ホビアニTCG世界にカードとして転生したから目立とうとしたけど、何かがオカシイ。   作:夢泉

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☆大幅な変更☆

感想欄にて、「デュエ○スト」は商標登録されていると教えて頂きました。
なので、「デュエ○スト」→「COファイター」に変更。
教えてくださった方に感謝致します。

「グレード」→混沌っぽく「深度」表記に変更。
※この辺りは詳しいカードバランスとか詰めてないです。なんとなく、「深度を(I→Ⅱ→Ⅲ……のように)深めれば強いモンスターが出せる」くらいに考えておいてください。

TCG漫画みたいなカード能力表示を採用。今回の話で枠線に囲まれているところです。興味のない人は読まなくても大丈夫なように書いています。読み飛ばしてください。

他にも多くのご指摘を頂いております。誠にありがとうございます。
1つ1つ確実に検討し、反映してまいります。

※当小説にはTCG及びホビアニへの偏見が随所に見受けられます。
※これらは全て作者及び各キャラの主観に基づくものであり、事実とは異なる場合がございます。


Draw 2:TCGホビアニのカードは耐水性が異常。

 

 

「水貝……!」

「くっ……来ないでくれ……唯一くん……」

「そんな体で何を言ってやがる!」

 

 少し前に空模様は怪しくなっていたが、遂に雨が降り出す。

 水貝は。

 その雨の下。カードの散乱した地面に。

 ボロボロの身体で膝をついていた。

 

「今の僕は……全然ナイスじゃ……ない。君の前に……立つ資格が……ないんだ。……敗者への情けは……惨めになる……だけさ……」

「おい! しっかりしろ水貝! 水貝! 水貝ィィィィ!!」

 

 そして。

 水貝は力なく地面に倒れる。

 ……気を喪ったようだ。

 

「水貝くん! 大丈夫!?」

 

 俺を追って来ていた幾美も水貝に駆け寄ってくる。水貝の事は彼女に任せておけば、一先ずは大丈夫だろう。

 すると、俺たち3人以外の声が発せられる。

 

「私は宣言通り、切り札を使わないで勝ったわ。これで貴方の出場資格は取り消し。良かったじゃない、早く身の程が知れて」

「テメェか! 水貝にこんな事をしやがったのは! 何をしやがった!」

 

 水貝とCOバトルの対戦台を挟んで向こう側に居た、黒と白の髪の少女の声だ。

 綺麗な声ではある。だが、ちっとも惹かれない。

 彼女の紡ぐ言葉には熱が無いから。降りしきる雨よりもずっとずっと冷たくて暗い言葉だ。

 

「何って、COバトルよ? CHAOSトーナメント大会参加資格を賭けた、ね」

「じゃあ、なんで……!お前は水貝の集めた星を踏みつけてるんだ……!」

 

 彼女の足元には水貝が集めていた8の星が散らばり、その1つの上に彼女の足が乗っている。

 その理由を問えば、彼女の口は信じられない言葉を紡いだ。

 

「簡単な話よ。私は既に星を100個以上も集めてるから。今更こんなものに興味なんて無いわ」

「…………は? ……何を、言ってるんだ?」

 

 星を100個集めた?

 それなら、何で水貝と戦う必要がある?

 

「間引きって知ってるかしら?」

「間引き?」

「野菜や花を育てる時に用いられる方法の1つよ。最初はたくさん種を蒔いて、芽を出させるの。けど、中には育ちの悪い芽とかがあってね。密集し過ぎると育ちが悪くなるし、引っこ抜いて処分しちゃうの」

「それが何の関係がある……?」

 

 なんだ?

 彼女の言いたいことが理解できない。

 いや、違う。

 意味が分かるからこそ。それを俺は理解したくない。

 

「間引きをするから良い作物や花が育つの。人間も……COファイターも同じよ。私が大会前に弱い芽を刈っているの。理解できたかしら?」

「テメェは! テメェだけは絶対に許さねぇ!」

「大会の主旨を理解していないようね。書いてあったでしょ? 『――我こそが最強だと思う者。()()()()()()()()』って。「最強」の覚悟は軽くない。遊びじゃないのよ」

「御託は良い! デッキを出せ、COバトルだ!」

「……別に構わないけれど。貴方、参加申し込みはしているの?」

「これから申し込む予定だったけど関係ねぇ! これは燃え上がる俺の怒りのバトルだ!」

「ふぅん、そう。ま、いいわ。やってあげる。貴方も眼鏡の彼と同じく、この切り札『ティティム』を使わずに勝ってあげるわ」

「言ってろ! 俺の炎がお前の傲慢を燃やし尽くす!」

 

 どこまでも人を見下しやがって……!

