9-nine- ―最高の結末を追い求めて―   作:コクーン√

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後編です。




第19話:こうして、第一回お泊まり会は無事に幕を閉じたのであった……

 

 

「……入っても、良い?」

 

夜も深まって来た中、希亜が部屋に訪ねて来た。

 

「あ、ああ……大丈夫だが」

 

このまま立っているのもおかしいので、取り敢えず部屋へ招く。

 

「どうかしたのか……?」

 

「特に用事があって来たわけじゃない……ないけど」

 

「ないけど?」

 

「何となく一緒に居たかっただけ」

 

「そ、そっか……」

 

その一言にドキリと心臓が跳ねる。座る場所がベッドしか無いので隣り合わせでお互いに腰を下ろす。すると、ぎしりと音が鳴る。

 

「……もしかして、さっきまで寝てた?」

 

「ん?ああ、ちょっと寝落ちしていたらしい」

 

「ごめん、寝ていたのに起こして」

 

「いや、寝るつもりが無かったのに寝てたから助かった」

 

「ならよかった」

 

「むこうは大丈夫なのか?ほら、先輩とか皆は……?」

 

「春風ならもう寝てる。天と九條さんと舞夜は部屋でまだ起きていると思うけど」

 

「そ、そうか……高峰は?」

 

「……さぁ?部屋の電気は点いている感じだったけど」

 

恋人と同じ空間で二人きりという状況に緊張する。

 

何を話せば良いのか考えている内に、沈黙が訪れる。

 

「……和室もそうだけど、こっちも良い部屋」

 

「一人で使うには贅沢だよな……そっちはどんなだったんだ?」

 

「こっちも似たような感じだった。部屋の端に小さなテーブルと、掛け軸があった」

 

「掛け軸……」

 

「捲ってみたら、一階の和室の部屋と似たような物があった」

 

「マジかよ……全部の掛け軸の裏にあるんじゃないだろうな……」

 

「舞夜に聞いてみたけど、他にも色々とあるみたい」

 

「カラクリ屋敷かよ……」

 

「春風がそれを聞いてあちこち触っていたわ」

 

「危なくないか?何か飛び出してきたりしそうもんだが」

 

「面白そうだから私も一緒に探してみていたら、脱出口らしき道なら発見出来た」

 

嬉しそうに報告してくる希亜。脱出口って……何を想定しているんだが。

 

「それ、九重に怒られないか?」

 

「おめでとうって拍手していたけど?」

 

「あ~……なんか想像出来るわぁ」

 

逆に見つけれる物なら見つけて見ろって言いそうだわ。

 

「あとは、テーブル裏に何か仕込みそうな窪みと、タンスの中から屋根裏を伝って移動するような道があった」

 

「忍者かよ……」

 

あいつは一体何を目指してるんだ……。

 

「その後はしゃぎすぎて疲れた春風が横になったと思ったら……」

 

「すぐに寝たって訳か」

 

「そう。だからここに来た」

 

「九條や天の方には行かなかったのか?」

 

「そうしようかとも思ったのだけれど、舞夜が部屋から出る際に……」

 

「出る際に?」

 

「……天や九條さんが翔の部屋を訪ねない様に引き留めるって言うのと、その、二階の部屋は全部屋防音だから、多少騒いでも音の心配は、無いって……」

 

恥ずかしいのか、徐々に声が小さくなっている。いや、俺も滅茶苦茶はずいんだが。

 

「……なる、ほどなぁ」

 

つまり、希亜にも俺と同じ様な事を言っていたってわけか。

 

「実はな、俺も九重に同じことを言われた……」

 

「翔も?」

 

「ああ、防音はしっかりしているってさ」

 

「……と、いうことは、つまり……」

 

「誘導されたって事だな」

 

「気を遣った……でいいのかな?」

 

「変な気を、な……」

 

このままだと、まんまと九重の思惑に嵌まってしまいそうだ。

 

「そ、そういえば……さっ」

 

「な、なに……?」

 

「前に、三人でアーティファクトを回収する為にビルに行った時があるだろ?」

 

