踏み台転生者の末路   作:カカオ_

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戦技教導会の絶望

~~はやて視点~~

私、八神はやては戦技教導会にて久々にみんなにあっていた。

 

「みんな久しぶりやなー」

「うん!はやてちゃんも久しぶりだね。」

私はなのはちゃんと話をしていた

「今日の試合話は聞いてるん?」

「うん聞いてるよ。陸の人が海に難癖をつけてきて困ってるんだって!でも今回の勝負に勝ったらそれが解決するんだって!だから私がんばるよ!」

「難癖って・・・」

私は当事者の怒り悲しみを見てしまっており、海から見ると難癖としか思われていないことに何とも言えない心情であった。

「そうなんか・・・がんばってな・・・」

私はその時、あの時見た当事者の怒り・悲しみを伝える事はなかった。

まさかそれが、なのはちゃんの心を折ることになるとは思ってもいなかった。

 

それから私は、会場を歩いていた。

会場の端っこでは海の制服を着た子供たちが集まっていた

その場には副長もおり

「大丈夫だ、今日必ず指揮官が何とかしてくれる!それまで耐えるんだぞ!」

と慰めている光景が私の目に入っており

「何が正しいんやろうなぁ・・・」

その光景は、自分とヴォルケンリッターたちの関係を思いこされてしまっていた。

 

 

戦技教導会がついにはじまった

私は観客席から、その状況を見ていた。

「さぁ今からのプログラムは、エースオブエース 高町なのは vs 陸のエース 八神風輝の勝負になります。」

「八神君久しぶりだね。活躍は聞いてるよ」

「そうだな高町久しぶりだ。」

なのはちゃんは笑っているけど、かざと君は能面のような顔をしていた。

一緒に働いていた時もあんまり表情を動かさないようにしていたが、子供を見る時の優しい顔や部下を叱る時の厳しい顔なども見ていた

その中でも、あのような顔を見たことはなくみんなの言っていた「指揮官切れてる」と言う言葉を思い出していた。

二人の会話はそれだけであったが、サーチャーが二人の音声をスピーカーで流してくれておりその光景を全員が見ていた。

 

そこからは悪夢であった。

かざと君は剣型のデバイスを持っていたが、なのはちゃんの撃ったシューターを軽くよけ続けていた。

なのはちゃんはシューターの数を32発にまで上げてさらに襲い掛かっていたが、八神君は一瞬にして自分の周囲にあるシューターを切り払っていた。

 

「陸の部隊員へ、教導の方がよい訓練方法のご教授があった。

今度から、魔力弾の回避・切り払い訓練するための機構を組み込む。

レジアス中将。これを人事評価に組み込みますね」

シューターを切り払いながら答えていた。

 

これには、私たちだけでなく周囲のみんなも唖然としていた。

 

かざと君は切り払いを続けならゆっくりとなのはちゃんに近づいていっていた。

 

「レイジングハート、ディバインバスター。シュート」

なのはちゃんは、ディバインバスターを放ったが八神君はシールドを斜めに展開をしディバインバスターを反らしながらそのままなのはちゃんに打ち返していた。

「反射術式!?!?!?」

わたわたしながらもなんとか避けていた。

 

 

私たちの席から海の高官たちを見ると、全員なのはちゃんの状況に焦り始めていた。

「かなり強いとは聞いてたけど、これかなりどころじゃないんやないか?」

「1度手合わせをお願いしたいですね。」

「なのは・・・・」

「はっ、なのはが負けるわけねぇよ」

しかし、すごい心配していた。

 

 

戦況はさらに動きなのはちゃんは

「こうなったら、レイジングハート、エクセリオンモード。ここで勝たないと困る人がいるの!」

カートリッジをロードし

「レストリクトロック」

かざとの体に光のバインドを取り付けた。

「スターライトブレイカー」

と特大の魔力砲を放った。

 

 

八神君はそれを真正面から見つめていると光のバインドが薄くなり消滅した。

SLBにあたると同時に剣を下から振り上げ

桃色の魔力の光は、縦に両断された。

 

「プロテクション」

レイジングハートがとっさにプロテクションを張ったが、それすらもやぶりバリアジャケットにダメージがはいっていた。

 

「うそ・・・・やろ・・・・」

今までにもいろんな相手はいたが、真向から真っ二つにするなんてのは見たことがない。

 

