※本作品はアプリ、アニメCUE!の内容とは一切関係ありません。
CUE!の平行世界__パラレルワールドのひとつの話。
高校生のまほろと、高校生の土屋裕馬の出会いから未来の話。

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__まほろは大丈夫。孤独でも。


I believe only you

騒がしい教室。

男女ともに声がこだまする。

まほろはそんな中、一人でクラスの隅の席でいた。

「SNSか...。」

‘ミンスタ‘というものが学生の間で流行っていた。

写真を撮り、ネットに投稿していいねをもらうというシステムは知っていた。

だが、なぜ良いのかがわからない。

ただ...少し興味はある。

「家に帰ったらインストールしとこ。」

ポケットにスマホを入れると、教室の扉が開かれる。

宮路(みやじ)さん、お迎えが来てます。」

「ありがとうございます。」

このくだりは何度目だろう。

もう荷物をまとめておいたリュックを背負い、教室を後にする。

後ろから感じる視線、小さな声でまほろのことについて話すのを感じる。

ただ、気になるのではなくて、[聞こえてしまう]のだ。

そんなことを思いつつ、昇降口に着き外履きを取り、外に向かおうとする。

「あれ、宮路さんじゃん。」

声を掛けられ、その方へと顔を向ける。

「あんたは...同じクラスの土屋裕馬(つちやゆうま)...。」

土屋(つちや)の手には、水が握られていた。

昇降口の自販機で飲み物を買ったのだろう。

「確か、演技とかの仕事やってたんだっけ?」

「そうだけど。まほろ、時間ないから。」

そう言って、そそくさと学校を出る。

「...宮路さんか。仲良くなりてぇなぁ...。いつもひとりで、どこか寂しそうな顔してるし。」

 

☆ ☆ ☆

 

今日も仕事が終わり、マネージャー___豊川(とよかわ)マネージャーに車で送ってもらっている。

「宮路、今日もよかったぞ。」

「そう。」

「だが、あのクラスメイトと話すシーン。どこか引っかかってなかったか?」

「...そんなことない。」

まほろは大丈夫。孤独(こどく)でも。

 

家の前に着き、車から降りる。

「早く寝るんだぞ。」

「わかってるわよ。送ってくれてありがと。」

「じゃ、また明日。」

豊川はそう言い残して、車を発進させた。

その姿を見ることもなく、家へとすぐに戻った。

「あ、まほろおかえりなさい。お仕事お疲れ様。」

「ただいま。」

両親からの言葉に返事をし、部屋に行く。

荷物を置き、ベットに寝転がる。

はぁ...友達か...。

そんなことを考えていると、視界が徐々にぼやけていく。

 

 

気づいたら、朝になっていた。

どうやら、あのまま寝てしまっていたようだ。

時計を見ると、朝の六時。

「お風呂入らなくちゃ...。」

タオルと制服を持ち、脱衣所(だついじょ)に向かう。

制服を脱ぎ、冷えた床に足を置く。

お湯を出し、その場を温めていく。

 

