9-nine- ―最高の結末を追い求めて―   作:コクーン√

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5/1まで進みます。

つまりは……。




第14話:突撃っ! 隣の新海家っ!

 

ビルの騒動から日が過ぎ、とうとう5/1日までやって来た。

 

あれから特に騒ぎは起きず、予定通りの日々を過ごして居た。新海先輩から皆に『タイムリミットまで備えてくれ』と話はあったが、何をして良いのか分からない九條先輩や天ちゃんは少し困りながらも普通の生活を送っていた。

 

ピンポーン

 

部屋のチャイムが鳴る。時間は昼前、天ちゃんだろう。

 

「はーいっ」

 

昨日、メッセージのやり取りで新海先輩の部屋へ行って確認しようという話が出たので、快く承諾した。

 

「天ちゃん、おはよー」

 

「おはよーって、もう昼前だけどねー」

 

「それもそうだね!先輩は既読付いた?」

 

「んにゃ、全く。昨日の夜から見ていない感じ」

 

「忙しいのかなー」

 

「忙しいって……私達を放置してまで何をしてんだよぉ……」

 

ん-……ナニを?

 

「訪ねる前に電話する?」

 

「いいや、直接行った方が早いでしょ。いこっ?」

 

「はーいよっ」

 

さーてさてさて、情事に突入と行きましょうかっ!公開処刑じゃっ!

 

部屋を出て三つ隣の部屋へ。案の定天ちゃんはインターホンも鳴らさず玄関のドアを開けて中へ入る。

 

「おーう、きたぞー、兄貴ー!」

 

元気一杯の笑顔で突入していく。

 

「んぁあ!?!?!?!?」

 

奥の部屋から二人分の驚くような声が聞こえる。

 

「まだ寝てんのー?入るよー?」

 

靴を脱ぎ、台所の廊下を進む。私もその後ろをついて行く。

 

何やらガサゴソと慌ただしい音が扉の向こうから聞こえてきた。

 

「ちょっ、待っ……!」

 

「なんだ、起きてんじゃーーー」

 

扉を横にスライドさせ部屋へ入る……が、言葉途中で固まる。

 

「ーーーん」

 

「………」

 

「………」

 

「お、おす……」

 

「こ、こんにち、は……」

 

「………、……Wow」

 

 固まる天ちゃんの後ろから声を掛ける。

 

「天ちゃん?どうかした……ん?」

 

部屋の中を見ると、やっぱり新海先輩と結城先輩が居た。生まれた時の姿、肌色100%である。

 

「……あ~……ええっと、天ちゃん。ちょっと外の空気でも吸ってこようか?」

 

手を前に突き出した状態で固まる天ちゃんの目を覆う。

 

「準備が出来たら連絡下さいね?」

 

「……お、おう」

 

「……ええ」

 

そのままズルズルと天ちゃんを連れ出して一息つく。

 

……うん、年頃の妹からすれば中々刺激がお強い場面だもんね。気まずさMaxだよきっと。

 

 

 

 

 

 

それから五分程で連絡が来たので再び先輩の部屋にお邪魔する。

 

中に入ると、二人ともフローリングの上に正座をしており、かなーり気まずそうな表情で私達を待ち構えていた。

 

それを見て天ちゃんも流れで向き合って正座をする。それを私は後ろで立って見ることにした。

 

「……あ、あの~……」

 

どう切り出して良いのか迷っている雰囲気がひしひしと伝わってくる。

 

「あのー、ね?いつもなら、あのー……、からかったり逆ギレとかね?それがあのー、あたしのキャラでございますけれど……」

 

探り探りの様子で口を開いて話を始める。

 

「まず、あのー……状況をね?確認しないことにはと、そう思いましてぇ……。あの、質問、あのー、いいです?」

 

斬り込んで良いのか分からず、声もだんだん小さくなっている。

 

「……はい」

 

「お二人は、その、えー、そういう、あのー、ご関係で?」

 

「……はい」

 

「……そうです」

 

おぉっ!状況証拠ありまくりだけど、本人たちの口から聞くとまたこれ嬉しいのがありますね……!

