トップとの密談ですね。
それとっ!遂にアニメ化が来ましたね!!
何か重大発表があるって公式チャンネルから通知が来た瞬間に「これは……アニメ化以外ありえないでしょっ!!」って一人でテンション爆上がりでしたね!
好きなキャラ達が動くって考えただけで大満足です!
「今回は私の要望に応えてくれて感謝するよ」
会話を始める前に、取りあえず感謝の言葉を並べる。
「直接会うだけの価値があると判断したからな。ところで、お前さんの名前を聞かせてほしいんだが?」
「これは失礼。九重一族の九重舞夜だよ」
顔を隠すためのマスクなどを外す。
「九重舞夜……。なるほど、『鬼の子』か……、想定以上の大物が来たんだな」
私の自己紹介にトップと思われる男が驚きながらも不敵な笑みを浮かべる。
「………」
正面向いて右側で立っている執事風の人が私を見てくる。
「噂は良く耳にしていたが、実物を見るのは初めてだな……本物か?」
少し挑発するような声音を含みながら視線をこちらに向けて来る。
「ふふ、何か証拠でも見せた方が良いかな?」
一体どんな噂なのやら……。
「間違いなく本物でしょう。私が保証しますよ」
こちらを見ていた執事が割り込むように言葉を差し込む。
「……なるほど。それなら本当みたいだな」
うーん、この執事さん……滅茶苦茶強い人だねぇ……。多分壮六さんレベルの雰囲気を感じる。そこに居るのに気配が一切感じない……まるで立っている空間だけ何も存在していない様な気配の消し方。
多分暗殺業を営んでるんだろうけど……どこでこんな人を捕まえて来たんだろ?私でも中々お目にかかれないレベルだね。
そんな人が護衛だからか、こうやって堂々と私と顔を合わせれるって訳ね。納得納得。
「そんじゃあ、まずはそちらの話を聞こうか」
自己紹介もそこそこに……って、私しか言って無いけどまぁ良いでしょう。
「話……って程の内容でも無いけど、もう一つの組織の動きはどの程度知っている?」
「……ほぉ?そういう話か。なるほどなぁ……。そうだな、力を蓄えて外へ戦争を仕掛けるってのは知ってる」
かなり内容を暈かした言い方をしてくる。
「その場所は?相手は?目的は?協力相手は?」
「おいおい……もう少し会話の駆け引きを楽しめよな」
「そう言うのは少し苦手でね。率直に聞かせてもらうよ」
「ったく、全部把握済みに決まってんだろ?じゃなきゃ一族のお前さんとこうやって会わねぇよ」
だろうね。
「逆に聞くが、そっちはどの程度知ってるんだ?」
「一族に関してはほぼ全て把握してるね。後はこの街の人がどの様な動き、いつ仕掛けるつもりなのか、もね」
「……気になるのはこっちの動きか?」
「そうなるね。その為にわざわざ下っ端で潜入したんだから」
「……ふむ」
自分の顎に手を当てながら少し考え始める。
「……返答次第で、お前はどう動くつもりだ?」
「そうだね、内容次第で限定的に協力体制を執っても良いし、片方の組織を潰す手伝いをしてあげる位かな?」
「こちらに何を要求する気だ?」
「特に何も。ただそちらさんの方針を聞いておきたいだけ。一応国から頼まれてるからね、監視と言う名目で」
「向こう側が消えた後の事を聞きたいって訳か……」
「そんな感じ。ざっくりで良いよ?構想だけでも充分だし」
「今回の騒動がどの様な形で収束するか次第で多少は変わるが……残った奴らを吸収するのは間違い無いだろうな」
「ふんふん」
「因みにだが……今回の件、決着の形はどう考えているつもりだ?」
「そうだねぇ……関わった一族の人間は全員捕まえるよ?後はそれに関わった人間全ても。当然この街にいる人間も例外じゃない」
先輩が後ろに居るので表現は少しオブラートに行きましょう。今更だけど。
「となると、向こうが瓦解するのは確定か……」
「そのつもり。向こうのトップの人間は全員居なくなってもらうから組織としては散り散りになるだろうね」
「……まずはそれらを纏めて安定化を図るのが先になりそうだな。治安の悪化を防ぐ為に糧でも用意しておくか」
「多分色々と外との繋がりを持っている悪い人たちも居ると思うから気を付けて貰えると助かるね」
「発覚次第、差し出せば良いのか?」
「それでも良いけど、経路の詳細とかが分かればなお良しだね。そちらで処分しても良いけど。こちらとしては怪しい取引や流通の拡大は防ぎたいって目的」
「まぁ、そうだろうな」
