黙れば美人、喋ると変人、戦う姿は不沈艦!   作:とんこつラーメン

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今回、なんと『逆輸入』します。

前は船子が別世界に介入しましたが、今回は…?







皆がお前を呼んでいる

 突如としてアリーナに乱入してきた『ダンボー』。

 普通なら、ここで驚いたり叫んだりするんでしょうけど…ダンボじゃねぇ…。

 

「私は…お金で動く」

 

 知ってるわよ。

 だから、なんだってのよ。

 

「だから……お金をください」

「「「「「集りに来たのっ!?」」」」」

 

 思わず観客の皆と一緒にツッコんじゃったわよ!

 まさかとは思うけど、お金を貰う為だけにここまで来たって言うんじゃないでしょうねッ!?

 

「全く…船子もなんか言ってやりなさいよ。って…あれ? 船子?」

 

 私の傍にいた船子がいつの間にかいなくなってる?

 一体どこに消えて…。

 

「しゃーねーなー。ほらよ。五百円玉」

「かたじけない…」

「「「「「なんか普通にお金をあげてるんですけど―――っ!?」」」」」

 

 ちょ…マジで何をやってんのよ船子の奴!?

 にしても…ダイモスがダンボーにお金をあげてる光景って中々にシュールね…。

 

「クックックッ…引っかかったな…愚か者め!」

「なんだとっ!?」

「実は私は! 胸のお金投入口に硬貨を入れるとパワーアップするのだー!」

「な…なんだってーっ!?」

「「「「「アホか――――――――――――!!!!!」」」」」

 

 普通に考えれば簡単に想像できる状況でしょーが!!

 アホなのか天才なのかハッキリしなさいよ!!

 

「礼代わりに見せてやろう…この私の真の力を!!」

「船子ッ!!」

 

 く…来るッ!?

 一体どんな攻撃をしてきて…。

 

「必殺!!ダンボービーム!!」

「「「「「まさかの目からビームッ!?」」」」」

 

 そっか…見た目には分からない内蔵武器を持ってるってわけなのね!

 …普通にダンボーの戦力分析をし始めてる時点で、アタシも相当に船子に毒されてるわね…。

 

「危なっ!?」

 

 けど、そこは流石船子。

 至近距離にいたにも拘らず、ギリギリのタイミングで見事に避けてみせた。

 

 ズガァァァァァァァァンッ!!!

 

 けど、船子が避けた事でビームはそのまま周囲を覆っているシールドバリアーに直撃。

 少しだけヒヤヒヤしたけど、どうやらバリアーを貫くほどの威力は無いみたい。

 だとしたら、一体どうやって侵入してきたのかしら…?

 何気に謎が多いわね…。

 

「ほぅ…今のを避けるか。やるな」

「あったりまえだろうが! こちとら伊達にアクシズを押し返す手伝いをしてねぇンだよ!!」

 

 ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!??

 あんた、第二次ネオ・ジオン抗争に参加してたのっ!?

 つーか、あの場面にアンタいたのッ!?

 

「ほぅ…近づいてくるのか。逃げずにこのダンボーに近づいてくるのか」

「近づかなきゃあ…テメーをぶちのめせないんでな」

「そうかそうか…では、思う存分に近づいてくるがよい…」

 

 船子とダンボーとの距離が段々と縮まっていく…。

 もう目と鼻の先にいるわ…!

 

「オラァッ!!」

「ダボォッ!!」

 

 ふ…船子の拳を弾き返しただけじゃなくて、足に反撃までしたですってッ!?

 あの図体で…なんて反射速度なのッ!?

 

「成る程…ビームなんて撃ちやがりはしたが、こっちと同じ近距離戦こそが本領ってわけか」

「クックックッ…つまり、我々は同じタイプの機体…ということか」

 

 同じって…そうなの?