 

「ぁ、です、よねー、うん。だよねー……」

 

「……ぇ?ぃゃ、ぇ?いつから?いつ頃から……?」

 

困惑しながらも気になって聞いている天ちゃん。

 

「……昨日、告白しました」

 

それに対しての回答を、結城先輩が恥ずかしそうに小さく呟く。ちょこん、って座ってる結城先輩可愛いですなぁ……うはぁー……。

 

この部屋に漂う謎の空気感に思わず口がにやける。

 

「きの……ぇっ、昨日っ?」

 

「……はい」

 

「……あ、あのー、結城先輩、裸でございましたけれども……。あと、あのー、言いにくいんですけど、若干……匂い、あの変な匂いがね?あるので、勘違いかもしれないですけど……」

 

「お二人は……その、営みを。あの、恋人の営みを……されてました?よね?」

 

うんうん、やっぱり気になっちゃうよねー。窓を開けて換気してもあまり時間無かったし、普通に分かっちゃうよね!

 

「……それ言わなきゃ駄目か?」

 

「いやもうそれ答えですけれども」

 

「してました」

 

「ぁ、言うんだ……そっかぁ……うん、してた、うん……」

 

「昨日の夜と合わせて二回」

 

「ぁ、そこまではいいです。あの、はい、いいです」

 

「くっ……!」

 

正直に話す結城先輩に天ちゃんが突っ込む。危ない危ない、笑ってしまうとこだった……!ふふ。

 

何か言いたそうな目で新海先輩が私を見るが、笑顔で返すと目を逸らした。ふふん、罪悪感に塗れるがよい!

 

「ぁー……そう、二回……。告白して即、二回……。へー……」

 

驚くような関心する様な声で噛みしめるように繰り返すが、最後は明らかにテンションが下がった声だった。

 

「……なんか文句あっかよ」

 

「……なにキレてんだよっ。こちとらリアクションに困ってんだよ!兄の情事を目撃しちまってよぉ!」

 

「お前が事前に連絡しねぇからこんなことになったんだろうがよぉ!」

 

「したっつーの!しましたよ!メッセージ送ったっつーの!行きますよーって!」

 

「え、マジで?」

 

驚くように後ろの私に視線を向ける。

 

「……はい、残念ながら、しています」

 

「既読つかねーから寝てんなって思って来たのっ!」

 

「いや既読つくまで待てよ!」

 

「来た方が早いでしょっ!」

 

「だとしてもインターホンならせ!」

 

「なんで自分ちのインターホン鳴らさなきゃならんの!」

 

「お前んちじゃねぇ!俺んちだ!もう帰れ!」

 

「いやですぅ!帰りません~!絶対帰りません~!」

 

あぁ……仲いいなぁ。それに、例えインターホンを鳴らしたとしても、数秒稼げたかどうかってレベルじゃないかな?どのみち、天ちゃんなら鳴らして直ぐ入っただろうし……。

 

「じゃあ……私、帰るね?ごめんね、天……」

 

仲むちゅまじい兄弟喧嘩を目の当たりにして、結城先輩がしおらしく謝る。

 

「ああいやいやいやっ!そんな深刻そうな感じで謝らなくても……!別に責めたりしているわけじゃないんで……!」

 

「っていうか、あの、さっきから気になってたんだけど……先輩、なんかキャラ変わってません……?」

 

「気まずくていつもみたいに偉そうに振る舞えない……」

 

顔を伏せ、恥ずかしそうにもじもじと話す。……これだよこれ!ああもう!めっちゃ可愛いんですがっ!飼いたいっ!一家に一人結城先輩を飼いたいっ!

 

「あー……。まぁ、そうですよね。っていうか可愛いな。ちょっと気弱な感じの先輩可愛いな」

 

「………」

 

天ちゃんに指摘され、更に体を小さくする。

 

「あれぇ!?照れてる!?ぇ、ちょ……あたしが焦るわ……。キャラが違いすぎる……」

 

「……ちょっと待って」

 

「ぇ?ぁ、はい……」

 

「………っ」

 

静かに目を閉じて、集中を始める。

 

「もう大丈夫。ごめんなさい、取り乱して」

 

「……ふっ……っ!」

 

キリッ!っとした佇まいといつも通りの口調に切り替えた。

 

「ス……って戻ったな……。切り替えはえーな……」

 

それを見た天ちゃんが逆に戸惑って呆れている。

 

「私は真剣に、翔を愛している。兄の恋人なんて疎ましいかもしれないけれど、応援してくれると嬉しい」

 

「ぁ、はい……。切り替えが極端すぎる……。反応に困る……」

 

いやいや、こういう時は可愛いって言えば良いんですよっ!