 絶対に勝ってみせる……!

 

 

◆◆◆

 

 

 そうは言ったが……!

 くそっ!

 コイツ、強ぇ!

 水貝に勝ったのはマグレなんかじゃねぇ!

 

「『傲慢の魔法少女/メア・スペルビア』でライフにアタック!」

『きゃはは! 喰らいなさい!』

 

 

傲慢の魔法少女/メア・スペルビア
深度Ⅲ

属性:闇  所属:カオス・エンパイア

種族:魔法少女/スペルビア

ATK/VIT:4000/4000

【Θ】召喚時、味方「スペルビア」を1体破壊する。

【○】-傲慢Ⅲ-

 このモンスターがバトルする時、自身の山札の上から1枚 & 手札1枚 & バトルゾーンの「深度2」以上のモンスター1体を破壊しても良い。その場合、このモンスターのATKとVITの値は2倍になる。

【○】このモンスターがバトルに勝利した時、深度を1つ深めても良い。

【○】D(ドゥ)クラッシャー(相手のライフを2つ破壊する)

 

 

「『熱砂の獣魔人/べステア』でガード!」

『私は化け物。けど、この力で誰かを守れるなら……!』

 

 

熱砂の獣魔人/べステア
深度Ⅱ

属性:火  所属:ヘリオ・セントリス

種族:ヒューマン・エネミー/ガーディアン/カオス・ソング

ATK/VIT:0/4000

【○】このモンスターが破壊された時、自身のライフが4以下であればライフを1つ回復する。

【絆】他の味方「カオス・ソング」のVIT+1000。

 

 

「メアの特殊効果発動! 私の山札の上から1枚と、手札1枚、そしてバトルゾーンのグレード2以上の味方1体……『月夜の義賊/ロイバー・クリステフ』を墓地へ! これにより、メアのATKは+4000! ATK8000! ベステアを破壊!」

『きゃはは! 弱い癖に前に出てくるから!』

「くっ……! ベステアの効果で俺のライフを3から4に回復!」

 

 次々と味方を切り捨てていく戦法!

 容赦のない冷酷な戦い方が全く読めない……!

 しかも!

 

「さらに! ロイバーの特殊効果発動! バトルゾーンから墓地へと移動したとき、『セレモア』と名の付くカードを山札から手札に加える! 『吸血女王/セレモア・ニュクト・ガーネット』を手札へ!」

『俺は一時撤退だ。あとは任せるぜ、セレ』

「さらにさらに! 手札から捨てた『腹黒妖精/シシシ』の能力発動! 山札からカードを2枚引く!」

『シシシ! ただでは死なないシシシ!』

「これで、私の墓地にカードが15枚。墓地に置かれた『静穏の墓守/ネクロア・テルア』の特殊効果発動! 防御状態で特殊召喚!」

『私に近づけば、死にますよ』

 

 止まらねぇ! コイツのコンボが!

 まるでカードたちが彼女の下に集うかのように! 連鎖し続ける!

 このままだと負ける……!

 

「ターンエンドよ」

「……っ! 俺のターン! ドローッ!!」

 

 引いたカードを見る。

 それは――!

 

「来た来た来たぁ! 燃え盛る混沌乱世に降臨せよ、『焼夷大将軍/徳炎 イエヤス』!」

『いざいざ参ろう! 如何なる混沌も余が平定してみせようぞ!』

 

 

焼夷大将軍/徳炎 イエヤス
深度Ⅲ

属性:火  所属:ヘリオ・セントリス

種族:SAMURAI/ソレイユ・ドラゴン/カオス・ジパング

ATK/VIT:5000/4000

【○】-BUSHIDOⅡ-

 味方がバトルに勝利した時、山札からカードを1枚引いても良い。

【絆】味方「ヘリオ・セントリス」のATK/VIT+1000

【絆】他の味方「ソレイユ・ドラゴン」のライフ破壊数+1

【○】T(トロワ)クラッシャー(相手のライフを3つ破壊する)

 

 

「そして! 伏兵カード『日出国之夜明(ジパング・サンライズ)』発動!」

 

 

◆◆◆

 

 

 攻める攻める攻める攻める。

 サンライズの効果で呼び出した仲間たちが攻める。

 「絆」で結ばれたモンスターたちが苛烈な攻撃を続ける。

 そして、ついに。

 

「くっ……!」

「ターンエンド! どうだ、逆転したぞ!」

 

 相手のライフは3。今の俺のライフは4。

 そして、味方も揃っている。

 これなら勝てる!

