9-nine- ―最高の結末を追い求めて―   作:コクーン√

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一気に5/20までスキップです!
空白期間にも数話挟もうかと考えましたが、それは別のタイミングに変更しました。




第20話この状況で九重家の人どのくらい耐えれた人がいるんだろう……?

 

「ここの店に来て日は経つが、メニュー制覇もそろそろ見えて来たな……」

 

ジョナスンのテーブルを皆で囲いながら雑談をしていると、高峰先輩が感傷深く呟く。

 

「そですねー、制覇したらソイゼリア行きます?ちょっと遠いですけど」

 

「そうしよう。実はソイゼリアには行ったことなくてね。フフ……楽しみだ」

 

「……趣旨が変わってる」

 

高峰先輩の発言に結城先輩がツッコむ。

 

「常に気を張っていても仕方ないだろう。力を抜くべきときは抜くべきだ」

 

「……力を抜き過ぎて不意を突かれなければいいけれど」

 

「フ……鍛えた今の私なら大抵のことくらいには反応出来るさ。それに……このまま何も起きない可能性は十分にあると、私は思っているがね」

 

お泊まりから、早くも二週間以上が経過していた。

 

あれから適当に何度か実家の方にも行っていたけど、当日はこのお店からスタートなので良い感じにジョナスンにも訪れるように調整はした。

 

予定通りなら今日が最後の日になるので、皆を誘ってここに集まっている。最近は比率的に8:2でジョナスンの方が多い。まぁ、人によって差はあるけど……。

 

「このまま、諦めてくれてたりしないかな……?」

 

「そう願いたいけれど……。そう言えば九條さん、アルバイトは大丈夫?」

 

「え?ぁ、うん。今日は大丈夫。シフト入れてない日」

 

「そう……よかった。時間に融通が利く私たちはともかく……、毎日集まるのは九條さんの負担が大きすぎる」

 

「大丈夫だよ。私も多少の融通は利くから」

 

「でも、何かあるまでずっとこのままーってのも、普通にきついでしょ。あたしたちも用事入れられないし」

 

「そうだな……。心配ではあるけど現実的に厳しいし、頻度を減らした方がいいかもな」

 

「っ……!?」

 

新海先輩の発言を聞いて、香坂先輩と高峰先輩の表情が変わる。

 

「悲しそうにしている人が約二名いますけれども」

 

「皆と集うのが……唯一の楽しみだったからな」

 

「す、すみません……。私も……普通に、た、楽しんじゃっていました……」

 

「あくまでヴァルハラ・ソサイエティの活動頻度を減らす、というだけ。友人として集まるのは、自由にすればいい」

 

「フッ……友人として、か。では、これからカラオケでもどうだ?」

 

「新海翔よっ!!」

 

「なんで俺だけなんだよ。皆で行こうぜ、どうせなら」

 

「女子に歌声を聞かれるのは恥ずかしいじゃないか」

 

「……もっと恥ずかしい振る舞いいつもしてんだろお前」

 

呆れながらも和気あいあいと会話を楽しんでいる最中、店の外……少し離れた場所で人の声が飛び交っているのが微かに聞こえた。

 

飲んでいるドリンクを置いて、スマホを見る。

 

「………」

 

……どうやら、始まったみたい。

 

「……今日はもう終わりにしましょう。お疲れ様。あとは自由にーーーん?」

 

解散を告げようとした結城先輩が何かに気付く。

 

「どうした?」

 

「……外、騒がしくない?」

 

「え……?」

 

その言葉を聞いて全員が店の外を見る。

 

「……なんだろ?全力疾走している人いたね」

 

「なにかあったみたいだね……」

 

天ちゃんと九條先輩が不思議そうに呟く。

 

「なんか……すげぇ嫌な予感がーーー」

 

不穏な空気を感じ取った新海先輩が嫌々言った瞬間、外で女性の悲鳴が響く。

 

「ッ!?」

 

その声に全員が立ち上がる。

 

「え、なに今の!なになになに?」

 

「も、もしかして……」

 

「神が動いたか……それとも、別の事件か……」

 

「……様子を見てくる」

 

「私も行く」

 

「……わかった。九重、ここで皆を頼む」

 