 

「んで、二人は何しに来たの?」

 

「あまりにも放置されてるから聞きに来たんすよ」

 

「イーリスのこと?」

 

「はい。それ」

 

「五月三日に決行って決めただろ?」

 

「そうだけど、一週間放置じゃん。そろそろ準備しなくていいんですかーって聞きに来たの」

 

新海先輩と結城先輩はこの前の件で内密にユーザーと対峙したけど、他の人からすればそうなっちゃうしねー……。

 

「準備って言われてもなぁ……」

 

返事に困る様に返す。

 

まぁ、先輩としては皆に実戦……というか、脅威を知ってもらって真剣な感じになって欲しいんだろうけど。

 

「本番まで待つしかないな」

 

「ぶっつけ本番かよ……。不安すぎるんですけど……」

 

「それは分かるけど、心の準備をしといてくれとしか言えないんだよなぁ……。集まった所で、建設的な話も出来ないし……」

 

「集まるだけでも意味はあると思うけどなー。みゃーこ先輩も香坂先輩も、あと……、ん?ぁー……あれ?ド忘れした」

 

「高峰先輩だよー」

 

「そう!その人!みんな不安だとおもうけどなー?」

 

「そうなのか?」

 

「ん-……まぁ、特に連絡も無いまま日数だけが過ぎるって言うのは、焦りと言うか……不安感は出てきますよ?」

 

「まぁにぃには?恋人とイチャコライチャコラチュッコラチュッコラしてますので?毎日が楽しいでしょうけど?」

 

「嫌らしいいじり方してくるな、お前……」

 

「そうだよ天ちゃん。それに……恋人になったのは昨日からなんだから、毎日がイチャコラデイズになるのは今日からだよ?」

 

「いや、そういう問題じゃねーよ……しかもなんだよ、イチャコラデイズって……」

 

「……天の言うとおりね。私は翔のおかげで平気だけど、他の皆の心のケアはすべきかもしれない。……近いうちに、最悪でも前日に、一度集まる?」

 

「うん。集まりたいっす。建設的ななんとかはどうでも良いんで、ただ集まりたいっす」

 

「私も賛成しまーす。みんなでファミレスで楽しくおじゃべりをしたいですっ」

 

「じゃあ……うん。予定聞いておくわ。で……そうだな。改めて三日の作戦会議でもーーー」

 

「その計画、中止しなさい」

 

新海先輩の言葉を遮るように空間を割き、ソフィが出てくる。良かった、無事世界の眼は無くなってくれたみたい。

 

「何かあったのか?」

 

「世界の眼が消えた」

 

「は?消えた?」

 

「サツキの家、大騒ぎよ。ジンギ?が盗まれたって」

 

ソフィのイントネーションが"ザンギ"と似た感じに聞こえた。……鶏肉かぁ。アリだねっ。

 

「……イーリスの仕業?」

 

「でしょうね。悪用するつもりなのかただ隠したのかは、分からないけれど……」

 

「隠す……?」

 

「単純な疑問なんだけど、世界の眼って一応、沙月ちゃんのなんでしょ?隠しても沙月ちゃんの所に戻って来るんじゃないの?アーティファクトって、そうなんでしょ?」

 

「世界の眼は、他のアーティファクトとは違うのよ。契約者の傍へ転移する性質は持っていない」

 

「あの空間にあることが大事なの。あっちこっちへ転移されたら扉の封印が出来ない。つまり、契約者ではなく特定の場所に転移する。もっとも……今はその性質も機能していないでしょうけど……」

 

「破損の影響か……。持ち出し放題ってわけだな」

 

「悪用するとしたら、どんな事態が想定されるの?」

 

「悪いけど、思いつかない。わざわざこちらの世界の眼を盗む理由がない。イーリスは対の眼を持っているんだから」

 

「じゃあ隠したってこと?」

 

「そっちの可能性が高いわね」

 

「……しっくりこないな。他の枝では敢えて放置して、破壊しに来た俺たちの目の前で飲み込んだんだ。そういう趣味の悪い嫌がらせをしてくるやつなんだ。イーリスってのは……」

 

「今回だって、俺たちが世界の眼を狙ってることはもうわかっているはず。なのに……隠す?あいつらしくない」

 

