翔視点。
次週の休日から始まります。回想もあるよ。
ちょっと、禁足地で狩人を営んでいたら三月も半ばになっていました……w
弓が快適過ぎてやることが無くなり、四月のアプデまでのんびりと続けることになりそう。
「もうすぐ待ち合わせ時間か……」
スマホのデジタル時計で時刻を確認してからポケットへしまう。
今日俺は、この枝に来た目的の為に、まずは九重の実家との繋がりを持つまでに必要な協力者と会う約束をしていた。
「そろそろ、俺自身も動かないといけないな……」
新入生歓迎会の他クラスのドッチボールを眺めながら先日の事を思い返す。
九重に趣味作りの一環として試しにプラモデルやゲームなど勧めて見たが、好感触にはならずまずまずの結果で終わった。最初としては悪くは無かったと思いたいが……如何せんあいつの趣味趣向がよく分かってない。
それに合わせて、そろそろ実家とのコンタクトも取らないといけないだろう。確か夏までには実家絡みのいざこざが起こるはずだからそれを止める必要もある。
とは言ってもなぁ……バレずに密かにって、むずくねぇか?
最悪直接乗り込んで言うしかないが、それは最終手段にしておきたい。それまでに何か考えとかないとな……。
「………」
そんな事を考えながらボーっと対戦を眺めていると、片側のクラスの男子生徒が投げられたボールを上手く躱し続けてるのが目に入った。
『すげぇな……』と何とも単純な感想を抱きながらも見ていると、どうやら相手の男子達から集中砲火を受けていた。しかも度々『くたばれ!』とか『死ねやクソイケメンがぁ!』と私怨としか思えない暴言と共にボールが飛び交っていた。
何度かそのやり取りをした後に、集中砲火を受けていた男子が疲れて来たのかボールを避けれずに受け止めようとして失敗する。それによって相手側の男子から喜びの声が上がった。……いや、味方からも上がってるなあれ。
「どんだけ恨み持たれてんだよ……」
退場した男子生徒に同情しつつも苦笑いをしていると、近くに座って居た与一も満足そうに頷いていた。
「お前もかよ……」
「当然だねっ!」
「あそこまでって……何かしたのか?」
「翔知らないの?」
「知らん。なんかイケメンだから僻まれてる様にしか見えなかったが?」
「その通りだよ!あいつ、女子から結構人気なんだよ……!許せないよね!」
「マジでただの妬みじゃねーか……」
「翔には分からないよ!なんかいつの間にかに九條さんと仲良くなってるかと思えば!三年の先輩とか、後輩の女の子とも仲良くなっててさ!!いつの間にそんな交流を築いたの!?僕にも教えてよっ!!」
「あー……なんか気が付いたら?」
「あといい加減僕にも紹介して!一人頂戴っ」
「しつこいし、ほっんとクズな発言だな」
「今は周りに翔しか居ないからね!」
「そんな奴には絶対に……いや、一人なら紹介出来るぞ?」
「えっ!?ほんとのまじで!言ってみるもんだね!どんな子!?」
「落ち着け。まぁ、どうなるかは相手次第だが……一個下だ」
「後輩かぁ……ってなると、あの黒髪の子だよね?」
「……だな」
何度も言って来る与一にちょっとした嫌がらせを思いつく。『確か、他の枝で九重は毎回与一の誘いを振っていたな……』と。
「で、で!いつ紹介してくれるの?今日?明日?」
「だから落ち着けって。そうだなぁ……近い内に話は通しておくから決まったら教えるわぁ」
「絶対だからね?やっぱ無しとかされた日には翔のあることないこと言い触らすから!」
「はいはい。あくまで紹介するだけだからな?そこから先は知らんぞ?」
「そこは分かってるって!いやぁ~持つべきは女の子の知り合いが居る友達だよねぇ」
女子と知り合えるとウキウキした様子で笑っているが……その結末がどうなるかは安易に想像できる。経験的に……与一、頑張れよ。
