつもりは一切無かった。

 ソロ冒険者だ。やっぱり一人で全部やるに限る。

 ここなら文字だって読めるし、言葉も通じる。何よりも常識が通じる。

 剣を使った前衛なら自信あるし、苦手だけど魔術を使った後衛の真似事もできる。

 ベガリット大陸では一人で生きてきていたから野営だって一人で十分こなせる。

 何よりもソロでも活動出来ると判断した理由は、この辺の魔物はベガリット大陸に比べて弱いらしい事。

 もちろん探せば危険な魔物も存在しているはずだけど、平均的な危険度を考えればベガリット大陸に比べたらなんてことない。

 事前にキチンとモンスターの情報を仕入れて、現地でも観察をして事前情報に齟齬がないか確かめて、その時の体調や環境なんかを統合していけると判断した場合だけ戦う。

 慎重過ぎやしないかと私でも思うけど、これくらい慎重にいかなければ一人でやろうなんて思わない。

 その点、幼女先生やルーデウスが一緒に居ると色々と楽が出来そうと思う。

 ルーデウスが魔法でアタッカー兼サポートして、幼女先生がサポートと長年の経験で色んな判断ができる。

 私は二人の指示に従って特攻するだけの簡単なお仕事になる、とか勝手に思っている。

 実際には三人で冒険なんてした事ないし、そもそも私が街の外に出る事に家族は良い顔をしない。

 用事が無いと言えばそうなんだけど、学校を卒業するまで冒険者ギルドに登録する事すら許してくれないのだからしょうがない。

 あぁ後は、シャリーアの街はラノア魔法大学で有名だ。その魔法大学で裏の番長をやってるルーデウスの双子の妹。変に手を出して、最低でも水王級魔術師二人に聖級一人が敵に回ると考えれば、おいそれと私にちょっかいをかけてこないだろう。

 でもそんな事も分からないレベルの人でも付ける職が冒険者だからねぇ……。私の常識は別の土地では非常識って考えも持っておかなくちゃ、いざという時に即座に動けないのは大変だ。ただでさえ私は別の世界の常識が根本の部分に残っているのだから。

 

 長々と語ったけど、やっぱり冒険者仲間を見つけると言う選択肢は無いと思っておいた方がいい。

 エリナリーゼおばあちゃんと一緒なら街の外へ出かけても良いと言われるかもしれないけど、それでは保護者同伴みたいで私が嫌だ。

 そもそもそれは冒険者として働くんじゃなくて、普通に郊外へのお散歩だ。エリナリーゼおばあちゃんも一応家庭を持っている女性なのだから、恒常的に冒険者として働くのは難しいはず。

 やっぱり、子供の頃にパパウロから聞いた夢のあるような冒険をするには、私は何もかも変わり過ぎたみたい。

 友達が欲しいと思ったものの、現状が途轍もなく酷い環境に身を置いている訳じゃない。学校でグループ課題などが出たら困るけど、それ以外に実害は出ていない。

 いずれは学校を卒業して本格的に働かなくてはならないけど、卒業まではのんびりとこの世界の学校生活を送ろうと思う。

 

 今日は沢山考え事をしたから疲れた。

 明日に響かせない為にも、この話題はこれッきりにしようと思う。

 友達に関しては長い目で考えよう。卒業までに一人くらいはそれなりに付き合いがある人が出来れば良いな。




・クリフの事を神父さんと言っているが、現時点ではクリフは神父ではない(はず)。
・冒険者の件。脳死で書き始めたはいいものの、何処かで掘り下げてなかったか?と読み返したら救出後から学校入学までの期間で少しだけ掘り下げていました。が、サラッと流してたのでもう一度。

・アニメ最新話(5話)でエリナリーゼおばあちゃんとクリフ先輩の結婚式、ノルンとアイシャの誕生日会がありましたが、この世界線ではオシィ救出前から救出後塞ぎ込んでいる時期の何処かであったかもしれない話ということで。(最期の家族であるオシィが見つかってないor塞ぎ込んでいる時期に誕生日のパーティーは出来ないですが)
 脳内プロットがあるとはいえ、見切り発車でその辺は結構うろ覚えの時に勢いで進めていた話なので……。そも、本筋は基本的にオシィの日記形式で進んでいるので、オシィが話題にしていない小話やルーデウス目線では重要だけどオシィ目線では気にしてないor知らない話があるので。(ということにしといて下さい)


次回も遅れます。とりあえずアニメ放送中はモチベーションが上がるはずなので、アニメ放送終了までにもう1話投稿したいですね。
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