謎の空気が漂いそうなので咄嗟に思いついた事を聞いてみる。

 

「……ええ、あの時ね」

 

「あの帰りに、二人で何か話していたみたいだけど……どんなことを話していたんだ?」

 

「……そうね、翔はどう思っていたか分からないけど、あの日の彼女の姿を見て、私は疑っていたの」

 

「疑っていた……?」

 

「私達からすればありえない、非日常的な出来事……色々と驚いたし、恐怖も感じた。けれど、彼女にそんな表情は一切見えなかった」

 

「……確かにな」

 

「相手は大人、それに、武器も持っていた。それを何事も無かったかのように制圧し、普段と変わらない声で私達の所へ戻って来た」

 

「その後も、普段通りに歩いている姿を見て、あなたの友人と同じものを感じた」

 

「彼女は一体何者なのか……。聞かずにはいられなかった」

 

「……それで、どうだったんだ?」

 

今もこうして……変わらず仲間として過ごしている時点で、答えは分かっているけどな。

 

「詳しくは分からなかったわ。けれど、彼女も彼女なりの正義を持って生きている……そういう風に見えた」

 

「……翔は、これを知っていたのでしょ?」

 

確信を持った瞳で俺を見る。

 

「……なんとなく、だけどな。流石に拳銃とかも平気で扱えるとは思って無かったけど」

 

「それでも、翔があの子に対する態度は変わらなかった」

 

「まぁ、そうだな。他の枝で沢山助けられてきたからな……」

 

「その話、詳しく聞いてもいい……?」

 

「九重のをか?」

 

「うん、翔が知っている様に、私も知っておきたい」

 

「……分かった」

 

真剣な表情をしている希亜に、他の枝での出来事を簡単に話す。天を助けてくれたこと、与一と戦う為に手を貸してくれたこと、イーリスとの戦いで誰よりも戦ったことを。

 

「他にも細かいとこ色々とあるけど……鮮明に覚えてるのはこれくらいだな」

 

「……話してくれてありがと」

 

俺の話が終わると、考えるように目を閉じる。

 

「翔は、彼女のことを信じているのね」

 

「ああ。希亜は違うのか?」

 

「そうね。昔の私ならそうだったかもしれない……けれど、今は同じヴァルハラ・ソサイエティの仲間として彼女のことを信じている。翔の話を聞いて、それが確固たる物に変わっただけ」

 

「なら……大丈夫だな」

 

「"自分のことは信じられなくても、翔のことを信じて、信頼して下さい"……ね」

 

希亜が小さく呟き、フッ……と笑う。

 

「ん?なに?」

 

「いえ、彼女のお願いを、聞き入れることは出来そうにも無いと思っただけ」

 

「そうか?」

 

何やら二人の間で交わされたのがあるみたいだが、希亜の表情を見れば問題は無さそうだ。

 

「そう、だから気にしないで」

 

「了解」

 

真面目な話が一段落し、またも沈黙が訪れる。

 

「……翔は、この後はもう寝る?」

 

「へ?あ、ああっ、そのつもりだが……まだ話したいんだったら別に大丈夫だ」

 

「……それなら、私も一緒に、寝ようかな?」

 

「へっ!?!」

 

突然の言葉に隣に座っている恋人を見る。

 

「の、希亜さ、ん……?」

 

その目は、何かの返事を期待している目だった。

 

「……ダメ?」

 

「こ、ここ、人の家だけど……」

 

「うん、それはちゃんと分かってる。泊まらせて貰ってるのにって。だけど、本人が大丈夫って許可は出していた」

 

「そ、それはそうかもしれないが……」

 

確かに九重はこうなっても大丈夫って言っていたが……。

 

「私も、翔の部屋に来る前に悩んだ……」

 

「悩んだ結果が、これ……ですと?」

 

「……うん」

 

「……なるほどなぁ」

 

つまり、検討したが来たと……。

 

「わざわざ私達二人に防音と伝えて、他の人が部屋を訪ねて来ない様に動いている……これは据え膳」

 

