9-nine- ―最高の結末を追い求めて―   作:コクーン√

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視点がぐちゃぐちゃじゃぁ……。




第34話:纏繞せし渇望

 

 

「……やはり、ここに来ていたのか」

 

九重家に着き、九重宗一郎が居ると思われる部屋の入口……そこには同じ一家の一ノ瀬璃玖が立っていた。

 

ここまで来るまでの道中、特に妨害や襲撃も無くすんなりと通して来たことに警戒をしていたが、漸く一人目と出会った。

 

「……貴様は、九重家に尻尾を振ることを選んだのか」

 

「………」

 

一ノ瀬龍誠の言葉に対して、一ノ瀬璃玖は静かに見つめていた。

 

「……いや、もはや些細な問題だ。欠陥品のお前にはお似合いなやり方だろうな。あの九重舞夜という同じ欠陥品同士は魅かれ合うのかもしれない」

 

侮辱と挑発を込めた言葉で揺さぶってみるが、ほんの一瞬のみ気を向けられるだけで直ぐに元に戻る。

 

「……おしゃべりはいいから。用があるのはこの奥、でしょ?」

 

「その通りだ。なんだ?お前は止めないのか?」

 

「ううん。私がお願いされてるのは、『一ノ瀬龍誠以外をここより先に通さないこと』これだけだから……、だから叔父さんは入っても問題ない」

 

「俺以外……か。こちらは俺を含めて四人だが、止めれるつもりでいるのか?」

 

「問題無い。先に三人を倒せば一対一で終わりだから……」

 

「………」

 

「………」

 

一ノ瀬龍誠の問いかけに、淡々と興味無さそうに答える。軽く見られたと後ろの男達から怒りが向けられるが、変わらず先頭の一ノ瀬龍誠だけを見ていた。

 

「……ふん、お前がまともであれば今頃我が一家はもっと上に居ただろうな」

 

「上とか下とか……それに何の価値があるのか、私には分からないから」

 

「……やはり、貴様は欠陥品なのだろうな、一族として……。まぁいい」

 

後ろに立っている男らに目配せをする。それを見て全員が頷き、大人しくこの場から去って行く。

 

「これで満足だろう?行かせてもらう」

 

「……どうぞ」

 

問題無いと横に移動した一ノ瀬璃玖の隣を過ぎ、入口の襖を開けて中へ入る。

 

「ようやくのお出ましかのぅ……待ちくたびれてもうたわ」

 

部屋の奥には、中央に座布団に退屈そうに座っていた九重宗一郎と、その右手前に座りながらこちらを見る不破壮六の二人が居た。

 

「お待たせさせてしまった様で申し訳ない。現当主よ」

 

「それで?おぬしが街へ引き入れていた連中、外側で待機していた奴らも含めて粗方片付いておる。街までの中継地点として腰を下ろしていたのもじゃ」

 

「それからこちらへ増援として送ろうとしている中継役の一ノ瀬家の人間らも澪様の方で処理が済んでおります」

 

「加えてじゃ、あの街でコソコソとしている企みも潰えてる頃じゃろ?」

 

「ええ、浮島家の事も含めて舞夜様の方で処理されるでしょう」

 

「と、いうわけじゃ。隆造の弟よ」

 

「……九重舞夜は、既に知っていた……という事ですね?」

 

「おぬしもそれに気づいたからこそ予定を早めたのじゃろう?」

 

「ええ、そうですね。その通りですとも……」

 

「それが分かっておりながらもわざわざ此処まで足を運んで来たんじゃ。用件を聞こうか?」

 

「……意外と理性的ですね。元凶が目の前に居られるのに話し合いをされるなど」

 

「くく……確かに貴様のしたことは一族として許される事ではないの。じゃが、ワシ個人としては特段気にしてはおらん。ま、あくまでワシ個人じゃがな」

 

「個人的にとは……?」

 

「何、単純なことだ。"強きものが一族を導く"……方法がどうあれ、それでワシを退けられるのであれば喜んでこの席を渡そうではないか!と、言う事じゃ」

 

「……なるほど、潔いのですね」

 

