幼馴染はどうやら転生しても続くらしい   作:ぶり大根(元・孤高の牛)

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第八十八話『秘密の会合Ⅱ』

「そんで、状況から見るにノエルはジャンの事が好きだと思ってるんだけどどうよ」

 

「うーん……アタシから見たらそうは感じなかったわね。隠してるだけかもしれないけど、友人関係にしか見えなかったわ。アルはどう?」

 

「俺目線でも友人以上のモノは感じなかったな」

 

 校舎内での3人での話し合い、話題は勿論ノエルの事だ。

 原作と比べてマリーのゲームへの理解度がかなり底上げされていて尚且つ同じクラスなだけあり、相当スムーズに進行している。

 

「マジか……」

 

「兄貴、気付いてなかったのね……」

 

 リオンに関しては原作比成長していてもこの辺は変わらなかった、敏感過ぎるというか鈍感というか……この人昔からこういうところポンコツだもんなあ。

 

「まあ一旦ノエルとジャンの関係は様子見として、問題はノエルのストーカー問題だな」

 

「まさかロイクに狙われてるなんて。ロイクと言えば第二作の看板攻略対象なのに何がどうしてこうなるのかしら……」

 

「言っちゃ悪いがそれに関してはユリウスがアレの時点でイレギュラー1つでおかしくなるのは実証されてるからな、誰かさんのお陰で」

 

「うぐっ……そ、それは悪かったと思ってるわよ……」

 

「はは、俺も知ってて放置してたからな。いやほんと、流れ弾が飛んできた気分だよ……」

 

 話は移り変わり今度はノエルのストーカー問題へとやってきた、これは変わらずロイクがやっていた。まあレリアが変わってなければ仕向けてくる攻略対象も変わらないとは思うからそこは想定内。

 

 想定外なのはリオンの言葉の槍の方だろ、痛いところ思いっきり突いてくるのは勘弁してくれ何も言い返せないから。

 

「まあ終わった話だから良いけどさ。とりあえずノエルはロイクには微塵も興味が無いのは本人からの言質で確定してる。少し前までは普通に接してたみたいだが」

 

「つまり、その『少し前』から誰かの介入があったって事で良いのよね?」

 

「そうなるな、イレギュラーが無ければ良い奴という印象のままだったろうし」

 

「十中八九レリアだと見て良いな。現状第二作で影も形も無かったのはレリアとジャンだけでジャンはノエルからの評価は上々なら残るのは1人だけだからな。ほい、あーん」

 

「つっても状況証拠でしかないからなあ。上手い事接触して尻尾出してもらうしか無い。てかところでなんだが、一応ノエルやレリアって庶民だろ?貴族子息と庶民の恋愛って共和国だとどうなんだ?」

 

『周りからの評価は学生時代のお遊び、または愛人枠という認識のようですね』

 

「んー、やっぱそんなもんか」

 

 ロイクは元から性格に結構問題のあるやつだ、自分自身の感情を押し付けて相手の気持ちを考えないのが災いしてここではノエルに避けられる形となっている。まあ仲をあまり深めないままレリアがけしかけたからそうなってしまったところも大きいが、元がもっと落ち着いたやつだったらこうはなってないだろうしな。

 

「ゲームだとみんな本気だけどね。後になって主人公が苗木の巫女に選ばれるから状況は変わるわね。このイベント後から正式に付き合えるようになるのよ、一作目で言う聖女みたいな立ち位置になるわ。……はいアル、あーん」

 

「ん、美味い。簡潔に言えば今のマリーみたいなもんだ」

 

「なるほど……つまりノエルも攻略対象と結ばれれば」

 

『安牌策としてはそれが一番になるでしょうね』

 

「でもノエルはロイクを避けてるのよね……エミールもレリアと付き合ってるから消して、そうなると残りの攻略対象は『駄目教師のナルシス』、『ブラコンのユーグ』、後は隠しキャラの『お兄ちゃんのフェルナン』、『仇敵のセルジュ』ね」

 

