9-nine- ―最高の結末を追い求めて―   作:コクーン√

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例の人達の対決する場面が……遂に……。




第5話:この二人って、ほんと奇跡的巡り合わせだよね……

 

 

「おいっ、来たぞっ!どこだ!」

 

日が落ち、周囲が暗くなり空に星が見え始めた辺りに境内に大声が響き渡る。

 

「お兄ちゃんっ!」

 

その声が新海先輩と分かった天ちゃんがすぐさま返事をする。

 

それに反応するように先輩らがゆっくりと近づいてくる。

 

「やぁ。思ったよりも遅かったな」

 

遂に新海先輩と高峰先輩らが対面となる。

 

「怖がらせてすまなかったね。もう行っていい」

 

用済みとばかりに私達を解放する。放されたことに戸惑いながらも天ちゃんが新海先輩の元へと駆け寄る。

 

「無事か?」

 

「怪我はない?」

 

「うん。私も舞夜ちゃんも大丈夫……」

 

「やあやあ、お二人方。こんばんわですっ」

 

「九重……?」

 

「舞夜ちゃんも一緒にいたの……?」

 

「丁度いいタイミングで天ちゃんと運命的な出会いをしてしまいまして……お供していましたーあはは」

 

「そうか。二人共無事で良かった」

 

私達の安全を確保出来た所で、先輩が正面に出る。

 

「妹と後輩が世話になったみたいだな」

 

「コソコソと嗅ぎ回っていた所を、彼女が見つけてくれてね」

 

ちらりとゴーストへと視線を向けていたが、興味無さそうにガムを噛んでた。

 

「キミたちの目的は分かっている。きっと、我らと同じで、仲間探し……だろう?」

 

その質問に先輩は無言で睨んでいた。隣でその様子を不安そうに見ている天ちゃんの手を取りあえず役得として握っておく。

 

「まずは自己紹介をしておこう」

 

と、返事を待たずに更に会話を続ける。

 

「横の彼女は『エンプレス』、フードの彼女は『ゴースト』」

 

……耐えろ、我慢だ我慢……今ここで笑ってしまえばシリアスな場面が台無しになってしまう。

 

「そして私は、『司令官』。『リグ・ヴェーダ』の長だ」

 

「っく……!」

 

耐えられずに口元を抑えて顔を伏せる。

 

「舞夜ちゃん?どうかしたの?もしかして、どこか怪我を……?」

 

「……い、いえ。大丈夫です。すみません」

 

急に顔を伏せた私を心配するように九條先輩が声を掛けてくる。

 

「リグ・ヴェーダだって……?」

 

「そう。我らはリグ・ヴェーダ。AFユーザーによって構成された、AFユーザーの為の組織だ」

 

うわぁ……。生で聞くと更にエグさが増すなぁ……。

 

こっち側の三人も困惑した表情をしていた。

 

「呼び出したのは他でもない。用件はたった一つ……リグ・ヴェーダに加わりたまえ。我らの同胞として、キミらを迎え入れよう」

 

自信に満ち溢れた声を表情で、仰々しく両腕を広げた。

 

新海先輩がどう返事をしようかと迷っている中、九條先輩が律儀に手を上げて質問の許可を求めた。

 

「どうぞ。なんでも聞いてくれたまえ」

 

「あなたたちの目標は何でしょうか?それを聞いてから、判断したいです」

 

「ふむ……そうだな」

 

高峰先輩が長考するように顎に手を添える。

 

「我らの目的……それは、AFユーザーの理想郷を作る事だ」

 

「理想郷……」

 

「そうだ。AFユーザは、超常の力を持っている。いずれ必ず、迫害されるであろう……そうなる前に、我らが支配する」

 

「支配って……何をするつもりなんですか?」

 

「力を示す。そうすれば。自然と恐れ敬うだろう……新人類たる。我らAFユーザーを……!」

 

「ぶっ……!っ!」

 

「舞夜ちゃん!?やっぱりどこか痛いの?」

 

心配してくれる天ちゃんに手を出して制止する。

 

「モーマンタイ」

 

質問をした九条先輩は絶句の表情をしていた。そして隣の新海先輩も同じ表情である。

 

「力を示す、って言ったな?」

 

「ああ」

 

「石化事件についてどう思う?あれが、ユーザーが力を示した結果だぞ」

 