「了解です。気をつけてください」

 

「き、気を付けてね……」

 

新海先輩と結城先輩がファミレスから出ていく。

 

その様子を見ながら待機する。場には結構な緊張感が漂い始める。

 

「にぃにと結城先輩、大丈夫かな……」

 

「大丈夫だよ、むしろ新海先輩なら何とでも出来るからね」

 

オーバーロードがあるのだから、例え何があってもやり直しが幾らでも利く。

 

静かに待機していると、店内の客全員が一斉に苦しそうにうめき声を上げる。

 

「こ、こんどはなんなのさっ!?」

 

「お店の人達が……」

 

「私たち以外全員ではないか……」

 

「だ、大丈夫なのでしょうか……?」

 

皆が心配そうにその様子を見ていると、隣の席の客の全身にいきなりスティグマが浮かび始める。

 

「え……?これって……」

 

「スティグマ……!?」

 

「ぁぁあ、うがぁぁあああっ!!!」

 

と、思った矢先に獣の様な体勢でこちらに飛び掛かって来る。

 

「えーーー?」

 

「危ない」

 

心配そうに近づこうとした九條先輩の手を引いてこちらに引き寄せ、飛び掛かって来た人の顔面を蹴り上げる。

 

顔面から打ちあがるように体が反り、その場に落ちる。

 

「がぁぁあ!うがっぁぁぁあああ」

 

「ありゃ、やっぱりしぶといか」

 

普通の人なら身動きが取れなくてもおかしくない一撃だと思ったが、そのダメージを無視するかのようにこちらに向かう。

 

九條先輩を後ろに下げて、今度は左足で顔の側面を蹴り、そのままの勢いで回転して右足で回り蹴りを胴体にお見舞いする。

 

後ろに吹き飛んでテーブルなどのお店の備品を巻き込んで盛大に吹っ飛んでいく。

 

「……うん、このくらいね」

 

そのまま静かに動かなくなったのを見て、構えていた足を下ろす。

 

「今の人って……ユーザーだったの……?」

 

「まさか、こんな身近に居たとはな……」

 

すると今度は、店内の数人が暴れるように苦しみ始める。

 

「……取り敢えず、二人と合流しましょう。お店の中では人が多すぎるので」

 

「……だな。私が先頭を務めよう。九重君は皆を守ってくれ」

 

「はい、お願いします」

 

他の人が暴れないか注意しつつ、急いで店の外へ飛び出す。

 

「新海くん!」

 

外に出ると、案の定そこら辺で似たような光景が広がっていた。

 

「嘘……、外でも……」

 

「店の中もかっ?」

 

「は、はい。店の中にいた、ひ、人たちが、急に苦しみ出して……」

 

「そうっ!それを心配したみゃーこ先輩が近づこうとした人の体にスティグマが浮かんできていきなり襲い掛かってきたのよ!!」

 

「大丈夫だったか?」

 

「う、うん。舞夜ちゃんが咄嗟に手を引いて庇ってくれたから大丈夫だったよ。ありがとね?」

 

「いえいえ、ご無事で何よりですとも~」

 

「出て来たのはいいんだけど……ど、どういう状況なの?これ……」

 

「……おそらく、これがイーリスの企みだ。暴走だ。大勢のユーザーが、一斉に……!」

 

「大勢のユーザー……。解せんな。眼前で苦しんでいる者たち。店内の客。遠方で暴れている何者か……」

 

「十人は軽く超えるぞ。これほどのユーザーが、息を潜めていたというのか?善行も、悪行も、行うことなく……」

 

「……考えるのはあとにしましょう」

 

そうこうしている内に周囲で苦しんでいた人たちが動き始めている。……うーんゾンビかな?まんまパニックホラーだよ。

 

「一度撤退した方がいい。あの人たちがまだ、こちらに向かってこない内に」

 

「希亜の力で、動き出す前に無力化できないか?」

 

「……無理。まだ苦しんでいるだけ。罪のない人間を、私は裁けない」

 

「暴れ出してからじゃないと無理か……」

 

「で、ど、どうすんの?」

 

「早く決断した方がいい。逃げる事も出来なくなるぞ」

 