 

「私のターン、ドロー。……謝罪するわ。正直、貴方の事を見くびっていた」

「はっ、負けそうになってから何を言っても遅いぜ」

 

 負け惜しみか、と思ったのも束の間。

 

「だから。最初の宣言は撤回。――ここからは本気で戦わせて貰うわ」

 

 少女が一枚のカードを抱げる。

 黒い光の奔流が、そのカードを中心に集まっていく。

 

「召喚! 私の鏡像、ティティム・クルデーレ!」

 

【挿絵表示】

 

『待ちくたびれたわ、ニセカ! さぁて、消してあげる! 全部全部!』

 

 現れたのは、オッドアイが特徴的な長く白い髪の少女。

 真っ黒な服に身を包み、巨大な鎌を両手に軽々と持ちながら。

 闇の奔流の中で、クルクルと楽しそうに舞っている。

 そして――。

 

「――【覚醒】」

 

 消されていく。

 消されていく。

 俺の仲間が。作戦が。全て全て。

 

「ぐわぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 最後に。

 俺の視界を黒い闇が塗りつぶした。

 

 

◆◆◆

 

 

「待ち、やがれ……!」

 

 ボロボロの身体を無理やり動かす。

 切れそうになる意識を無理やり繋ぎとめる。

 そして、精一杯の虚勢を張って。

 無理やりに声を張り上げて告げる。

 

「俺の名前は唯一! 火緒主 唯一! お前を倒す男の名前だ!」

「そう。私はニセカよ。……トーナメントの頂上で、期待せずに待っててあげる」

 

 それだけ言うと。

 少女は……「ニセカ」は、一切の興味を無くしたように立ち去っていく。

 

「絶対に、俺が、お前を、倒す。覚えて、おき、やが、れ……」」

「唯一! 唯一! 唯一ぃぃ!!」

 

 最後に。駆け寄ってくる幾美の姿が視界に映って。

 俺の意識は闇に飲まれた。

 

 

◇◇◇

 

 

「まさか、私が宣言を曲げることになるなんて……」

『うーん? ニセカ、言葉の割に少し楽しそう?』

「……冗談。勝つから楽しいの。壊すから楽しいの。負けそうになる事が楽しいなんて、そんなの馬鹿げてるわ」

『そういうものかなー?』

「そうよ。そうに決まってるわ。そうでなければ私は――」

『どうしたの?』

「――何でもないわ。帰りましょう、ティティム」

『おーきーどーきー!』

 

 少年との戦いを終えた少女は道を往く。

 その右手に1枚のカードを持ちながら。

 

「それにしても、火緒主 唯一。「火緒主」……まさか、あの男の……」

 

 そして。

 一度だけ振り返って。呟く。

 倒れた赤髪の少年の所に、栗色髪の少女が駆け寄る光景を視界に収めながら。

 

「……だとしたら、本当にふざけた巡り合わせ。こんなモノが運命だって言うのなら、それこそ私が壊してあげる。完膚なきまでに、ね」

 

 黒と白の髪の少女は往く。

 破壊の道を、真っ直ぐに。

 

 





なんでこんな事になったのかの舞台裏は後程。


【あとがき】

な、な、なんと!
この作品のファンアートを描いてくれた方がいました!

【イラスト表示】illus.さすらいの支援絵侍

綺麗! 可愛い! 強そう! ヤバい!(語彙力)
「さすらいの支援絵侍」様、誠にありがとうございます。嬉し過ぎます。

早速、今回と、第0話のイラスト挿絵に使用させて頂きました。


なお。
このイラストは、七三ゆきのアトリエ様(https://nanamiyuki.com/)にて提供されている素材を一部加工したものらしいです。(管理人様からの許可もあるとのことです)
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