緋弾のアリア -瑠璃神に愛されし武偵- Re:Make   作:あこ姫

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お待たせいたしました。
コラボの第5話でございます。

それではどうぞ。

Side_Syuyaはこちら→https://syosetu.org/novel/128299/10.html


第026弾 接敵(マッチング)———氷炎の激突(パニッシュメント・レクイエム) Side_Nayu

 私達のめのまえに顕れたユイ……。

 見た目は()()ヒトの形を保ってはいるが、もう感じられる限りでは理性はほぼ呑み込まれている……。ユイの中にある結衣に呼びかけるのは無理そうか……。そう私が考えている瞬間の出来事だった。

 

 私・琴葉・ハルが捉えることのできない速度で既に柊弥をユイは潰していた。

 

 ユイを挟み込むような陣形でユイの背後にいた柊弥はユイが放った技、紅き焔(フラグランティア・ルビカンス)による爆炎を回避のしようもないゼロ距離でモロに喰らったからだ。

 

「……グフッ?!」

 

 柊弥がまるで紙人形のように吹っ飛び、犬神家状態と言っても差し支えない状態で壁に突き刺さった。

 

「シュウヤぁ!!」

 

 私は柊弥の突き刺さった方向へ駆け出す時、私は気付いていなかった。

()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「……ツ! ハルさん!!」

「ええ!」

 

 轟ッ

 

 琴葉とハルが私のフォローに入るべく駆け出したが、ユイの放った炎属性の拘束魔法、『紫炎の捕らえ手(カプトウス・フランメウス)』に琴葉とハルは阻まれてしまった。

 

 琴葉とハルは何とか自力で脱する事を試みてはいるが、焔の柱の内部には強固な結界が張られ、破壊しない事には出るに出られない事に加え、周囲の焔に焼かれる事こそ無いが代わりに熱波が凄い。宛ら蒸し風呂……サウナである。

 

 結界内部がサウナ同様であれば、無論逆上せる事だったり、熱射病の症状が出たりもする。故に術式の破壊に手間取っている琴葉とハルは既に熱射病の症状が出始めていた。

 

 ……この状況からすると、あの二人の助力を請うのは難しいとなれば、私が単独でユイ(あいつ)の相手をせねばなるまいか。

 あの状態のユイを1人で相手するのは厳しいが、やらねば。

 でないと……その先にあるのは死。本気ださねぇと……。

 

 ユイは既に左手を地面に翳したと同時に黒い杭が私に向かって襲いかかってきた。

 あれは……影を能力で変換した杭……。それが大量に……と、なればあの技は『万象貫く黒杭の円環(キルクルス・ピーロールムニグロールム)』……だったら──

 

氷槍弾雨(ヤクラーティオ・グランディニス)!!」

 

 私は周囲に展開させた大量の周囲に展開させた大量の氷片の槍を一気に降らせて攻撃する技で反撃する。

 この技は上から下方向のみの攻撃なのだが、今のような地面からの技の相殺であれば、最適解だ。

 私の放った氷片の槍は思惑通りに黒い杭を全て打ち砕いていく。勿論、このまま後手で行動するつもりはない。

 

こおる大地(クリュスタリザティオー・テルストリス)

 

 大地から鋭い氷柱を出して攻撃する技でユイの行動を封じ、確実にダメージを与える……はずだったのだが、ユイは無数の影を変換させた帯状の武器を重ねて相手の物理&魔法攻撃を防ぐ盾とする術、『影布(ウンブラエ・)七重(セプテンクレクス・)対物(バリエース・)障壁(アンティコルポラーリス)』で完全に防いでいた。

 

 ダメージを与える事が出来ず、私は舌打ちをする。

 

 ユイは自身の身丈の倍は超える大きさの大太刀──『狒々之大太刀(ひひのおおだち)(くれなゐ)』を取り出し刀身に焔を纏わせ、その状態で刀を振りかぶり、『剣風華爆焔壁(けんふうかばくえんへき)』を放った。

 

 刀から放たれた爆炎は私を焼き尽くさんと襲いかかる。

爆炎に臆することもなく、自分の持つ『色金定女(イロカネサダメ)』を抜刀し、刀身に『エクスキューショナーソード』の術式を纏わせる。

 