「一年で誰も唾つけて無さそうだしー、多分まだ四栁君の事も知らないでしょ」
「四栁……?」
与一から何か聞き覚えのある言葉が聞こえ、思わず聞き返す。
「翔ってば本気で知らないみたいだね。さっき言ってたモテてる奴だよ。なんかクラスの女子の相談事とか聞いたりしてるみたいで人気なんだよねー……捥げれば良いのに」
「そいつって……下の名前なんて言うんだ?」
「え?司って名前だけど?四栁司」
「……マジか」
四栁司……確か他の枝でゴーストが九重の実家で協力してもらっていた内の一人だ。さっきはあまり意識して見てなかったが、思い返してみれば知ってる顔だ。
「……ナイス、与一」
「え?何が……?」
「お前のおかげで思ったより簡単に行けそうだ」
「なんの話?後輩ちゃんの紹介の……?」
「そっちはまぁ……連絡は取ってみるさ」
「忘れた!とかは無しだからねっ?」
「分かってる分かってる」
「振りじゃなくてマジだから!」
「ちゃんと話は通しておくから安心しろ」
「あっ、ついでにその子の趣味とかって知ってる?好みとか?ほら、事前に知ってた方が話しやすいじゃん?」
「知らん」
「へ?いや、またまた~……」
「食べるのが好きなんだろうな……程度にしか俺も知らんぞ」
「えぇ~……つかえな……」
その後も与一の質問にてきとうに返しながらも、先ほどの事について考えていた。
次の日、試しに九條に四栁司の事を聞いてみると、すんなりと情報は手に入った。誰にでも好印象を持たれている良い奴らしい。
取りあえず休み時間にクラスへ向かい、話しかけてみる事にした。
「すまん、四栁司……で良いよな?」
「はい、そうですが……どうしましたか?」
席に座ってる状態でこちらを見上げる。
「えっと……そうだな、俺は新海翔。二つ隣のクラスだ」
「新海さんですね、何か私に用が……?」
「そうなる、な……相談……みたいな物なんだが……」
「もしかして、ここでは話しにくい内容とか?」
「ああ」
周囲に聞こえない様に声を下げて近づく。
「九重舞夜の事で相談がある」
「………、分かりました。お昼休みに……そうですね、男子トイレとかどうでしょう?」
九重の名前を出すと、ほんの一瞬だったが反応を示す……が、すぐに元に戻る。
「それで頼む」
「それじゃあ、また後で」
「ああ、邪魔した……」
用事が済んだのでさっさと自分のクラスへ戻る。
……さてと、これでスタートが出来そうだがどこまでバレずに行けるか……。
天や九条達にも九重の気を引いて貰う必要が出て来るかもしれないな。
「お待たせしました」
昼休みになり、与一に一言断ってから男子トイレに向かった。中には誰もおらず、待っていると直ぐに四栁は来た。
「すまん、昼休みを使わせて……」
「いえ、何やらややこしそうな内容だと思われますし……それに、舞夜さんには知られたく無さそうに見えましたので」
「その通りだな、ありがとう」
俺の様子から雰囲気を察してここを指定したのか……。
「先に質問しても大丈夫ですか?」
「ああ、答えられることなら」
「一応、既に舞夜さんから貴方達の戦いが無事終えた事を聞いております。新海さんも私の事をご存じなので、他の世界……枝で何かしらの縁が出来ている……で大丈夫ですね?」
「それで大丈夫だ」
「私の事について何か聞いてたりは?」
「いや、個人的な事については全くだな。九重の協力者で俺達側の事情も知ってる人ってくらいだ」
「なるほど……分かりました。ありがとうございます。では相談と言うのは……?」
「九重にバレずに、九重の実家と接点を持ちたい。実家の人達と話し合いの場を作りたいんだ」
「舞夜さんのご実家と……?」
俺は四栁に簡単に事情を説明した。他の枝で夏頃に大きな事件が起きる可能性が高いこと、それを九重に知られることなく片付けたいことを。
「……夏に。舞夜さんからはそう言った話は聞いておりませんね」
