9-nine- ―最高の結末を追い求めて―   作:コクーン√

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やってきましたイーリスとの対決!


蹶起(けっき)

昔の使い方なだけで決起と意味は同じなのでお気になさらず……。



第8話:蹶起

 

 

「お邪魔しまーす。九重舞夜、ただいま帰還しましたー」

 

ピンポンも特に鳴らさずにそのまま玄関を開けて新海先輩の部屋へと入る。外はすっかりと暗くなっており、部屋には皆が集まっておりパーティーをしていた。

 

「あ、舞夜ちゃん!おかえり~。遅かったねー」

 

部屋に入ると天ちゃんがお出迎えをしてくれて、私の席を空ける。

 

「いやー色々とありましてー」

 

「単独で動いていたのかしら」

 

「そうですね。正確にはソフィも居ましたが」

 

「どうだった?与一たちは……」

 

「んー……取りあえずは話を聞いていただけました。連絡先もしっかりと交換しましたし……あ、決行の時間は念のためメールでのやり取りで行いました。聞かれたくなかったので」

 

「あー……なるほどな。それ良いかもしれないな」

 

「そんで、結局にぃには舞夜ちゃんになにさせてたの?」

 

「与一たちに協力しないかって打診をな……。メッセージだと聞かなさそうだし、九重なら直接出向いても問題無かったからそうしてもらった」

 

「ぇっ、一人で敵陣に行ったの?危険すぎでしょ!」

 

「いや、例え戦闘になっても返り討ちに出来るくらいの力は持っている。だろ?」

 

「ま、そうですねぇ。面倒なので逃げるとは思いますが」

 

「他は、うまく行けそうか?」

 

「どうでしょう……一応私の方から適任者にお願いしましたが、期待せずに待ちましょう」

 

「分かった。っと、すまん。一応九重の分は残してあるから、好きなだけ食べてくれ」

 

私の分とピザやらサラダやら色々出して来る。

 

「おおー、ありがとうございます!」

 

「いや、作ったのはみゃーこ先輩だし、なんでにぃにが偉そうに言うのさ」

 

「あ、温かい方がいいよね?レンジでチンする?」

 

「いえいえ、お気遣いなくっ、九條先輩のでしたら冷めてても美味しいので!」

 

「ふふ、ありがとね」

 

「舞夜ちゃん、なんか飲む?ジュースはコーラとかならあるけど……?」

 

「麦茶で!」

 

「は~い」

 

何もしなくて食べ物や飲み物が出てくる。天国かな?

 

「ここにあるのは全部九條先輩の手作りですか?」

 

「うん、そうだよ。パパッと簡単な物しかないけどね」

 

「……これだけで頑張った甲斐があった……生きてて良かったぁ」

 

「そ、そんな大げさなことじゃ……」

 

「わかる。わかるよ、みゃーこ先輩のご飯美味しいもんね」

 

「今なら神だろうが倒せそうな気分です」

 

「九條の飯が相当なバフになってるな」

 

「あ、それで~、先輩達の方はどうなっているのですか?」

 

「俺たちの方は本来の作戦通り動くことにしている。九重の方がダメな時の保険だな」

 

「一応、ここにいるみんなで行く予定」

 

先程まで香坂先輩とアニメの話で盛り上がっていた結城先輩が話に入ってくる。

 

「なるほどー……、香坂先輩も、行くで大丈夫ですか?倒れかけたので体調が心配なのですが……」

 

「は、はいっ、一緒に、行きます……」

 

「分かりました。では当初の予定通りここにいる6人ですね」

 

ふむふむ、どうやらしっかりと自分の能力に怯えているみたいだね……。目に恐怖が見えますし……うーん。でもそれが本来のシナリオだしなぁ。

 

「念のために、ここからはメッセージでやり取りをしよう」

 

新海先輩の指示に皆が頷き、各々スマホで書き込んでいく。

 

「……なーんか、あれっすね。折角わいわいとパーティーしてるのに一斉に無言になるって……」

 