 纏わせた術式の効果によって、触れたものを強制的に物質を固体・液体から強制的に気体へと相転移させ、物質によっては効果を受け付けないものも存在するが気体への相転移は「蒸発」を意味し、効果範囲に強大な破壊をもたらしてあらゆるものが消し飛ばせることも可能で相転移した物質は大量の融解熱、気化熱を吸収することで周囲の温度を大幅に下げて、相転移を回避しても低温に曝すという二段構えの攻撃を繰り出す事も可能だから爆風消しにはもってこいなのだ。

 

『剣風華爆焔壁』の爆風を全て消し飛ばした後、私はユイに一撃を喰らわそうとしたが、ユイはそれを読んでいたかの如く、更に二段構えで『まわる(フラミウム・グラディウム・)焔の剣(アトク・ヴェルサティレム)』を放つ。

 

 ちぃ……やっぱりそういう気配察知の発展系は厄介だ。暴走した事によって元々高スペックなのがチート級になってるだもん。お陰で有効打が当てる事が出来ない……。

 

 このままじゃあ、ジリ貧なのは解ってるが、この着弾すると爆発する剣を何とかしないとな……。私は若干舌打ちをしてイロカネサダメを持ったまま特攻するが勿論、ただ特攻するわけじゃなくて、剣が飛んでくる軌道を予測しつつ弾き飛ばしながら。

 

 少しだけど掠りそうになりながらもギリギリで被弾せずにユイに接近し視線の死角の上空から奇襲をかける。

 

 このまま何も反撃がなければ手痛くなくとも多少のダメージが入っただろうが、ユイは影を変換させた帯状の武器を100本くらい束ねて一気に放ったり、波状で攻撃する技、『百の影槍(ケントゥム・ランケアエ・ウンブラエ)』を放った。

 

 私はそのまま『エクスキューショナーソード』を維持させ、帯を全て玉砕しようとしたが回避の際に運悪くこれまでに蓄積されたダメージが襲いかかり、行動が遅れてしまった。

 

 帯の被弾ダメージは決して小さいものではなく被弾毎に回避スピードと精度が落ち、更に被弾…………という悪循環に私は陥ってしまった。

 段々と呼吸も荒くなってきていて、予測の精度もダダ下がりになってきている。

 ……一度、呼吸を整えねば。そう思った時に影の帯が私を貫きそのまま地面へ叩きつけられる。

 地面に叩きつけられたのと同時に『エクスキューショナーソード』の術式は解除されてしまい、ボロボロの体に鞭を打つようにイロカネサダメを杖がわりに荒い呼吸を整えつつもなんとか立ち上がる。

 

「ラスト・テイル マイ・マジックスキル マギステル」

契約に従い(ト・シュンボライオン・)我に従え(ディアーコネート・モ)炎の覇王(ホ・テュラネ・フロゴス)来れ(エピゲネーテートー・)浄化の炎(フロクス・カタルセオース・)燃え盛る大剣(フロギネー・ロンファイア・)ほとばしれよ(レウサントーン・)ソドムを(ピュール・カイ・)焼きし(テイオン・)火と硫黄(ハ・エペフレゴン・ソドマ・)罪ありし者を(ハマルトートゥス・)死の塵に(エイス・クーン・タナトゥ)

 

 ユイがこの戦闘が始まってから初の言語を発していた。

 …………! 不味い。この詠唱はモロに喰らったら私は完全に終わる……。

 私は慌てて同威力の魔法の詠唱を開始する。

 

「リク・ラク ラ・ラック ライラック」

契約に従い(ト・シュンボライオン・)我に従え(ディアーコネート・モ)氷の女王(ヘー・クリュスタリネー・バシレイア)疾く来たれ(ノーリス・エピゲネーテートー・) 静謐なる (ガレーネー・)千年(バシレイア・トーン・)氷原王国(パゲトゥ・キリオン・エトーン)

 

燃える天空(ウーラニア・フロゴーシス)

千年氷華(アントス・パゲトゥ・キリオン・エトーン)

 

 焔と氷。

 二つの属性の広域殲滅魔法がぶつかりあった。

 この二つは魔法の階級・威力としてはほぼ互角なので()()()()()()相殺されるが、私はこれまでのダメージに加え、魔法もかなり多用していたので技の出力が弱かった。

 

 となれば必然的にユイが放った『燃える天空(ウーラニア・フロゴーシス)』に私の放った『千年氷華(アントス・パゲトゥ・キリオン・エトーン)』が押され始めていた。

 このままじゃ負ける……。

 そう思った時だ。

 