「どいつもこいつも二つ名が終わってんな。エミールも『安牌』だし。ちなみにロイクは?」

 

「『王道』よ、一番ノーマルなのはロイクのはずなんだけどね」

 

「その『王道』がストーカー扱い受けてるってなんなんだほんと……あと『お兄ちゃん』に至っては二つ名ですら無くないか?」

 

「フェルナンはユーグのお兄ちゃんなのよ。今は若きドルイユ家当主で、六大貴族の議会にも出席してるの」

 

「あーん。リオンがツッコミを入れたい気持ちも良く分かるぞ、俺だってこんな個性的な二つ名アルトリーベでしか聞いたことが無いからな」

 

 本来は確かにノエルが誰かとくっつけば話が早いんだろうが、第二作は時系列が王国編の1年時にスタートするから既に1年経ってしまってて色々と崩壊してるんだよな。

 アルトリーベ履修者ならその辺何とかしろよレリアは、だからスチル全回収してない知識でやるもんじゃないんだよこういう知識を使うのは。甘いところしか見てないから取り返しのつかないことになるんだ。

 

「ま、まあ二つ名置いといて。それじゃあその誰かとくっつけば何とかなるんじゃないか?安牌そうなのはナルシスかユーグ?」

 

「……その、兄貴」

 

「なんだ?」

 

「いや……ね?ユーグはフラグを1年時に回収しておかないと絶対ルートには入れないのよ、それにナルシスも担当選択授業を専攻してないと入れなくて……いや2年生の選択授業で選択すればまだ間に合うけど」

 

『現状ノエルはナルシスの選択授業を専攻していませんね、それに今年の選択授業も別のもので提出しています。よってマリエの情報と照らし合わせるとその2人は強制脱落でしょう』

 

「あ、はい、そうなのね……」

 

「マリーの話だとフェルナンも難しそうだし、セルジュは――」

 

『セルジュは学院に現状通っていないので情報が手に入っていません。フェルナンに関しても立場上難解な上に情報もないので現状両名をターゲットにするのは難しいでしょう』

 

 そう言えばフェルナンやナルシスもWebと書籍とじゃ末路が大きく違ったな。

 フェルナンはWebだと聖樹の消火作業中に流れ弾に当たって即死、書籍だと何度もリオンに負けるただの噛ませ犬……どちらでも救いが無いな。

 ナルシスはWebだと妻帯者だが戦争で家族をほぼ全員失って絶望と悲しみの中当主にされるんだったな、長兄でも無いのにされるということはそういうことなのだろう。書籍だとそもそも戦争も無ければ妻帯者設定も無いから攻略対象中最も影が薄かった、最早あの人はそっちの方が幸せなんじゃないだろうか。

 

「そうなるとやっぱり一番はロイクよね……なんでそのロイクが一番嫌われてるのよ……」

 

 空気が重くなる。俺はシレッとマリーとあーんさせ合いながら弁当を食べている、作ったのはマリーだけど。

 この世界線では金に関しては俺が稼ぎまくっているから困窮する事は無い、五馬鹿の弁当も作らなくて良いし。

 五馬鹿の弁当を作ってるのはヘルシャーク隊の料理担当だ、大量に作るついでに5人分増える程度問題無いらしい。

 

「なあアル」

 

「なんだ?あーん」

 

「状況的に、なんだけど。もしかして二番目に仲良いの、ピエールなんじゃ……」

 

「だろうな。普通に話してたし」

 

 ピエールについては本当に分からない、攻略対象よりも仲が良い悪役ってなんなんだよ。

 

 そうだ、ピエールと言えば話があるんだった。

 

「そう言えばノエルから言われてたよな、ピエールの兄の息が掛かった学院生が俺達狙ってるって」

 

「しかもピエール伝の話だろ?マリエやアルの話と全くイメージが違い過ぎて頭痛してくるわ……」

 

「だよなあ、何かの意図があるにしても俺には無理。読めない。だからとりあえずは信じてみることにする。同時に警戒も心の奥底でしながらだけど」

 