「そ、そうかぁ?」

 

「翔は、したくない?」

 

「っ!?」

 

潤んだような目で俺を見てくる。

 

「……正直、ギリギリではある」

 

「ふふ、同じだね」

 

嬉しそうに微笑み、俺の腕に抱き着いてくる。

 

「あ、あの」

 

「ん?どうしたの?」

 

「これ以上進むと、止められない気がするんですが……」

 

「……えいっ」

 

今度は腕じゃなくて体に抱き着く。

 

「……これでも?」

 

俺の反応を見るように顔を上げる。

 

「因みに、部屋の鍵は……?」

 

「入った時にすぐ閉めた」

 

「あ、はい……」

 

最初からそのつもりだったと……。

 

「ここまでしても、ダメ……?」

 

「……駄目じゃ、ないです……」

 

そして俺は、自分の理性が本能に負けたと理解した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぁ~……んぅ?」

 

目が覚める。

 

「……あぁー……そっか」

 

寝ぼけた脳の状態で起き上がる。隣に天ちゃんが寝ていたので一瞬天国かまだ夢かと勘違いしたが、現実だった。

 

時間は朝六時前。皆が起きるのはまだ先だろう。

 

喉が渇いたので、起こさない様にベッドから抜け出す。

 

「……ふへへ、なんともまぁ無警戒な表情で……ふふ」

 

まだ夢の中にいる天ちゃんの頬を優しくつつく。

 

「ん……むにゃ……んぅ……」

 

うひゃーーーっ!可愛いっ!頬っぺた柔らかっ!

 

歓喜の雄たけびを上げたい欲を我慢して深呼吸をする。

 

「……よし、起きてないね」

 

隣のベッドで寝ている九條先輩を見る。

 

「……すぅ……すぅ……」

 

綺麗なリズムで寝息を立てながら寝ている。

 

あぁ……何時間でも見れそうだよぉ……。安眠用のBGMとして売って欲しい。

 

少しの間楽しみ、二人を起こさないよう細心の注意を払って部屋を後にする。

 

そう言えば、昨日は結城先輩を唆したけど……新海先輩の部屋に行ったんだろうか?

 

事の顛末が気になり、隣の和室の部屋を静かに覗く。

 

「……まじか」

 

そこには二人分に寝床が敷かれているが、香坂先輩しか寝ていなかった。

 

「いやいや、まさか……ねぇ?」

 

部屋に入り、誰も寝ていないと思われる布団を捲る。

 

「ですよねー……」

 

当然、結城先輩はいなかった。

 

急いで部屋中の気配を探る……が、感じるのは香坂先輩の寝息のみ。

 

……無防備な格好で寝ている。息をするたびに大きく動く胸部……うん、良きかな良きかな?

 

これがお泊まりの醍醐味の一つだよねっ!誰よりも先に起きて寝顔を見る!いやぁー……上流階級の特権ですなぁ!うははっ!

 

いやいや、待て、落ち着け。それよりも結城先輩の所在だ。

 

気配を消しつつ和室を出る。

 

「……ここ、だよね?」

 

新海先輩が寝ている部屋の前に立つ。

 

「……ん、やっぱり鍵が掛かってる」

 

ゆっくりと部屋のドアノブを回すが、開かない。

 

「……流石に放置はまずいよねぇ?」

 

今度は天ちゃんだけに収まらないし、その後が絶対気まずい。

 

「先輩方ー……?」

 

試しに何度かノックをしてみる。

 

「……うーん動く気配しないなぁ」

 

激しい運動をしてたのなら、眠りも深いだろうし……。

 

あと一時間もせずに九條先輩辺りが起きそうだしなぁ……。

 

「はぁ、仕方ないか」

 

先程の和室に戻る。

 

「ここから……」

 

タンスの中から屋根裏へ入る。

 

「先輩の部屋は……」

 

音を立てない様に気を付けながら部屋の真上まで移動する。

 

「ほいっと」

 

