9-nine- ―最高の結末を追い求めて―   作:コクーン√

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特訓開始です。

女性陣には軽く道具の説明をして、高峰蓮夜と家の裏手に来ています。




第16話:私はナイフも使える口なんですよ?

 

「それでは高峰先輩、どこからでも好きに仕掛けて来て下さい」

 

「ふむ、相当な自信があると見える……それならこちらから行くとしよう」

 

和室である程度方針を決めた後、一番手軽な高峰の手合わせからしておこうという話になり、家の裏手にあるちょっとしたスペースに来ていた。

 

「ねぇ、みゃーこ先輩。大丈夫なの?舞夜ちゃん……?」

 

「ちょっと、心配……だよね。怪我しない様に二人とも気を付けているとは思うけど」

 

「大丈夫よ。彼女なら」

 

「だな。寧ろ高峰が怪我しないかの方が俺としては心配なくらいだ」

 

高峰は強い。俺の実力じゃどうあがいても勝てない位には……が、九重は更に別次元だ。他の枝でゴーストと二人相手に余裕で勝っていた。

 

「まずは、お手並み拝見と行こうか……!」

 

九重と対峙している高峰が動く。お互いに数メートルの距離があるが、その距離がすぐに埋まる。

 

「ハァッ!」

 

正面に拳を突きだす。

 

「ほいっ」

 

正拳突きに見える攻撃を片手でいなす。

 

「女の子相手だから寸止めしようとするお気持ちは分かりますが……」

 

「いや、すまんな。それについては謝罪しよう」

 

伸ばした腕を戻し、高峰が謝る。

 

……今の、寸止めするつもりだったのか。

 

普通に殴る気かと思っていた。

 

「改めて、今度は本気で行かせてもらう」

 

「ふふ、楽しませて下さいね?」

 

九重が不敵な笑みを浮かべる。完全に悪役ポジションだ。

 

「シィッ!」

 

さっきよりも素早い動きで九重との距離を詰める。

 

「ハァァッ!」

 

ーーー攻撃を仕掛ける。

 

高峰の動きを見てそう感じた瞬間、九重が流れるように高峰の体に自分の体を入れる。

 

「せいやっ」

 

繰り出そうとした高峰の腕を掴む。綺麗に投げ飛ばす。

 

「ーーーッ!くっ……」

 

空中を一回転してその場に落ちる。

 

「おっ、綺麗な受け身を取りますねっ!」

 

地面に倒れ、体勢がまだ立て直していない高峰に追撃で踏みつけようと足を振り下ろす。

 

「なんの……っ!」

 

それをギリギリで避ける……いや、多分避けれる速さで振り下ろしたな、あれ……。

 

その場を転がりながら距離を取って起き上がる。

 

「流れるような無駄のない投げ技。素晴らしい」

 

「あはは、ありがとうございます。では、今度は私から仕掛けますよ?」

 

宣言をしてから姿勢を少しだけ下げる。それを見て迎え撃つように高峰が構える。

 

「よーい、ドンッ!」

 

スタートと同時にその姿が高峰の目の前に現れる。

 

「なっーーー!?」

 

一瞬のことに驚愕の表情を浮かべる。

 

「隙ありっ、です!」

 

右手を前に出し、デコピンを繰り出す。

 

「っ!」

 

それを寸前で顔を逸らして避け、反撃とばかりにその腕を掴もうと手を伸ばす。

 

「なにっ!?」

 

その手が空を切ったかと思うと、九重が高峰の背後に回っていた。

 

そして、がしっ。っと高峰の体を掴む。

 

「く……っ!?動けん!」

 

「行きますよー?真神流ーーー裏流転(うらるてん)っ!」

 

九重が技名を言ったと同時に、高峰の体が宙を舞う。

 

「ーーーッ!」

 

受け身も取れずに地面に落下する寸前で、その体が停止する。

 

「大丈夫ですか?」

 

一瞬停止し、ゆっくりと地面へ落ちる。

 

「あ、ああ……止めてくれて感謝する」

 

心配するように九重が手を差し出し、それを掴んで立ち上がる。

 

「いえ、試しに使って見たのですが、ちょっと危なかったですね。すみません」

 

「今の技は……もしや?」

 

「ふふん、高峰先輩もよく知っている技ですよ?どうでしょうか?頑張って練習して覚えたのですが……?」

 

「やはりか……素晴らしい完成度だ」

 

「ありがとうございます~」

 

「ただ、相手を掴む左手の位置が少し違ったな」

 

「ありゃ、それは申し訳ないです」

 