「俺が話して無いからな」
「何か理由が?」
「他の枝の九重にそう頼まれてる。詳細は話せないが……そうだな、九重の為だと思ってくれて良い」
「ふむ……そうですか」
俺の言葉に少し考える。
「……分かりました。何となくの事情は知れたので、受けましょう」
「……俺が言うのもなんだが、良いのか?」
「ええ、舞夜さんから何かあった時は新海さんの言葉を第一に聞いて下さいとお願いされていますので。例えそれがどんなに意味不明な内容であっても……と。きっと、今がそれなのでしょう」
「……すまん、助かる」
すんなりと受けてくれた相手に頭を下げる。他の枝で本人から聞いていたが、本気でそうなんだと改めて知った。
「いえいえ、礼には及びません。とは言っても私が仲介役を買って出るわけでは無いのですが……」
「……どういう意味だ?」
「私よりも適任の人……人達が居られるので、そちらにお願いするのがよろしいかと」
「適任者……?」
「はい、久賀三花さんはご存じでしょう?玖方女学院の生徒の」
「あ、ああ……知ってる。その人が?」
「正確には妹の二葉さんですね。機会があれば九重家の方に遊びに行かれることが多いので、怪しまれにくいかと」
「……やっぱり、気づかれるのか?」
「私だと不審に思われる可能性が高いですね。行く時は正式な手順と内容を事前に伝えてから向かってるので……手間も時間も掛かりますし……」
「あまりピンと来ないが……そっちも色々とあるって事で良いのか?」
「説明を放棄するとそうなりますね。以前でしたらまだ大丈夫でしたが、今は集まる理由がありませんので」
以前……多分、アーティファクト関連。つまり俺達に関わる内容なのだろう。それが終わった今は気軽に足を運べないと。
「分かった。それじゃあ、その玖方の方と連絡を取ってみる」
「それが良いかと思います。三花さんは一年生ですが……貴方のご友人に二年生が居るので何とかなるかと」
「ああ、これなら……」
いや、待てよ。結城って確か学校じゃあまり……。
「……無理そうだったらまた相談しても良いか?」
「……ええ、その時はまた来てください」
弱腰の俺を見て苦笑を浮かべる。
話し合いを終え、お互いに少しずらしてからクラスへ戻る。
……まずは、結城に連絡をしてみないとな。
席に戻り、スマホを操作している俺に与一が話しかけてくる。
「ねぇ、翔ー。昨日の話ってまだー?」
「あー?昨日の話って?」
「もう忘れてるっ!?ほらっ、後輩の子紹介してくれるって言ってたやつ!」
「あー……あれか、もう少し待ってくれ。今は別件で忙しい」
「忙しいってなんさ。戻って来るなりスマホポチポチ触っててさ、誰と連絡してるの?」
「ちょっとな……」
「僕には分かるよ、女の子でしょ!」
「まー……そうだな」
「ほらやっぱりっ!誰なの!紹介してっ!」
「無理、学校違うし」
「違う学校!?どこ?」
「玖方」
「玖方の子かぁ~……って、なんで翔にそんな学校と知り合いが居るのさ!!」
「別に大した理由は無いって。それにお前も玖方で知り合いの女子くらい居るだろ?」
「まぁ、居るには居るけどねっ、ちょくちょく会ったりもしてる。で、学年は?名前は?」
「知ってどうすんだよ?」
「興味本位、知ってる子かなって」
「同じ二年だ。名前は……個人情報だから言わん」
「ちぇー、ケチだなぁ。いいじゃん名前くらい」
「どうせ言っても知らない相手だから無意味だ」
「言ってみないと分からないでしょーが。……はっ、もしかして、本当は翔の中だけの妄想だったりして……」
「居るわ、ちゃんと実在しとるわ」
「なら良かった。可愛い子はちゃんと居るんだね?」
「紹介はしないけどな」
「……翔がホモだって言い触らしてやろっと」
「おまっ、割と洒落にならないやつだろそれ!」