天井の板を一か所外し、部屋の隅っこから中へ侵入する。

 

「一応、元に戻して……」

 

天井の板を戻し、ベッドを見る。

 

「ははぁん……やっぱりでしたか」

 

そこには結城先輩が幸せそうに寄り添って寝ているお姿があった。

 

「……二度目かぁ」

 

少しはだけている布団をちゃんと被せて、新海先輩の肩を優しく叩く。

 

「先輩先輩」

 

起きないので軽く肩を揺する。

 

「ん……?んぁ……?」

 

眉を顰めながらも目を開ける。

 

「……あ?ん?九重……?」

 

「おはようございます。この後の展開が予想できますので、大声を出さずに落ち着いてもらえるとありがたいです」

 

「は……?大声……?何がーーー」

 

自分の今の状況をようやく理解出来たのか、目を大きく開けて体を起こそうとする。

 

「おっと、ストップですっ。ご自分の今の恰好を思い出して下さい」

 

肩を押さえつけて布団が下がらない様に掴む。

 

「あ……こ、これは……だなっ?その……だな?」

 

「大丈夫ですので落ち着いて下さいって。あと大声も。結城先輩が起きてしまいますよ?」

 

「す、すまん……」

 

「今は朝の六時ですので、まだ皆さんは起きていません。ですので、今の内にお二人ともシャワーでも浴びてさっぱりしておいて下さい」

 

「あ、ああ……助かる」

 

「では、私はこれにて……」

 

今度はちゃんと部屋の入口から出ていく。

 

……シャワーの準備と、他の皆が部屋に入らない様にしておかないとね。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふわぁ~……おはよー」

 

「おはよう」

 

「二人ともおはよー」

 

あれから一時間程経って今は七時が過ぎた辺り。天ちゃんと九條先輩が起きて一階の和室へ降りて来た。

 

「あれ?にぃにもう起きてたの?」

 

「あ、ああ……」

 

「あれぇ?部屋に鍵が掛かっていたからまだ寝てるかと思ってたのに……」

 

「あ、それはだな……間違って内鍵をしてしまったんだよ……」

 

「内鍵ぃ?なんでまたそんなのが……」

 

「なんか変なタイミングで閉まっちゃったみたいで……ま、私の方で適当に開けておくから気にしないでっ」

 

気まずそうな雰囲気を漂わせている先輩のフォローをする。

 

「それより、香坂先輩と高峰先輩は……?」

 

「香坂先輩はまだ寝てたよ?もう片方は部屋に鍵が掛かってたからわかんね。寝てるんじゃないかな?」

 

「りょうかーい。あと30分経っても来なかったら起こしに行こうかな」

 

「それじゃあ、それまでに朝ごはんの準備しよっかな?」

 

九條先輩が朝食の準備に取り掛かろうとする。

 

「みゃーこ先輩、あたしも手伝いますよ」

 

「うん、ありがと。それじゃあ、一緒に作ろっか」

 

二人がキッチンの部屋へ行くのをお茶を飲みながら見送る。

 

「……乗り切りましたね」

 

「……すまん、助かった」

 

「ほんとうにごめんなさい」

 

「あはは、元凶は私なので謝る必要はありませんよ?」

 

「へ、部屋も後でちゃんと掃除する……」

 

「あー……それじゃあ、お願いしましょうか」

 

別に後で私が片付けようかと思っていたけど、本人たちからすれば恥ずかしいだろうし、そのくらいの罪滅ぼしはあった方がいいか。

 

「ええ、任せて。しっかりと罪は償うわ……」

 

「罪て……そんな大げさな」

 

最悪感から申し訳なさそうにしている二人に、苦笑で返した。

 

それから間もなくして高峰先輩が降りて来た。

 

「あっ、おはようございま~す」

 

「すまない。少し遅くなってしまった」

 

「いえ、全然大丈夫ですよ?時間とか決めていないので~」

 

「む……朝食の準備をしているのか?」

 

「え?はい。今九條先輩と天ちゃんが作ってくれてますよ?」

 

匂いで判断したのかな?