 パッと見は全然違うけど。

 

「面白い…ならば試してやるか。掛かって来るがいい」

「『試す』ってのは、傷にすらならねェ、あたしの身体を撫でる事を言ってんのか? この間百円ショップで買った靴下は破れちまったがよ」

 

 そこは2万円のズボンじゃないんだ…。

 マジでどうでもいいけど。

 

「どうして、スーパーロボットという連中は、こうも負けず嫌いなんだ」

「負けられない理由があるからに決まってるだろうが」

 

 船子…アンタ…。

 

「フッ…貴様のその下らん挑発に乗ってやって、もう少しだけ試してやろうか」

「来な…ダンボー!!」

「フンッ!!」

 

 ダンボーのパンチを船子が拳で受け止めた!!

 そのままダンボーの連続パンチが来た!!

 

「へっ…甘い甘い!!」

 

 けど、それすらも全て船子はガードしてみせた!

 なんて凄い炸裂音なの…聞いてるだけで二人の攻防の凄さが伝わって来るわ…。

 

「オラァッ!!」

「フッ!」

「オラァァッ!!」

「フン!!」

 

 船子が放った左右の拳のワンツーパンチ!

 今のは完璧なタイミングだった!

 なのに、ダンボーはそれを紙一重で避けた!?

 

「オラオラオラオラオラァッ!!!」

「甘いわっ!!」

 

 今度は船子の連続キック!

 残像すら見えるような速度なのに、これすらも避けるのッ!?

 

「ダボォッ!!」

「オラァッ!!」

 

 避けた際に空中に移動したダンボーの肘打ち!

 船子も同じように自分の肘で迎撃した!

 

「それならぁっ!!」

「おぉぉぉぉっ!!」

 

 そして…二人の拳がぶつかり合った。

 その音はアリーナ全体に響いた。

 

「ラッシュの速さ比べか…面白い!」

 

 つ…遂にやるの…あれをっ!?

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!!」

「ダボダボダボダボダボダボダボダボダボダボダボダボダボダボダボォッ!!」

 

 二人の拳が凄まじい勢いで何度も何度もぶつかり合って、その衝撃で空気が弾けて、PICを全く使っていないのにゆっくりと空中に浮いていく。

 傍見ていると物凄くシュールな光景なのに、こうして近くで見ていると迫力が半端じゃないわ…!

 

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 ステージで繰り広げられている船子とダンボーとの戦い。

 どことなく第三部の承太郎とDIOとの戦いを彷彿とさせるけど…気にしたら負けな気がする。

 

「あのダンボーとやら…やるな…!」

「船子さんの攻撃に合わせてくるだなんて…」

 

 そんな俺とは違って、他の皆はシリアスモード。

 元ネタを知らないと、こんなもんだよな。

 

「ヤバイかもしれんな…」

「え?」

 

 あの千冬姉の口から『ヤバい』って言葉が出た…?

 

「ど…どういうことだよ…」

「分からんか? 今の船子は実質的に凰との連戦状態なんだぞ? 本人の体力、精神力もそうだが、それ以上に機体のエネルギー消費だってそのままの状態だ」

 

 そ…そうだった…!

 碌な休憩も補給も無しに、間髪入れずにダンボーとの戦いに突入してるんだもんな…。

 船子だって表面上は強がっていても、本当はかなり疲弊している筈…!

 その上に機体も万全じゃないとなれば…かなりヤバいんじゃないのかッ!?

 

「な…なんとか援護とか出来ないのかッ!? このままじゃ船子が!」

「それが出来れば、とっくにやっておる。だが、今の状況での下手な援護は、却って船子の足を引っ張ることになりかねん」

「え…?」

 

 あのいつも豪放磊落な江田島学園長が、凄く厳しい顔をしながら腕を組んでいる。

 そんなにも今はヤバい状況だってのか…!?

 

「状況は完全に奴と船子との1対1になっておる。それは、船子が奴の気を逸らし、己に目を向けさせる為。あの中国娘も、それを分かっておるから何もしておらん…否、したくでも出来ん状態におるのだ」

 

 皆を守るために、敢えて自分一人でダンボーに立ち向かったって言うのかよ…!

 どうして…どうして、お前はそこまで…!

 

「だが、このまま手を拱いていては船子は徐々に疲弊していく一方。なんとかして手を打たねば…!」

「うむ…!」

 

 どうする…どうしたらいい!?

 船子を助ける…いや、力になるには…どうしたら…!