「フォア・ゾ・クラティカ・ソクラティカ」

契約に従い(ト・シュンボライオン・)我に従え(ディアーコネート・モ・)高殿の王(モイ・バシレク・ウーラニオーノーン・)来れ(エピゲネーテートー・)巨神を滅ぼす(アイタルース・)燃ゆる立つ(ケラウネ・ホス・ティテーナス・)雷霆(フテイレイン・)遠隔補助(ヤクトゥム・エクステンデンテース・)魔法陣展開(キルクリ・エクシスタント・)第一から第十(カプテント・オブイェクタ・アー・)目標捕捉(プリームム・アド・デキムム・)範囲固定(アーレア・コンステット・)域内(イントゥス・セー・)精霊圧力(プレマント・スピリトゥス・)臨界まで加圧(アド・プレッスーラム・クリティカーレム・)3(トリプス)……2(ドゥオーブス)……臨界圧(モド・)拘束解除(カプトゥラム・ディスユンゲス・)(オムネース・)雷精(スピリトゥス・フルグラノレース・)全力解放(フォルティシメー・エーミッタム・)百重千重と(ヘカトンタキス・カイ・)重なりて(キーリアキス・)走れよ(アストラ・)稲妻(プサトー)

千の雷(キーリプル・アストラぺー)

 

 後方から雷属性の広域殲滅魔法の援護があった。

 今のは……一体……? 

 

「大丈夫? 凪優」

「凛音!? どうして此処に!?」

 

 私の援護をしてくれたのは先程別れて別働隊だった凛音だった。

 

「詳しい話は後。先ずはこれを玉砕させるよ!」

 

 凛音の言葉は最もだ。

 私は今一度呼吸を整え、能力(チカラ)を高める。

 先程まで威力が段々と弱まっていた『千年氷華(アントス・パゲトゥ・キリオン・エトーン)』の威力が戻り、『千の雷(キーリプル・アストラぺー)』と共に『燃える天空(ウーラニア・フロゴーシス)』を逆に押し返そうとしていた。

 

 暫くぶつかり合っていたこの戦いにも終焉が訪れる。

千年氷華(アントス・パゲトゥ・キリオン・エトーン)』が次第に『千の雷(キーリプル・アストラぺー)』と結合し、『燃える天空(ウーラニア・フロゴーシス)』を呑み込み始め、爆炎は勢い自体が弱まっていた。

 私と凛音は更に能力(チカラ)を高める。最後まで気を抜いてはいけない。

 更に威力が高まった氷と雷は完全に爆炎を呑み込んだが、弱まったとはいえ爆炎の威力は依然強い。

 次第に呑み込まれ、消失した爆炎と共に氷と雷は相殺されて消失した。

 

 …………結構能力(チカラ)を使ってしまい、立つ事は出来ているがぶっちゃけヤバイ。

 今、能力を使う容量殆ど残ってねぇよ……。戦えるまでに時間は要すだろう。

 

 凛音の方も……息が上がってるし見る限りじゃあ……そうそう長くは持たないだろうな。

 まぁ、無理もない話なのだけども。

 あんな大技やってピンピンしてんのは最早人外だよ……。私がそう思っていたその時だった。

 

 得体の知れぬ殺気を感じユイが居た所を見る。

 ユイは()()()()()()()()()()()()()()

 一体何処に…………私は極極僅かに感じられる気配を頼りにユイを探す。

 

 

 ……見つけた。場所は……………………凛音の右斜め後ろでしかも凛音の死角で凛音からは見えない。

 ユイは既に『奈落の業火(インケンディウムゲヘエナ)』を放とうとしている。

 

 ヤバイ……早くアレを防がないと。私は凛音の下に駆け寄ろうとする。

 が、これまでの疲労が祟って動け……ない……。畜生……動いてくれよ。

 

 その時だった。私の横を誰かが駆け抜けた。

 

「…………『螺生(らしょう)』」

 

 私の横を駆け抜け、凛音をユイから守ったのは…………先程、ユイによって吹き飛ばされ戦闘不能に陥ったハズの柊弥だった。

 

 柊弥の『螺生(らしょう)』によってユイの身体は動きが鈍くなっており、その証拠に気配察知も感度が悪くなっているようだ。

 

 これは………………またとない好機(チャンス)だ。今であれば、ユイ(アイツ)を一度撤退させるまでのダメージは与えられるだろう。これまでのダメージ蓄積量もそんなに少なくはないはずだからな。

 

 私・柊弥・凛音は一斉に攻撃を仕掛ける。

 

