個人的に懇意にしていただいてる方で、今回はありがたい事に一緒に執筆しようということで出させていただきました。
本当にありがとうございます。
それでは、咲野 皐月さんのお言葉になります。
皆様、おはこんばんにちは。今回コラボさせて頂きます、咲野 皐月でございます。初めましての方は、是非ともこの機会に名前だけでも覚えて貰えると幸いです。
今回……このお話にてオリジナルキャラクターである「盛谷 颯樹」くんと、Pastel*Palettesから彩と千聖の合計三名がゲストとして参加しております。
最後に。後書きの方にて僕の主に書いている作品リンクを掲載致しますので、お時間がありましたらで構いませんので読んで頂けるととても嬉しいです。
それでは……幕間 籠絡、どうぞお楽しみくださいませ。
ライブスタジオでバイトをしていると、なかなか珍しい客と遭遇することがある。
三人は私服で一人はピンクのジャージを着た少女のグループや、諸葛孔明のコスプレをした男がマネージャーを務める金髪歌手など様々だ。
そんな最中、Roseliaにツーマンライブの誘いが来た。
その相手というのが今絶賛売れ出し中のアイドルPastel*Palette。
ふわふわピンク担当と自称するボーカル、丸山彩を筆頭に、元子役の白鷺千聖。
ハーフモデルの若宮イヴ。
紗夜の双子の妹の氷川日菜。
元スタジオミュージシャンの大和麻弥と個性の塊のようなグループである。
「さて、ライブ目前なわけだが、意気込みは?」
そっと目を閉じ集中する友希那に問う。
「問題ないわ。練習の成果をそのまま出せばそれでいい」
「リサ。オマエはどうだ?」
「アタシも同じ!最高の演奏をしてくるね♪」
「紗夜。相手がオマエの妹だとしても、一切動じるな」
「当然です。日菜との過去はもう乗り越えましたから」
「あこも頑張ります!」
「わ、私も…………!」
皆の思いは一つに。
これなら何の心配も要らなそうだ。
「いつも通りやれば何の問題もない。胸を張っていってこい!」
全員の背中を押しオレは舞台袖から会場の後方へ移動する。
出入り口から一番近く、前のめりになる客から離れ壁にもたれかかることのできるとっておきの場所。
ここがいつもRoseliaの演奏を聴くオレの特等席だ。
「〜♪」
出だしは順調。いい滑り出しだ。
このまま演奏を続けていれば何の問題もないだろう。
「いい演奏ですよね」
突如、オレの隣で同じように壁にもたれかかる同世代ほどの男が声をかけてきた。
一瞬だけ視線を男に向け、その姿を確認しすぐ友希那たちに戻す。
「ああ」
「ライブハウス "CiRCLE" の店員兼、Roseliaのアドバイザー。そしてRoseliaのボーカル湊 友希那のごキョウダイ。そう、あなたが湊 雄樹夜さんですよね?」
まるで何もかも知っているかのような口ぶりだ。
友希那たちに向けていた視線をオレより小柄なこの男へと威圧するように向ける。
「誰だ」
「初めまして。白鷺千聖、丸山彩のマネージャーをさせていただいております
盛谷 颯樹と名乗る男はオレに握手を求め片手を差し出す。
実に礼儀正しいこの男に乗じてオレはそれに応じる。
「さっき言ってた通り、オレが湊 雄樹夜だ。よろしく頼む」
「こちらこそ!」
満面の笑みを浮かべるこの男。
オレの脳内にある記憶を探るが羽丘では一切見たことのない顔だ。他校出身か?