「……だな。まずはこの混乱から抜け出して、安全な場所に行こう。そこで、ソフィの話を聞こう。何が起こっているのか、調べてくれてるはずだ。まずは事態の把握をしないと……」

 

「了解」

 

「陣形は……」

 

「無論、私が先陣を切っていきます」

 

新海先輩の言葉に被せる。

 

「……頼めるか?」

 

「お任せを。私は好き勝手に動くので、先輩達は固まって動いて下さい」

 

「じゃあ、俺が先頭で、高峰が一番後ろ。良いか?」

 

「殿だな。いいだろう。任せたまえ」

 

「レナ」

 

「おう」

 

「周囲の警戒をしてくれ。襲われたら容赦なしだ」

 

「あいよ。……ま、多分俺の出番は無さそうだけどな」

 

「他の皆も固まって動いてくれっ。能力も各自の判断で使っても構わない」

 

「ひとまずは……逃げている人達の流れに沿って動きましょう」

 

その方がヘイトが分散されるしね。

 

「ああ。よし、行くぞ!」

 

逃げゆく人の波に合わせて駆けだしていく。

 

「ガァアアアアアアッ!!」

 

少し進むと、進行方向で暴走している人達を見つける。

 

「くっそ……もうか!」

 

「そのまま進んで下さい。私が先に行きます」

 

先輩達を置いて疾走し、暴れている男性を電柱へ叩きつける。

 

「ガァッ」

 

ひるんだ隙に懐から細いロープを取り出して電柱へグルグル巻きで縛る。

 

「ガアアアアアッ!!!」

 

「無駄ですって。我が家特製の縄ですので」

 

電柱と男性がぶつかる衝撃音を聞いて、近くに居た人達が一斉に私を見る。

 

「もしかして、これがモテ期って奴ですかね?」

 

地面を這うように襲い掛かって来る老婆を押さえつけて縛り、近くの手すりに縫い付ける。

 

「二人目っと」

 

すぐ後ろまで迫って来ていた青年に肘鉄を当て、下がった顔面をそのまま掴んで地面へ叩きつける。

 

「ゥ……ガァ……」

 

脳への衝撃で動かなくなったのでそのまま縛って放置する。

 

「……ひとまず通行の妨げはこんなもんかな?」

 

今日の為に色々と体に仕込んだり装備してきてはいるけど……あまり要らなさそうな気がしてきた。

 

「大丈夫かっ!?」

 

私が片付けたタイミングで皆が辿り着く。ナイスタイミングです。

 

「進行方向の人達だけですが……これで先には進めます」

 

「被害が……どんどん拡大してる」

 

周囲の様子を見て、結城先輩が嘆く。

 

阿鼻叫喚ってやつですね。

 

「……くっ、取り敢えずは移動するしかない」

 

「しかし、どうする。この様子だと、安全な場所はどこにも無いぞ」

 

「公園とか……。あぁでも、この状況じゃ……」

 

「にぃにの部屋は?絶対安全でしょ?それか舞夜ちゃんの部屋か実家とかっ!」

 

「俺の部屋はちょっと遠いな……」

 

「私の実家もここからそれなりに距離がありますねぇ……」

 

「でも、確実ではある。翔の部屋へーーー」

 

皆で話している所へ次の人が襲い掛かって来たので、膝を蹴り体勢を崩した所へアッパーをお見舞いする。

 

その衝撃で数メートル程後ろに飛び、動かなくなる。

 

「うわぁ……エグイ音鳴ったぞ今の……」

 

「皆さんは話し合いを続けて下さい。周囲のお掃除は私がしておきます」

 

立ち止まっていると、次々と襲い掛かって来るので先に片付けに向かう。可能な限り無力化で済ましたいけど、耐えられず死んでしまったらそれまでと割り切ろう。

 

一人一人に掛ける時間を最小限にしつつ、先輩達の安全へ気を配りながら動き回る。

 

……んー、なんか倒せば倒すほどこっちに意識が向いて来てる気がするなぁ。

 

もしかすると、積極的に倒すのはよろしくないのかもしれない。

 

「……戻ろ。それに、あまり消耗したくないし」

 

適当な所で切り上げて元の場所へ戻る。

 

「九重っ!」

 