 ユイの迎撃は被弾すると大きく勝機も下がってしまう故にユイの攻撃は回避せねば。更に回避行動に配分を強くすると今度は攻撃の決め手に欠けてしまうから、回避行動は必要最低限に抑えて残りを攻撃に……。

 

 それを心掛ける事にしよう。

 

 ユイの気配察知の低下によって生じた穴につけこむ様に錯乱を入れつつも攻撃を入れていき柊弥と凛音も連携を取って陽動と攻撃を上手く織り成して、ユイにダメージを与えていく。

 次第にダメージの蓄積量が上昇していくユイ。段々と動きも鈍くなってきている。

 私達が絶え間なく確実にダメージを与えた事によって、ユイのダメージ量が危険域に達したらしく、ユイは瞬間移動(テレポテーション)でこの場から離脱した。おそらく、回復させるために離脱したのだろう……。

 

 ……これで一先ずは戦いが終わったって事でいいのかな……。……あ、やば。一安心したら、意識が飛び始めてきたぞ。

 

 無茶……しすぎたからかぁ……。でも……みんな……無事で……良かった…………。

 この直後、私の意識は直様に飛び、その場に崩れ落ちるのだった。

 

 

 

 私が目を覚ましたら、そこは先程の場所とは違う闘技場だった。まだ外壁に損傷等は見られないからおそらくは先程の上のフロアなのだろう。

 私が目を覚ました事に気付いた茉稀と凛音がこちらに駆け寄ってくる。

 

「凪優っ! ……もう大丈夫なの?」

「マキ……。ええ。大方体力も戻ってるわ」

 

 茉稀が涙目で私を抱き締めたので私も茉稀を抱きしめ、更に頭を撫でた。決して「百合ぃ……」とかではないのでご安心を。

 

「いや……何ついて安心すればいいの……」

 

 この空気を見かねたのか(若干)呆れ顔の凛音からツッコミが入る。

 

「さぁ? 私も解んないや。凛音は……大丈夫なの?」

 

「ええ。回復結晶も併用したので問題も無いし、能力の使用による身体への不調も無いよ」

「そう……。良かった」

 

 私は凛音の『身体への異常は無い』という言葉を聞き、一安心する。

 凛音が先程使っていた能力(チカラ)は私と同じ……瑠璃神のもの。瑠璃神(あの)能力(チカラ)を使えるのは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。凛音は沖田家の人間だから使えても可笑しくはない。

 

 だけど、あの能力(チカラ)は適性の低い者が使用すると負担は凄まじく最悪死に至る故に恐らく初使用であろう凛音にもそのリスクがあったのだが、見たところ問題はなさそうだし、上手く適合ができているのだろう。

 

 私はこの後、回復結晶でまだ回復しきれていない分を取り戻す間に凛音から私が意識を失っている間にあった出来事を聞いた。

 

 まず、今回の件の下手人である『ネオ・ランビスアステイル』の皆様はゆとり先生が引取りに来たらしい。

 最大級のバカをやらかした黒沢凌牙とか言う奴は、不服でゆとり先生に反抗したらしいが秒速で沈められたらしい。まぁ……当然といえば当然だろう。

 

流石、SDAランクアジア最強…………第1位様だ。

 因みに補足を入れると私が3位、蘭豹が14位、兄さんが12位、結衣が42位、葵が23位である。

 

 今でこそ過去の頭部狙撃による損傷で最盛期の頃までは至ってはいないものの、小夜鳴(ブラド)の治療によって6割方は戻っている。

 治療を担当した小夜鳴(ブラド)曰く、「任務とリハビリを怠らなければ、夏には戻るだろう」とのこと。

 

 なお、その光景を見ていた柊弥達はかなり驚いていたとか。

 そりゃあ……知っている人少ないし当然といえば当然か。

 そんなゆとり先生に逆らう事なく、琴葉達は連行されて行ったらしい。

「行った」が「逝った」にならない事を祈るばかりである。

 凛音の報告を聞いた後、私は周囲を見渡す。

 私がいる位置の隣では、柊弥が歳那の治療を受けていた。

 

氣吹戸大祓(いぶきどのおおはらへ)

高天原爾神留坐(たかまがはらにかむづまります)

神漏伎神漏彌命以(かむろきかむろみのみことをもちて)

皇神等前爾白久(すめがみたちのまえにまうさく)

苦患吾友乎(くるしみうれふわがき)