「八神こんなところにいたのか」

「副長・・・・・・あの・・・かざと君は一体」

「はやて、その人は・・・?」

「はっ!陸に所属、特務一課副長のヴァイスです。」

「あの、ヴァイス副長。かざと君は一体どんだけつよいんですか?魔導士ランクは確か空戦A+やったよね」

「指揮官は普段は本気で戦う必要がないくらいに強いのと合わせて、いろいろな所からの引き抜き勧誘がめんどくなっていて。

結果、魔導士ランクの試験を受けないことにしたらしい。

まぁ、空や海には「エースオブエースの出涸らし」の力はいらないだろ?と言って断っていたらしいが」

 

 

その場にいる全員が、その言葉により素質のある人間を見極める目がないのではないか?と言う疑惑がかけられその払拭にかなり苦労したこともあり苦い顔をしていた

フェイトちゃんから

「あのヴァイス副長。あのスターライトブレイカーを切り落としたあれは・・・」

「あれは指揮官の技術の一つだね。確か周囲にある魔力素を直接同調させ攻撃に転嫁しているらしい。

魔力砲なんて、指揮官から見ると魔力の供給源くらいにしか思われていないさ。

さっきのバインドだって、魔力吸収して術式維持できなくなって消滅してたしね。

事実、最初は自前の魔力を使っていたけど途中からは一切自前の魔力使ってないしね。」

 

全員目を見開き、二人を見ていた。

確かによく見ると、かざとの魔力光は私と同じ白だったが。

今身にまとっている魔力光は桃色をしている。

「これは・・・勝てへんな・・・・」

私の胸中では、なのはちゃんの切り札を全て正面からいなしているのにまだ奥があるということに驚いていた。

 

「逆に指揮官に勝とうと思うなら、そちらのベルカの騎士たちのほうがよいはずです。

高町教官の戦闘スタイルを見ましたが、指揮官とは致命的に相性が悪いです。

指揮官も鬼ではないので、ここで降参するならこれ以上にはならないと思うが・・・」

 

 

そうしていると

「どうして!どうして邪魔をするの!私が勝たないと海の人たちが困るのに!」

私はなのはちゃんの言った発言に・・・・まずい!と思いヴァイス副長を見上げた

ヴァイス副長は片手で頭を抱え

「完全に怒らせたな・・・・・・後始末が大変だぞ・・・・」

 

 

なのはちゃんが放った魔力弾を切り払うと同時に幻影で煙が作られ

「どこを見ている」

なのはちゃんの頭を背後から片手でわしづかみにしている八神君の姿があった。

煙の上がった瞬間に後ろに一瞬で回り込んだようだった。

「い、いつのまに。」

「お前がさんざん魔力をばらまいてくれたんでな。割と簡単に回り込めたぞ?」

肉体強化術式をかけたのか体からは、桃色の魔力光が出ており。

「な、なんで私と同じ魔力光が!?」

「さぁなよく考えてみるんだな?」

 

かざと君はなのはちゃんの髪を掴むとそのまま、ぐるんぐるんとなのはちゃんを振り回し始めた

人が車輪みたいに回転してる光景なんて初めて見たわ・・・。

 

八神君は蹴り出すのと同時に、手を放しなのはちゃんを吹っ飛ばした。

「きゃぁぁぁぁぁぁ」

レイジングハートがプロテクションをとっさにはり、直撃はぎりぎり避けたが飛んで行った先に一瞬で八神君は回り込みそのまま蹴りを続けた。

蹴った先に回り込みどんどんと蹴り飛ばし続けられ、なのはちゃんはピンボールの玉のようにはじかれ続けていた。

「やりすぎや!?」

「なのは!?」

「あいつなんなんだよ!?!?」

みんなも怒りの言葉や心配する声がでていた。

 

 

どかんと、なのはちゃんは地面に落ちた

 

剣の先をスカートごと股の間から地面に差し込まれ

「ここで降参しろ」

 

「いやっ!まだ勝負はついてない!」

なのはちゃんは魔力弾を、かざと君にぶつけたがそのまま吸収されてしまい

「あっ・・・・」

なのはちゃんの顔は恐怖にそまっていた。

今までにも、防がれた相手はいたことはあるが、完全無効化しつつ吸収されるなんて経験は一回もなかった。

 

そして、かざと君に頭を鷲掴みにされ

「海の人間が困るだって?じゃああっちを見てみろよ」

なのはちゃんの頭を強引に向きを変えられるとそこには

「「「「「兄ちゃん勝ってーーー。」」」」」と涙を浮かべながら必死に応援をしている海の制服を着た人たちがいた。

 

