9-nine- ―最高の結末を追い求めて―   作:コクーン√

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翔と買い物編

私はプラモデルとかその辺りの知識はゼロなので何となくで調べて書いています。
もし変な箇所はあれば修正致しますので、どしどしと。




第6話:『あなたの趣味は何ですか?』と聞かれて答えるのって難しくないですか……?

 

 

ピンポーン。

 

平日の学校のターンが終わり休日の土曜日、以前新海先輩と約束していた買い物の日が訪れ出発する為に部屋のインターホンを押す。

 

「はいー……」

 

中から返事をする声と、玄関を開ける為にこちらに向かって来る足音が聞こえ、すぐにドアが開かれる。

 

「おはようございます。お出かけの準備は出来ましたか?」

 

「おはようさん。おう、ばっちりだ」

 

靴を履き、部屋から出て鍵を掛ける。

 

「んじゃ、行くか」

 

「はいっ、レッツゴーです」

 

マンションから降りて目的地へ向かう。

 

「今日は絶好のお出掛け日和になりそうですねぇー」

 

「この天気なら雨の心配とかも無さそうだな」

 

「天気予報では降水確率はゼロでしたのでご安心を。梅雨に入るのも来月でしょうし」

 

「なら安心だな」

 

「ところで、今日の買い物の場所?お店はどの辺りになりますか?」

 

プラモデル?が売ってあるお店に行くことは聞いているのですが、その場所は完全に先輩任せだったのであまり詳しくは聞いてない。

 

「ん?一つ隣の駅まで電車で乗ってから少し歩いた場所にある感じだな。確かそこが一番品揃えが良かったんだよ」

 

「ほうほう……」

 

白巳津川にも物自体は売っているお店はあったけど、確か駅近くのショッピングモール内の玩具コーナーだったからあまり期待薄なのかな?

 

「今の時代、ネットで大抵は買えるけどな。けど今回はちゃんと実物を見ながら考えようって訳だ」

 

「なるほどー……そっちの方がイメージやら意欲は湧きそうですねぇ」

 

インターネットでも箱やら完成系の写真は載せられてるけど、自分の目で見るってのは確かに重要ではある。

 

「そんな感じだ。つーことで取り敢えず駅に向かうぞ」

 

「了解です!」

 

新海先輩の横を歩きながら適当な雑談をしつつも駅に着き、改札を通る。

 

「そえば、火曜日に一年の歓迎会があるけど九重は平気か?」

 

「と、言いますと?」

 

「こういった学校行事ってあまり詳しく無いだろ?大丈夫なのかねってさ」

 

「ふむ……お気遣いありがとうございます、ですが……無問題ですっ!既に対策済みですので」

 

そういう風に言って来るって事は、やっぱり私から多少なり聞いてる感じだよねぇ~。

 

「対策……?」

 

「ええ、先日澪姉と一般的なドッチボールの練習を行いましたのでルールなどの把握はバッチリです」

 

「なんか……九重の一般的と俺の中の一般が一致してるか不安だなぁ……」

 

「む、失礼な。動画などでも事前に調べてますし完璧ですよっ」

 

「本当かぁ?」

 

冗談交じりの揶揄う表情でこちらを見る。

 

「そこまで言うのでしたら、当日をお楽しみにしていて下さいね!万が一交流戦で先輩のクラスと対戦になったら私が先輩をボコボコにしてあげますから!」

 

「いや、男女で別だから無いだろそれは……」

 

「では私が男子枠で参加します!」

 

「男子の中に一人女子を混ぜるって……非難殺到しそうだな」

 

「なんですかっ!差別ですか!!女性差別ですか!?女は男に劣るって言いたいのですか!!」

 

「どこがだよ……どっちかって言えば区別だろうが。……でもお前なら相手が男子でも大したハンデにならないだろ?」

 

「こんなか弱い乙女になんてことを……モラハラ?セクハラ?……ですよっ!」

 

