幼馴染はどうやら転生しても続くらしい   作:ぶり大根(元・孤高の牛)

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第八十四話『共和国到着I』

『オイ、アル』

 

「ん、どうしたリオン?」

 

『どうしたもこうしたもラウダはお前らのとこにいるから最悪良いとしてどうしてルーデがいるんだよ!?』

 

「えー? そんな事言われても俺が許可しちゃったからなあ。ラウダと離れたくないらしくてね」

 

『いやどう考えてもこじつけだろ!? あとこの馬鹿共は……』

 

「マリーを追い掛けて来たみたいだけど残念、俺の船にいるから会えないから預かっといてね。アルゼル行ったら会わせてやるからって伝えといて」

 

『うぉい!?』

 

 ネズミくんから響いてくるリオンの叫び声を半ばシャットアウトする様に通信を切る。

 現在アルゼル共和国に向かい始めて1時間程、事態……と言ってもルーデを乗せたのと五馬鹿を黙認した事だが、を追求されたが俺は気にしない。

 ルーデ、ラウダは恋人候補と接近させる為に、五馬鹿は単純に戦力として磨かせる為に連れていく作戦だったからな。

 

 だが一つ予想外があったとするなら……

 

「クリス、お前はこっちに乗ってきたんだな」

 

「ああ。マリエもそうだが……何より、アルフォンソと親交を深めたかったからな」

 

「そりゃどうも」

 

 クリスだけは間違えず乗り込んできたという事くらいだろうか。

 ちなみにだが俺はヘルシャーク隊の1隊の中から数人を操縦士兼用心棒として選出してこの留学に着いてきてもらっている。

 グリシャムやレディックは中心人物なので連れて来れなかったが、今回は三番艦艦長であるバウアーや隠密行動に長けているギャレット等を同行させている。

 

「共和国……あまり良い噂を聞かない国ですわね」

 

「えーっと……確か防衛戦最強って話だったっけ?」

 

「そのせいで気の大きい貴族が多いと専ら諸外国では噂ですわ」

 

 そして珍しくマリーとラウダが二人で何か話していると思ったら……共和国の特性の話か。

 確かに奴らは面倒なのが多いからな、ナチュラルに見下してくるのばっかだろうさ。

 正直言えば戦争になればルイーゼやノエルと言った新ヒロイン達や救済対象であるエミール、その他一部の良識派はともかく他のカス共はどうでも良いというかどさくさに紛れて殺しちゃっても問題無いとまで思ってるからな。

 

 ま、『そんなもん』としか思えない連中の集まりがアルゼル共和国の実態と言って差し支え無いのが現状だ。

 あとそれと合わせてこっちに喧嘩売ってくるヴォルデノアも潰しても良いかも知れない、何せ王妃様の祖国の敵国って話だし潰しとけば何かしら恩を売れるだろ。

 

「……聞いての通りアルゼルはとてもじゃないが良い国とは言い難い。力を合わせてマリーを守っていくぞ」

 

「言われなくとも、一度でも愛した女性ならば全力を持って守ってみせるさ。……少しでもアルに近付く為にも」

 

「そうやって覚悟を持つだけでも、一歩前進してるよ。俺は接近戦に関しちゃクリスやグレッグより劣るし魔法はブラッドの方が上手い、ユリウスは接近、中距離とバランスが良いしジルクは俺には劣るとはいえ射撃の天才。頼りにしてるんだからな」

 

 グータッチを交わす。

 正直共和国はストレスの連続だろう、こちらを見下す様な連中ばかりな上にこの世界で俺がやらねばならない最大級の使命があるからだ。

 それをクリスや護衛騎士達と乗り越えていかねばならない、そうしないとマリーを守ってやる事も出来ない。

 恐らくこの留学は苦しい事が立て続けに起こるだろうと、腹を括るのだった。

 

 

 

 

 

「チッ……これだから野蛮な共和国は……」

 

 遠目から格納庫にズカズカと入ってくる共和国軍を遠くから見やりボソリと毒づく。

 無事共和国へと辿り着いた俺は『対応はやっておくからマリエを守っていてくれ』とクリスに言われ、コイツも成長しているのだからとお言葉に甘えマリーやラウダを後ろに庇いながら見守っている。

 

「聞いていた通りね……」

 

「二人とも、大丈夫だとは思うが俺達の傍を離れるなよ」

 

「ありがとうございます、お兄様」

 

 しかしクリスも馬鹿五人衆だと思っていたがかなり自立しているんだなとふと感じる。

 この時点では原作じゃ本当にただの馬鹿だったんだがな……何かしら理由があるんだろうがまあ今は良いだろう。

 

「済まないアル、少し良いだろうか」

 

「俺か?」

 

「ああ、一応この船の責任者も顔を見せる様にと言われてしまってな」

 