「いや、普通に喋って良いからな?必要ならこっちで話すってだけで」

 

「そなの?うっしそんじゃあ、舞夜ちゃんも合流した事だし、改めて乾杯からしましょ!」

 

天ちゃんからの提案を皆が頷き、グラスを持ってパーティーを再開した。

 

 

 

 

 

時刻は0時過ぎ。日付が変わり作戦実行までの時間が近づいていた。

 

「成瀬家の明かりは、まだ点いているで大丈夫ですよね」

 

『はい、対象を確認しましたが、まだ起きておられますね』

 

「それじゃあ、あとはお願いね」

 

『お任せを。失敗しても怒らないでくださいね』

 

「まさかー。ハットリさんでも無理なら素直に諦めがつくから気軽にいっちゃって」

 

『では、遂行後指定の地点まで向かいますので』

 

「は~い」

 

通話を切り、ポケットにスマホを入れる。

 

「うまく行けそうかしら?」

 

「どだろね。私が知りうる限りの最強の手札だから、これで駄目なら向こうが一枚上手だったって諦めるよ」

 

隣でふわふわと浮くソフィにゆるーく返事をする。

 

「そうね、うまく行けたら御の字くらいに考えとくわ」

 

「うんうん。先輩たちはどうしてる?」

 

「カケルの部屋でみんな横になってるわ」

 

「了解、深沢先輩達の方は……一応二人共一緒にいるみたいだね」

 

「いつごろから行動する気?」

 

「これが上手く行けばすぐにでも。駄目だったら従来通り」

 

「カケルたちが貴方と合流するまでかなり時間が空くと思うけど……?」

 

「実家から人数分の車はマンション前で待機させてるから大丈夫。すぐに合流できるよ」

 

「用意周到ね」

 

「まぁね。……ソフィって四字熟語使いこなせるんだ……」

 

「今、馬鹿にされたのかしら?」

 

「あ、いやいや、異世界人だし、こっちの世界の言葉使ってるのに驚いちゃって……」

 

「この程度、こっちに来てすぐに取り込んだわよ」

 

「へ~……知識に貪欲」

 

「分からないままが嫌なだけよ」

 

 

 

 

午前一時三十分前。

 

俺たちは、九重からの連絡を受けて、神社方面へと向かっていた。

 

「にぃに、舞夜ちゃん大丈夫そう?」

 

「ああ、無事成功したらしい」

 

「ほんとっ!?え、すごくね」

 

「確か、九十九神社の神器を……」

 

「イーリスに阻止される前に、先にこちらが奪うのよね」

 

「既にソフィに渡してあるみたいだし、これで心配事の一つが消えたな」

 

「後は、成瀬先生の体の安全を確保しなきゃだね」

 

「そうだな。ソフィからは危険だと注意を受けている。油断は出来ない」

 

「んで、勝てる見込みはあるの?」

 

「正直、分からない。与一たちにも協力を仰いではいるが……それでも可能性は低いってのがソフィの答えだ」

 

「それなら尚更急ごうよ。舞夜ちゃん一人でしょ?」

 

「ああ、本人は大丈夫とは言っていたが、急いだほうがいいかもしれないな」

 

神社に入り、境内までの道のりを歩いていると、正面に人影が見える。

 

「あ、みなさんっ。ようやく来ましたね!」

 

こちらを見て駆け寄ってくる。声からして九重で間違いないだろう。

 

「舞夜ちゃんっ」

 

「はい、舞夜ですよ~。無事任務を遂行致しましたっ!」

 

ビジッと敬礼を決めてこちらに笑顔を向ける。

 

「問題は無さそうか?」

 

「どうでしょう?今頃イーリスはカンカンに怒っているかもしれませんね~あはは」

 

指で鬼の角を真似ながら、それを頭に付けて怒りのポーズをしている。……余裕そうだなぁ。

 

「それなら私たちも行きましょう。決戦の時ね」

 

「ああ。みんな、準備は良いか?」

 

「うん、問題ないよ」

 

「あたしはいつでも。足手まといにならない様にだけ気を付けとく」

 