「素晴らしいね」

 

「……あ?」

 

「力は存分に振るうべきだ。その為に与えられたのだからな」

 

「人殺しの力だぞ?」

 

「それがどうした」

 

さも当然と言わんばかりに返した高峰先輩の返事を聞き、諦め気味の顔で振り返る。

 

「……皆、帰るぞ」

 

「え、あ……」

 

「……うん」

 

「まだ返事を聞いていないが?」

 

「本気で言ってんのか……?」

 

踵を返した先輩が怒りの表情を見せ睨みつける。

 

「……ふざけんなよ。人殺しを容認するような連中と組めるかよ。それが、俺の答えだ……!」

 

「ふむ……そうか。ならばーーー」

 

「キミたちは、敵だな」

 

交渉決裂と決まり、高峰先輩の顔にスティグマが青く光る。

 

「……っ!三人は逃げろっ!」

 

「え、え、でもっ……!」

 

「戦略的撤退だ。成瀬先生んちに駆け込め。情けないが……分が悪い。大人に頼ろう」

 

「だったら、みんなで逃げれば……!」

 

「私も残る。先生の家には、天ちゃんと舞夜ちゃん、二人でお願い」

 

「なんで……っ!」

 

三人でがやがやと言い争っている。完全に私は蚊帳の外扱いである……。それを愉快そうに待っている高峰先輩と目が合った……。取りあえずお辞儀しておこ。

 

「まだかかりそうか?」

 

「一人でも、四人でも構わないぞ?二人が動かないのは、私一人で十分だからだ」

 

自信たっぷりに宣言する。うーん。正論。私が居なければ、だけど……。

 

「逃げるのなら、追いはしない。臆病者は脅威足り得ない。見逃してやろう。だが……向かって来るのであれば、徹底的に排除する。我々の邪魔はさせない。全ては……理想郷を築くために」

 

……よし、今回は耐えれたぞ。ふぅ……。中二病発言にそれなりに耐性が付き始めて来たみたい。

 

「新海くん……」

 

「分が悪すぎる……。逃げるべきだ、が……」

 

「この人達を……このままにしておいちゃ、駄目だと思う……!」

 

「おにいちゃん、あたしも……逃げないからねっ!」

 

「いや、天は九重を連れて逃げてくれ」

 

「え、ここで仲間外れは流石に傷付くんですが……あの?」

 

「危険だ。二人だけでも逃げてくれ」

 

「ここで私と天ちゃんが逃げたら圧倒的に不利ですよ。それに小競り合い程度なら、私も力として加われます」

 

「護身術とかそういった話じゃないんだっ」

 

「どうした?どうやら揉めているようだが……逃げないのかな?」

 

「……こいつは巻き込んでしまっただけだからな。帰ってほしいと説得しているだけだ」

 

「構わん。力なき部外者を巻き込む訳にもいかないからな」

 

うーーん。どうしても私にご帰宅願おうとしていますね……それもそうか。

 

「はぁ……」

 

バラしたくなかったけど……四の五の言っている訳にも行かないか……。

 

先頭に立っている先輩の横に立つ。

 

「おいっ!」

 

「来るか、良いだろう。キミたちを我らの敵と認識する」

 

「舞夜ちゃんっ!?」

 

「……先輩達や、天ちゃんは、私が部外者だと思っているみたいですが、実はそうじゃないんですよね」

 

「は?それはどういう……」

 

「私も、皆さんと同じーーー()()()()()()()()()()()()ってことですよ」

 

能力を発動させる。

 

「九重……お前、その肩の光……!」

 

「え、スティグマ……?」

 

「舞夜ちゃんも……ユーザー?」

 

「こんなに早く明かすつもりは無かったんですけどねぇ……。さて、これで私も権利を得た。という事で良いですか、司令官さん?」

 

「なるほど……キミもAFユーザーと言うわけか。それなら異論は無いな」

 

「ありがとうございます。これで戦力が一人増えましたね?先輩」

 

「っ、くそ!やるしかねぇか……!!」

 

「さぁ、来い。我らが理想の為に、キミたちを徹底的にーーー」

 

「与せぬ者には、暴力で排除する。野蛮な思考。それで新人類とは……呆れるわね」

 

……っ!!来た来た来た!待ってましたーーー。背後からの気配を感じてましたが、ようやくお出ましですね!