「これなら翔と付き合う可能性は無くなるよねっ」
「よねっ、じゃねーよ!社会的に死ぬわっ」
「その分だけ僕に回ってくる可能性が上がるならやるだけ得でしょ」
「その時はお前だけはやめとけって言っとくわ」
「はぁ?酷くないそれっ!」
「先にお前から言い出しただろうが」
「翔がさっさと紹介すれば良いだけじゃん!」
お互いに言い合いながらも昼飯を食べ、その合間に結城と連絡を取る。……一度直接会って話すか。
その日は天達に九重を連れて出掛けて貰うか、一カ所で遊んでてもらおう。念の為に……。
と、今週の出来事を振り返っている間に結城が到着した。
「お待たせ。……もしかして、待った?」
「いいや大丈夫、なんなら五分前だ」
恋人みたいなやり取りだな……と思いつつも、待ち合わせをしていた結城にそう返す。
「それじゃあ行きましょう。方角はあっちで良い?」
「おう、そっちだ」
一先ず目的地へ向けて歩き出す。
「今日は九條さんや天、それに春風も舞夜と一緒に遊んでいるそうね」
「だな、そうなってるはずだ」
「そして私は別行動……しかも秘密裏にあなたと」
「すまん、折角皆で遊ぶ機会だったのに」
「気にしないで、あなたの方が先だった。それに……何か理由があるのでしょう?」
「ああ……詳しくは着いてから話す」
「了解。……もしかして、愛の告白とか?」
「はい……?」
結城からの突然の言葉に素で聞き返す。
「……冗談、なんだか緊張してる感じがしたから、和ませようとしただけ。聞かなかったことにして」
「急なことでめっちゃ驚いたわ……結城もそんなアホな事言い出すんだな」
「アホ……ッ!?……アホに思われた……」
俺の返しにあからさまなショックを受けた顔で固まる。
「うそうそ、結城なりに気遣ってくれたんだろ?ありがとな、次も期待してる」
「……次はもっと笑わせれることを言える様に努力はしてみる」
「ははっ、楽しみにしてる」
少し悔しそうな表情を浮かべた結城と一緒に街のカラオケ店に入る。
「予約は事前に済ませてるから部屋に入るだけで大丈夫だ」
「場所は……四階ね」
エレベーターに乗り四階へ向かう。
「423号室……423……お、ここだな。俺は先にドリンクバーで飲み物淹れて来るわ」
「それなら私も行く」
「おっけー」
ドリンクバーでジンジャーエールを淹れて部屋へ入る。
「よっと……」
テーブルに飲み物を置き、ソファに座る。
「さてと……取りあえず、今日は俺の話に乗ってくれてありがと」
「九條さん達ではなく、玖方の私だからこそ頼みたい事なのでしょう?聞かせて」
そう言って自分のカップを一口飲む。
「まずはそうだな……今から俺がしようとしてることは、九重にだけは絶対に知られたくない事だってのは先に言っておく」
「メッセージで何となくそうなんじゃないかとは薄々思っていたけど……彼女関連で何か問題が?」
「問題……と言えばそうなるが……、端的に言うと別の枝の九重からのお願い、みたいなもんだな」
「別の枝の……舞夜から?」
「ああ、ちょっとその辺りの事情は言いにくいんだが……とにかく、九重にバレずにあいつの実家と連絡手段を取りたいってのが内容だ」
「……一旦それについては聞かないでおく。それで、私に何を頼みたいの?」
俺の雰囲気から深追いせずに要求を聞き出して来る。こういう所がめっちゃ助かる……。
「玖方の一年生に居る、とある女子生徒に手紙を渡したい」
今日の為に用意した小さめの手紙入れを結城の前に置く。
「中身は俺の連絡先と、相手に九重の事で相談があるって内容が書いてる」
「私にはそれを渡して欲しい……そういうこと?」
「そうなるな。直接でも良いし、下駄箱なり教室の机なりにでも入れて欲しい」
「その相手は誰?」
「一年生に、久賀三花って女子生徒が居る。髪が少し薄めの赤色でこうで……なんかツンツンしてる感じのイメージ……?」