護惠比幸給閉止(まもりめぐまひさきはへたまへと)

藤原朝臣土方歳那能(ふじわらのあそみひじかたせいなの)

生魂乎宇豆乃幣帛爾(いくむすびをうづのみてぐらに)

備幸事乎(そなたへたてまつえうことを)諸聞食(もろもろきこしめせ)

 

 確か……あれはあまりにも膨大な能力(チカラ)を使うが故に1日に1度のみしか使用できない使用された方も激痛が伴う完全治癒の術式だった筈だ。

 アレを使える人はそんなに居ないと聞いた事はあったが、歳那が使えるとは思っていなかった。

 それを使えるという事は歳那の実力もランク以上だという事なのだろう。

 

「ねぇ……凪優。あのね、私、凪優に話したいことがあるの」

 

 歳那と柊弥の方を見ていたら茉稀に話しかけられた。

 

「…………? 話? 私に……?」

「うん」

「……良いよ。話して」

「うん。実はね──」

 

 私は茉稀がユイによって意識を失った時に聞いた声についてのことを聞いた。

 

「〈まさか……ねぇ……。凪優、私を実体化させて! 〉」

 

 この依頼が始まってからずっと精神体になっていた瑠璃神が実体化させろと懇願した。

 どうやら、茉稀の話に心当たりが有るらしい。

 

「解った。……来たれ(アデアット)女帝(The_Empress)

 

 私が女帝(The_Empress)のタロットを発動させる。

 その効果で瑠璃神が私たちと同じ肉体を伴って実体化する。

 

「おい……マジかよ」

「嘘…………」

「ビックリです……」

 

 実体化した瑠璃神を見て柊弥達が驚愕していた。

 それは……無理もねぇか。

 だって、実体化した瑠璃神。それは強襲科(アサルト)超能力捜査研究科(SSR)所属の武偵高生徒、三嶋(みしま)花梨(かりん)そのものだったからだ。

 

「お前が瑠璃神だったのか……?」

 

 驚きの状態で柊弥が代表して花梨に質問する。

 

「……あれ? 言ってなかったっけ。うん。そうだよ私が瑠璃神」

 

 サラっと自分が瑠璃神だと暴露する花梨。

 

「……どうして、実体化して武偵高の生徒に……?」

 

 茉稀が最もな質問をする。

 

「だって、精神体で見てたんだけどなんていうか……物足りなくなってさ」

 

 花梨は苦笑気味に答える。

 ぶっちゃけ、花梨の編入は楽だったよ。蘭豹が乗り気だったおかげで。

 

「貴女が武偵高に生徒として居るって事は…………」

 

 凛音がある推測を口にする。

 

「うん。居るよ? 姉様達……緋緋神に瑠瑠神、璃璃神も生徒として……ね」

 

 花梨はまたアッサリと柊弥達にとって衝撃の事実を暴露した。

 

「因みに誰なのですか……?」

「んーと、ホラ私と同じ苗字の人が3人いるでしょ? 緋緋姉様が三嶋絢香(あやか)、瑠瑠姉様が三嶋瑠樺(るか)、璃璃姉様が三嶋凛花(りんか)だよ」

 

 歳那の質問にもアッサリ答える花梨。

 しかし、全部衝撃の事実過ぎて柊弥達は理解が追いついていないようだ。

 この状況には私も「あはは……」と苦笑するしかあるまいて。

 

「話を戻すけど、茉稀ちゃんが私の能力(チカラ)を使うのには2つのモノが必要なの」

「『2つのモノ』……?」

「そ。1つ目は凛音ちゃんも必要なんだけど『瑠璃色金のカケラのペンダント』、それに2つ目は『凪優のタロット』ね」

「2つ目のタロットはすぐに用意できるだろうけど……1つ目のペンダントは大丈夫なの?」

「私が居れば簡単よ。凪優、『うつわ』を2つ頂戴」

「あぁ……『うつわ』ね。はい」

 

 花梨の要望で私は結晶部分が透明の雫型のペンダントを2つ投げ渡す。

 ペンダントを私から受け取った花梨はそれを右手で握り締めた。

 右手が瑠璃色の光に包まれたあと、花梨の右手には結晶部分が瑠璃色に変化したペンダントがあった。

 数秒で瑠璃色金のペンダントを生成した花梨はそれを茉稀と凛音に渡した。

 

「凪優……タロットを茉稀ちゃんに渡して」

「解った。はい。マキ、これを…………」

 