「嗜好品とかの要望はこれまで通りで良いし、物資の件もね。欲しいのがあれば少しは私の方からも口添え程度は可能だよ?黙って変なやり取りをされたら後で色々と自分たちの首を絞める事になるから気を付けてほしい」
「……随分とこちらに譲歩するんだな」
「多少はね。あまりギチギチだと息苦しいでしょ?その鬱憤が溜まらないように調整したいだけ」
「それだけ今回の件を重く見ているのか?」
「そりゃあね?大勢の人らが外にお出掛けするなんて面倒事しか起きないから。一族としてそれは阻止したいし」
「………」
再び少し考えるように顎に手を当てる。
「……そちらの言いたい事は大体理解した。要は自分たちが向こうを潰す為に協力しろ、もしくはその間は大人しくしてろってことだな?」
「そんな認識で大丈夫かな?この組織の情報が欲しかった感じ」
「なるほどな……ま、一先ず余計な真似は起こさない、とだけは言っておこう。協力に関しては……、少し考える。こちらに話を持ち掛けてるのはお前さんだけじゃないからな」
「まぁ、そうだろうね。一応私の事は秘密にしてもらえると助かるかなぁ?バレたら色々と怒られそうだし」
「出す気はねぇから安心しな。今の段階ではお前さん側を考えてるからな」
「それは来た甲斐があったね。私からの話はこれで終わりかな?何か聞きたい事とかあるかい?」
「俺は特に無いが……お前はあったりしないのか?」
トップの男が隣の執事へ顔を向ける。
「……正直、個人的に色々とお話をしたい事はありますが、……そうですね、では一つだけ」
指を立ててこちらを見る。
「何?」
「九重一族の、九重澪……彼女もこちらに来ていますか?」
「残念だけど、ここに来ているのは私一人だけだね。少なくとも今回の件でこの街に来ることは無いよ」
「そうですか。お話いただきありがとうございます」
「いえいえ、何か因縁でもあったりするの?」
少しだけ残念そうな声を出して感謝を言って来る。こんな業界だし過去に対峙したりしてるのだろうか?
「2年ほど前に少々……」
「そうなんだ。伝言なら出来るけど……?」
「いえ、それほどの事では無いのでお気になさらず」
「そう?それなら了解」
大したことでは無いのだろうか?まぁいっか。
「んじゃ、話は終わりだな。何か用があれば外で立っている男を通しな。こちらもそうする」
「分かった。そうさせてもらうよ。それじゃあ、帰ろうか」
一応警戒をしつつも室内から何事もなく出る。
「出て来たか……話は終わったのか?」
部屋の外に出ると、少し離れた場所で情報屋の男が待っていた。
「取りあえず今日の所は終わりかな?また何かあったら通させてもらうよ」
「あまり面倒事を持ち込んで来るなよ?」
「可能な限り善処するよ」
「……はぁ、帰りはこっちだ。来い」
私の返事にため息を吐きながらも帰り道を先導する。
来た時とは違うルートを辿り、少し遠回りをしながらも来た場所へ戻る。
「着いたぞ」
木製の階段を上がって建物内に出る。
「ふぅ……漸く帰って来れたね」
「用が済んだのなら早々に帰ってくれ。こっちは暇じゃないからな」
「つれないなぁ……まぁ、そうさせてもらおうかな」
去り際に今日の報酬として嗜好品を渡してその場を去る。
「昼過ぎですか……取りあえずは拠点に帰りましょうか。先輩が手に入れた情報も聞いておきたい事ですし」
「……ああ、そうだな」
少しだけ深刻そうな声で返事をした先輩を見て、あまり良い内容では無かったのだろうと簡単に予想出来た。
「大丈夫ですか?何か嫌な物でも見ましたか?」
「いや、九重が想像している様な記憶じゃ無いから安心してくれ。ただ、そうだな……危険な情報だっただけだ」
「……それは、急いで帰る必要がありそうですね」
「そうした方が良いかもな」
先輩の言葉を聞いて、歩いて帰らずにアーティファクトを使って急いで帰る。
「さてと、では報告会を始めましょうか」
拠点に着き、一段落した段階で言葉を出す。
「何を読み取りましたか?さっきの男から」
私が先輩にお願いしたのは、先ほどのトップの男が私の質問に対して真実を口にしているかどうかを知りたかった。なので先輩にお願いして九條先輩のアーティファクトを使ってもらった。
「そうだな……まずは九重の質問とかだけど、もう一つの組織が無くなった時にその人達を取り込むってのは本当っぽいな、ただ邪魔な奴が居たら要らないって感じ」