今度日菜にでも訊いてみるか。
「あっ、僕のことは気軽に "颯樹" とそうお呼びください!同級生なので」
「ならオレも雄樹夜でいい。ところで颯樹。何故オレのことをそこまで詳しく知っていた?正直、初対面でそこまで言われて引いたぞ」
「そ、それはすみませんでした…………。マネージャー柄、情報収集を得意としててつい、いつもの癖が」
「よく集めたものだ。CiRCLEの店員はまだしも、友希那とキョウダイの事やRoseliaのアドバイザーなのは口外していないからな」
「顔が広いんです。僕」
「そうか?むしろ小さい方だと思うんだが」
「誰が自分の顔が大きいと!?FUJI◯ARAのフ◯モンですか!?」
「そこまでは言ってない」
………おっと、どうやら最初の印象とは大きく異なる人物だったらしい。
礼儀正しいあの言葉遣いはどこへいったのやら。
オレの周りにはいない珍しいタイプだ。
「話は変わるが、Pastel*Paletteもなかなかの演奏だった。特にボーカルは表情の変化と身体の使い方が上手い。友希那にはない素晴らしい技術だ」
「まだまだですよ。本人たちも発展途上であることを自覚して日々練習に取り組んでいますから」
「それは良いことだ」
「遅くなりましたが、この度はツーマンライブを組んでいただき本当にありがとうございました」
深々と頭を下げる颯樹。
元子役である白鷺千聖のマネージャーであって、Pastel*Paletteとは無関係だろうにこの男のよく出来た内面が窺える。
人当たりの良さ。
それが彼の1番の長所なのだろう。
先ほどの奇想天外なツッコミもきっと長所………のはず。
「気にするな。こちらこそ感謝している」
「次はRoseliaさんと肩を並べられるような演奏になるよう頑張りますので」
「ふっ。頑張るのは颯樹じゃなくてPastel*Paletteだろ?」
「そ、そうなんですけど…………あははっ」
後頭部をかき照れながら笑う颯樹は、突如何かを思いついたように目を見開いた。
「そうだ!この後ウチでライブの打ち上げをする予定なんですけど、Roseliaさんも良ければどうですか?」
「面白そうな提案だが、最大12人になる。そんなに人は入らないだろ?それに親御さんに迷惑はかけられない」
「心配いりません。ボク、親元を離れて一人暮らしですから」
「なに?」
「それに一軒家に住んでるので広さも問題ないはずです。………あぁ、なんだか自慢してる風に聞こえちゃいますよね、ごめんなさい」
同じ高校生で一人暮らしの一軒家に住んでるって、一体どこの資産家の子供なんだ。
それともアイドルのマネージャーというのはそれほど儲かるものなのだろうか。
見かけによらずこの男、底の知れない人間性の持ち主らしい。
「歓迎してくれるなら喜んでその話を受けさせてもらう。だが、メンバーにもそれぞれ予定はある。話をしてからまた連絡する」
「わかりました。お待ちしてます」
二人で話してるうちにRoseliaのライブは終わり舞台袖に歩いて行く。
オレもこの場を離れ、待合室へと向かった。
小規模な反省会の後、颯樹の待つロビーへと向かう。
交換した連絡先にメッセージを飛ばし、オレと友希那、そしてリサの三人が参加することを伝えた。
どうやら向こうもボーカル、ベース担当のやつが来るらしく互いに同パートの人間が参加する。
偶然とは実に面白い。
「待たせたな」
手を軽く上げると、椅子に腰を下ろしていた颯樹とその他2名も立ち上がり頭を下げた。
「今日は本当にありがとうございました!」
「ああ、こちらこそ」
元気よく礼を言うボーカル、丸山彩はどこか颯樹と似た印象を受ける。
「迫力のある素晴らしい演奏でした。拙い演奏をしてしまい申し訳ございませんでした」
丁寧な口調のベーシスト、白鷺千聖もどこか颯樹と似た印象を受ける。
二人に影響されたのか、はたまた影響させたのか定かではないが悪い奴らではないことは確かだ。
「オレたちは対等な関係、気にすることはない。どちらが上とか下とか、そんな事のために2マンライブを受け入れたわけじゃないからな」
「恐縮です」
「それに、これから打ち上げなんだろ?暗い雰囲気のままだと場がしらける」
「そうですね!ライブのことは一旦忘れて今日は楽しみましょう!」
「ああ。そのいきだ」
勢いづく颯樹たちの後を追い、打ち上げ会場へと向かう。
◆◆◆
「なあ。颯樹」
「なんでしょう」
「本当にここで一人暮らしをしているのか?」
「ええ。そうですよ?」
キョトンとした表情を浮かべる颯樹。
スーパーで買い出しを済ませオレたちがたどり着いた一軒場所というのが、大きなガレージを完備した洋風デザインの一軒家だった。
この事実になんの違和感すら感じないPastel*Paletteの三人はどう考えてもおかしい。
一般常識から外れすぎだろ。
芸能人だからか?奴らが、芸能人だからか………?