なんだかよく分からない談笑会へ切り替わっていた。しかも、横で見ている香坂先輩と希亜の目が輝いている気がするが……。

 

「えぇー……何今の戦い……えー……」

 

「す、すごかったね……」

 

「すす、すごい、です……!今の、真神流古武術……っ!」

 

「ええ、そうみたいね。まさか魔人都市の彼の技を再現している人が居るなんてね」

 

「三日月慎也の、真神流裏流転……!その完全再現……!」

 

こっちはこっちで盛り上がっている感じだ。先輩に関しては若干早口になっている。

 

「この試合、完全に私の負けだな。まさかこれ程実力に差があるとは……」

 

「これでも護身術を嗜んでいるのでっ!」

 

ドヤ顔で胸を張る。そろそろ護身術で誤魔化せる範疇を越えてると思うんだが……?

 

こう言っちゃなんだが、あくまで高峰の強さは、一般人がかなり鍛えた程の強さと言っても良い。

 

となると……やっぱり九重の強さが異常って事になるんだよなぁ……。しかもそれと同じか、もっと強いのがまだ控えてるとか、インフレし過ぎだろ。

 

「こんな感じで何時でもお相手しますので!あ、もし私以外が良いのでしたら言って下さいね?他の人もそれなりに動けるので」

 

「フフフ……乗り越えるべき壁が大きければ大きいほど……滾る、滾るぞ……!」

 

「それで、次は幻体……レナのお相手を見繕いましょう」

 

高峰の相手が済み、俺を見る。

 

「了解」

 

「おう、俺の番か?」

 

「ですです。レナだけ一緒に来て貰って良いですか?」

 

「だとよ、大将。ちょっくら行ってくるわ」

 

「おう、失礼のない様にな」

 

レナを連れて九重が席を外す。

 

「へい兄貴」

 

「ん?どした」

 

「舞夜ちゃん、めっちゃ強くない?」

 

「まぁな。驚くよな」

 

「ん?そういう割には驚いてなくね?」

 

「あ、新海くんは他の枝で既に知っているとか?」

 

「そんな感じ。一応、希亜も少し前から知っているぞ」

 

「なるなる。まさか、つえぇーって言ってた先輩が負けって言う程だったとは……護身術ってすげぇー……」

 

ほへぇ……と呆けた顔で関心をしている。アホな妹で助かるよ。

 

 

 

 

 

新海先輩からレナをお借りして実家の中を歩く。

 

「そう言えば、レナって先輩と記憶を共有してるで良いんだよね?」

 

「ん?まぁそうだな。大将の記憶を俺も持っているし、オレが体験したことも戻れば大将に共有されるぜ」

 

「なるへそ。ならレナに言っておくね」

 

「何かあんのか?」

 

「先輩も何となく察してるかと思うけど、私の実家の一部の人にはユーザーやアーティファクトとかの事情を説明して味方につけてるんだよね」

 

「ま、そうだよな。じゃなきゃこうも手伝ってくれるわけねぇもんな……」

 

「だからこれから会う人達もこっちの事情をある程度知っていて、他に漏らす心配がないの」

 

「なるほどな。オレの存在も知っているでいいのか?」

 

「うん、知ってるよ」

 

「なら、めんどくせぇ気遣いは要らねぇってことだな」

 

「その通りっ!なので存分に無茶しまくって下さいなっ!」

 

これでレナが人間離れした動きを好き勝手に出来るね!

 

廊下を歩き、一つの部屋に辿り着く。

 

「お邪魔しまーす。お待たせっ!」

 

部屋の中に入る。

 

「ようやく来たわね!待ちくたびれたわ」

 

入ったのは談話室。中には久賀三花と妹の二葉、それと司君。今日の為に呼んでいた。それと、呼んではいないけど澪姉が居た。

 

「舞夜姉、来た……」

 

「そちらの用事は済まれたのですか?」

 

「一旦はね。こっちも待たせているから先にしておかないと」

 

「お邪魔しているわよ」

 

「澪姉は呼んではいなかったけど……もしかして何か用だった?」

 

「ないわよ?暇だったから遊びに来ただけ」

 

「なるほどね~……。んー……流石に澪姉は無いかなぁ?」

 

「安心しなさい。若い子らのを横取りする気はないから」

 

「よかった。なら安心」

 

澪姉に渡したら流石に新海先輩が可哀そうになる。

 

……毒物や化学の力を味わいたく無しだろうしね。

 

「あ、紹介するね?新海先輩の分身のレナさんです。パチパチパチ~」

 