「ふむふむ、それは良かったです」
「あと、街の外と違法なやり取りをしている連中に対しては、バレないように上手く利用しようと考えていた」
「明け渡す気は無さそうと……?」
「勘づかれなければ……って感じだな」
「んー、まぁ、想定内ですね。ですよねーって感じ」
「んで……、こっからが本番なんだが……」
「はい」
「協力するって言ってたが、それについてはあまり期待出来そうに無いらしい」
「具体的には?」
「纏めると……そうだな、互いに争ってる内に背後から刺す……そんな感じの考えだ。可能なら九重達も殺せれば御の字、みたいな?」
「ああ、なるほどです。大体理解出来ました」
なーんか、想定以上にその通りでガッカリだなぁ……少し期待しちゃった。
「あと……これが最後なんだが……」
「はい、何でしょう」
今まで一番言い辛そうな声で話し始める。最後に持ってきたという事は特に大事な内容なんだろう。
「さっきの男は、襲撃する場所が俺達の住む場所……白巳津川ってことは知っているみたいで、そうなると当然九重がそこに住んでいるのも簡単に想像できると」
「うんうん」
「それで……何か弱味……弱点になる部分が無いか探りを入れるのも考えに入れていた。えっと、人質的な物を、だな……」
「……ほぉ」
先輩の言葉を聞きながら自分を鎮める。
「あと、隣に立っている男に九重を殺せるか……みたいなことも視野に入れているってのも」
「なるほどなるほどです」
「どこまで本気かは分からないが……候補の一つ、として考えてる感じだった」
「面白い情報をありがとうございます。先輩のお陰で今後の方針が固まりました」
「今の情報で充分だったか?」
「はい。向こうに価値は無さそうだとよぉ~く理解出来ましたので」
所詮、この街の人間はその様な人間しか居ないって事がよく分かった。確かに生き残るためにはそういった事も必要だとは私自身知っているけど……余計な邪魔になりそうなら消えて貰った方が良いよね。
「……やっぱり、怒ってるか?」
「今のを聞いて怒らない方がおかしいですよ。端的に言えば、先輩や街に居る皆に被害が及ぶ可能性があるのですよ?」
「だ、だよなぁ」
「先輩もそれは嫌でしょ?」
「そりゃ、当たり前だろ」
「となれば選択肢は一つしかありませんよ」
「それと、おまけにまだ一つあるんだが」
「おまけ?」
何か分かったのだろうか?
「ああ、隣に立っていた執事みたいな人が居ただろ?」
「いましたねー、ってもしかしてその人のも読んだんですか?」
「気になってな。九重と話している時にちょっと……」
「それで……何が出てきました?」
「なんて言うか……九重の姉、あの黒髪の人に対して結構な執着心を持っていたな……こう、再戦って言うのか?今度は勝つ……的な?」
「何となく予想は出来ますね。多分過去の仕事で対峙して消化不良で終わってしまったんでしょう」
「あとは九重に対しても興味を持っていたぞ?強い感じがするって……」
「はぁ……」
「どうでも良さそうなリアクションだな」
「めんどくさいだけですよ。あの人、滅茶苦茶強い部類なのでいざ戦うってなったら時間かかりそうですし……」
「勝てないとは言わない辺り自信が見えるな……」
「時間稼ぎとか逃げに徹されるとこれまでなら厳しいですが……今の私なら問題は無いでしょう。それに、アーティファクト使えば一秒内で終わりますし」
「……それもそうだな」
「他に何か話すことはあったりしますか?」
「んー……いや、このくらいだな」
「了解です。大変な役でしたがお疲れ様でした。ありがとうございます」
「全然大したことじゃないから気にしないでくれ。ただ突っ立って記憶読んだだけだしな」
それが大した事なんですが……。
「それより、今日はこの後どうするんだ?まだ潜入は続けるのか?」
「そうですね……一応倉庫の方には顔は出しておきましょうか。お菓子での懐柔も完了していませんし」
「お菓子で懐柔……?」
「いえ、こっちの話ですのでお気になさらず~」
「……行ったか」
二人が部屋から出て行き、気配が遠ざかって行ったのを確認してから一息つく。
「意外と穏便な奴だったな。お前から聞いていた話とは随分違うようだが……?」
「私も直接対峙したわけではありませんので。あくまで噂と情報だけですよ」
「その本人と会ってどうだった?」
「……そうですね。分かり易く言わせて貰いますと……あれは化け物ですね」