「近頃その様に楽しめる事が一段と減ってのぅ。やれ『もっと当主として落ち着いた行動を』やれ『もう若い頃の様に好き勝手出来る立場では無い』だの……つまらんことを口酸っぱく言われてしまってな」

 

「……私としては、もっと言いたいくらいです」

 

「並び立つような実力の者も現れず、気が付けばこの歳じゃ」

 

「数か月前に舞夜様と楽しんでいたでしょう。修繕費が大変だったのをきちんと覚えてますから」

 

「……と、至極自分勝手な理由を元にここまで来るおぬしに手を出すことを止めさせておいた。疑問が解けたかの?」

 

「……そうですね、いくつかの疑問が解消してきた所です」

 

「それは良かったわい。……で、おぬしがここまでの事を起こした理由……心情を聞いておこうではないか」

 

「……なぜ?それを聞いて何の意味が?」

 

「何、ただの興味本位じゃ。負け戦の可能性が圧倒的に高くとも決行するに至った経緯を知りたいだけじゃ」

 

「……理由も何も、一ノ瀬家を上に立たせたい。これ以外に無いでしょう」

 

「……ふむ、それもそうじゃな。ま、正しくは貴様の兄、一ノ瀬隆造をそこに置きたいのではないのか?」

 

「知っていながら聞いてくるとは、配慮が欠けてますね」

 

「昔からそうであったからな。兄が上で正しいと考えが徹底しているからこそ、今の一ノ瀬家の体制が成り立っている証じゃしな。それが一族のトップであるべきと思うかどうかの違い程度だろう?」

 

「……その通り。あなたがその座に就いてから私はずっとそう思っていた。だが、兄が納得していたから私もこれまで我慢していた」

 

「……決定打はなんじゃ?」

 

「知れたことを。あなたが連れて来たあの少女に決まってる」

 

とぼけるように聞いてくる相手に怒りの感情を出しながらも返す。

 

「……くく、相変わらず舞夜はモテモテじゃのう」

 

「一族の悲願を果たし、神を滅ぼした以上……これからの一族に強さを追い求めるという理由は著しく下がるでしょう」

 

「かもしれんな。1000年の戦いは遂に終止符を打たれた。ワシが言うのもなんじゃが……それを成したのが舞夜やその仲間らと言うのが最も皮肉に思えるの」

 

「……ですから、あなたの様な人間の時代は終わりが来たのです。これより先は強さだけでは無く広い方面で優れた人間を置くべきだ」

 

「好きにすればよかろうが。今日ここでおぬしがワシに勝てればさっき言ってた様に変えれば良い」

 

「……そうですか」

 

「ところでじゃが……そろそろ部下たちの準備は終えた頃かの?」

 

「っ……」

 

「こうやって会話にまで花を咲かせたんじゃ、面白い催しだと期待しても良いのか?」

 

「……ええ、良い催しを捧げましょうではないですか。あなたの血で染めた真っ赤な花を添えて!!」

 

挑発する宗一郎に向かって戦闘開始と言わんばかりの言葉を返し、それと同時に懐から何かを前方へ放つ。

 

それと同時に、部屋全体が激しい光と音に包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

閃光が晴れ、元通りの風景が戻って来た。

 

「……ふむ、逃げられた様じゃな」

 

「何が逃げられたですか、わざと見逃したのでしょうが」

 

「それにしても……逃げとは、いや……違うなこれは」

 

何かに気付いたのか、広間から外を見る。

 

「……周囲の高所から狙えるなら、おっ、おったわい」

 

外を見渡し、何かを見つけるように顔を綻ばせる。

 

「あれは……っ!舞夜様!!」

 

壮六がそれに気づき、即座にアーティファクトで姿を消していた幻体に指示を飛ばす。

 

その声と同時に凄まじい速度で何かが飛来し、宗一郎を中心に切り裂くような爆発音と熱が周囲を包む込む―――。

 

「……ほほう、中々の挨拶代わりじゃな」

 

とはならず、音速に近い速度で発射されたそれを宗一郎は避け、背後でピタリと動きを止めてしまっていた。

 

「これは……RPG、ですかね?」

 