「ささっ、中に入りましょう。外も冷えてきましたし」
颯樹に招かれ家へ入り、大理石の埋め込まれた玄関に靴を並べリビングへと足を進める。
高校生6人がいてもなんら狭さを感じない広々としたリビングはシステムキッチンや最新家電を搭載した作りになっていた。
しかも、部屋には一切の埃もなくピカピカ。
一部屋だけならまだしも家全体を清潔に保つなんてすごいことだ。
「適当にくつろいでいてください。何か適当に作りますから」
「あっ、じゃあアタシも手伝うよ〜☆こう見えて、結構腕に自信あるんだ〜」
「なら、お願いします!」
リサと颯樹はキッチンへ向かい、残りの四人はソファに腰を下ろした。
「颯樹は二人のマネージャーなんだよな?」
「うん!そうだよ!」
「いつも彼にはお世話になってるわ」
「普段もこうやって飯を作ったりするのか?」
「たまにだけど、颯樹くんのご飯は全部美味しいよ♪」
「それは期待大だな。うちのリサも負けちゃいないはずだ」
キッチンの方へ顔を向けると何やら楽しそうな様子で調理談話に花を咲かせていた。
「颯樹くんは何が得意?」
「そうだなぁ………よく作るのは油そうめんかな」
「えっ、なにそれ?」
「奄美郡島の郷土料理だよ。煮干しで出汁をとった汁にそうめんと野菜を絡めて焼く。簡単でしょ?」
「へぇ知らなかった!他には他には!?」
「あとは鶏飯とかも美味しいよ。これも奄美の郷土料理だね」
「颯樹ってもしかして九州出身?」
「うん。生まれは東京だけど、育ちは長崎なんだ。奄美の料理を知ってるのはお母さんがよく作ってくれたからなの」
「へぇ〜、いいなあ☆なんか地元の味っていうの?そういうのアタシにはないからさぁ」
「あはは。でも、地方人からすれば東京の方が憧れるよ。華やかだし、何より住みやすい」
「そっかそっかー!じゃあ颯樹はそれを作るとしてアタシは─────」
「随分楽しそうだな」
「わっ!びっくりした〜」
カウンターに肘を置き、二人の会話に入る。
「あの二人はどうですか?」
「ガールズトークというやつが始まって、オレには関係ないから抜け出した」
オレに限らずその手の話は友希那も苦手だろうが、これも奴のため。
語彙力という点において我がキョウダイはRoselia内でもトップ争いをするほどボキャブラリーがない。
猫のことになれば話は別だが、ライブのMCを務めることもある。
もっと話せるようになってもらわないとこの先間違いなく苦労するからな。
「そうだ。雄樹夜は何が食べたい?颯樹は地元の料理を作ってくれるらしいんだけど」
「そうだな…………食材は何がある?」
「なんでもあるから好きなものなんでも言って!」
こうも選択肢が広いと逆に困る。
リサはどんな料理でも美味いから外れはないし、時間のかかる凝ったものでなければいいということか。
少し悩み、率直に今食べたいものを口にする。
「筑前煮」
「えっ?」
「リサの筑前煮が食べたい」
「あははっ。結構渋いの選びましたね」
「い、いいけど…………逆にいいの?」
「ああ。肉や魚をガッツリ食べたいという気分じゃないからな」
「オーケー♪少し待っててねー」
袖を捲り調理に取り掛かるリサ。
二人の息ぴったりな姿を見て夕食までの時間を潰した。
……………………
……………
「ふぅ〜、ご馳走様〜!」
「美味かったな」
「お粗末様でした」
食べた事のない料理の数々。
そしてオレの好きなリサ特製の筑前煮が味わえて満足だ。
「デザートもあるんでよかったらいかがですか?」
「食べる食べる〜!」
「はーい!私もー!」
「彩ちゃん。貴女は少し食べすぎよ?少しは自重しなさい」
「え〜!だって〜!!」
どうやらアイドルというのはオレが想像していたよりも大変な仕事らしい。
むしろ痩せすぎているとすら感じる二人の体型だが、これを維持、もしくはさらに痩せることなんてオレには到底できやしない。
これもまた才能。尊敬に値する。
「まあまあ、今日くらいは多めに見てあげなよ。明日以降のレッスンでどうにでもなるんだし」
「…………それもそうね」
「じゃあ────」
「彩ちゃんは明日私たちの5倍のレッスンを受ける事。そうでなければどんどん脂肪が蓄積して醜い姿をテレビに晒すことになるのよ」
「お、鬼〜!」
「うふふふふふ♡」
今、アイドルたちの闇が垣間見えた。
オレは知らぬふりをして、テーブルに置かれたチョコレートを食べる。
「………ん。これ、美味いな」
そう呟きもう一つ口に運ぶ。
