お腹が空いたのでお金を稼ぎたいです。剣術極めた死神の無自覚ライフ   作:狂骨

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あぁ…遂にアニメが到達してしまった…。

あと、陛下が兵士生み出すシーン…何かこの小説も同じような部分があったけども、偶然だよね…?
今度のブレソルのクリスマス、この作品の4人のうちの3人のヒロインが限定衣装で出るらしいですけども、これも偶然ですよね…?


因みに今回の話は原作通りに進んだ場合のやつです。


原作到達記念 もう一つの未来

 

 

未来は時として異なる世界を生み出す。

 

○◇○◇○◇○◇

「アイツは私の最高傑作だ。仮にアイツが死ねばこれまでの私の努力が全て無駄になってしまう」

 

「ぞんざいに扱ってた癖に」

 

「うるさいヨ。あそこまで成長してしまえば…また一から作るとなると色々と進めている研究を手放す必要がある。私としてはそれは絶対に避けたい」

 

暗い研究室の中で、資料を整理していた1人の科学者は助手である1人の少年へと目を向ける。

 

「そこで君に任務ダ。アイツが成長し使命を果たすまで決して死なせるナ。バカをしでかした時は絶対に止めろ」

 

その言葉に少年『園原千弘』は力強く頷いた。

 

「承知しました。命に替えても彼女を護ります」

 

ーーーーーーー

ーーーーー

ーーー

 

天空に聳え立つ、かつては霊王宮として鎮座していた宮殿。今ではユーハバッハによって占拠され生まれ変わった巨城『新世界城』であった。

 

その新世界城の各地では、突入した隊長や一護達が、各地でユーハバッハの親衛隊達と交戦していた。

 

中でも、中心に聳える真世界城の頂上ではひと足先に霊王宮へ到達していた千弘は目の前に立ち塞がったハッシュヴァルトを無視してユーハバッハと対峙していた。

 

「ふん…!!」

 

「ホッ!」

 

ユーハバッハの生成した霊子の刀剣と千弘の解放された斬魄刀がぶつかり合う。

 

その衝撃によって周囲の瓦礫や真世界城の外壁が次々と砕け吹き飛び、巨大な壁に囲まれたその玉座の空間は青空が広がる程にまで崩壊していた。

 

「流石だな千弘!未来を改変する私の動きについてくるとは!」

 

「貴方が遅いだけでは?て言うか、何ですか改変って…ドラえもんですか?」

 

「その口もすぐに聞けなくなるぞ…!」

 

その言葉と共に、ぶつかり合う速度は更に増していき、周囲には青と黒の太刀筋が、巨大かつ複雑な幾何学異整体構造を描いていた。

 

戦いの最中、ユーハバッハは《全知全能》を駆使して何度も千弘の斬魄刀をへし折り隙を生じさせようとしていたが、千弘自身はその状況に慣れているのか、へし折られたその瞬間で再生させ、ユーハバッハの剣技に対応していた。

 

「剣折るだけじゃ無力化できませんよ?斬魄刀なんて、霊圧掛ければ再生するので」

 

「やはり卍解以外では効果はないか」

 

そんな中であった。

 

「…!」

 

何かを感じ取った千弘は動きを止め、別の方向へと目を向ける。

 

「これは…眠さん…?」

 

「私を前に他所見か!」

 

千弘が別方向へと目を向ける中、それを見たユーハバッハは即座に力を解放し、千弘の剣をへし折ると共に彼の背後へと回る。

 

「それが貴様の欠点だ____グハァ!?」

 

「邪魔!」

その瞬間 千弘の右拳が動き、向かってくる霊子の剣を砕きながらユーハバッハの頬へと深く抉り込み、その身体を吹き飛ばした。

 

「がはぁ…!」

 

「陛下!」

 

千弘の裏拳によって背後の壁へと叩きつけられたユーハバッハにハッシュヴァルトが叫ぶ中、千弘はその場から壁を切り崩し飛び出した。

 

「眠さん…!!!」

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

千弘よりも後から霊王宮へと侵入したマユリとネムは親衛隊の1人であり、人ではなく、【霊王の左手】である『ペルニダ・パルンカジャス』と対峙していた。

 