「分かってないなら無理して使うなよ……」

 

私の言葉に呆れた笑いを浮かべながら到着した電車に乗り込む。

 

「あ、因みになのですが……本日の軍資金はどの程度をお考えで?」

 

「ん?あー……今回はあまり高いのは買うつもりは無いが……頑張っても上限は5000円、かもしれん……多分な」

 

「ふむふむ、でしたらその値段内で色々と探してみましょうか」

 

「おう、久々だし手頃なのにするつもりではあるけどな」

 

「手頃……ピンキリなのですか?プラモデルって……?」

 

「俺もどの位かって言われると詳しくないから分からんが……高い奴はとことん高くなっていく感じだ。その分クオリティも良いけどな」

 

「へぇー……フィギュアとか以前に見た事はありますが、三万とかしていましたね」

 

「さっ……!?学生の俺には到底届かん値段だな……」

 

「やるとするならお年玉で臨時ボーナスが入った時とか?」

 

「かもな……。その時はゲームとか買ったりするかもしれないけど」

 

「ゲーム……あれですか?狩りゲーですか?」

 

「あー……確かにあれの新作が夏ぐらいに出るって聞いたなぁ。今の所買う予定は無いけど。九重はそういうのやったりはしないのか?」

 

「んー……、あまりそう言った娯楽に時間は使ってはいなかったのですが、知人からの知識としては知ってはいます。……が、実際にはやったことはありません」

 

璃玖さんがパソコンとかゲーム機でやってるところを横で見たりはしたことはあるけど……。

 

「興味あるなら今度貸そうか?やってみたら面白いかもしれんぞ?」

 

「私が、ですか……?」

 

「そう、結城とか誘って一緒にやってみたらどうだ?」

 

「結城先輩と……」

 

結城先輩の枝で二人がやっていた奴だよね……?

 

「ですが私初心者ですし、一緒にやってストレスになりません?イラついた結城先輩に砲撃で吹っ飛ばされたり……」

 

璃玖さんから聞く話でも洗礼として受けるとか聞いた事あるし……。

 

「いや、流石にそこまでは……、よほどじゃなければされんだろ……多分舌打ちまでだ」

 

「結城先輩に舌打ちさせるなんて……っ!一生引き摺る自信がありますよっ!!」

 

そんなことされたら……いやでもちょっとされてみたいかもしれない……?

 

「もし一緒にやるのならしっかりと学んでからお供させてもらいますから……!」

 

「んな気負いせんでも……」

 

「いえ!!足を引っ張るなんて私の安いプライドが許さないので……!!」

 

「自分で安いって言うのかよ……」

 

「ゲーム内の武器はどの様なのがあるのですか?」

 

取りあえず会話を繋ぐ為に質問を投げる。

 

「結構あるぞ?俺が使ってるのは太刀だが、これは結構かっこ良くて火力も出る。それを大振りにした感じなので大剣ってのもある。小回りの利いた片手剣、手数で攻める双剣とかだろ?ガードとか守りに主体のもあるし、サポート向けのとか……あと遠距離の銃とか弓もあるな」

 

「あー……なんか見た事ありますね……」

 

弓とか見て、『あーこれ、七瀬さんとか使いそうー……』とか思ったっけ?

 

「最初は自分に合ったのを見つける為に色々と使って見るのが良いかもな」

 

「覚えるのが多そうですねぇ……」

 

「最初はそうかもな。でもやっていれば自然と勝手に覚えているもんだぞ?」

 

「武器とかは倒したデーモンの素材から作るんですよね?」

 

「だな。デーモンごとに素材が違うから目的の相手を倒しに行く必要もあるし、敵によっては有利な属性とか不利な属性もあるから作る武器も重要になる」

 

「なるほどです」

 

会話を続けながら隣駅に止まった電車から降りる。

 

「先輩は確か300時間ほどされてるんですよね?」

 