 そう言って私は『瑠璃神モード』になる為に必要な4枚のタロット、『魔術師(The_Magician)』『(Strength)』『吊るされた男(The_Haged_Man)』『死神(Death)』を茉稀に渡した。

 

「え……これを私に渡して凪優と凛音は大丈夫なの……??」

 

 私からタロットを受け取った茉稀は最もな質問をし、受け取るの躊躇っていた。

 

「ええ。問題ないわ。私と凛音は元々瑠璃神の能力(チカラ)に適性がある家系の出身なの。だから本来はタロットの媒体は不要なの。まぁ……私の場合は負担を完全にゼロにする為に使ってるんだけどね」

 

 私はそう答えた。

 

 ぶっちゃけ、この瑠璃神の能力(チカラ)の行使時に起きるバックファイアも私にとっては微細なモノでそんなに気にならないのだが、完全なノーリスクで行使するのにタロットを使用しているのだ。

 

 私の答えに納得したのか茉稀は私からタロットを受け取った。

 

 私と茉稀と凛音が瑠璃神の能力(チカラ)を行使し、歳那が翡翠の能力(チカラ)を行使、そして柊弥が『戦車(The_Chariot)』で強化されたバーストモードを使用する……。

 

 これでユイに対抗しうる戦力は揃ったはずだ。 

 

 それに柊弥に渡した『戦車(The_Chariot)』の効果でユイの暴走した能力を鎮静化……封印する事もできる。これについてはイ・ウー随一の呪術士、覇王・パトラのお墨付きでもある。

 

 結論としては、私と凛音、茉稀がユイへの陽動とダメージデイラー役、歳那がユイを足止めしておく為の捕縛役、そして……最後に柊弥が要である封印役……である。

 

 私は今の計画を『対ユイ戦第2R作戦会議』と称し、柊弥達に説明した。

 その間、柊弥は表情には現れていないものの知れるとマズイという感情が有ったので、気になった私は柊弥にその事を問うた。

 

 最初ははぐらかそうとしていたものの、私の追求に観念したらしく『戦車(The_Chariot)』が黒沢凌牙(最大級のバカ噛ませ犬)によって破壊された事を明かした。

 

 私はその事を聞き、帰還後は一度黒沢凌牙(最大級のバカ噛ませ犬)に死ぬ半歩手前のOHANASHIをする事を心に決めた。尚、向こう様の要望は全却下だ。

 

 破壊された事を悔やんでいても仕方ないので、タロットを修復するのに翡翠のチカラを借りることにした。

 

 その為には翡翠を実体化させねばならないのだが、私では不可能なので今翡翠とリンクを結んでいる歳那に『女帝(The_Empress)』のタロットを渡し、歳那に翡翠の実体化を行って貰った。

 

 実体化した翡翠が強襲科(アサルト)超能力捜査研究科(SSR)所属の武偵高生徒、椎名(しいな)(みどり)の姿だったので柊弥達は花梨の時と同じく驚愕していた。

 

 特に柊弥に至っては普段、強襲科(アサルト)でペアを組んでいることも多いので特に驚いていたが、翠は柊弥達の質問に花梨の時と同様にアッサリと答え、受け流していた。

衝撃の事実にフリーズする柊弥達を横目に翠はパパッと凌牙(阿呆)に破壊された『戦車(The_Chariot)』を修復した。

 

戦車(The_Chariot)』の修復が終了したと同時に私はある気配に気付く。

 それに気付いたのは凛音も同様で私は凛音と茉稀に『瑠璃神モード』へ、歳那に『翡翠モード』へ、柊弥に『バーストモード』になるように促し、私も『瑠璃神モード』になった。

 

 その変化が終わった後に私達の目のまえには気配の正体……回復を終えて更に禍々しい姿に成り果てたユイが居て、私達とユイの最終決戦の幕は静かに開幕したのだった。

 

 続くんだよ。




如何だったでしょうか。
今回は戦闘シーンも多めでお送りしました。
自分はぶっちゃけ戦闘シーン書くのが苦手でして上手く行ってるか不安なのです。
アドバイスとかあれば送ってください。お願いします。
また、感想・評価の方もお待ちしております。

次回は最終決戦の予定です。

投稿時期は此処でリメイクが終了して次回から完全新作となりますので、未定となってしまいますがお待ちいただけると嬉しいです。

それではまた次回おのお話で会いしましょう。
此処までのお相手はあこ姫でした。ばいばいっ!
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