体を洗い終わり、脱衣所に戻り、制服へと着替える。

髪を乾かし、整える。

「まぁ、まほろは整えてもくせっ毛がね...。」

朝食を食べにリビングに向かい、母が用意してくれた朝食を口に運ぶ。

朝食を食べ終わるころには、時計の針は7時を過ぎていた。

お皿を洗い、部屋で今日の授業の教材をリュックに入れる。

準備が終わり、家を後にする。

駅まで歩く中、多くの学生と社会人を見る。

その中でも、学生のほとんどは複数人で並んで歩いている。

まほろはそれをただ後ろで眺めてるだけ。

いやいや、ひとりでも十分だし。

すると、後ろからまほろを呼ぶ声が響く。

「おーい!宮路さん~!!」

その主は、先日話しかけてきた__土屋。

はあ...。うるさい人は苦手なんだけど。

土屋はまほろの横に並ぶ。

「あんた、なんなの。朝からあんな大声出して。」

「いやぁ、まさか宮路さんが同じ町に住んでるとは思わなくて、つい呼んじゃった。」

「そう。まほろはひとりで行くから。」

そう言って、土屋を置いて先に駅へと向かう。

すると、土屋は走って追いかけてくる。

「ちょ、待ってよー!?」

って、案外足早いし...。

さすがに体力持たない...。

土屋が追いかけてきたため、逃げるためにまほろも走って駅まで逃げたが、さすがに無理だった。

「宮路さん...はぁ...案外体力あるんだ...はぁ...。」

「体力なかったら...演技なんてできないから...。」

膝に手をつき、休憩していると、駅に電車が来ていることに気づいた。

「あっ、電車。」

走って改札を抜け、ホームに着くも階段で体力が尽き、電車には間に合わなかった。

なくなった体力を振り絞り、ホームまで歩く。

荷物を置き、Yシャツの首の部分を動かして、風を顔に送る。

しばらくすると、土屋が水を持ってまほろの横に並んだ。

「...なんでそんなまほろの横に来るのよ。」

「仲良くなりたいから。」

「はぁ?まほろは別にひとりでいいんだけど。」

「そうかな?だって宮路さんいつも教室でひとりの時少し寂しそうな顔してるよ。」

「え...?」

それを聞いて、動きが止まった。

まほろはひとりでも、大丈夫だと思ってたけど、顔に出てたの...?

まほろは荷物を持ち、土屋から離れる。

それを見て、土屋もこちらに来る。

土屋が来たから、まほろは再び荷物を持って離れる。

それをまた土屋はこっちに来る。

「なんでこっち来るのよ!!」

「理由はさっきと同じ。」

「はぁ?だからまほろはひとりでいいの。だから、ひとりにさせて......あんたにはいっぱい友達がいるでしょ。」

まほろがそう言うと、土屋は口に水を運ぶのをやめ、諦めがついたのか荷物を持ってまほろから離れた。

これで落ち着ける...。

一息つき、電車来るのを待った。

ポケットからスマホ取り出し、キュイッターを開く。

タイムラインをスクロールし、文字や写真を流していく。

そんな中、近くでうちの学校の女子生徒二人組の話し声が聞こえた。

「ねぇ、あれって6組の宮路さんだよね?」

「あぁ、なんか役者やってるんだっけ?学校とか途中で抜けて仕事に行ってるらしいよ。」

「えー、いいな~。私も途中で抜けたいな。友達と会えるけど、学校って授業だるいし。なんか宮路さんって‘特別感‘とか感じてそう。」

「それわかる。ちょっと‘ウザい‘よね。」

スマホを握る力が強くなる。

まほろだってそんなつもりじゃないのに...。

言い返そうと、振り向くと土屋がその女子生徒二人の目の前にいた。

え...?あいつ、なにしようとしてんの?

「なぁ、人のこと悪く言うなよ。それに、宮路さんも演技頑張ってるんだから、長い時間同じ空間にいる身として応援してやれよ。宮路さんも...全力で頑張ってるんだから。」

土屋...。なにあいつ。まほろの味方のつもり?

ひとりでいいって言ったのに...。

土屋に言われた女子二人はなにも言い返せずに黙っていた。

土屋は元の位置に戻る。

だが、すぐにこちらへと向かってきた。

「なに、まほろはひとりでいいって言ったよね。」

「大変なんだな。宮路さんって。」

「......そうね、確かにさっきみたいなことはよく言われる。」

「正直勘違いしてたよ。ごめん。」

土屋は頭を下げる。

「いやいや、それにさっき助けてもらったし。」

まほろも頭を下げる。

__ありがとう。

そんな言葉が頭の中に浮かんだ。

今まほろが演じている役のセリフのひとつ。場面は違えど、ほとんど同じだ。

クラスメイトの助けられ、感謝の言葉を言うシーン。

今、あそこのシーンにまほろはつまずいている。

だけど、今ならこれがわかる気がする。

「ありがとう、土屋。」

頭をあげ、そう伝える。

土屋は頭を下げたままだ。

今、まほろの表情はどうなんだろう。今、まほろは...。ただ、ひとりでいいのに。

土屋も同様に頭をあげる。

「これからは宮路さんに対してもう少し静かにするよ。」

「別にいいわよ、まほろもまほろらしくいくわ。だけど、まだあんたのことは認めてない。仲良くなりたいなら、あんたらしくいなさい。」

「そうか、ならそうさせてもらうよ。」

まほろの新しい学校生活の始まり。そんな気がしていた。

 

☆ ☆ ☆

 