前半はマユリが卍解し、対ペルニダの足削地蔵を召喚した事で倒したかに思われたが、内部から破壊された事で足削地蔵を破壊されたのみならず、2体に分裂したのだ。

 

それによって劣勢に追い込まれる中、途中まで傍観していたネムは自身の意思に従いマユリを救出すると共にペルニダを葬るべく共闘する事となり今に至る。

 

 

だが、ペルニダは一筋縄では行かなかった。マユリの卍解の能力をコピーしたのか、その表面を何万もの神経の皮を生成し、マユリの作成した神経凝固剤を無効化し更にマユリの行動パターンまでも分析し始めていったのだ。

 

それでもマユリは作戦を続行するためにペルニダを足止めする。

 

「ぎぃいい…!!虫!ミタイ…!!」

今のペルニダはマユリを最大限に警戒しているのか、2本の腕から次々と神経を射出していき、彼を追い詰めていた。

 

 

対して、別方向ではネムは細胞へのダメージを引き換えに肉体の限界を超え、その場から駆け出しながら、ペルニダへと接近していた。

 

 

 

そして、遂に時は来た。

 

 

「ぎぃい!?」

 

「おや?言語を学習する脳みそはあっても、私の戦法を理解できるほどではないようだネ」

 

マユリの腕へと神経を突き刺したペルニダに対して、マユリはその腕をもぎ取ると、スイッチを起動してその腕を爆弾へと変化させた。それによって、マユリを掴んだペルニダの人差し指が吹き飛ぶ。

 

 

 

それこそ、マユリが生み出した最大の“隙”だった。

 

「…ッ!!!」

 

その隙をついたネムは、その場から跳躍し、ペルニダ目掛けて右腕を伸ばす。

 

「く…!!」

 

その技は、ネムが過去の経験より秘密裏に鍛えていたものであり、一度打てばしばらくは動けないが、それと引き換えに一撃必殺の威力となる諸刃の剣。

 

 

「(これで…終わらせる…ッ!!!)」

 

そして、ペルニダに向けてネムは一気に解き放つ。

 

「義魂重輪弾___ッ!!!!」

 

その瞬間 

 

 

「ぎぃ!?」

ネムの手から放たれた光弾が空気を突き抜けながら目の前のペルニダを貫くと同時にその全身を木っ端微塵に破壊した。

 

「〜!!!!」

木っ端微塵となったペルニダの声が響く中、技を撃ち終えたネムはその場からゆっくりと倒れるように落下していく。

 

「…」

 

見えているのは、此方に顔を向ける主人の姿。初めて彼の命令を聞く事なく、彼のために行動した自身を少しながら褒め称えているかのようであった。

 

「マユリ様…」

 

 

 

 

 

 

だが、まだ終わってなどいなかった。

 

 

「避けろネム!!!」

 

「!?」

 

マユリの声が響き渡ると同時に消えかけた気配が再び感じられた。

 

「ぎぃいいい…!!!」

 

見れば粉々に砕け散ったペルニダの破片の目がネムを捉えていたのだ。そして、その肉片の傷口から針のように神経が飛び出し、ネムめがけて放たれた。

 

「___!!!」

 

遠くからマユリの声が聞こえるが、彼女の耳には届かなかった。まるで、死の直前に起きる周囲の景色がゆっくりと進んでいくかのように。

 

そして神経が迫り来る中、身体を動かす事ができないネムはゆっくりと目を閉じる。

 

 

「(申し訳ありません…マユリ…さま…___

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

______千弘…さん…)」

 

 

 

 

 

その時であった。

 

 

「何してんだコラぁ…!」

 

__ッ!!!

 

ネムの周囲一体に斬撃が生じ、彼女へと迫っていった神経全てを粉微塵に切り裂いていた。

 

「!?」

 

突然と自身の神経が何の前触れもなく切り刻まれた事で痛みよりも不思議のあまり、ペルニダは驚きすぐさま別の箇所で再生する。

 

「ナニ…!?ナニガ起キタ…!?」

見れば目の前で落下していたネムを1人の黒い影が空中で抱き止めていたのだ。

 

 