「おう……よく覚えてるな」

 

「そのくらいやってどの程度まで進んだのですか?」

 

「まぁ……クエストは全部開放してるだろー?作りたい武器は大体作ったし……あとはどれだけやり込むかって感じだな」

 

「必要なストーリーは終わってる感じなのですね」

 

「そんなとこだな」

 

ふーむ、璃玖さんもそこそこやり込むタイプだったけど、どっちが凄いのだろうか?やってない私からしたら同じに思えてしまう。

 

「興味湧いて来たか?」

 

「んー……少し?ですかね?皆さんがされてるのでどんなのかなと気になる程度には……」

 

「それなら今の買い物が終わったら俺の部屋に来るか?そこで試しにやってみてから考えるのはどうだ?」

 

「まぁ……折角のお誘いですし、一度体験してみるのも経験としてありかもしれませんね。……因みになのですが、他の枝ではどうだったのですか?」

 

「あー、特にそう言ったのは無かったと思うぞ?こうやってのんびりとしてる暇が無かったと言えばそれまでだし……」

 

「……ですね」

 

きっと考える余裕すら無かったはずですし……。

 

「だからこの枝では手を出してみるってのが今回の目的だしな。九重もしてみると良い」

 

「あー……うー、そうですねぇ……一度持ち帰って検討しても良いですかぁ?」

 

「お前はビジネスマンか何かか……」

 

「そう言うわけでは無いのですが……色々と確認しないといけないのでぇ……主に実家に」

 

おじいちゃんや壮六さん辺りに確認とか許可取らないといけないし……。

 

「そうなのか……。無理にとは言わないけど期待してる」

 

「多分大丈夫だと思いますのでご安心を。踏むべき段階が存在する程度なので」

 

「了解。っと、着いたぞ。ここだ」

 

駅から数分歩き、大通りから一つ離れた場所にあるお店。パッと見て大きなお店では無い様だけど……。

 

中に入ると狭い通路が幾つもあり、その両脇の棚には高く聳え立つほどの箱が大量に積まれていた。

 

「おぉー……っと、その前に……」

 

スマホを開き、今日の目的である現在地をメッセージで連絡する。……これで良しっと。

 

ポケットに入れて改めて店内を見渡す……壮観、って言うのが似合うのか分からないけど、お店に限界まで商品を集めましたって感じがありありと出ている。

 

「凄いですね、店内にこれ程の商品を内包してるとは……」

 

「だろ?趣味好きの人には堪らないらしいぞ」

 

「なんか玄人って感じのお店ですし、お店の人もプラモデルが好きなんでしょうね」

 

一族の中にも自分の趣味の部屋や倉庫を持っている人も少なくない。そこと似た空気を感じる。

 

「取り敢えず色々と見て回るか」

 

「お付き合いしますねー」

 

始めは特にこれとは決めずに店内をブラブラしながら商品を見て行く。

 

「うお、こんなのもあんのか……良いな、これ」

 

棚に置いてある商品を手に取りパッケージを眺めている。よく分からないが、黒っぽい赤色のロボット?機体って言うのだっけ……?それを見てワクワクした表情を浮かべている。

 

「……うげ、たか……」

 

その顔も直ぐに歪み、元の棚に戻していく。……どうやらお高かった様だ。

 

「やっぱ良い奴は高いんだなぁ……」

 

引き続き同じコーナーの商品を見て行く。

 

「今回の狙いはどの辺りをお考えで?」

 

「ん?……ああ、この辺りのコーナーからと思ってるが……」

 

という事は人型?のロボットになる感じですね。

 

試しに適当に目の前にあった商品を手に取ってみる。

 

「………」

 

パッケージに書かれているロボットは、白をベースの背中に翼みたいな機械が付いてあるなんとも難しそうな物だった。

 

「ポキッて折れそうだなぁ……」

 