「へぇー……あんたが例の?」

 

二葉ちゃんの隣に座って居る三花が興味深そうに見つめる。

 

「んで、舞夜。紹介してもらったが、オレは何をすんだ?」

 

「ここに居る人と好きに手合わせしてもらいます。それで色んな経験をしたら強くなれるかなって」

 

「はーん、そういうことね」

 

「少なくとも皆さんレナより強いので精々ボコボコにして貰って下さいな!」

 

「俺は構わないけどよ。後で大将が泣くぜ?」

 

「耐性付いて良いかと?」

 

「スパルタだねぇ。良いんだけどよ」

 

はぁ……とため息を吐く。

 

「それじゃあ、最初は誰にしてもらおっーーー」

 

『してもらおっか?』と口に出そうとした時、入口の扉が勢いよく開き、二葉ちゃんがビクッと驚く。

 

「ちょっと待ちなっ!」

 

バンッ!と登場したのは……。

 

「燈じゃん。どしたの?」

 

「その話、俺も混ぜさせてもらうぜ?」

 

ニヤリと笑って私を見る。

 

「あれ?確か依頼受けていなかったっけ?」

 

「んなもんとっくに片付けたに決まってんだろ?」

 

それでこれを聞きつけてやってきたと……。

 

「えー……でもなぁ」

 

「ちょっと、私達が先にお願いされてるのよ?割り込むのはおかしいでしょ」

 

「んなのそこに俺が居なかったからだろうがよっ」

 

「だって、燈って人に教えるの下手じゃん。いや、無理でしょ?」

 

見た目通り感覚派だからね。前に一回聞いた時は全部効果音と身振りで説明してた。それを見てからこの子には無理だと悟った。

 

「体で覚えさせりゃ良いんだよ!幾ら殴っても死なないんだろ?」

 

「それ時間の無駄じゃん。説明出来るようになってから出直して?」

 

「そうよ。単細胞のあんたには荷が重い仕事よ」

 

「三花さん?単細胞は言い過ぎですって……」

 

馬鹿にする三花と、それを宥める司君。二葉ちゃんは静かに飲み物を飲んでいる。

 

「ぁあ?俺より弱い奴が指図してんじゃねぇよ」

 

「はぁ?注意と指図の区別も分からないの?」

 

黙って見ていると、二人がヒートアップしていく。

 

うーん、めんどくさ。

 

「はいはい、その理屈なら燈は私の言うことを聞くってことで良いのかな?」

 

「……それならまだ納得出来るな」

 

「ん、ありがと。それじゃ……退場ってことで!さよならっ」

 

笑顔でバイバイと手を振る。

 

「はぁああっ!?嘘だろ?おいっ!」

 

「驚き過ぎだって。燈には不向きなの。だからまた今度ね?」

 

「っ……んなら、俺と勝負しろ」

 

「え、なんで?」

 

「俺が勝てば聞く必要が無いってことだろ?」

 

あぁ……そう来たかぁ。

 

「えぇ……ここでそれを提案するぅ?」

 

「強い奴がえれぇ!そうだろっ?」

 

「澪姉ぇぇ~……助けてぇーー。燈が反抗期でめんどくさいぃぃー」

 

必殺!強者に泣きつくっ!

 

「あら?可哀そうに……よしよし」

 

ソファに座って居る澪姉の足元に縋りつくと、楽しそうに私の頭を撫でる。

 

「ちょっ!?それは反則だろっ!!」

 

「ふっふーん。これが私の手段なのじゃ!」

 

「舞夜が可哀そうだし……私が代わって相手してあげようかしら?」

 

「ぉおう……べ、別に構わないぜ……?」

 

明らかに目線を泳がしている。やっぱりこれが効くね。

 

「……はぁ」

 

放置気味のレナが呆れたようにため息を吐く。

 

「ま、冗談はこの辺りにしといて!レナを待たせるのもあれだし……いいよ。一戦相手してあげる」

 

「おっ!本気か?言ってみるもんだな!」

 

私とか他の誰かと戦えるかもって思って割り込んで来ただろうしね。たまにはそれを吐き出させないと後々爆発しても困るからねぇ。

 

「すみません、という事で場所を変えましょうか?」

 

「んまぁ……別に何でも良いけどさぁ」

 

「適当に観戦でもしていてください。すぐに終わらせますから」

 

「……はいはい」

 

ぞろぞろとお供を連れて修練場へ向かう。

 

「まぁ、どのみちここに来ることになっていたから良いんだけどねー」

 

「へっ。そんじゃ早速始めようぜ?」

 

私と少しだけ距離を置いてから、こちらに振り返った燈の目が赤く染まっていく。

 

「せっかちだなーもう。いいよ、始めよっか」

 

割と本気で来るっぽいね。それなら私も頑張らないとね!