 

「この…感触は…」

 

落下する中、突然と感じられたその温もりにネムは涙を流した。

 

忘れもしない。自身の最愛の想い人。どんな時であろうと、自身を守り続けてきてくれた存在。

その正体に気づいたネムはゆっくりと目を開けた。

 

「千弘…さん…!」

 

そこにあったのは、ネムを力一杯抱き締めながら刀を握り締める千弘の姿だった。

 

「ごめんなさい眠さん…遅くなってしまいました。ですが…貴方自身の意思で局長を助けるその勇姿もしかとこの目に焼き付けましたよ!」

 

千弘は抱き止めた彼女を自身の小さな身体で優しく抱き締める。対してネムも千弘の背中へと手を回しその温もりを感じるように抱き締めた。

 

「来てくれたんですね」

 

「当たり前です!たとえ何があろうと貴方を絶対に守る…それが任務であり私の使命なのですから!!」

 

 

 

その一方で、

 

「き…ぃい…!!!オマエ…陛下…殴った…ヤツ…!!!」

 

自身の神経を粉々にされたペルニダは千弘の姿を見ると、先程よりも一層低い唸り声を上げる。

 

「許さ…許サナい…ッ!!!」

 

「あ?」

そして、現れた千弘目掛けて全身から先程よりも倍以上の数の神経を放った。

 

「しぃいいいいいねぇええええええ!!!!」

 

 

悍ましい叫び声と共に生み出された神経が先端を向けながら向かってくる中、千弘は刀を握り締める。

 

「黙れよ」

 

すると

 

千弘が言葉を放つと同時に刀を握り締めた腕が消え去り無数の斬撃が放たれると、向かってくるペルニダの神経を粉微塵に切り刻んだ。

 

 

___【一千連斬り】

 

「ぎぃいいいいい!?」

 

「うるせぇんだよ。眠さんに当たるだろうが」

 

ペルニダが悲鳴を上げる中、地面へと着地した千弘は抱き抱えたネムをゆっくりと下ろす。

 

「お怪我はありませんか?」

 

「はい。ですが…先程の影響で上手く動けません」

 

「なるほど。まぁ眠さんは休んでいてください。あとは、私におまかせを」

 

ネムの安否を確認した千弘はその場から立ち上がりペルニダへと向かいだす。

 

すると

 

「千弘さん!!」

 

「はい?」

 

その場からペルニダの元へと向かおうと背を向けた千弘を呼び止めたネムは、笑みを浮かべる。

 

「いってらっしゃいませ…!」

 

「えぇ。行ってきます!」

 

その笑顔に千弘も笑みを浮かべながら答えると、ペルニダの前に駆け出した。

 

◇○◇○◇○

 

千弘は一歩ずつペルニダへと歩いていた。

 

「おいデカブツ。よくも私の最愛の人を殺そうとしたな?」

 

「ぎぁ…!!ぎぃいい!!!」

 

その言葉に神経を再生させたペルニダは標的を千弘へと切り替えると、唸り声をあげながら、地中へ神経を突き刺す。

 

「デカブツじゃない…!ペルニダ・パルンカジャス!!」

 

すると、地面へと突き刺さった神経が千弘目掛けて進み出した。

 

「成る程。地面に走ってる模様…お前のやつか。なら…全部ぶっ斬る」

 

対して、千弘は再び刀を握り締めた。

 

 

____ッ!!!

すると、今度は先ほどよりも超広範囲に渡り斬撃が放たれ、ネムとマユリ、そして彼が持ってきた保管箱を避けながら地面に張り巡らされたペルニダの神経を全て切り刻んだ。

 

「へぇ…!?」

 

「取り敢えずまとめて切り刻んだ。さて、これで終わりですか?」

 

「ぎぃいいいい…!!!うい"い"い"い"い"い"い"い"い"ッ!!!!!」

 

こちらへと向かってくる千弘に対してペルニダは荒ぶりながら次々と神経とその神経に繋げられた霊子の弓矢を放つ。

 

だが、それら全てを千弘は刀身を見せることなく弾き飛ばしていった。

 

「何デ…何で…!?何で効かナい!?」

 