「……は、はい……っ」

 

「………」

 

新海先輩を先頭にみんなが境内へ向かう。

 

「香坂先輩」

 

一人不安そうな表情を浮かべて一番後ろを歩く香坂先輩に声をかける。

 

「は、はい。何でしょう……?」

 

「不安になる気持ちは分かります。でも、大丈夫です。何かあっても新海先輩がどうにかしてくれますからっ!気軽に行きましょう」

 

「俺の責任重大だなぁ……まぁいいけど」

 

「気軽に……」

 

「はい。先輩の力は自分の精神の影響を大きく受けやすいみたいですし……なので気軽にです。ですよね?」

 

前を歩いてるみんなに向けて声をかける。

 

「ええ。神に抗う……もとより、無茶な作戦。例え失敗しても、春風のせいになるわけがない」

 

「そうです、先輩がいるおかげで心強いです」

 

「そうそう。先輩の力があるから安心して行けるんですから。というか、真っ先にやらかすの、多分あたしですし。そんで次ににぃに」

 

「なんでだよ……と言いたいとこだが、ぶっちゃけそうだよな。いつもフォローしてくれる先輩がいなくなったら、俺、絶対やらかしてますよ」

 

「ってことで、先輩はドンとそばで構えててください」

 

「……失礼しました。プレッシャーを感じているのは、みなさまも同じ」

 

「もう、揺れません」

 

人格を交代し、もう一人の方の目に強い意志が宿る。

 

「行きましょう」

 

「はい」

 

「………」

 

香坂先輩の決意を受け取り、再び境内へと歩みを進める。

 

そんな中、結城先輩がその後ろ姿に疑惑の視線を向けていた。

 

 

 

 

 

「ソフィ」

 

境内の目の前まで近づき、ソフィを呼び、すぐに現れる。

 

「状況は?」

 

「向こうは出迎える準備が出来ているみたいね」

 

「中に居るってことか?」

 

「ええ。あなたたちが来るのを待っているみたいね」

 

「そうか。ならコソコソしていく必要は無いみたいだな」

 

慎重に進むのを止め、みんなでかたまって境内へと入る。

 

「あら、随分と遅かったわね。待ちくたびれちゃったわ」

 

正面に人影が現れ、だるそうな声を出す。

 

「……イーリス」

 

ゆっくりと近づき、ようやく姿を確認する。

 

「正直やられたわ。まさか世界の眼が取られちゃうなんてね……」

 

「これで座標を失った。お前の負けだ」

 

「フフフ、強がっちゃって……馬鹿ねぇ。まだこの身体があるじゃない」

 

「そっちこそ。強がっていられるのは今の内だ。すぐにその身体から引き剥がしてやるよ」

 

「やれるものならやってみなさい。あなたたちに、それができるのかしら?」

 

「……っ!行くぞ、みんな!」

 

「っ、うん!」

 

「ジ・オーダー・アクティブ!」

 

俺の声を聞いて、九條の左手と結城の右目にスティグマが浮かぶ。

 

「せっかちね……」

 

二人の能力が発動しようとした瞬間、イーリスが呆れたような声を出し、指をパチンと鳴らす。

 

「……ッ!?」

 

唐突に脱力感に襲われ、ガクンと膝をつく。

 

「ぅ……ッ」

 

何とか地面に倒れるのを止める。隣の先輩も何とか耐えていた。

 

「はぁ……?」

 

踏みとどまり前を見ると、イーリスがありえない物を見たような表情を浮かべていた。

 

「おかしいわね。私の予想では、耐えられるのは三人だけのはず……」

 

釣られるように後ろを見ると、意識は朦朧としているが、確かに意識を保っている三人と、九條と天を支えている九重が居た。

 

「っ……ぅ~」

 

「……う……」

 

「っ、なんとか……耐えれたみたいね……」

 

「二人共、大丈夫ですか?」

 

どうやら、皆無事の様だ。……だが、三人は対抗力が低いって聞いていたが……。

 