 

「……なるほど。私も何か手伝えることはないか?」

 

……なんか目がキラキラしている様な気が……。

 

「それでしたらぁ……食器などの準備をお願いしても良いですか?」

 

「承知した、任せてくれたまえ」

 

朝から若干ウキウキした様子で和室を後にする。

 

「……そろそろ、香坂先輩を起こしに行こっかな」

 

あと少しで朝食の準備も終盤に入るだろうし……。

 

階段を上がり、和室の部屋へ入る。

 

「……すぅ、……すぅ……」

 

まだ気持ちよさそうに寝ている先輩がおられる。

 

「香坂せんぱーい、朝ですよぉー?」

 

ほっぺをぺちぺちと触る。

 

「起きないと胸を揉みしだきますよー?」

 

「……すぅ……んっ、ん?」

 

あ、起きてしまった……ちぇ。

 

「あ、あれ……あ、朝ですか……?」

 

「おはようございます。良い夢見れましたか?」

 

「えっと……はい……。あれ?なんの夢見てたっけ……」

 

「もう少しで朝食の支度が終わりますので、下で待ってますね?」

 

「朝食の……支度……?」

 

「はい」

 

「え……あれ?みんな、もう起きてる……?」

 

「ですね。香坂先輩が最後ですよ?」

 

「………、……はっ!?」

 

今の状況を把握出来たのか、声を上げる。

 

「あっ、あ、あの……わ、私……そ、その……ごめんなさいいぃぃ」

 

恥ずかしさのあまり顔が真っ赤である。

 

「いえいえ~。あ、朝食はご飯とパンどっちもあるのでお好きなの選べますよー」

 

「あ、ありがとうご、ざいますぅ……」

 

ご飯の話が出たからか、先輩からお腹の音が鳴る。

 

「あっ……」

 

「………」

 

テンプレだなぁ……。

 

「九條先輩に、楽しみにしてるって言っておきますね?」

 

「いえっ、あのっ、こ、ここ、これは……っ」

 

「全然、気にしていないので安心してください。それじゃあ、下で待ってますね?」

 

「あっ……、あ、はい……」

 

これ以上ここに居ると、先輩が更なる墓穴を掘ってしまいそうなので早々に立ち去った。

 

いやぁー……役得役得。朝だけでこんなに良い事があるだなんて。定期的にお泊まり会を開くべきだねこれは!

 

うんうんと一人で腕を組んで頷きながら、階段を下りて行った。

 

その後、朝食の準備を終え、それぞれが好きな方を選んで皆で朝食を食べた。九條先輩と天ちゃんの手料理と思えば美味しさは100倍である。

 

朝食を終え、暫くのんびり過ごしてから一旦解散する流れとなった。

 

「それじゃあ、お邪魔しましたっ!」

 

一番最後に玄関から出る天ちゃんが挨拶をする。

 

「今日もまた来るんだったら連絡してね?」

 

「はーい。お泊まりありがとね!楽しかったっ」

 

「こちらこそっ。皆さんもお疲れ様~」

 

新海先輩と結城先輩を残して全員が一旦帰って行った。

 

玄関の扉を閉める。

 

「……それじゃあ、やりますか?」

 

後ろを振り返って二人を見る。

 

「……ああ、そうするよ」

 

「……ええ」

 

「洗濯が必要な物があれば、洗濯機に突っ込んで適当に回して貰って大丈夫ですので。もし分からない事があれば都度聞いて下さい。あ、部屋の鍵は既に開けてます……それではごゆっくりと」

 

何とも言えない空気の二人に任せて、和室へ移動した。

 

すぐに階段を上っていく足音を聞きながら、ゆっくりとお茶を飲み始める。

 

これはこれで、お泊まりの醍醐味の一つ……は無理があるかな?ふふ。

 

 





気まずっ……!二度も後輩に情事後の現場を見られて……っ!これも若さ故の……。
無事お泊まり回も終わりましたので、話を進めて行きます。
この辺りから日にちがちょくちょく飛ぶかも……?

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