「はい、どうなりましたか?」

 

「ひとまずは神社を目指す!少なくとも、ここよりかは人が居ないはずだ」

 

「神社ですね。了解です」

 

うんうん、順調だね。……それにしても、仮にも知り合いの神社、しかも名所に当たる場所を人が居ないと断言してる辺り……成瀬家のおじいちゃんが悲しみそう。

 

方向が決まったので、真っ直ぐ神社へ向かう。

 

道中に人は居たが、全員無視して無事辿り着く。

 

「香坂君の読み通りだな」

 

「よ、よかった、です。でも、ここもそのうち……ですよね」

 

「今のうちに先生んちに入れてもらおう」

 

「……成瀬のお爺ちゃんたちも変になっていたらどうする?」

 

「……考えたくねぇな」

 

周囲を警戒しつつ目的の場所に辿り着く。

 

「ここも大丈夫そうだね。誰もいないみたい」

 

「警戒し過ぎかもしれないけれど……静かすぎて、むしろ不気味ね……」

 

「ある意味、敵の本拠地かもしれませんしね」

 

「どうでもいいから、さっさと中入ろうぜ」

 

「そうだな。暫く匿ってもらおう」

 

「いや、待て。幸い既に安全は確保出来た。相談ならここですればいい。匿ってもらえればより安全ではあるかもしれんが、大人が絡めば事態はややこしくなる。余計な時間を取られるぞ?」

 

「まー……事情の説明とかは、しなくちゃですもんね。外危ないから避難させてーって」

 

「まともな大人なら、その状況で外出の許可など出さんだろう。最悪、身動きが取れなくなる」

 

「あぁ……そういうことか。確かに、ソフィの話はここで聞いた方が良いな……」

 

中へ入ろうとした先輩が足を止める。良かった、ちゃんと高峰先輩が止めてくれた。

 

一応、成瀬家のお爺ちゃんへの根回しはこっちで済ませているから囚われることはないけど……それでもここで聞くのが正解だもんね。

 

「聞く準備が整ったのなら、話してあげる」

 

ちょうどその時にソフィが現れる。

 

念のため、全員で人目の付きにくい場所へ移動する。

 

「聖遺物の契約者を一斉に暴走させたのは、イーリスなの?」

 

「十中八九そうね。でも、暴れているのはユーザーじゃないわよ」

 

「じゃあどうしてスティグマが……?」

 

「あくまでも推測になってしまうし、説明も長くなってしまうけれど……」

 

「あなたたちにどこまで理解出来るかわからないから、うまく翻訳されない言葉があっても流してちょうだい」

 

「私の世界の人間は、魔術を用いる。構築した術式に魂の力を流すことで、魔術は発動する。術式の構築は誰にでも出来る。けれど、力を流すには才能が必要。才能が無い者には魔術は使えない」

 

「だから、魔術を誰にでも扱えるようにする研究が、盛んに行われていた……その答えの一つが、アーティファクト。あらかじめ術式が刻まれ、発動までの処理を自動で行ってくれる道具」

 

「一つという事は、他にも研究は行われていたのね」

 

「数えきれないほど沢山ね。けれど、アーティファクトの研究と、同じ位盛んだったのは、もう一つだけ。術式と力を流す回路を、人間に直接刻むこと。つまり、わかりやすく言えば、人間をアーティファクトにする」

 

「今、その話をしたってことは……」

 

イーリスがそれを使っているってことになる。……ソフィの世界で盛んだった二大研究は、イーリスの世界でも同じだったんだろうか?沢山の研究の中で、辿り着けたのは同じだったのか、それともお互いの世界を観測している中で見つけたのか……世界の強制力なのか。

 

この辺の裏事情ちょっと気になる。

 

「イーリスさえ倒せれば、落ち着くかもしれないわね。保証は全く出来ないけれど」

 

一人で考えていると、話はどんどん進んでいた。

 

「少しでも可能性があるのなら、賭けてみるしかないな。……イーリスを探し出し、倒す」

 

「どうやって探すの?」

 

「……まぁ、それだよな」

 

「アーティファクト化した人たちを、異世界から操っていたら……探しようがないよね」

 