「それに興味があるのか?」

 

私が手に持っている商品を見て先輩が声を掛けてくる。

 

「あーいえ、何となく手に取っただけですが……どういった物なんですか?これは……」

 

純粋な疑問として聞いてみる。

 

「確かそれはシリーズ作品の一つで主人公が乗っている機体だったはずだ。背中の翼が開いたり、モードによっての武器を変えれたりもするみたいだな」

 

「ほぉー……着せ替えみたいな感じですね」

 

昔澪姉のぬいぐるみにも似たような機能があった気がする……。

 

「着せ替えって……まぁその通りだが」

 

「ではフォルムチェンジ……?」

 

「それも違うが……まぁいいさ」

 

「カタカナや英語文字が並んでて難解そうですね」

 

買う気が無いのをいつまでも手に持ってるのも忍びないので棚へ戻す。

 

「何か気になった物とかあったか?」

 

「あまり見ていないので特には……正直何が何だか分かっていません」

 

私には大量に積まれている箱たちにしか見えない。更に追加するのなら地震が起きたら大変そうだなぁ……とか。

 

「他にも武器とかのもあるし、そっち見てみるか?」

 

「あーいえ、お気になさらず……と言いますか、仮にも女の子に最初に勧めるのが物騒な得物なのは如何な物かと……」

 

「いや、九重って人形とかぬいぐるみよりもそっちの方が興味ありそうなイメージだったが……違うのか?」

 

「……まぁ、その通りなので否定は出来ませんが」

 

「やっぱり。そっちも見てみるか」

 

「私では無く先輩の為に来ているのでそっちを優先した方が……」

 

「大体の目星は付けたから気にすんな。それに俺も気になるしな」

 

スタスタと進んで行く先輩の後を追う。

 

「スケールは小さめだけど、それなりにはあるんだな」

 

先輩に追いつき、商品棚を見るとさっきと比べるとかなり小規模ではあるが、有名な武器が色々と並んでいた。

 

「へぇー……こんな感じなのですね」

 

試しに手前にあった拳銃の箱を手に取る。

 

「知ってるやつなのか?」

 

「まぁ、一応……実際に組み立てた事もあるやつですね」

 

過去に何度か実際に使う武器の構造を理解する為に手にしたことはある。

 

「……何を?とは聞かないでおくわ……」

 

「あはは、同じ手順では無いと思いますけどねー」

 

私の返事に苦笑いをしながら先輩も近くに在った箱を手に取る。

 

「これは……マグナムか?なんか思ってたよりも結構おもちゃっぽい色合いなんだな」

 

そう言って私に見せてくる。

 

「まぁ……確かにそういう風に見せてると思いますよ?それに、玩具っぽい方が良いと思いますし」

 

「そうか?リアルに寄せた方が良いと思うが……いや、似すぎると危ないか」

 

「ですです」

 

「なんか種類によって色も変なのがあるしな」

 

次に見せて来たのはなんともド派手なカラーをしたサブマシンガンやスナイパーライフルだった。

 

「こんくらい変なら直ぐにおもちゃって分かるか」

 

「んー……ですが、本物にも似たような色をした銃とかもあったりしますよ?」

 

「え?マジで……?こんな馬鹿みたいな色がか?」

 

「はい、私が知っている人にも黒やシルバーでは無く自分の好きな色一色に特注で染める人も居ましたし……」

 

「それはなんだ?個性を出すとかか?」

 

「んまぁ……そんなことです」

 

実物から離すことで武器を持っていると言う現実感を少しでも和らげる為とかだったけど……これは言う必要は無いよね。

 

一族の中にも人を殺すと言う行為にそれなりの拒絶反応が出るなど個人差はあったし……その為に暫定対策みたいなものかなぁ?