「この程度の攻撃…見飽きたんだよ」

 

ペルニダが驚く中、吐き捨てた千弘はその場に止まると、膝を曲げながら体制を前に倒し、右腕を刀の鞘へと添える。

 

すると

 

「さて、死ぬ覚悟はできたか…?」

 

その言葉と共に千弘の全身から溢れ出た黒い霊圧が空気を振動させていくと共に、斬魄刀へと込められていく。

 

「!?」

 

その体制を見たペルニダは成長した感覚と思考能力によって、改めて自身が今、どういう立場か、そしてどれ程の男を敵に回してしまい、その男が自身に向けて必殺の一撃を放とうとしている事を理解した。

 

「ひ…ひぃ…!?」

 

それと同時に、その精神をコントロールする心の奥底からは、今まで忘れていた感情が湧き上がる。

 

それは『恐怖』

 

どんな攻撃も全て斬り刻み、対抗する事もできない千弘という存在に対して、巨大な拒絶反応が起きてしまったのだ。

 

「ぎ…ぎぎ!!」

 

千弘が怖い。そう認識したペルニダはすぐさま後退しようと試みる。

 

 

 

だが、

 

 

一度目をつけた獲物を千弘は決して逃がさない。

 

「いくぞ」

 

その言葉と共に刀を握り締めた腕が動き出し、その手に握り締めた刀を鞘から引き抜くと全力で振り回した。

 

 

一振り

 

「ぎゃ…!?」

 

逃げようとしたペルニダの全身が真っ二つに両断される。

 

 

二振り

 

「ぎぃ!?」

 

その全身が更に真っ二つに両断される。

 

三振り

 

四振り

 

五振り六振り七振り八振り___九、十、十一、十二、十三、十四、十五、十六、十七、十八、十九、二十、二十一、二十二、二十三、二十四、二十五、二十六、二十七、二十八、二十九、三十、三十一、三十二、三十三、三十四、三十五、三十六、三十七、三十八、三十九、四十、四十一、四十二、四十三、四十四、四十五、四十六、四十七、四十八、四十九、五十、____

 

その斬撃は止まる事を知らず次々と放たれていき、ペルニダの全身を切り刻んでいく。

 

その数は遂に__。

 

 

______壱兆回まで達した。その数まで到達した時には既に、ペルニダの全身は先程よりも更に細かく切り刻まれていた。

 

 

そして、刀を振るった回数が壱兆回へと達した時、千弘はその刀を鞘へと仕舞うと、空中に舞うその肉片に向けて鋭い目を向け、一気に放つ。

 

 

「完全に消えてなくなれぇええええ!!!!ペルニダぁあああああ!!!!!」

 

 

その瞬間

 

極限なまでに溜め込まれた力を一気に解放するかのように千弘は刀を引き抜いた。

 

「…!____」

 

 

その一振りと共に周囲の空気の色が純白に染まった。

ペルニダの身体は斬撃を認識する事なく、刀が振り回されたその0.001秒後に消し飛び、完全にこの世から姿を消した。そして、ペルニダを消し飛ばしたその斬撃はそのまま背後に聳える真世界城の上部分を完全に消し飛ばし________

 

 

 

 

 

 

 

 

_________遂には宇宙空間へと到達すると惑星を切り刻みながら宇宙の果てへと消えていったのであった。

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

「ふぅ…」

 

その後。ゆっくりと息を吐きながら握り締めた刀をすぐさま鞘へと戻すと、ネムを抱き抱えマユリと彼を介抱した弓親、一角と合流した。

 

「全く遅いじゃないカ。それどころか、娘までも反抗期に突入して困るもんだヨ」

 

「それについてはすいません。だけど、眠さんについては労えや腐れ局長」

「申し訳ありません…マユリ様…」

 

「いやいや!それよりも褒めてあげましょうよ!あんな奴を倒しちゃったんだから!」

 

「というか何なんすかコイツ!?刀振っただけであの威力ってどうなってんですか!?」

 

「ふん」

千弘とネムに対して弓親の労いや一角の動揺にマユリは意地悪そうに鼻を鳴らす。

 

○◇○◇○◇

 