「化け物?」
「ええ、少女の皮を被った怪物……とでも言いましょうか?容姿と纏う気配の差に違和感しか感じませんよ」
「……見た目通りの歳って言いたいのか?」
「見た目と歳は大して差は無いでしょう。精々15~18辺りです。ですが、あの歳であれだけの境地に至っているとは……やはりあの一族は恐ろしいですな」
「確かにヤバそうな奴ではあったが……聞いていたより大人しく見えたが?」
「とんでもない。この場で何が起ころうと問題が無い……それだけの自信があったのですよ。そして、その実力を確かに持っている」
「……なるほどな。それで?殺せるのか?」
「正直言いますと、戦いたくない相手ですね。まず無傷では済まないでしょう……ですが、やり様はあるかと」
「はっ、『死神』とか大層な名で呼ばれてる割には随分と小心的な発言だな」
「名乗った覚えはありませんので、気がつくと勝手にそう呼ばれていただけですよ。それに、この歳まで生き残ったのはその臆病な警戒心だと自負しておりますので」
「そんじゃあ、今度はその死神さんの弟子に聞いてみるとするか」
反対側の若い男を見る。
「ずっと震えて怯えていたが……そっちはどう感じ取ったんだ?」
「っ……!?あ、ああ、あれは……!やばい……!あんな人間が……!?」
「……落ち着きなさい。恐怖を感じるのは良いですが、それを飼いならして冷静さを保つことです。焦った人間から死んでいくのですよ」
「っ……っ……ふぅー……はぁ……。へ、部屋に入ってから出るまで!あの女はいつでも俺達を殺せる状態だった……っ!部屋中全部があの女のテリトリーだったんだよっ!」
「……らしいが?大丈夫か、弟子さんはよ」
「危機を察知する能力に関しては私以上ですが……如何せんそれに心が追いつけて無いので大目に見て貰えると助かります。ですが、能力は保証しますよ」
「となるとなんだ?あの女はいつでも殺せる状態だったと……?」
「そう言うことになりますね」
「あっさりと認めるじゃねーか」
「言ったでしょう。あの少女は化け物だと」
「……もう一人の男はどうだった?あれも同じか?」
「あ、あれは……!大した事ないっ!ただの一般人だっ!無害な男だ……!」
「ただの付添人か……?」
「……どうでしょうか。案外、警戒すべき人間かもしれませんよ」
「どういうことだ?」
「確かに、あの少年からは強者の気配は感じませんし、体格や立ち姿などを見てもごく普通の一般人でしょう」
「じゃあ何があんだ?」
「……いえ、少しあの者の目が、気になりましてね」
「目が……?」
「ええ、この場に立っているのにも関わらず、緊張しか表していなかったのですよ。普通、部屋に入って来た時に殺意を向けられたのですから多少なりと死への恐怖感を持っているはずです。一般人なら尚更……」
「ですが、あの少年からはそれが見られませんでした。まるで、
「なんだそりゃ。単純に安全圏に居るのが分かっている、そっちの方が分かり易いぞ?」
「……そうですね、今のは忘れて下さい。勝手な推測ですので」
「向こうは大人しく協力しろと言っていたが……面倒な事になりそうだな、これは……」
「どうされるおつもりで?」
「はっ、当然やる事は一緒だ。お前らにも渡した報酬分の仕事はして貰うぞ?」
「ええ、それは勿論。そういった契約でしたからね。あと、もう一つの方もお忘れなく」
「分かってる分かってる。この街に来ていないらしいからな、この騒動に紛れて再戦でも何でもして来い」
「私としては、先ほどの少女とは矛を交えたくはありませんね」
「それは向こう次第としか言えないな」
「では、そうなる事を祈っておきましょう」
・組織トップ~グラサンオールバック男~
主人公と翔が潜入した組織のトップ。今回の騒動に乗じて色々と美味しい所を持っていきたい。まぁ、無理でしょうが……南無南無。
・執事風の男
実は結構なそこそこの御歳。変装とかで多少なりに若く見せている。
裏業界ではかなり有名人。『死神』とかよくありがちな2つ名が……。過去に護衛の任務をしていた際に九重澪の襲撃に遭い、対象が死んで任務を失敗している。
・弟子さん
超臆病な少年。才能はありあり。鍛えて行けばそこそこの実力者になれるだろう……そう、生き残れればの話()
次のお話は……次の日から始めます。そろそろ方針も決まったんで一度白巳津川サイドとの連絡を取ったり……ですかね?