 

私はそういった悩みは無かったけど、過去にそれで強くなるのをリタイアした人もそれなりに見てはいる。血や人の中身を見てでは無く同じ人間を殺す行為自体に反応するみたい。

 

そう言う意味では私は最初からその壁が取っ払われた状態だったって訳だ。まぁ当然と言えば当然だね。

 

「九重はどんなのが良いとかあるか?」

 

「私ですか?んー……そうですねぇ……」

 

先輩に聞かれ棚に並んでいる箱を見て行く。

 

「個人的には銃より刃物系を推す、とかでしょうか?」

 

「あー……なんかそのイメージあるわぁ。九重って近接戦闘って感じだし」

 

「多分これまでの枝で散々見てきたかと思いますが、そんな感じです」

 

「籠手とか"それ"を使ってたしな」

 

先輩の視線が私の髪留めで止まる。

 

「いやん、そんな視線を向けないで下さいな?」

 

恥ずかしがる様に身体をくねらせる。

 

「ってなるとこういうのとかはどうだ?」

 

「ん?って、ミリタリーのやつですか。よく聞く武器ですね」

 

「漫画とかアニメで軍人とかが使ってる見た目のだが」

 

「便利だと思いますが……あまり大きなのは好きじゃないんですよねぇ、嵩張りますし」

 

小柄な体だし、なるべくコンパクトな物が扱いやすいしね。

 

「そう言う物なのか?」

 

「なんと言いますか……用途が違うって言うんですかね?サバイバルとかなら必要になりますが……正直なところ、武器より素手の方が強いですし」

 

「やべぇ発言だなそれ……。てか違う違う。強いとかじゃ無くてだな?もし九重が作るとしたらどんなのが良いかって聞いてる」

 

「そう言えばそうでした!これは失敬っ」

 

「特に無いなら他のも見てみるか?」

 

「んー……そうですね。少し馴染み深いので他のが良いかと思います」

 

「馴染み深いって……まぁそうか」

 

銃や刀などが置いているコーナーから離れて次へ向かう。

 

「ここは……建造物、ですか?」

 

「だな。城とかの建物だな」

 

なるほど、過去や現代にある歴史ある建物のプラモデルだね。思ったよりも細かそう……。

 

「そう言ったのにはあまり詳しくはありませんが……」

 

任務先で見かけた程度の知識しか持ち合わせてはいない。

 

「なら乗り物とかはどうだ?」

 

「乗り物……」

 

隣のコーナーには車やバイク、船やヘリ……戦闘機なども置いてあった。

 

「……あ」

 

何となく見ていると、あるパッケージが目に留まり、つい手に取る。

 

「何か気に入ったのか?」

 

「あ、いえ……ただ澪姉が乗っているのと同じ車だなと思っただけです」

 

「お姉さんのか。結構高そうな奴に乗ってんだな」

 

「私も詳しく分かりませんが、良い物みたいです。休日の買い物など出かける時によく乗せて貰ってます」

 

車以外にもバイクも乗っていたけど……黒い変な車種。

 

「なら試しにそれとか買ってみたらどうだ?」

 

「……へ?」

 

先輩の唐突な言葉に変な声が出る。

 

「それは、つまり……私がこれを買って作るって事でしょうか……??」

 

「そうなるな」

 

「突然どうしたのですか?」

 

「いや、折角来たんだし九重も挑戦したりしてみないか?という俺からのお誘いだ。さっきのはゲームもそうだが、趣味づくりの一環だな」

 

「趣味作り、ですか……」

 

「ああ、今までやったりする機会も無かったんだろ?これを機に一緒に試してみないか?意外とハマるかもしれないぞ?」

 

「その為の娯楽探し……と言うわけですか」

 

「……と言うのは建前で、一人でやるのは少し寂しい。せめて誰かと同じ苦労を語り合ってみたい……てのが本音だ」

 

少し気まずそうに頭を掻きながら視線を逸らす。……なるほど。

 

「もしかして、最初から私にもプラモデル作りをさせる魂胆だったんですか?」

 