「ふむ、相変わらず奇妙な光景じゃな。ここだけ切り取られた空間になってる様じゃ」

 

「止めてくださりありがとうございます。私達は無事でも、建物への被害がとんでもない事になっていました……」

 

興味深そうに見ている宗一郎の横で、動きを止めた幻体に礼を言う。

 

「ん?あー……、別に大したことじゃねーよ。それに、舞夜の記憶からでもあんたにはあまり苦労を掛けさせたくねぇって気持ちがあるし、礼なら本人に言ってくれ」

 

「……分かりました。後ほど本人にもお礼を伝えましょう」

 

「その方があいつも喜ぶしな。……で、止めたこいつはどうする?なんならこっちでテキトーに片付けておくぜ?」

 

「可能でしたら、周囲への被害を出さない安全な形での処理をお願い出来ますか?」

 

「ああ、任せな」

 

空中で停止している弾頭が光ったかと思うと、赤い炎と熱が局所的範囲で広がり、次第に縮小していく。

 

「……ま、こんなもんか」

 

残ったのは、炸裂した破片から宙に広がる煙とわずかな火薬の臭いだけだった。

 

「やはり便利ですね、その力……」

 

「オレもそう思う。工夫次第でこうやって使い方の幅が広がるしな」

 

「……舞夜の容姿でその喋り方は違和感があるのう」

 

「俺も元の姿に戻したいんだが、所持者本人以外出来ねーんだわこれ。だから我慢してくれ」

 

「次の連絡時に舞夜様にお願いしておきましょうか?」

 

「よい、次があるのなら手元に戻しても大丈夫な時だろう」

 

「それもそうですね」

 

「んで、さっきからここでくっちゃべってるけどよ……逃げた相手を追わなくて良いのか?」

 

「それに関してはご安心を。既に追手を送っておりますので」

 

「ついでにワシらに攻撃して来た者らも始末してくれるじゃろう」

 

「ならいいけどよ」

 

「私達もそろそろ動きましょうか。あちらもそれを望まれている様ですし……」

 

「じゃな、影武者のおぬしはどうする?付いてくるか?」

 

「街の方の安全はほぼほぼ大丈夫になっただろうし……だな、最後まで見届けとく。舞夜の奴にも後で見せておきたいしな」

 

「承知致しました。既に裏口に車を手配しております。丁度()()()()なので問題ありません」

 

「ではゆくぞ。あやつの巣穴にな」

 

 

 

 

 

 

 

 

「燈さん、そろそろ帰りますよ」

 

「だぁーー!ちくっしょうっ!あと30秒ありゃ俺が勝ってたのに……!!」

 

「まだ言ってるんですか……、時間制限内に仕留めれなかったから相手が引いたのでしょう」

 

「他の奴らが来なければ俺が仕留めれたはずだ!クソッ……クソクソ……ッ!」

 

身体のあちこちから血を流しながらもそれを気にした素振りも無く地団太を踏む。

 

「相手は最初から撤退込みでの戦闘でしたから負傷を嫌っていましたし、良い経験になったと思って下さい」

 

「ちょこまかと逃げやがって……あー!不完全燃焼だっ!司っ!他にまだ残ってる場所はねぇのか!!」

 

「残念ながら他も全て片付いていますよ」

 

「はあ?一個もないのか?」

 

「ええ、舞夜さんが複数個所を片付けてくれたおかげで他に回せて素早く終わってるようです」

 

「あんにゃろ……俺の取り分を……!」

 

「燈さんの取り分でも無いですからね?それより早く報告へ行きましょう、もしかすると見逃しや残党があるかもしれませんよ?」

 

「……しゃーねぇな、次の出番に備えて俺も服とか綺麗にしとくか」

 

「次があるとは思いませんが……そうですね、その心構えは良いと思います」

 

 

 

 

 

 

「……はぁ、貴方で最後かしら?」

 

「こ……の、ばけもの、め……っ……」

 

「人生最後の言葉がそれになっちゃうけど、いいの?」

 