……向こうとこちらの世界を閉じさせない為、って感じだろうねー。数百年後に再び戻ってくるために……とか。

 

「時間稼ぎ……かしらね。嫌がらせ以上の目的を、達するための」

 

「いったいなにを……」

 

「さぁ?分からない。ただ……いい予感はしないわね」

 

「……だよな」

 

「えっと、その目的ってのがヤバいことなら、止めないとまずいんじゃ……」

 

「世界の眼を使って、イーリスを誘い出す計画だった。でも、実行に移す前に失敗。つまり……、阻止する手立てが無い」

 

「マジですか……、滅茶苦茶やばくない?」

 

「他の方法を考える必要がありそうですね……」

 

「翔の力でやりなおせば、別だけど……」

 

「………」

 

結城先輩の言葉に新海先輩が考え込む。この枝の思い出を無くすのに抵抗がありますよね……。

 

「……そうだな。過去に戻って軌道修正するのがーーー」

 

「短絡的ね……。もっとうまく力を使いなさい」

 

「他に何か手があるのか?」

 

「やりなおすのはいい。けど、今じゃない」

 

「イーリスが何をする気なのか、それを見届けてからよ。その方が効率的」

 

「……効率、か」

 

「前にも言ったけれど、割り切りなさい。"もし"や"かも"で力を濫用したら、どんな反動が来るか分からないわよ」

 

「……ああ、わかってる。そう、だな……。力を使うのは、今じゃない」

 

「じゃあ……なにか事件が起こるのを待つってこと?」

 

「……そうなるな」

 

「………」

 

新海先輩の返事に納得のいかないご様子。

 

「抵抗がある天の気持ちは分かる。……けど、一番辛いのは、翔だから。翔がやりなおせば、私達の記憶は消える。でも、翔は消えない」

 

「罪のない人々が、あるいは……私達の誰かが死んだら、その悲しみを、翔だけが背負い続ける」

 

「翔はもう……深く傷ついてる。だから、そんな険しい顔……しないであげて」

 

「………、ごめんなさい」

 

「……いえ、私も。偉そうにごめんなさい」

 

「因みにですが、私はその案に賛成の票を入れます。可能性の段階で枝を別れさせるのは、イーリス側に情報を与えてしまうと思います。決定的な証拠を手にしてから戻るのが一番良いと思います」

 

「舞夜ちゃん……」

 

「多分、これが一番先輩の負担も少ないと思うの。傷ついたり背負うにしても回数は可能な限り減らしたいからね」

 

「……ああ、そうだな」

 

「しんみりした空気は気が滅入るわね……。とにかく、伝えたわよ?どうするかは、あなた達に任せる。私もイーリスの動向に注意しておくわ」

 

「頼む」

 

新海先輩のお願いと同時に消えていく。

 

「………、相当厄介なことになってきたな……」

 

「何が起こると思う?」

 

「ありそうなのは……ユーザーが一斉に暴走……とかだな」

 

「街中大混乱ってこと?」

 

「街中で済めばいいけどな……」

 

「え……世界規模……?」

 

「そうはならないと思うけれど……。世界中に聖遺物が散らばっているのなら、もう混乱が起こっているはず」

 

「そうなっていないのは、限られた範囲に聖遺物が散らばっているからだと思う。白巳津川全域か……もっと広いかは分からないけれど。どちらにせよ、そこまで大きな規模にはならない」

 

「……と思いたい」

 

「私も同じ考えですね。知っている限りではこの街とその周辺以外でユーザーの可能性がある事件や出来事は起きている感じはしませんね」

 

「……見届けたとしてさ。それ、にぃにの手に負えるの?」

 

「いいや、もう持て余してる」

 

「いやまぁ……うん、そうでしょうけど……」

 

「俺一人じゃ無理だ。だから、仲間を集めた。みんなとなら、やり遂げられると思う……が」

 

「引き返してもいいなんて、言わないで。私はあなたと共歩む。どこまでも、果ての果てまで」

 

「うわかっけー……あたしも言ってみてー……」

 

結城先輩だから様になる言葉だよねー。少女の夢ーーーその果てに。ってね。

 

夕日をバックに優雅な椅子に座る結城先輩の構図……ぅうん!最高っ。

 

「天。敢えてもう一度聞く。力を貸してくれるか?」

 

「え?ぁー……、一回持ち帰らせていただいてもいいですか?」

 

「えぇ……?」

 

「嘘でしょ……」

 

「……流石っ!」

 

「いやそのリアクションおかしいでしょ!OK前提で聞きましたみたいな態度おかしいでしょ!」

 

「だってお前……」

 

「この空気で……」

 

「だって予想以上に規模がでっけーだもん!下手したら世界規模なんだもん!」

 

「背負えませんって!あたしには荷が重いですって!世界なんて救えないって!だってあたし、ただのグラビアアイドルだよ?」

 

「……は?」

 

「っふふ」

 

天ちゃんの写真集か……幾ら積めば手に入るんだろ?億かな?