 

「……なに?」

 

「……は?」

 

突然の声に場が静まり返る。声の方角に新海先輩が振り返る。

 

「助けるつもりはなかったけれど……。むざむざ死なせるのも、後味が悪い」

 

「え……誰?」

 

「うちの……常連さんの……」

 

「パフェクイーン……?」

 

「……そんな名前で呼ばれているのね。別にいいけれど。後は私に任せなさい」

 

結城先輩じゃ……。遂に結城先輩が降臨された……。

 

「任せろって……」

 

「……話は聞いていたわ。私もあなたたちと同じ。聖遺物に選ばれた能力者」

 

「は?」

 

「さぁ、行きなさい。ここは私一人で事足りる」

 

「突然現れて……大した自信だな。何者だ?」

 

突然の乱入者に顔のスティグマを消して質問を飛ばして来る。

 

「悪党に名乗る名などない」

 

これを結城先輩がバッサリと切り捨てる。

 

「悪党……。フッ。我らを悪と断ずるか。どうやら……キミも愚かなユーザーのひとりのようだ」

 

「愚者で構わない。貴方たちの様な……王様気取りの悪を断罪出来るのならば」

 

「我らを裁くか。キミは神にでもなったつもりか?」

 

「いいえ、そこまでうぬぼれててはいない。私は一人の人間。正義を愛する……ちっぽけな人間。そして、あなたたちに立ち向かおうとした……彼らもまた」

 

ちらりと此方を見た結城先輩の左目には、スティグマが浮かび上がっていた。

 

「覚えておきなさい。リグ・ヴェーダ。貴方たちが自らの理想郷のために……人々を傷つけようとするのならば……人々の平穏を……、己の欲望の為に踏みにじらんとするならばっ!」

 

びしっ!!っと人差し指を突きつける。

 

「その野望は、私達『ヴァルハラ・ソサイエティ』が打ち砕く!」

 

「えっと……」

 

「バ、バル……?」

 

「くっ……!あはっ!」

 

だ、だめ……この空気……耐えられない!

 

「ヴァルハラ・ソサイエティ……そうか、貴様らがあの……。まさか実在していたとはな」

 

「いや、あのって……えっ、なに?え?」

 

「あはは!あはっ、っく!くく……!」

 

「………、それはこっちのセリフ。リグ・ヴェーダ。あなたたちも目覚めていたとはね……」

 

「めざ……、え?有名なの……?」

 

「わ、わからない……」

 

隣の天ちゃんと九條先輩も困惑していた。

 

「ラグナロクを止める事が私達の使命。覚悟しなさい」

 

「フッ、ラグナロクか。見当違いも甚だしいな」

 

「何ですって……?」

 

「我らの目的はヒュージアポカリプスによる、世界の再構築だ。ラグナロクの比ではない」

 

「あははは!む、無理っ……これは流石に……くっ!」

 

本当にこれ即興のやり取りなの!?台本とか絶対あるでしょ?しかも……高峰先輩が最初に乗って来た時の結城先輩の『あ、乗って来た。という事は……イケる?』みたいな瞬時の判断が可愛すぎる。

 

お互いがお互いの語録を使ってるのに何となく成立してるのがまた……。なんでこんな場面で出会ったのかなぁ?

 

「やってみるといい。漆黒の渦……ケイオスタイドの大いなるうねりに、貴様ごときがーー」

 

「おい、これ以上くだらねぇ話を続けるなら、オレは帰るぞ」

 

痺れを切らしたゴーストが二人の会話を中断させる。

 

「ユーザーをこの場で五人も発見できた。もう十分だろ。やり合うのは無駄だ、効率がわりぃ」

 

「わたくしも暴力が嫌いですの。喧嘩をしたいのでしたら、わたくしがいないところでお願いしますわ」

 

「……ふむ、今宵はここまでとしよう。楽しかったよ」

 

多分、半分位結城先輩との会話だろうなぁ……。

 

「……逃げるの?」

 

「フッ……見逃してやろうというのだ。精々、抗うと良い。神の小間使いたちよ。フハハハハハッ!」

 

敵ボスの様な笑い方でこの場を去ろうとする。

 

「……徒歩かよ」

 

「っぶ!」

 

天ちゃんの発言に吹き出す。

 

「夜道には気を付けろよ、お兄ちゃん?」

 