「分かった……マル、セミエン、頼んだ」

 

「うん」

 

「任せとけって」

 

 ある程度覚悟はしていたが面倒な事になったもんだ。

 こういう時は……そう、最近は全く出番が無かったが猫被りモードを発動させるしか無いな。

 ああいう馬鹿は簡単に黙せるはずだ。

 

「ふん、お前がこの船の責任者か」

 

「ええ。この船と船員を管理し、護衛騎士の代表でもあるアルフォンソ・フィア・ディーンハイツ……子爵の地位を賜っています」

 

「その様な小僧が子爵か……別の船には貴様と同年代の伯爵もいたが王国は相当な人員不足の様だな」

 

「私としても身に余る地位を賜ってしまっておりますのでね、あはは……」

 

「もう良い、貴様等の様な小僧共に用は無い。全くこれだから王国の腑抜け共は……」

 

 よし、作戦成功だ。

 わざとらしくうだつの上がらないポンコツを演じる事で年齢だけ若いお飾り貴族だと思わせて嘗めさせとけば勝手に見限って適当にやってくれると思った俺の勝利である。

 

 ……だからラウダはちょっと引いた様な目で見ないで? 割とグサッと刺さっちゃうから。

 

「ふん、後はこちらで見ておく。貴様らは許可が出るまで船内で待機していろ、良いな?」

 

「ええ、よろしくお願い致します」

 

 軍の将校だろう奴はこちらを舐め腐ったような表情で一蹴すると鼻で笑ってからその場を後にする。乗り切ったな、うん。

 

 ふぅ……クソが、今に見てろよアホ共が、こちとら一応次期伯爵だぞ。あークソ、国内の事以外何も知らないような連中にバカにされて何も思わねえ訳無いだろうが。絶対後で痛い目見せてやる。

 

「……お兄様」

 

「あー、ヘルトラウダさん?」

 

 は、良いがなんかラウダの様子がおかしいような。

 さっきは少し引いてた感じだったが今はそういうのではないというか……怒ってらっしゃる?

 

「お兄様を侮辱するなんて、許せません。今すぐにでも海の藻屑にしたいくらいですわ」

 

「物騒な事言わないで!?あれはあっちにナメさせて油断させておくスタイルというか、後でちゃんと見返そうとは思っていましてね……」

 

「それでもです!お兄様はあんなに格好良い騎士様なのに……」

 

 どうやら俺の扱いに怒ってくれていたらしい、自分から扱いを下げにいったところがあるとはいえムカつくもんはムカつくし、ラウダが怒ってくれたのはちょっと嬉しかった。

 でもまあここは落ち着かせておかないとな、せっかくわざわざ下手に出た意味が無くなっちまうからな。

 

「ま、まあそう思ってくれるのは嬉しいからさ?ちょっと落ち着こうか。絶対アイツら痛い目にあわせてやるってのは俺も思ってるしな。俺がムカつくってのもそうだが、他国の爵位持ちをバカにするという事が何を意味するのか全くもって分かってないみたいだからな。だからそれまではナイショで、な?」

 

「分かりましたわ……お兄様、絶対ぎゃふんと言わせてくださいね」

 

「ふっ、任せとけ。売られた決闘と喧嘩は百倍で買い叩くのがこの俺だ」

 

「アルが言うと説得力があるよね……」

 

「全くだな」

 

「だが『らしい』と言えばそうだろう」

 

「でもお前らだって結構俺と同じなんじゃない?」

 

「……ひ、否定は出来ないかなあ」

 

「俺みたいなのはさておき、貴族としての爵位を貰ってるアルやリオン達に対してあの態度はちょっといただけねえよな。これだとマルにだって同じような対応だろうし」

 

「話では伯爵のリオンに対しては対応が更に酷かったと聞く、これは見逃せるものではないだろう」

 

「だろ?俺ら王国民の執念とやり返しはそんじょそこらのものとは違うって絶対に味わわせてやる」

 

 この船に乗ってる、というかリオンも含め王国から今回ここに来た連中は全員俺と同じ思いだろうさ。

 伯爵や子爵と言った地位を持つリオン、俺に対する見下した言動は王国を侮辱されたも同然なのだからな。

 

 今に見ていろ、こっちは原作知ってんだからな。

 いくら原作通りに物事が進まないと知っていたとしてもこの共和国のアレコレは完全に『それ通り』だ、ちゃんと原作通りに物事が進んだら絶対ぶっ潰してやるからな、見とけよ野郎共。




数年振りに
またちょくちょく書いていくので…

【調査その3】独自解釈で話を進めていく展開が将来的にあるけど大丈夫そう?

  • 大丈夫だ、問題無い
  • 無理
  • アルマリでイチャイチャしろ
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