「な、なんで・・・あの子たちは・・・」

「あいつらはな、俺のやってる孤児院の子供たちでな。騙されて海に入ったんだよ。証拠も見るか?」

と空中にあの子たちが勧誘された時の話を投影されたのと合わせて、今回の戦いの勝者の報酬のシーンが流されていた。

今回の映像は最終的にテレビにも放映される事となっていたが完全に不祥事な内容によりマスコミを押さえないといけなくなっていた。

 

「そ・・・それじゃあ・・・私は・・・」

なのはちゃんの顔からは血の気がなくなり真っ白くなっていた。

かざと君はなのはちゃんに剣の切っ先を向け

「さて高町。ここで降参を宣言するならばそれでよし。もし降参しないのであれば、殺しはしないがそのデバイスとは永遠の別れだと覚悟しろ」

かざと君の顔を見ると、本気の発言だと思えたしおそらくその気になればいった通りの事を簡単にこなすだろう

「・・・こう・・・さん・・・します・・・」

 

司会からは

「し、信じられません。勝者!陸のエース 八神風輝!」

 

 

そこからは怒涛の展開だった

「ヴァイス副長!われらの同胞を救い出せ!」

 

「はっ承知しました、指揮官!」

「陸のみんなも手を貸してくれ」

そういうと、陸のみんなの元までの道が作られ子供たちはヴァイス副長たちが保護をし子供たちはみんな泣きながらも喜んでいた。

 

子供たちは即座に回収されてしまい、事務手続きのみしか障害はなくなった。しかも今回の戦いの条件として明示していた。

さらに戦技教導会の光景はマスコミにも流れてしまっており、管理局のイメージダウンを抑えるためにもすんなりと子供たちは陸への所属となった。

 

私は救出した子供たちと喜び会う八神君をみていた。

そこには、昔私たちに嫁ーとか言ってた頃の八神君はいなく、家族を助け出すために尽力をし助け出せて笑っている姿があった。

私はそれを見ると胸の奥が少しどきどきしていることに気づいて、少し顔を赤くしていた。

 

 

 

 

あの後みんなでなのはちゃんのお見舞いにいった。

 

なのはちゃんはベッドの上にいたが、高官からは叱られていたのか落ち込んだ顔を見せていた

 

「なのはちゃん大丈夫なん?」

「うん・・・大丈夫…だと思う・・・。」

「かざと君強かったなぁ・・・・」

そういうとなのはちゃんはベッドの上で膝を抱えがたがたと震えていた。

「なんで・・・なんで・・・魔法が何も効かないの・・・」

今までにも強い人はいたがそれはあくまでも戦闘であった。

教材として使われるわ完全無効化される所かそのまま魔力を利用されるなんて事は今までなかった。

「聞いたところによると、最初は自前の魔力を使ってらしいけど途中からはなのはちゃんの使った魔法の魔力を使いまわしてたらしいで」

「つまり・・・本気でもなかったってこと・・・・・・」

その言葉と共になのはちゃんの心が折れたのか虚空を眺めていた

 

その後、なのはちゃんは陸への転属依頼を出したが受理されることはなかった。

 

 

 

この一件で八神かざとは、エースオブエースを歯牙にもかけずに倒したことによりシャドウエースと呼ばれ恐れられる存在となった。

しかし彼は管理局のプロパガンダに一切使われなかった。

彼のあの戦闘を見てしまった結果、陸への転属依頼が増えるということになりこの戦いの映像は最終的に封印措置となった。

だが、人の口を封じることはできず彼の異名は陸の治安に一役買うことになった。

なお「エースオブエースの出涸らし」とか言ってた面々は・・・・・・・む、昔の事だから大丈夫だよなとかなり怯える事となった。

 




なお転属依頼が通らないのは、そもそも子供たちを陸に取られないための戦いだったのに陸行きたいとか言うとかふざけんなと高官から怒られてます。
なのはの目的としては、技術や指導してほしいなぁと言う思いが半分あるが恐怖感も残っており、転属できなかったことを喜ぶべきか本人は悩んでしまった。

八神風輝の今回使った技。
・接触した魔力素と同調して自分の魔力として使用するだけの技術。
そのため、よっぽどうまいタイミングでぶつけない限り魔力弾・砲を主体にする魔法使いは敵対している時はエネルギータンクとしか思っていない。
・スターライトブレイカーをぶった切ったのは剣を接触させた先から魔力を流用、超収束させて剣檄として使用したため。
(参考文献:魔法少女ぷりてぃべるの某仮面ライダー、刀使い)

・シールドによる魔法を反らすのを連続してやって180度反転。

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