大人の味というか、独特の風味がクセになる美味しさだ。
「気に入りましたか?」
「ああ」
普段、チョコレートは甘いものしか食べないからこういう少しリッチなものもいいかもしれないな。
「それで彩ちゃん。覚悟の方はできたのかしら?」
「…………う、うん。私、やるよ!」
「そう、決心したのね。それじゃあ、この書類にサインしてもらえるかしら?」
白鷺は笑顔で一枚の紙とペン、そして朱肉をどこからか持ち出して机に添える。
その紙の見出しに書かれていたのは誓約書。
もし今の体重〇〇キロ(丸山のために数字は伏せる)をオーバー、もしくは衣装のサイズが合わないようなことが起これば私は二度と白鷺千聖の命令には逆らわず、下僕として生きることをここに誓います。
…………はっ?何これ、怖っ。
微笑みの仮面の下で今、白鷺千聖はどんな顔をしてるのか全く想像できない。
この状況で笑顔でい続けるなんて、とんでもないメンタルだ。
底なしの闇を肌で感じてしまった。
「こ、こんなの誓えないよ!?」
「ならチョコレートは諦めることね」
「うわーん!颯樹くーーん!!」
丸山は颯樹に泣きながら胸に飛び込む。
「よしよし。でも、これも全部彩のためなんだよ?」
「うぅ………でもぉ…………」
「あまり甘やしてはいけないわよ。ただでさえ彩ちゃんは痩せにくい体質なんだから」
「一つぐらいなら大丈夫だよ。ほらっ、彩。口開けて」
颯樹はチョコレートを一つ取り、泣き喚く丸山の口に放り込む。
美味しい、と泣き止んで丸山は上機嫌になる。
「仕方ないわね…………」
「ほらっ、千聖も」
「ええ。ありがと」
なんとも仲睦まじい光景だ。
3人はアイドルとそのマネージャーという関係以上にもっと深い仲にあるのだろうな。
「ねぇ、雄樹夜〜」
もじもじ、と腰をくねらせるリサは上目遣いでオレを見る。
「アタシにも食べさせてほしいな〜、なんて」
「何言ってるんだ。自分で食べれるだろ」
「そうじゃなくて〜!もぉ〜!!」
リサは頬を膨らませジッとオレを見つめる。
彼女の目的がなんなのか知らないが、このまま放ったらかしにしたら今後リサはオレに対して嫌悪感を抱くことになる。
それだけは絶対避けなくては。
仕方なく、チョコレートをとりリサの口に運んだ。
ん〜♪とどうやら一連の行動に満足したようだ。
「友希那。オマエもやめとけ」
「どうしてかしら?」
「燐子から聞いてるぞ。最近、また衣装が────」
「それ以上言ったら怒るわよ」
友希那の鋭い目つきがオレの体を刺すように見えた。
そこまで言われたくないなら、食べなければいいのに。
人間の三大欲求は抑えられないということか。
「……………ん?」
突如オレの体は平衡感覚が鈍り、そっと机に手をついた。
今までに感じた事のない感覚だ。
一体何が……………
「…………あぁ!!」
そしてその症状が現れたと同時に颯樹の大きな声がリビング中に響いた。
「これ、ただのチョコレートじゃない…………ウィスキーボンボンだ!」
聞きなれない名前に首を傾げる。
「ウィスキーボンボン?ウィスキーって酒のアレか」
「そうです。一応僕たち未成年でも食べられるんですが、あまり食べすぎると酔いが…………」
あまりに遅すぎる忠告だ。
箱の中のチョコレートは半分以上がオレたちの胃の中にあり、時すでに遅し。
颯樹は食べてないから大丈夫だろうが他のメンバーは─────。
「ねぇ、ダーリン?」
聞き覚えのない妖艶な声の主は、颯樹を後ろから抱きしめ、指で頬をグリグリと小突く。
「あぁ、どうして貴方はいつもいつもそうなのー?可愛くて、優しくて、とっても素敵な私だけのダーリン…………」
「ダーリン?」
「わあ〜!!ストップ!ストップ!!」
「ああ〜!ずる〜い!!」
「っ痛!ちょっと、彩!?」
「颯樹くんのお嫁さんになるのは私だよ〜」
「やめて…………やめてって二人とも!!」
どうやらこのチョコレートのせいで、和んでいたこの空気が修羅場へと変貌を遂げてしまったようだ。
それにしても、この三人がアイドルとマネージャー以上の関係だった、というオレの考察は当たっていたらしい。
もっとドロドロとした、昼ドラのような関係だそうだ。
「さて、この状況をどう打破するつもりだ?
「か、揶揄ってないで助けてくださいよ!!」
「オレも酔ってるから無理だ。安心しろ、もしもの時は助けてやるよう努力するから」
「それまでは泳がせるって事ですよね!?」
「オレに構ってる場合か?