「直ぐに体勢を立て直しなさいっ」

 

ソフィからの指示が飛ぶ。

 

「んなこと言われても……!クソっ、九重っ!二人を頼む!」

 

「分かりましたっ!一旦引きます」

 

二人を抱えて運び出す九重の肩が光っている。何かしら力を使っているみたいだな。

 

「………っ、ジ・オーダー、アクティブッ!」

 

何とか立ち上がった結城の瞳に、再びスティグマが浮かぶ。

 

「世界に闇をもたらす悪神よ。己が罪と罰、その身に刻みなさいっ!!」

 

スティグマからあふれだす光が、突きだした結城の右手へと収束し、放たれる。

 

「パニッシュメント!」

 

轟音、閃光。

 

まるで落雷が落ちたかのような荒れ狂う力の奔流がイーリスに向かう。流石のイーリスもこれを喰らえばひとたまりもーーー。

 

結城の一撃が直撃する瞬間、俺の目に映ったのは、涼しげに笑うイーリスの顔だった。

 

舞い上がる砂埃の中、出て来たのは……。

 

「ふぅん……。私の魂へ狙いを澄ました一撃。器用ね、あなた。一回死んじゃったわ」

 

「なっ……」

 

さっきと変わらずに、平然と立っているイーリスだった。

 

「まるでダメージが、ないだと……?」

 

「完全に……、決まったはず……っ!」

 

「決まったわよ。けれど、届かなかった」

 

「……っ!結界……!?」

 

結城の言葉に気づく。なるほど、だから気にも留めてなかったのか……。

 

「……そう。幾重にも張り巡らせているようね。その一枚を、破っただけ」

 

「フフ」

 

不敵に笑うイーリスの顔が……、見知った顔のはずなのにどうしようもなく恐ろしく見える。

 

「落胆しなくてもいいわよ。一撃で破られるなんて思ってもみなかったわ。驚いたわ。ほんのちょっとだけ……だから、ご褒美をあげるわ」

 

「ふざけないで……っ!」

 

「フフ、お返しするわね?」

 

「ッ!?伏せなさいっ!」

 

ソフィから焦るような声と同時に、結城を庇うように動く。

 

「……、ぁ……」

 

飛び出し、身を挺して結城を守ったソフィの体が、はじけ飛ぶ。

 

「……妖精、が……」

 

「大丈夫よ、ただの幻体だから。すぐに戻ってくるわ。まったく……どいつもこいつも邪魔ばっかり……っ」

 

「イーリス……ッ!」

 

「フフ、怖い顔しちゃって……お次は?もう終わり?」

 

「……っ」

 

「ああ、そうだわ。あなたたちに確認しておきたいことがあるの」

 

こちらを挑発するように笑みを浮かべていたイーリスから質問が飛ぶ。

 

「あなたたちが私から奪った世界の眼、誰が考えたのかしら?」

 

「……そんなことを聞いてどうするつもりだ」

 

「いやねぇ、ただ気になるだけよ。仮にも私からアーティファクトを奪い取ったのだもの、その手段を聞いておきたいだけ」

 

今更聞いて何になるんだ?一体何を考えてーーー。

 

「それはですねー、この私の手腕によるものですよっ!!」

 

「九重っ!?」

 

後ろから大声で宣言をするように現れる。

 

「……やっぱり、あなただったのかしら?」

 

「その通りですっ。ごめんなさい、手癖が悪くって~?適当に置かれていたので貰って良いのかなって思いましたっ」

 

イーリスを挑発するようにぶりっ子を演じる九重。

 

「ふぅん、一応褒めてあげるわ」

 

「あはは、クソほど要らない称賛ですが、ありがとうございます……と一応返しておきますね」

 

「酷いわねぇ、褒めてあげているのに」

 

「一ミリも価値の無いことを偉そうに言われても滑稽ですよ。まぁ……依り代が無いとまともに行動が出来ない以上それもそうですねぇ」

 

「フフ、確かにそうね……まだ全力の二割から三割程度ってところかしら……。けど、あなたたちと遊ぶにはこの程度で十分と思うわ」

 

「は……?」

 

「二割……?これで……?」

 

「ふふ、負けた時の良い言い訳になりますね!私も今度使ってみますっ」

 

半分の力すら発揮していないというイーリスに対して、相変わらず態度を変えない。

 

「残念だけど、それは無理ね。だって、あなたたちはここで死ぬもの。ねぇ?」

 

「……っく」

 

どこまでも、こっちをおちょくりやがって……!