すれ違いざま、ゴーストが新海先輩に呟く。

 

「……!」

 

にやりと笑みを浮かべ、そのまま去って行った。

 

「新海くん……」

 

「……ああ」

 

これで先輩はゴーストがこちらに害をもたらす者だと理解しただろう。

 

「あの……お兄ちゃん」

 

「……。怪我は無いか?」

 

「う、うん、大丈夫……。私も舞夜ちゃんも、ひどい事は、されてない」

 

「私も特に問題ありませんよ?五体満足です」

 

ひらひらと手を上げて問題無いアピールをする。

 

「……。一件落着……とはいかなかったけれど。犠牲が出なくて良かった」

 

「ありがとうございました。助けて下さって……」

 

九條先輩が結城先輩にお礼を言う。

 

「……礼など必要ない。あなたたちが立ち向かう姿勢を見せなかったら、助けるつもりは無かった。あなたたちの正義の心に……私の心が共鳴しただけのこと。……それじゃあ」

 

「いや、待った。ちょっと待ってくれ」

 

「……?」

 

 

 

 

「結城希亜よ」

 

「改めまして、九重舞夜ですっ」

 

場所は変わり、夜のナインボールへ。

 

素性を明かすつもりはないと頑なな態度の結城先輩だったが、フルーツパフェを奢るとあっさりと明かす。現在はパフェを美味しそうに食べてくれていた。

 

「結城も九重も、ユーザーなんだよな?」

 

「……ユーザー。あなたたちは、そう呼んでいる様ね」

 

「その通りです。ユーザーです」

 

「じゃあ、アーティファクトを……」

 

「……聖遺物のことね。持っている」

 

お互い別単語なのに脳内変換早すぎでは……?

 

先輩達は最初に結城先輩の事を知りたがっている様なので、私は話を聞きながらパフェを食べている結城先輩を見ることにした。

 

「どうして、俺たちを助けてくれたんだ?」

 

「……認識を改めたから」

 

「認識……?」

 

不思議そうにそう聞く九條先輩はちらりと新海先輩の方を見る。

 

「あなたたちは私をただの常連だと思っている様だけど、私は貴方たちが能力者である事を既に知っていた」

 

「え……」

 

「……店内であんなに大声で話していれば……いやでも聞こえる」

 

呆れたように小さくため息を吐く。

 

「この子が能力者なのは知らなかったけど、それ以来、あなたたちの事を警戒していた」

 

チラッと私を見る。まぁ……あまり先輩らと関わっていませんでしたし……。

 

「……警戒?」

 

「そう。力に溺れ、罪を犯すようであれば……私が裁くつもりでいた」

 

「いえ、私たちはそんなーー」

 

「わかっている」

 

すまし顔で食べていたスプーンを置き、口元を拭く。………なんかエロく感じるのは私だけでしょうか?

 

更に紅茶に口をつけ、一息つくとまた再開した。………なんかエ(ry

 

「あなたたちは……リグ・ヴェーダの思想に対し、怒りを抱いていた」

 

「です、ね……。人が死んでいるのに、素晴らしい……なんて」

 

………。

 

「信用……まではいかないけれど、少なくとも悪人ではないと思ったの。それが……助けた理由」

 

「そうか。理由は……分かった。ありがとう。分が悪い状況だったから、ほんとに助かった」

 

結城先輩にお礼を終え、今度は私に視線を向ける。

 

「お、今度は私の番でしょうか?」

 

「ああ、九重もユーザー、だったんだな」

 

「はい。黙っていた事には素直に謝ります。あまり知られたくなかったので……」

 

「いや、そこは良いんだ。確かに結城が言っていた様に俺たちの危機感が無かっただけで九重の方が正しい」

 

「でも、結局明かしちゃったんだよね?」

 

「ですね……。あそこで黙って皆さんを見捨てて自分だけが助かる。って考えを持つほど冷たい人間では無いので……。それに……」

 

「それに?」

 

「天ちゃんに怖い思いをさせた司令官とゴーストを一発ぶん殴りたい気持ちもありましたのでっ」

 

満面の笑みを二人に返す。

 

「ぶん殴りたいって……おい」

 

「そ、そのくらい怒っていたってこと……だよね」

 

「ま、結局は結城先輩の乱入からのヴァルハラ・ソサイエティ発言で無事乗り越えたから、機会は得られませんでしたけどね~」

 