他の枝の記憶を掘り返しながらもなんとかイメージを伝える。
「一年……一個下なのね。写真とか無いのかしら?」
「すまん、流石にそこまでは無い……むずそうか?」
「……正直、何とも言えない。けど、少し時間を貰えれば何とかなるかもしれない」
「本当かっ!?」
結城の返事に思わず立ち上がる。
「喜ぶのは早計。確実に成功するって訳では無いのだから」
「そうだったな、すまんすまん……」
「因みになのだけど……そっちが直接彼女の実家に向かったりするのはダメなのかしら?」
「ちょっとな。俺が向かうと間違いなく九重に連絡が飛ぶと思う。そうなると実家の人と話を付ける前にバレる可能性が高い」
「あなたが向かう事でどうして彼女に連絡が行くことになるの?」
「んまぁ……なんて言うか……過保護って言えば良いのか……」
どうオブラートに包めば大丈夫なのか悩みつつも答える。
「過保護……?」
「その、なんだ?……イーリスを倒してアーティファクトも無くなったんだが、それでも九重は俺達を心配してるって言うのか……何か想定外な出来事が起きたら連絡するように実家の人と話している感じ……って言えば伝わるか?」
「……何となく?彼女、心配性なの?」
「そんな感じだ。ああ見えて色々と周囲に気を配ってるタイプだ」
「少し意外ね……天に近いタイプかと思っていたけど。けど、そう言われてみれば思い当たる節があると言えばあるわね……」
「あるのか」
「ええ、彼女……九條さんとは違うベクトルで気が利く所があるから」
「ほほう、どんなのが?」
「そうね……聞き上手、が一番しっくり来るかもしれない」
「なるほどなぁ……」
結城の言葉に納得する。
「話していて気持ちが良い印象を持つくらいにはね。知らない話にも楽しそうに聞いて来るから乗せられる時がよくある」
「ま、普通は適当に流すのが多いもんな」
「ええ。家に帰ってから思い返して、自分だけ話し過ぎてウザく思われてないかと少し心配になる程度には……」
「あ~……あるよなぁ……すげぇ分かる。ま、九重に限ってはそれは無いだろうけど」
本心から楽しんで聞いてる部分がほとんどだろう。その為の事前の情報集めに力を入れてるって所だろうか……?
「っと、本題から少しズレたな。取りあえず、俺が九重の実家に行くとあいつにバレる可能性が高いって知ってもらえれば大丈夫」
「分かった。新海君からの依頼を承諾したとして、その手紙は私が受け取る」
「ああ、頼んだ」
俺から手紙を受け取り、鞄へしまう。
「……とりあえずは俺からの用事は終わったんだが……。どうする?」
折角お店まで来て何もせずに帰るのもどうかと思い、マイクへ視線を向けながら結城に聞いてみる。
「……そうね、どうせ来たのなら、時間分は楽しむ方が良いと思う」
「だよな、んじゃ……一時間だけだが歌いますか」
デンモクとマイクを取りテーブルに置く。
「歌うの決まったら先に入れてくれ。俺も決まり次第入れてくわ」
「……因みにだけど、他の枝でもあなたはこうやって来てたりしてるの?」
「ん?あー……いや、覚えている限りじゃ無いな。高峰に誘われた事はあったが結局行かなかったなぁ……。だから実はこれが初めてだな」
「私も誰かと来るのは初めて。正直、少し緊張している」
「それなら俺だって女子の前で歌うの恥ずかしいわ。けどこのまま帰るのは勿体ないだろ?」
「……ええ、その通りね。初めて同士なりに頑張りましょう」
「おう、盛り上げ役は任せろ。タンバリンとか盛大に鳴らしてやるから」
備え付けの楽器を軽く鳴らす。
「曲の音楽が聴きづらくなるから無しで」
「……うっす」
が、速攻で要らない子になってしまった……。
翔→司→九重家 ×
翔→希亜→三花→九重家 〇
次回は……多分主人公視点かなぁ?新入生歓迎会とかその週の休みの話をちょこっと?