 

相手に合わせるように私も力を使う。

 

修練場の中央で向き合う。

 

「司君ー、合図おねがーい」

 

「分かりました。では、行きますよ?」

 

司君が手を上げる。それを見て燈が前衛姿勢を構える。

 

「……はじめっ!」

 

「うぉおらっ!!!」

 

開始と同時に動き出した燈の拳が眼前に迫る。

 

それを首を動かして避けて、突きだされた腕を掴む。

 

こっちが反撃に出ようとした時には、既に反対側の腕がナナメ下から私に向かって来ていた。

 

「ふっ!」

 

その攻撃を手の平で受け止める。

 

こちらに反撃させまいと今度は膝蹴りを仕掛ける。

 

片足が浮いて重心が動いたので見て、掴んでいた両手を上へ放り投げる。

 

「くおッ!?」

 

膝蹴りが目の前でかすり、燈が宙に浮く。咄嗟に体を捻り、今度は反対の足で足技を繰り出す。

 

「もらったっ!!」

 

お祈り蹴り技をいなして足首を取り、そのまま手加減なしで後ろの地面に叩きつける。

 

「がッ!?」

 

反射で腕を突きだし顔面から落ちるのを防いでいる。

 

「ほら、ほらっ!」

 

もう一度持ち上げて逆側に叩きつける。

 

「ぐッ!」

 

駄目押しでもう一回叩きつけようと持ち上げて振り下ろそうとした時に、反撃で私の頭に踵落としを振り下ろす。

 

「甘い甘いッ!」

 

手持無沙汰の手で足を受け止める。

 

「とりゃ!」

 

振り回している燈を上空へ投げ捨てる。

 

落ちてくる燈に掌底を放つ構えを取って腕を捻じる。それを突き出すと同時に回転を加えてぶつける。

 

「真神流っ!螺旋掌!」

 

咄嗟に腕でガードするが、そのガードごと貫き、衝撃が走る。

 

「がはッ!?」

 

受け止めた勢いに押され後ろに吹き飛んで転がる。

 

「くそ、がぁ!」

 

やられっぱなしに怒ったのか、怒りに身を任せ突っ込んで来る。

 

それを流れるようにいなして後ろに投げる。

 

「ちっ!」

 

受け身を取って転がりながらもすぐに立ち上がる。

 

「まだやる?」

 

「当たり前だっ!まだ負けてねぇ!」

 

「仕方ないなぁ。更に追加で本気を見せてあげようじゃないか」

 

今度は私から攻撃を仕掛けようと迫る。

 

「っ!」

 

攻撃の射程圏内に入る直前に、その場で宙返りするように跳躍して燈の頭上を飛び越える。

 

それに反応するように燈がすぐさま後ろへ振り向く。

 

私が地面に着地する直前に合わせて攻撃をしてくる姿勢を取り始めたので、能力を使って空中に足場を作る。

 

「せいやっ!」

 

作った足場を蹴って、燈に向かって跳ぶ。

 

「はぁ!??」

 

物理を無視した動きに反応出来ず、硬直した隙を縫って後頭部目掛けて蹴りをお見舞いする。

 

「が、ぁ……」

 

防御も間に合わず直撃し、そのまま昏倒するように崩れ落ちる。

 

「……よし、これで静かになったね!」

 

「そ、そうですね……」

 

「舞夜、ちょっとあんた!何よ今の動きっ!」

 

「舞夜姉、空中を蹴った……」

 

「へへー、これが私の能力なのさっ」

 

気絶している燈を司君に任せ、観客席へ戻る。

 

「おいおい……あいつ大丈夫なのかよ?思いっきし蹴りを食らってんぞ?生きてんよな?」

 

「ん?あー平気平気。あのくらいじゃ死なないから」

 

「いや、普通に死んでもおかしくない威力だったろ……」

 

「大丈夫だってー。ここの人間があの程度で死んだら笑いもんだよ」

 

まず体の作りが一般人と違うもん。遺伝子レベルで人間としての構造がおかしいからね。

 

「結構頑丈だからね。あの程度じゃすぐに起き上がるから」

 

「なら良いんだが……」

 

「なんだが愉快な使い方をしているわね」

 

さっきの動きを見て澪姉が面白そうな表情をしてる。

 