 

「……先輩、立てますか?」

 

「な、なんとか……」

 

九重が時間を稼いでいる内に、動ける程度には回復出来た。

 

「後ろで、天と九條を、お願いします」

 

「はい。しかし、翔様……」

 

「もうやるしかない。結城、行けるか?」

 

「当然……まだいける。あなたも下がっていて」

 

「冗談言うなよ」

 

拳にスティグマが浮かび上がり、炎が燃え盛る。

 

「………。隠していたの?」

 

結城が驚くようにこちらを見上げる。

 

「いいや、昨日使えるようになったばかりだ」

 

校舎を燃やした、炎のアーティファクト。

 

ソフィに頼み込んでようやく借り受けた。

 

もしイーリスと戦うってなった時に、結城と九重に任せるじゃ話にならない。

 

こいつがあれば、俺も戦える……!

 

「……彼女と同じ様に、前衛頼めるかしら」

 

「任せろ」

 

「ええ……。幾重にも張り巡らされた結界。すべて打ち破るっ!」

 

「ああ!」

 

「春風はバックアップをお願い!」

 

「はい!必ずや、勝利を!」

 

「フフ、どうやら、そちらの準備は終わったみたいね」

 

「そうみたいですね~。それでは私もポジションに付きますか」

 

俺たちの態勢が整ったのを確認してこちらに戻ってくる。

 

「時間稼ぎ、ありがとな。それと天と九條のことも」

 

「お気になさらず、感謝はこれが終わってから好きなだけ言って下さい」

 

「そうだな。必ず勝つぞ」

 

「フフ、勝利ね……。後ろの子たちが立て直せるまで、待って良いのよ?四人で大丈夫?」

 

あくまでこちらの心を完全に折ろうとしているのか、それともーーー。

 

「いいや、まだいるぞ」

 

「あら?」

 

「受けよっ。紫電一閃!」

 

「……くっ、届かんか」

 

暗闇から突如出て来た高峰が、挨拶代わりに攻撃を仕掛けるが、イーリスの結界によって阻まれる。

 

「意外な子が出て来たわね……。あなた一人加わったくらいで、なにも変わらないと思うんだけれども」

 

「フッ……、私一人、などと言った覚えはないが……?」

 

ニヒルな笑みを浮かべる高峰。するとイーリスの背後から先ほどと同じ様に攻撃が飛んでくる。

 

「あぁ……もうっ」

 

「レディに後ろから襲いかかるなんて、随分なご挨拶じゃない」

 

「……あのさぁ、蓮夜。折角不意打ちをしようとしているのに、僕がいることをバラしてどうすんの。アホなの?」

 

「む……、すまん……」

 

与一……!来てくれたのかっ。

 

「あ、お二人も来てくれたのですね」

 

「やっほ、舞夜ちゃん」

 

「残念ね……。あなたとは、仲良くやっていけると思っていたのに」

 

「冗談。僕を殺そうとしたくせに」

 

「あら、誤解よ?仲直りしましょ。ほら、握手」

 

「やだね」

 

「せっかちねぇ……。折角来たのだから、おしゃべりしましょう?」

 

「黙れよ。僕はお前を殺しに来たんだ」

 

「あなたの恩師も死ぬわよ?」

 

「脅しのつもりかよ。僕には関係ない」

 

降り注ぐ槍の雨が不可視の結界とぶつかり、白く眩い火花を散らす。

 

思わぬ形でだが、イーリスとの戦闘の火蓋が切られた。

 

 





実際のバトルは次になりそうです。
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