「それについては巻き込んだことは謝るわ。責任も取る。リグ・ヴェーダとの決着は、私一人でつける」

 

「え、一人でって……」

 

「パフェと紅茶。ごちそうさま」

 

「あ、待った待った」

 

立ち去ろうとする結城先輩を、新海先輩が引き留める。

 

「……何?」

 

「連絡先を教えてくれ」

 

ストレートに先輩が連絡先を聞き出す。

 

「……言ったでしょう?決着は私一人で付けるって……」

 

駄目ですよ先輩。普通の言い方ではこの方は靡きません。

 

新海先輩の肩に手を置き、前に出る。

 

「九重?」

 

「結城先輩。一人で決着をつける言いましたが……そういった責任の取りかたは中途半端かと思われますよ?」

 

「……どういう意味?」

 

「神社で先輩が仰った組織……ヴァルハラ・ソサイエティと発言した時点で、向こうの敵組織、リグ・ヴェーダとは敵対してしまいました。そして先輩は、私『たち』と言いましたよね?」

 

「そうね。咄嗟に、ここだ。と思って勢いで言ったのは軽率だったと反省している」

 

「そうなると、向こうは私達全員がヴァルハラ・ソサイエティの一員と認識している筈です。そうなると勿論狙われるでしょう……。その際、全員で連絡先を交換していればいち早く情報のやり取りが出来るとは思いませんか?」

 

「確かにそうね……」

 

「向こうは組織です。ならばこちらも組織として立ち向かう必要があると私は考えます。なのでそのリーダーである結城先輩にリグ・ヴェーダの情報が集められるようにLINGの連絡先を交換しましょ?そこまでして、ようやく巻き込んだ責任を取るというのが妥当だと思います」

 

まぁ……どっちかと言うと、元は結城先輩が首を突っ込んできたと思うのだけれども……。

 

「………」

 

何処か嬉しそうな表情が滲み出ている。すまし顔装っているが、隠しきれていないぞっ。このこの。

 

「……良いでしょう。交換しましょう」

 

「交渉成立ですね。これ、私のIDです」

 

スマホを取り出しお互いに交換する。交換後、結城先輩から、よろしく!と、やたらくそ可愛いクマのスタンプが送られてきた。

 

「ぐはっ……」

 

「……?」

 

「……他の方にも教えても大丈夫でしょうか?」

 

「ええ、構わないわ。……それじゃあ」

 

そう言ってクールに去って行く。それをクマのスタンプと交互に見る。

 

「それじゃあ、後ほど皆さんにも送っておきますね!」

 

「ああ、頼むわ」

 

「うん。お願いね?」

 

返事する二人と、終始無言で落ち込んでいる天ちゃん。……しょんぼりしてますなぁ。

 

「それでは、もう夜も遅い事ですし、九條先輩、そろそろ帰りましょうか?」

 

「……そうだね。時間も遅いしね」

 

「ああ、二人共お疲れ」

 

「うん、お疲れ様。天ちゃん、また明日ね」

 

「あ、また……」

 

「また明日~バイバイ!」

 

最後に先輩の方へ目線を向ける。それに頷くように『任せろ』と返して来きたので、『了解』と笑みを返して伝票を取ってレジへ向かう。

 

「舞夜ちゃん、私出すよ?」

 

「いえいえーお気になさらず。ここは私の顔を立ててくださいな」

 

会計を済ませ、店を出る。

 

「九條先輩、今日は自転車ですか?」

 

「うん。そうだよ?」

 

「……まぁ走行だし問題無いよね。夜道に気を付けて帰ってくださいね?なんなら送迎出しましょうか?」

 

「え、ううん。大丈夫だよ?ありがとね」

 

「流石に早速襲って来るとは思いませんが」

 

「うん、舞夜ちゃんもね?」

 

「了解です。それではまた明日です!」

 

「うん。また明日ね」

 

手を振りながら九條先輩を送る。

 

「さーてと、天ちゃんは先輩に任せて問題ないから……私も帰ろうかな」

 

取りあえず一段落したので、帰路に就くことにした。

 

 





ヴァルハラ・ソサイエティ
リグ・ヴェーダ
ラグナロク
ヒュージアポカリプス
ケイオスタイド

普段聞きなれない単語を書くの辛過ぎでは……?変換候補に出ないでしょ……。

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