最後のエピローグ的な何か。
一応これで三章も終わりです。
「ああ、やっと繋がった」
「どう?私の声がそこまで届いているかしら……?」
「……やっぱり、意思疎通は難しいみたいね。そもそも、私の姿も見えてる?……かなり怪しいわね」
「あなたの姿も私から見えないし……、存在を感じる、といった程度。繋がれたと言ってもかろうじて……といった状態ね」
「まぁいいわ。声は届いているみたいだし、勝手に喋らせてもらうわよ」
「もう分かっているとは思うけれど、一応自己紹介しておくわね。あなたと直接話すのは初めてだし」
「私はソフィーティア。そう、あのソフィーティア。幻体じゃなくて本体の、ね」
「苦労したわぁ。あなたを見つけるの。思った以上に遠い世界にいるんだもの」
「ま……そんな話はいいわね。本題に入りましょう。話すことは沢山あるのだけど……そうね、まずはイーリスのことから……。カケルには、話していないことがあるの。けれど、あなたにはしっかりと話しておくわ」
「と、まぁこんな感じね。まさか別世界のもう一人の自分と交わることになるなんてね」
「けれど、これでようやく、私の過ちを……正すチャンスを得たわ」
「あなたに、お願いがあるの……。イーリスを、あの魔女を、滅して欲しい」
「できれば自分でやりたいのだけど……理由は、さっき話した通り。私はただの研究者で、アーティファクトも最低限しか所持していない」
「あの魔女のように、強大な力を持っているわけじゃないの。つまりは弱い。私では……魔女を滅ぼせない」
「だから、あなたに頼るしかない」
「どう滅するか。その方法は……悪いけれど、まだ見つけれていない。でもきっと、あなたなら打ち勝てる」
「鍵は、九人のユーザーたち……」
「カケル、ミヤコ、ソラ、ハルカ、ノア、サツキ、ヨイチ、レンヤ、そしてーーー」
「あなた」
「言いたい事は分かるわ。一人足りていない、そう言いたいのでしょう?あの子……マヤは、そうね、私が思うにもっと別のなにかね。一応ユーザーではあるけれど……」
「あぁ……朧気に伝わってくるわ、あなたの感情が……。これは、戸惑いや困惑ね」
「やっぱり……ちゃんと力を理解していなかったのね。安心して、ちゃんと説明するわ」
「カケルには可哀そうなことをしちゃったけれど……オーバーロードのユーザーは、あの子じゃ無かった。カケルのアーティファクトは、世界の眼のその断片。怪我した時に体内に取り込んでいた。それが正解だったみたい」
「断片故に、枝の観測が出来る程の力はなかった。けれど、別の力が発現していた……それが、異世界への扉を開く力」
「そう。カケルは、独自のゲートを持っていたの。そのゲートを通して、あなたと繋がった」
「あなたは……別の世界のカケル。カケルと魂を同じくする、同一存在。ゲートを通し、あなたはカケルと繋がった。そして、カケルの内側から、時には俯瞰的に世界を観測し、干渉をしてきた」
「つまり、オーバーロードの所持者は、あなたよ」
「オーバーロードはカケルのゲートを通り、あなたにもたらされた」
「どういった形であなたの手に渡ったかは分からない。けれどあなたは、オーバーロードの力を用いカケルと同調し、運命を変えて来た。より良い結末へと、運命を導いてきた。ならばきっと、魔女を滅する運命も、あなたならば掴めるはず……」
「世界の支配者たる、あなたになら」
「……反応が薄いから、どこまで伝わっているか不安ね……。とにかく、あなたが頼りってこと。分かってくれたかしら?」
「以上。あなたが私の期待に応えてくれることを、願っているわ」
「……あぁ、そうね、最後にもう一つ。いつまでもあなたとか、九番目、なんて呼ぶのは味気ないわね。名前をつけてもいいかしら?安易な思いつきだし、あなたの世界の言葉でどう聞こえるかはわからないけれど、ダサくても文句は受け付けないわよ」
「それじゃ、今度こそ話は以上。頼んだわよーーー」
「ナイン」
うーん、ナイン。