「……バレたか?」

 

「まぁ、ここまで来れば流石に……」

 

「なら隠す必要も無くなったな。九重も一つで良い、一緒に作ろうぜ?」

 

「私では無く他の人の方が良いと思いますが……結城先輩とか好きそうですし」

 

「そこはほら……頼みやすさってあるじゃん?」

 

私が一番気楽と……。確かに結城先輩の場合だと出来上がり品を飾る必要がありますし、親御さんと何かしら起こる可能性が出て来るかもしれないですね。香坂先輩は……他に買う戦利品が沢山ありそうですしね。金銭面でも気軽に誘えるって点では楽と言えば楽かも?

 

「……承知致しました。この九重舞夜、先輩のご趣味にお付き合いしましょう!」

 

「よく言ったっ」

 

「それに、今日は先輩のガラスのハートを傷つけた罰を受ける日ですからね!断れませんよっ」

 

「いや……それを振りかざして無理矢理する気は無いからな?」

 

「大丈夫です!ちゃんと分かってますって。先輩にはそんなつもりは一切ございません、私が勝手に負ってるだけ……ですよね!」

 

「俺が加害者みたいな言い方だろそれ!」

 

「あははっ、それでしたらもう少し見て回っても良いですか?他の物も見てみたいので」

 

「おっけー、好きなだけ見て行ってくれ。因みに今日は幾らくらい持って来てるんだ?」

 

「財布にですか?んー……確か一、二万程度はあったはずなので大丈夫だと思いますよ?」

 

「なら平気か」

 

と言っても……何をお試しにすれば良いのだろうか?あまり細かい手作業って苦手なんだけどね……。これを機に克服してみるって形でやってみるのも悪く無いかもね。

 

ゆっくりと棚の商品を眺めながら進んで行くと、種類が変わり今度は生き物……動物などのプラモデルが出て来た。

 

「へー……恐竜とか昆虫ですか……ほんと色々なのがあるんですねぇ……」

 

その横には人間……アニメなどのプラモデル、フィギュアって言った方が良いのかな?それらが並んでいた。

 

「動物か……恐竜とかの骨のイメージが強いけど、普通のもあるんだな」

 

隣の先輩も普段見ない生き物などの箱を手に持ち、不思議そうに見て行っている。

 

「……ん?なんだ、この動物……?」

 

「どうかしたのですか?」

 

陳列している商品を左から右へと見ている先輩の足が止まり、声を出す。

 

「あ、いや……知らない生き物が居たからさ……九重は知ってるか?」

 

そう言って箱を取り出して私に見せてくる。

 

「それですか?確か『ぱんにゃ』って名前だったかと……」

 

「ぱんにゃ……?こんな奇妙な動物がいるのか……」

 

「私も澪姉の部屋でぬいぐるみとして見ただけなので実物を見た事ありませんが、『うりゅー』って鳴くそうですよ?」

 

「まじかよ……」

 

困惑したまま棚へと戻していく。

 

その後も一通り店を見て回り、結局さっきの車のプラモデルを買う事にした。出来上がったら澪姉にでもプレゼントしよう。

 

商品を買ったのなら、当然それを作っていく道具も必要という事になり工具コーナーで必要な物を買う事にした。今回は初心者でも出来るようにそこまで難しく無いのでニッパーやナイフ、ヤスリやカッター、安全面でカッターマットも買う事にした。

 

「んじゃ、帰るか」

 

「はい、帰還しましょう!」

 

予定より大きな袋を携えながらも、来た道を戻ることにした。

 

 





デモハン……きっとデーモンハンターだと信じてるぞ……!DHXXとかだろうか?二つ名デーモンが居るっぽいし。
現実ではもう少しでワイルズ発売かぁ……。

お店に一緒に来た翔は、女の子と一緒に来ていると多少の優越感を感じている……はず!!年頃の男の子ならあると思います!

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