「うんまあそれで良いだろ。ずっと怪しんでるのも疲れるし」

 

 ノエルから「ピエールが、フェーヴェル家長兄ジャリエールの息が掛かった学院生がキミ達留学生やあたし達その世話役を狙ってるみたいだから気を付けるようにって言ってた」と聞かされていた。

 まさかの言葉に最初は揃って耳を疑った、何なら一番ビックリしてたのは俺だ。

 フェーヴェル家次期当主である長兄は共和国編に絡んでくるどころか名前すら開示されなかったレベルには出てこなかった奴だ、ピエールが動いてこないならフェーヴェル家もちょっとはマシになったのかと思ったが全くそうではなかった、寧ろこの話が事実ならピエール以外は悪化してるんじゃないだろうか。

 

「一旦警戒しといて損は無いわよね。あーん」

 

「ところでお前らいつまであーんさせあってんだ……婚約者みんなホルファートにいる俺への当てつけ?」

 

「違うわよ、こんなの普通じゃない。ねえアル?」

 

「婚約者同士の普通のコミュニケーションに過ぎないぞ」

 

 しかし……リオンに指摘されてふと思うが俺は恐らくマリーを拒絶する意志が死ぬほど低いんだろう、これを見てマリーを愛する資格が云々話していた男の姿を想像出来るだろうか、俺自身もうちょっと怪しくなってきているんじゃないかと感じてしまっている。

 あんなにシリアスしてた男の末路がこれで良いんだろうか、深くツッコんではならないのかもしれないが俺はまだ諦めてはいない、諦めてはいないんだぞ本当に。

 俺の立場を考えてみろ、二重転生者なんてカスみたいな男がマリーの真の愛を受け取る資格があるのか、あんなめちゃくちゃ可愛い天使なマリーの愛を受け取るだなんておこがましいにも程があるだろ。

 

 じゃあなんで俺は平然とこういう事口走ってるんだという話になるがそれが最初の一言に尽きるんだろう。

 

「……いやもう色々とツッコミ入れたいけどそれならそれで良いわ、アルはマリエに勝てないってことにしといてやる」

 

「事実だから何も言い返せないのやめてもらえる?」

 

 言い返せない上に情けないから本当にやめてほしい。

 共和国編よりこっちの方がキツいんじゃないか、そう思ってしまうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ……」

 

 1人自室に籠り、これからのことを考える。

 マリーとのことではない、今回は共和国のこと、それもイデアルについてだ。

 いつアイツらがアクションを起こすかは知らないが、俺が先にイデアルを手に入れてしまえば……つまりレリア達をマスターにさえさせなければ聖樹の暴走は起きないはず。

 

「ルクシオンにはリオン達に気取られないように依頼しておいたからどうとでもなるはず、毎回動くのは大変だがな」

 

 ルクシオンには「レリアとセルジュがダンジョンに向かう気配を感じたら教えてほしい」と伝えてある。先回りしてしまえばそこそこ強い2人と言えど死線を潜り抜けてダンジョンでの経験も豊富な俺の方が早く辿り着ける。大人数で行動するとバレかねないから最悪俺1人、運が良ければ親衛隊の中から最大2人連れていく。

 親衛隊は俺ら除く8人の単体でもそこらのそこそこ強い程度の冒険者なら圧倒出来るししっかり戦力になるのは太鼓判を押せる。

 

「絶対聖樹暴走は食い止める。……帝国との戦争なんて、真っ平ごめんなんだよ。失いたくないものだらけだからさ」

 

 その呟きは、誰に聞かれるでもなく虚空へと消えていった。




ジャリエール・イオ・フェーヴェル
フェーヴェル家長兄で名前は本作オリジナル
学院生に手下が多くいる為卒業生でありながら影響力は今だ健在

【調査その3】独自解釈で話を進めていく展開が将来的にあるけど大丈夫そう?

  • 大丈夫だ、問題無い
  • 無理
  • アルマリでイチャイチャしろ
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