「その呼び方はやめて……………ってちょっと!?何脱がせようとしてるの二人とも!!」
「だって、こんなに部屋が暑いんだもの」
「颯樹くんもそう思うでしょ?」
「二人が酔っ払ってるからだよ!!」
それにしても急に騒がしくなってきた。
酔いを覚ますためにオレは外へ出ようと廊下に向かう。
そこで突如オレの前に立ち塞がり、背中に腕を回し引き止める人間が一人。
「何をしてる、リサ」
「…………えぇ〜?」
頬を紅潮させたその顔を見るだけで全てを察した。
急いでこの場を離れなければオレも颯樹のような目に遭うのだと。
「離せ、まずはそこからだ」
「や〜だ〜!離れたくないの〜!」
「うっ…………」
リサはその場でへたり込むように腰を下ろし、顔がオレの股間付近にまだ接近する。
まずい、この状況はあまりにもまずい。
「おい、友希那………!早くリサを─────」
ソファに腰を下ろす友希那を見ると、リサ同様の顔つきでボーッと天を仰いでいた。
「にゃーんちゃんが1匹…………にゃーんちゃんが2匹…………にゃーんちゃんが………」
不思議と、友希那の頭上を猫がぐるぐる駆け回る様子が幻覚として現れた。
どうやらオレも相当酔っているらしい。
正常な思考を保てている今のうちにこの場から離れたいんだが、依然としてリサはオレに抱きついたまま。
女子なのに、意外と力があって非常に困った。
無駄だろうが、颯樹の方へ視線を移すが………ああ、もう手遅れだったようだ。
これがテレビだと全部モザイクでなければ放送禁止として扱われるほどにまで状況は悪化し、アイドルたちは1匹のメスになっていた。
「Good Luck」
そう呟き、まるでゾンビ映画で友人を置いていくノリで見捨てる。
「雄樹夜〜。アタシも、雄樹夜のこと『ダーリン』って呼んでもいい〜?」
「ダメに決まってるだろ。他のメンバーや親になんで説明すればいいんだ」
「だってぇ〜!」
「だってじゃない」
「ム〜!」
「ダメだ」
「もう!バカ〜!雄樹夜嫌い!」
これほど不機嫌なリサは初めて見る。
子供の頃は泣きじゃくる様子はよく目の当たりにしてきたが、中学高校と大人に近づくにつれそんな姿は見なくなった。
どこか新鮮。だが、やはり面倒だ。
打開策はないか必死に思考を巡らせる。
「…………はぁ、分かった。今日一日だけ許してやる」
「ほんと〜?やったー♡」
満面の笑みを浮かべるリサは膝立ちになり、オレの服をギュッと掴み目を潤ませながら口を開いた。
「ダーリン!ダーリン?ダーリン☆ダーリン♡」
「やめろ…………」
なんだかいけないことをさせてるみたいで罪悪感に苛まれる。
コイツ、わざとじゃないだろうな。
「ねぇねぇ、ダーリンもアタシのこと "ハニー" って呼んでいいんだよ〜?」
「…………ハニー」
「えっ!?」
「ハニーは今、酔ってて正常じゃない。これはダーリンのお願いだ。オレはトイレに行きたいから少し待っててくれ」
「…………わかった」
スッと力が抜け、この場を脱出する。
全員の視界から外れ、ふぅと息を吐く。
未成年ということもあるだろうが、やはり酒は人をおかしくする。
好んで摂取するものではないようだな。
オレは大人になっても、酒は絶対飲まん。
誓約書には書かないが、ここに誓おう。
いかがだったでしょうか?
『新日常はパステルカラーの病みと共に(Rev.)』に登場するキャラたちと変わらなかったでしょうか?
個人的にかなり良い作品に纏まったと思っているのですが、気に入っていただけたら何よりです。
そしてコラボさせていただいた咲野 皐月さん。
今回はこのような形でコラボしていただき本当にありがとうございました。執筆していてとても楽しいキャラクターたち、そして添削等のご協力をしていただいてとても有意義な時間を過ごすことができました。
最後になりますが、高評価、感想お待ちしております。
それでは、咲野 皐月さんの言葉で締めくくらせていただきます。
本話を最後までご覧頂きまして、誠にありがとうございました。如何でしたでしょうか?
このコラボを糧にして、これからも邁進して行く所存ですので、何卒これからもよろしくお願いします。
それでは最後に……今回、快くコラボの提案をお受け頂きました山本イツキさんを始め、そしてこのお話を読んで下さった皆様に感謝の意を伝えまして、結びとさせていただきます。