「その可能性はないとして動くしかない……。幸い、こちらには春風がいる」

 

「ぁ……はいっ。イーリスさんを、見つけるイメージ、してみます……!」

 

「手始めに、始まりの場所……駅前に行くのはどうだろうか?最初に混乱が発生した場所だ」

 

「……そうだな。先輩の力に頼るしかないけど。いや、正直……あいつから挑発しに来るのも十分にありえる気がーーー」

 

「ぁ、新海くーん」

 

「え?」

 

新海先輩の呼ぶ声が聞こえる。どうやらご登場ってことらしい。

 

その声に全員が振り向く。

 

「よかったー、会えて。心配してーーー」

 

「レナ!」

 

「オラァ!」

 

正体に気付いている先輩がレナに指示を出し、攻撃を仕掛ける……が、当然結界によって塞がれる。

 

「イーリス……ッ!」

 

「酷いじゃない。期待に応えてあげたのに。私に会いたかったんでしょう?」

 

楽しそうにクスクスと怪しい笑みを浮かべる。

 

「そんな……。成瀬先生も操られて……」

 

「この場合、乗っ取られた……が正しいだろうな」

 

「じゃあ、先生は……」

 

「私たちの敵」

 

「フフフ」

 

堂々と姿を現しているけど、逃走する手段を持っているってことで良いのだろうか?転移のアーティファクトはこっちで持ってるし……まぁ、代用品くらい幾らでも持ってそうだけど……。

 

「サツキのフリして揶揄うつもりだったのに……あっさりバレちゃうなんてがっかりね。そっちの子は、私を殺せるみたいだし……残念だけど、退散しようかしら?」

 

不敵に笑いながら結城先輩を見る。

 

「逃がさないっ!パニッシュメント!」

 

結城先輩が伸ばしてた右手に雷が集約し、放たれる。

 

「あら、怖い」

 

が、結界で塞がれる。

 

「馬鹿ね。当然それの対策はしてるわよ」

 

こちらをあざ笑うように見ている。

 

「みんな行くぞ!打合せ通りだ!ここで仕留める!」

 

「うんっ」

 

「お、おけー!」

 

「が、がんばりますっ」

 

「神殺しか……。フッ、滾って来たぞ」

 

「"悪"神ですしね」

 

「行くぜぇっ」

 

皆が各々戦闘体勢に入る。……うーん、どのタイミングで仕掛けに行くのか若干迷ってしまう。

 

「暑苦しいわね……。そういうの嫌いなのよ。まぁ、いいわ。それじゃあね、一緒に混沌を楽しみましょう?」

 

お決まりの台詞を吐いたかと思うと、その姿が霧のように消えて行った。

 

「ッ!消えた!?」

 

……幻体、だったのかな?安全っちゃ安全か。

 

「なにいまのっ!ずっる!」

 

「くそっ!おちょくりやがって……!」

 

「これではイーリスを捕まえられない……。それに、こうしている間にも被害は広がっている。他に手が無いのなら、とにかく行動しないと」

 

「手ならあるわよ」

 

結城先輩の言葉に応えるようにソフィが言う。

 

「ちょっと手間取ったけど、イーリスの位置がわかるわよ。それなりに正確に」

 

「マジっすか、やった!」

 

「なぜ今になって、わかるようになったの?」

 

「大勢の人を暴走させるために、力を垂れ流しにしてる。さすがにここまでされたら分かるわよ。そこら中イーリスの気配だらけだけど、一際大きな力を感じる……きっとそこに、イーリスはいる」

 

「それなら香坂先輩は、皆の能力強化に専念してください」

 

「はい、はい。わかり、ました!」

 

「九重、準備は良いか?」

 

「何時でも大丈夫ですよ。結城先輩までの大役は任せて下さい」

 

「希亜も行けるか?」

 

「ええ、今度こそ、出来ている」

 

「ソフィ、ナビを頼む」

 

「ええ、任せて」

 

「みんな、行くぞっ!」

 

新海先輩の掛け声と共に気合を入れ直し、ソフィの案内の元、神社を出た。

 

……良かった。ちゃんと指定の場所で対峙して倒さないとね。

 

 





街の大混乱ですね。

サクサクっと進んでいきましょうか。

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