その後。千弘はネムを抱き抱え、弓親と一角はマユリに肩を貸しながら、マユリが持参した治療用カプセルの元へと向かうと、4機のウチ、2つのゲージを開け、事前にゾンビ化を解除させた日番谷と松本を解放する。

 

「君達は、この2人と先に行きたまエ。ゾンビ化は解除してある。大幅に寿命を削ってしまったが、まぁ命の恩人にそんな事で責める事はないだろうがネ」

 

すると、その言葉と共に目を覚ました日番谷と松本はそのカプセルから出る。

 

「涅…ありがとう」

「ありがとうございます」

 

「…ふん」

 

日番谷と松本からの感謝の言葉にマユリは鼻を鳴らすと、ゆっくりとそのカプセルに入った。

 

そして、残りの弓親と一角もマユリに深々と頭を下げ感謝の言葉を残しながら先へと進んでいくのであった。

 

「今日は随分と感謝されるネ…全く勘違いも甚だしいものだヨ」

 

そう言うと、マユリはカプセルのスイッチを起動すると、ゆっくりと蓋を閉めていく。

 

その様子を千弘に抱き抱えられたままネムはずっと見つめていた。

 

「ネム」

 

「はい」

 

カプセルが閉じる中、マユリはネムへと目を向けながら彼女の名を呼ぶと___

 

 

「よくやった」

 

「…!!」

 

____ただそれだけを言い残しカプセルの蓋を閉じたのであった。

 

その言葉を耳にしたネムは目元から涙を流しながら頷く。

 

「はい…マユリ…様…!!」

 

初めて受け取った父親からのその言葉は、生まれてから何もよりも嬉しいものであり、その言葉はネムの人造でありながら人としての心を更に成長させる材料となったのであった。

 

 

そんな彼女を抱き抱えていた千弘は見守りながら、彼女の身体を隣のカプセルの中へと優しく寝かせた。

 

「では、眠さんも。ちゃんと休んでくださいね!私はあのヒゲ親父ぶっ飛ばしてくるので!」

 

「はい…」

 

千弘の言葉にネムは頷きながら蓋を閉めるスイッチへと手を伸ばす。

 

「あり?どうしました?」

 

「…」

 

ネムは此方を見上げる千弘を見つめた。

思い出すのは、彼が入隊してからの日常であった。

 

『ネムさん!新しい料理作ってみたんですがどうですか!?』

 

『ネムさん、報告書ってどう書くんですか?』

 

『ネムさん、局長に殴られたら言ってくださいね。濃度90の砂糖水、50リットルぶちこむんで』

 

『ネムさん!お誕生日おめでとうございます!!』

 

あの日からただマユリに従うのみの日々から千弘と会話していくうちに少しずつ考えが現れ始めた。何をどうすれば、マユリが喜んでくれるのか。それだけではない。千弘との会話や行動によってこれまで無関心であった隊士の皆との会話にも楽しさというものを感じ始めたのだ。

 

こんな感情など今まで無かった。

 

自身をここまで導いてくれた千弘は自身にとってもはや2人目の主人であり、生涯を共にする“掛け替えのない存在”である。

 

「千弘さん」

 

「はい?」

 

ネムは千弘を抱き上げると、満面の笑みを浮かべる。

 

「貴方と会えて本当に良かったです」

 

「え?ど…どうしたんですか急に…むぐ!?」

 

当然ながら千弘は驚くが、その反応を予想していたのか否や、ネムは千弘に自身の唇を重ねる。

 

感謝の言葉のみならず突然のキスに千弘は困惑してしまう。

 

その一方で、ネムはゆっくりと唇を離し笑みを浮かべながら口にした。

 

「いってらっしゃいませ…千弘さん…!」

 

「眠さん…」

その言葉に接吻を交わした千弘は困惑していた表情を一変させると、満面の笑みを浮かべながら頷いた。

 

「はい!行ってまいります!」

 

そしてカプセルが閉じられると千弘はその場から最終決戦のために真世界城へと駆け出すのであった。

 

 

数分後。排泄音とユーハバッハの悲鳴が響き渡ったのは別の話である

 

 





【挿絵表示】


主人公とネムちゃん
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