白巳津川から離れた一ノ瀬家がある街の一角で、めんどくさそうにため息を吐いた九重澪がおり、周囲の地面には事切れた者たちが多数転がっていた。その中でまだ息があるのは目の前に居る男だけだった。

 

「実力的にはまぁまぁだったけど、数だけはそこそこ居たのよね……あなた達。けど、耐えれたのは貴方だけ。……それで、私の質問に答えてくれるかしら?」

 

「だれが……きさまら、に……な……っぐ……」

 

「こういう時に好き勝手頭の中覗ける力が欲しくなっちゃうわね。まぁいいわ、どのみち私はここでもうしばらく居座る必要がある訳だし、のんびりと待たせてもらうわ」

 

地面に倒れている男への興味を無くし、息の根を止める。

 

「さてと、あっちの方は上手く行ってるのかしら?ここでそれなりに通行止めをしちゃったけど……」

 

手元に持っている武器をくるくると暇そうに回しながら、街の方へ視線を向ける。

 

「これが終わったら、次は舞夜を何処に連れて行こうかしらね……ふふ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……まだ着かんのか?そろそろこのアトラクションには飽きて来たのじゃが」

 

「この先には一ノ瀬家が所有している建物があるはずなので、恐らくそこへおびき寄せたいのでしょう」

 

「ふむ……そこで決着を付けようと言うわけじゃな。こんな人気の無い場所まで時間かけよって……」

 

一ノ瀬龍誠の誘いに応じる為に車に乗り、後を追った。あちらの位置を常に把握している為特段急がずに走っていたが、街から離れて行くほどにあちらからの刺客や襲撃が出てくるようになった。

 

運転手席の人間を始末しようとするやり方や車ごと爆破させたり、操縦不能にさせようと多種多様な手段を使ったが、全て無意味で終わっていた。

 

最初の内は面白い物が来たと宗一郎自らが相手をしていたが、次第に手ごたえが無い事を感じてからは幻体のアーティファクトに丸投げしていた。

 

「全く……単に嫌がらせ程度のぬるい攻め方で来よるとは、舐められたものじゃのう」

 

「あくまでもこの先にある場所で……と思いなのでしょう。少しでも削れれば御の字……いえ、こちらを油断させる為に敢えてかもしれませんね」

 

「油断、のう……仮に大量の軍事兵器を持ち出して来ても勝ち目は薄いと思うのじゃが?」

 

「先ほど挨拶代わりと言わんばかりに撃ってきましたし、可能性は充分にあるかと思われます。ですが、あちらもそれを分かっていてもなお、今回の騒動を起こしているのですからこの先で何かしらの切り札を出して来るはずです」

 

「じゃと良いがの。それならまだワシが楽しめる余地があると期待しておこう。後ろの二人もそれで良いか?」

 

「ん?俺は何でも構わねぇから好きにしてくれ。一応、璃玖から舞夜に言ってたお願いを達成する為に働くさ」

 

「私も、それで大丈夫です。ですが……可能でしたらあっちが五体満足だとありがたい、かと……」

 

「ふむ、それに関しては可能な限り善処しておこう。向こうが自滅覚悟で仕掛けてくるのならその保証は出来兼ねんぞ?」

 

「はい、それならそれで構いません。その時は……父へ直接話を付ける方向で行きます」

 

「ほほう?舞夜から聞いてはおるが、随分とやる気じゃのう。興味本位で聞くが、どんな心変わりがあったのじゃ?」

 

「宗一郎様、あまりそう言った事に関して詳しく聞くのは……」

 

「いえ……大丈夫です。心変わりをした……とかでは無く、しようとしている最中が正しいかと自分では考えています。どう転ぶか分かりませんが、今回の件でまやまやが大きく変わろうとしている。私もそれを見習いたい……そう思っただけです」

 

「……なるほど。となると、あやつが起こした騒動はある意味大成功かもしれんな……くくく」

 

「様々な要素が重なり、それが今回偶々実った……が正しい認識かと」

 

「かもしれんの、そのことについて影武者のおぬしはどう思う?」

 

「それをオレに聞くのかよ……あー……まぁ、そうだなぁ……これは舞夜本人が言うのが筋ってもんだと思うんだが……」

 

