ダンブルドア(♀)にTS転生したんだが、ロリババアになるとか聞いてない 作:もちもちもっつぁれら
「TSダンブルドアの二次創作って無いかな…読んでみたいな…」
「書くのだポッター…。言い出しっぺの法則は守らねばならぬ…」
そんな感じの軽い気持ちで書いてしまいました。
ハーメルンの小説投稿機能ってこんなにややこしいのか…今まで読み漁ってきた作品の作者様方にお辞儀するぞポッター!
必要なタグとか入れ忘れがあればこっそり教えてクレメンス
どうやらいつの間にか死んで転生して某魔法学校の校長になったらしい。
いや、正確にはまだ校長どころか教師にすらなっていないし、更に言うなら現在進行形で入学式を迎えている新入生の中の一人に過ぎないんだが。
ダンブルドアの姓を持って生まれてから約11年。
元気に無邪気に、時に天才的才能の片鱗を見せながら(自画自賛)すくすくと育ち、この時になってようやく前世の記憶を思い出したのが一体何故なのかは分からない。
分からないが、思い出せて良かったと思うと同時に泣きたいような怒りたいような複雑な気持ちに駆られていた。
まず思い出せて良かった理由としては、薄々感じてひっそり悩んでいた自分の特異性にある。
血の繋がった家族に対して、どうしても家族愛というものを感じられなかったのだ。親愛の情はあるし、尊敬もしているし、弟や妹は可愛いし守りたいと感じているが、どことなく家族へと感じるものとは違うと違和感を抱いていた。なんなら妹に対しては……、いや、今はこの話はよそう。
ともかくこの違和感の原因が前世の記憶によって判明したのだ。
ずばり、私の根幹にある【俺】という人格にとっての家族とは別人だったからだ。
【俺】にとっての家族というのは、平成から令和へと変わる日本を生きる中で色々迷惑掛けたり世話焼かれたり。喧嘩したり叱られたり。泣かされたり説教されたり……。私の人間性の低さがなんとなく垣間見える気もするが、ともかくそういう馬鹿やりながらも笑って許してくれた(?)過去と思い出を積み重ねてきた両親のことだ。
20年以上生きてきた【俺】の家族と私の家族とでは積み重ねてきた時間が倍は違うし、一人っ子だった【俺】は弟や妹という存在とどんな関係を築けばいいのか知らない。アバーフォースは私の中では弟っていうより悪友と表現したほうがしっくりくるし、妹のアリアナは、なんというか、その……うん。
とにかく言いたいのは、私が家族を家族と思えないような薄情な人間かと思ったらそうじゃなくてホッとしたという事だ。
あれ?でもよく考えたら、11年も育ててくれた人間を家族じゃないってそれはそれで薄情なのでは……?ボブは訝しんだ。ボブって誰だ。
いや、そもそも日本人と英国人だと顔立ちが全然違うから、それもあって親近感を抱きにくいのかもしれない。きっとそうだ、そういうことにしよう。まあ、今や自分も英国人なのだが。
話を変えるけれども。
ここまで読んでくれた読者諸兄は分かっていることだろう……というかタイトルでモロバレだと思うんだが、私の前世は男だが今世は女だ。
女でありながら、アルバス・(中略)・ダンブルドアだ。なんで女性なのに男性名なんだって?それは私の親に聞いてくれ。
父親は今諸事情によりアズカバンに居るけど。
更にその中でも察しの良い方はお気付きかもしれないが、【俺】のいた世界の日本にはハリーポッターシリーズという超有名な児童書があった。
【俺】はサラッとだが読んだことがあるし、一応映画の方も一通り見たことがある。要は、あまり頼りにならないが原作知識を持っているという事だ。
原作知識……この世界が辿るであろう運命の道筋。
うろ覚えのそれによるとダンブルドアは魔法学校の校長になるし、グリンデルバルドやらヴォルデモートやらといった恐ろしい闇の魔法使いと戦うことになるし、弟と仲は悪くなるし、同性愛者だし、妹は死ぬ。
そう、同性愛者。これも私の悩みの種の1つだった。
原作とは違い女になったからか、今世は女の身ながら恋愛対象は女性だ。
男より女に惹かれる。【俺】だった時と変わらずに。
……それは今世の家族に対しても当てはまっているようで……。
ああそうだよさっきまで滅茶苦茶濁してたけど妹大好きだよ愛してるよ。……え?薄々分かってた??君のような勘の良い餓鬼は嫌いだよ……でも性的なアレとかではなくて推しのアイドルを応援してるような敬虔な信徒のような心持ちでだな……。決して血の繋がった存在に背徳的な愛情を抱いている訳では無いのだ。ホントだよ???
でも原作通りにいくとするなら、私の妹、アリアナ・ダンブルドアは死ぬ。
あまり詳しくは覚えていないけれど、悲劇的な死に方だったように思う。
妹が6歳の頃、馬鹿なマグル野郎共の起こした事件。今思えば、あれが恐らく悲劇の始まりだったのだろう。
あれのせいでアリアナは精神的に不安定になり、発作的に魔力の暴走を起こすようになってしまった。今は母親が付きっきりで世話をしているが、いつまた発作が起こるか分からない状態だ。
事件を知った父親はその糞マグル野郎共へ報復行為を行い、結果アズカバンに入れられた。
正直に言ってしまうと、父の気持ちは滅茶苦茶分かるし、よくやったと言いたい。
優しくて可愛くて天使で、最早尊さの塊と言っても良いレベルのアリアナの心に癒えない傷を負わせたんだ。しかしだからこそ、そこは堪えてアリアナに寄り添って欲しかったし、父はちょっと……いやかなりやり過ぎだったらしいから、正当な判決とも思う。
どうせ前世の記憶が戻るのなら。
妹の事件が起こるより前に、詳細な原作知識でも思い出して妹を助ける英雄に……いや、むしろ事件を未然に防いで穏やかに妹の成長を見守る、ただの姉でありたかった。
魔法界を救う英雄を育てるより、偉大な魔法使いになるより、そっちの方がずっと良かった。【アルバス・ダンブルドア】なんて、【俺】のような凡人には荷が重いにも程がある。
だが、いくら仮定の話を妄想したところで、実際に記憶を思い出したのは入学式の今この時で、思い出した原作知識の中にダンブルドアの妹に関する事なんてほんの少ししかないし、私は私以外にはなれない。
「ダンブルドア・アルバス!!」
……ああ、もう組み分けが始まっていたのか。
自分と周囲に待ち受ける理不尽な運命を、そして運命と戦う強さを持たない己の弱さを呪いながら。
アルバス・ダンブルドアという名前の少女は、古ぼけた帽子にグリフィンドールへ組み分けされる予定調和を受け入れるしか無かった。
§
これは私、アルバス・ダンブルドアがなんやかんやあって男共と気付かぬ間に恋愛フラグを立ててしまった末にロリババアになりながらも、薄い原作知識を活かして魔法界の危機を乗り越える為に奮闘する話。
その、ほんのプロローグだ。
ロリババア要素はまだまだ先になりそうです。