「能力をちょっと応用してみたんだー。どう?驚いた?」

 

「ええ、初見なら大抵の人に通じそうね」

 

「あいつが反応出来ていなかったから……そうなるわね」

 

「まぁ、流石の燈でも想定外の攻撃には止まっちゃうって事だねぇ……」

 

いくら目が良くても体の反応が追いつかなくちゃ意味無いしね。

 

「さてと、これで本題に入れますが……」

 

未だに苦笑しているレナを見る。

 

「……一つ聞いてもいいか?」

 

「はい、何でもどうぞ~?」

 

「ここにいる連中は、全員がこんな感じで戦えるのか?」

 

「それはぁー……まぁ?」

 

「私達をそいつと一緒にしないでもらえるかしら?」

 

私が微妙な返事をしていると、三花が割り込んで来る。

 

「違うのか?」

 

「そりゃそれなりに出来るわよ?けど、舞夜と同じレベルを期待してるのなら残念ね」

 

「んまぁ……それもそうか。上から数えた方が早いって言ってたもんな」

 

レナが納得していると、澪姉が話に加わる。

 

「そうねぇ。舞夜はかなり強い部類に入るわよ?」

 

「いや、澪姉はその私より強いでしょー?」

 

「アーティファクトを使った舞夜とはどうか分からないわよ?」

 

「純粋な力だけならねっ。澪姉の土俵なら流石に無理無理っ」

 

私は九重の血を持って無いから耐性とか無いし!

 

「と、言う事で。レナのお相手はこちらの三人になりまーす」

 

「えっと、こっちのツンツンしているちょっと薄い赤髪の人が三花ちゃんですっ!私と同じ年」

 

「よろしく……って誰がツンツンよ」

 

ふん、と髪を払う。テンプレである。

 

「そして、その横に居る黒髪の子が、妹の二葉ちゃん。歳は一個下だよー」

 

「……はい」

 

「んでんで、さっき審判してくれた爽やかそうなイケメンが四栁司君」

 

「爽やかそうなって……。っと、よろしくお願いしますね」

 

「あっちで転がってるのが、八倉燈。脳筋に見えるけど、戦う為なら割と面倒な手段を使って来るから気を付けてね」

 

「そして、こちらにおられるのが我らが澪姉でございます。あ、本当は澪って呼ぶんだけどね!」

 

澪姉って呼ぶのは私だけである。たまに釣られて他の皆も呼ぶ時があるけど。

 

「紹介はこんな感じで良いかな?皆も幻体だからある程度までは無茶が利くけど、加減はしてね?」

 

「どの程度なら良いのよ?」

 

「……四肢を捥ぐとか?」

 

「おいおい、大将が発狂すんぞ……」

 

「だって。でもあくまで痛みじゃなくてダメージが先輩に還るからその辺は臨機応変でっ!」

 

「てきとうね……まぁいいわ。その都度確認取ってあげるわ。あなたもそれで良いでしょ?」

 

「ああ、それで構わねぇよ」

 

「レナはここに任せて、私はみんなの所に戻るね?」

 

「ええ、たーっぷりとしごいてあげるわ。結果を楽しみにしておくことね」

 

「ほほー?それは良い事を聞いたね。それじゃまた!澪姉もまたねっ」

 

「ええ、程々に頑張りなさい」

 

レナを九重の皆に任せて、修練場を後にする。

 

これでレナのパワーアップはある程度見込めるとして……問題は新海先輩だよね。

 

 




名簿

九重 澪(ここのえ れい)

現当主、九重宗一郎の孫。九重の血を濃く継いでおり、その実力もトップクラス。
三十路に片足を突っ込んでいる20代後半。腰辺りまで伸ばしてる長い黒髪が特徴的。
血を濃く継いだ影響なの分からないが、元々目が若干赤く染まっている。
祖父と似たように割と血の気が多い場面もちらほらと……。
主人公のことを昔から家族兼妹の様に可愛がっており、自分が高身長の為着られない可愛い服などを着せ替え人形の如く着せて楽しんでいる。

オーバーロードのせいで主人公が死ぬ未来が確定していることや犠牲者を出すこと、それが正しいと肯定している主人公を見て、翔やナインに対して思う所があったり……。

武器は、毒物や薬を使った暗殺、暗器などを専門としている。※ハニートラップとかも?
ただ、武器なしで普通に主人公に勝てる実力もある。

-余談-
まだ学生の時に、宗一郎の毒物などに対する耐性が高く、どうにかそれを突破出来ないかと色々試している内に上達していった裏話がある。

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