少し遠慮するように頬を掻いて苦笑する。

 

「―――無駄じゃなかった、これに限ると思うぜ?あくまで記憶を持ってるだけだけどよ」

 

「舞夜らしい言葉じゃな」

 

「ですね、きっとこれまでの世界でも似たような事を仰っていたのでしょう」

 

「まぁな、大将……翔の奴に何か残す為に色々と、な」

 

「今回も、まやまやは何かを……?」

 

「あー……同じっちゃ同じだが……今回のは自分の為にもって言うんか?少し我儘も入れてる感じになるな」

 

「舞夜様ご自身の為に……?」

 

「これに関してはオレの口から言える事じゃねぇから話す気はねぇよ、わりぃな」

 

「いえ、今の言葉だけでも充分です。感謝致します」

 

「何となくそうではないかと思っていたが……やはり今回の一件は今後のあの子にとっての重要な選択になりそうじゃな」

 

「そんな感じが、します……きっとまやまやにとって、良い方向に」

 

「……と、話の途中で申し訳ありませんが、目的地が見えてきました」

 

前方建物が見え、その前には追っていた車が止まっていた。

 

「ようやくか。さて、どんなビックリ箱が出てくるか楽しみじゃの」

 

「油断せずに行きましょう。此処は既に敵地ですから」

 

全員が車から降り、目の前の建物を見上げる。

 

「ここは……何かの実験所か?」

 

「研究所……にも見えますね。大型の装置を保管している建物の造りに似ているかと……」

 

「ふむ、ではワシが先頭を行こう。遅れぬように―――」

 

全員の先頭を歩き始めた宗一郎が後ろの皆にそう呼びかけている途中、突如先に止まっていた車が爆発する。

 

大きな煙と炎を上げ、周囲へ熱と衝撃などを撒き散らす。

 

「……お怪我は?」

 

壮六が全員の安全を確認するが、特に怪我も無く無事だった。

 

「何じゃ?嫌がらせか?それとも何かの合図か……?」

 

「……いえ、皆さんあまり煙などを吸わない方が良いかと。少しだけ薬品の臭いが混じっています」

 

「毒か?」

 

「詳細は分かりませんが、恐らく神経などに作用するタイプかと思われます。少しだけ耐性に効果がありそうな種類もありますね」

 

「ふむ……。一ノ瀬璃玖よ、お主は吸わぬ様に気を付けておけ。影響があっては困るからの」

 

「安心しな。既にオレの方で防いでるからよ」

 

「仕事が早くて助かるわい。もし何かあればワシらに関しては最悪考慮せずとも良い、優先順位を下げておけ」

 

「あいよ、余裕があったら回す程度にしておく。と言ってもこのくらいじゃ苦じゃねぇけどよ」

 

「それじゃあ、行くとしようかの」

 

入口と思われる大きな扉を開け、中へ入る。

 

「どうやら、おぬしの予想が当たっている様じゃな」

 

中に入ると、一本の通路のみがあり、その先にはエレベーターのドアが見えていた。

 

「本題は……地下という事じゃな」

 

「構造的に考えて、地上は電力などを補っているかと予想できますが……」

 

「よい、折角の催しじゃ、壊してしまっては楽しめんじゃろ」

 

「……承知いたしました。ではこのまま行きましょう」

 

エレベーターに乗り込み、一ヶ所しか行き場のないボタンを押す。

 

少しの間下へ動く感覚が続き、目的の階層まで到着する。

 

「着いたか」

 

開かれたエレベーターから出ると正面にはガラス製の扉があり、中は広場になっている様に見える。

 

「……何やら広い空間に出そうですね」

 

「決戦の場を用意した……とも少し違う様にみえるの」

 

「オレには罠にしか見えねぇな」

 

「確実に罠だと思う……多分叔父さんもそこに居ると思うけど……」

 

「満場一致の意見じゃが……それでも敢えて乗ってやろうではないか」

 

ガラス製の扉を開け、中へ入る。

 

そこにはドーム状に広がる空間があり、反対側の扉の前には一ノ瀬龍誠が立っていた。

 

 





最後の戦い?が始まります。

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