「おーい、まほろ。時間だよ。」

「わかった、マネージャー。」

今では、隣にマネージャーがいることが当たり前になっている。

「どうした?そんな嬉しそうな顔して。」

「まほろと、マネージャーが出会った昔を思い出してたから。」

「あぁ、あれか。懐かしいな。ほんと、まほろには世話が焼いたよ。」

「はぁ?まほろはまほろらしくいくって言ったじゃん。」

「そうなんだが、まほろらしいってのがどうもね...。」

「あんた、次言ったら許さないわよ。」

「あはは、でもあの頃はほんとに懐かしかった。特にあのシャトルランの時が。」

マネージャーから言われ、その時のことを鮮明に頭の中を駆け巡る。

 

☆ ☆ ☆

 

ある日の学校。

その日も、土屋と共に登校した。

その日には体育があり、体力測定ということでシャトルランをやることになっていた。

体育着に着替え、体育館へと向かう。

準備体操を済ませ、シャトルラン本番へとなる。

ペアを組むということを指示されたが、まほろには友達がいないため周りがどんどんペアを作っていくのを眺めていくだけだった。

すると、肩を叩かれる。

「宮路さん、ペア組まない?」

「え?あんた友達の方は?」

「断ってきた。」

「はぁ...。なんでまほろの方を優先するのかな...。」

そう言いつつ、結局土屋とペアを組むことになった。

まほろは面倒(めんどう)だったため、先にやることになった。

記録は58回。

平均より、少し高いくらいだ。

次は土屋の番。

土屋はまぁまぁ体力があるのか、100以上も走っていた。

100を超えると、人数は大幅に減る。

そんな中土屋は頑張って走っていた。

土屋の顔を見ると、かなり無理そうな顔をしていた。

...ここでまほろが応援したらどうなるんだろ。

そう思い、やってみた。

「土屋ー!!頑張れ~!!」

すると、この声は届いたのか、土屋の目は勝負の目になり、ペースをあげた。

続々と人数は減り、最後は土屋のみになった。

土屋の顔はどう見ても、無理をしていた。

体にも無理をしているという表れが出ていた。

「もう無理しなくていいよ、土屋!」

そう言っても、土屋は止まらない。

150を超えた。

その時、土屋は倒れた。

「土屋!!土屋!!大丈夫?」

土屋の反応はない。かなり無理をしたようだ。

息はあるため、疲労での気絶だろう。

まほろは肩を貸して、土屋を保健室まで運んだ。

保健室に来ると、ベットが空いていたため、土屋をベットに寝かした。

 

しばらくすると、土屋は目を覚ました。

「ん...。ここって...。」

「保健室。」

「そうか、シャトルランやってて...倒れたのか?」

「そう。多分...まほろのせいだよね?あそこで応援したから。」

「そんなことない。俺があそこまで続けたのは...。み、宮路さんに俺の頑張ってるところを見てほしかったからだ!」

面と向かって言われ、まほろは硬直(こうちょく)する。

「ど、どういうこと?」

「その...つまりは、俺は宮路さんのことが好きだってことだ!付き合ってください!!」

土屋との関係は見ず知らずから、知り合いに、そして友達に、そして、彼氏に...。

「いいわよ。まほろも...あんたのこと好き。」

そう返事をすると、土屋から抱き着かれる。

「ちょ、こんなとこ見られたらどうすんのよ。」

手で押し返そうと、したが直前で止めた。

不思議と、悪い気はしなかった。

そして、この状態が長い間続いていた気がしていた。

 

☆ ☆ ☆

 

「懐かしい...。あの日からか、まほろたちが付き合ったのって。」

まほろたちはあの日からも付き合っている。

まほろが子役をやめて、声優になっても。

土屋はまほろの専属(せんぞく)マネージャーになってくれた。

学校の友達から、彼氏になり、今はマネージャー。

関係が変わっても、形は変わらない。

あの時、昇降口でまほろの話しかけてくれて、ありがとう。

__ありがとう、マネージャー。

 




ご読了ありがとうございます。
作者の塩ボウズです。
今回はCUE!二次創作の話でした。
自分の推し__宮路まほろちゃんの話を書きました。
読者の皆さんが楽しんで頂けたら幸いです。
これからもよろしくお願いします。

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