 

「ァ?なんだその目。やんのかコラ」

 

「テンパってんのか場を和ませようとしてんのか、どっちだよお前」

 

「両方だよぉ!」

 

ふふ、スベッたみたいになっちゃてさー。

 

取りあえず、天ちゃんの頭を撫でておく。

 

「うお?いきなりどうしたんさ?」

 

「うーん、何となく?」

 

「怖いと思うのは当たり前。無理する必要はない。ここで抜けても、誰も責めない」

 

「すみません、やりますやります。世界規模の大事件なら、どうせ巻き込まれるし」

 

「確かに……そうね。逃げ場なんて、どこにもないかもしれない」

 

「なら、一番安全そうなにぃにのそばにいますよ」

 

「いっちばんあぶねーと思うけどなぁ……」

 

「よくわかんないけど、過去を変えるにしても近くに居た方がいいでしょ?めっちゃ遠くにいたら、どうあっても間に合わねー!とか結城先輩とどっちかしか助けられねー!とかあるかもしれないじゃん?」

 

「言われてみれば……そうだな」

 

「ご安心をっ!そういう時の為に私が居ますので!天ちゃんの安全は私が守りましょうっ!勿論皆さんもですが!」

 

「その時は……頼む。俺だと助けられない場面もあるかもしれないからな」

 

「承りましたっ」

 

「これからは、出来る限り皆一緒に居た方が良さそうね……」

 

「だな。いつ何が起きるか分からないし……その方が臨機応変に対応出来るしな」

 

「だってさ、天ちゃん。やっぱり一緒に住もっか?」

 

「いや、何がだってなのさ……」

 

「それじゃあ、ゴールデンウィーク中は出来る限りみんな一緒に」

 

「"みんな"、でいいんですか?」

 

「どういうこと?」

 

「にいやんと二人きり、じゃなくていいんですか?」

 

出来立てカップルを早速揶揄い始める天ちゃん。

 

「っ、……ぅ」

 

「うわ、すぐ赤くなる!あまり動じない人だと思ってたのにこの人チョロいぞ!」

 

「色恋については……あまりいじらないで。耐性が無いから、反応に困る……」

 

「モジモジしてるー!かわいー!いい彼女捕まえたなー?おいー!」

 

うんうん。私としてもどっちも可愛いとおもいます。

 

「お前、ほんとシリアス維持できないな」

 

「それが取り柄なんで。んじゃ、方針が決まったところでお暇しましょうかね?ね、舞夜ちゃん?」

 

「だねー……」

 

「……も、もう?」

 

「はい。彼氏にしか見せない油断した姿している人が居て、ソワソワしちゃうので」

 

「っっ……!」

 

「またモジモジしてるー!かわいー!」

 

ナイス攻撃っ!いやほんと可愛いな結城先輩。更にいじめたくなるねこれは!

 

「だから揶揄うなよ……。もう帰れよ……」

 

「はいはい帰りますぅ。お邪魔虫は消えますぅー。いこっ、舞夜ちゃん!」

 

「あー……うん、って言いたい所なんですがぁ……実は私から提案がありましてぇー……」

 

解散の空気に水を差すのは申し訳ないけど……。

 

「提案……?」

 

「はい。ヴァルハラ・ソサイエティのメンバー全員にです」

 

「何かあるのか?」

 

「えっと、イーリスとの戦いに備えて対策……とまでは行かなくても、戦う事に慣れる……と言えば良いんでしょうか?皆さん戦闘については素人なので、少しでも経験があった方が良いとは思いませんか?」

 

「まぁ……それはそうなんだが」

 

「そこで、メンバー全員でなるべく集まるついでですし、私の実家ーーー」

 

「ーーー九重家で、その体験をしてみませんか?」

 

 





次回へ続く、、、。

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