 

「クックックッ…」

「アーハッハッハッ!」

「「「「え?」」」」

「「む?」」

 

 いきなり後ろから笑い声が聞こえてきた。

 なーんか聞き覚えがあるような気が…。

 

「随分とお困りのようじゃあねぇーか。ボーイズ&ガールズ!」

「もしかして、とは思ってたがよぉ…まさか本当にピンチだとはなぁ!」

 

 声は…二つ?

 影になってて顔はよく見えないけど…背が高いように見える。

 

「だがしかぁーし! アタシらが来たからにはもう安心だぜ!」

「これ以上、あの段ボール野郎の好きにはさせねぇ」

 

 こっちに歩いてくる…?

 段々と姿が明らかになって…ってっ!? えぇっ!?

 

「ここからは…」

「あたし等のターンだ」

 

 う…嘘だろ…?

 俺は…俺達は…幻でも見ているのか…!?

 

「ば…馬鹿な…!?」

「こ…これは一体…!?」

「なん…だと…!?」

「ほぅ…」

 

 箒とセシリアと千冬姉も大きく目を見開いて驚いてる…。

 無理もないぜ…こんなの…普通じゃ絶対に有り得ないからな…。

 ただ唯一、江田島学園長だけが普通の反応をしてるけど。

 因みに、山田先生は驚きの余り、白目を剥いて絶句してる。

 

「「待たせたな」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「後ろから船子(さん)が二人現れた―――――――――っ!?」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 見た事の無い青い制服を着ている二人の船子は、ニヤニヤしながらこっちを見ている。

 いや…マジでなんなんだ、これはよ…。

 

「あぁ? 一体誰が『船子』だって? その顔についてる二つの目でよーく見てみやがれってんだ!」

「え?」

 

 よく見ろって……あっ!?

 

「あ…あの二人…確かに、よく見たら船子とは違う部分がある…」

「なんだと!?」

「それはどこですのッ!?」

「そ…それは…」

 

 けど…これって言っていいのかな…?

 でも、それしかないしな…。

 

「あの二人…頭に馬みたいな耳が付いてる!」

「「ほ…本当だ!?」」

 

 しかも、あの耳…さっきからちゃんとピクピクと左右に動いてるんだよな…。

 ってことは、あれは付け耳の類じゃないって事になる。

 

「おっと、残念だが耳だけじゃあねぇぞ?」

「ちゃーんと尻尾まであるんだぜ?」

「「「「本当だっ!?」」」」

 

 あの尻尾もちゃんと動いてる…じゃあ、本物…?

 

「お…お前達は一体…?」

 

 千冬姉が遂に、皆が疑問に思っている事を口にした。

 いやマジで誰なんだよ…。

 

「あたしは…『ゴールドシップ』!!」

「そしてアタシは…『ゴールドシップ』!!」

「「船子がピンチだって言うから時空を超えて駆けつけてやったぜ!!」」

「二人とも同じ名前かよッ!?」

 

 もうどこからツッコんでいいか分からないけど、取り敢えずこれだけは言わせてくれ。

 なんで同一人物なんだよッ!?

 

「おっと。残念ながら、アタシはこのゴールドシップとは似て非なる別人だぜ?」

「なんだって?」

「カッコいい言い方をすりゃ『並行世界の同一人物』…分かり易い言い方をすれば…」

「すれば…?」

 

 妙に勿体ぶるな…なんなんだよ…。

 

「アニメ時空のゴルシちゃんだ―――――――――!!!」

「それダメ―――――!! なんか知んないけど猛烈にダメな気がする――!!」

 

 自分でも、どうしてこんな事を言ってるのか分からないけど、兎に角ダメな気がする――――――!!

 

「因みに、アニメの第2期終了直後からやって来たぜ!」

「もうやめて――――――!!」

 

 この小説が終わっちゃう!!

 別の意味で終了しちゃう―――!!

 

「お主たち…やってくれるのか?」

 

 あ…学園長だけ、この空気に飲まれずにいつも通りだ…。

 やっぱ、この人は凄いや…。

 

「あたぼうよ」

「その為に、アタシ等はこの世界まで来たんだぜ?」

「「任せときな!」」

 

 二人の船子…じゃなくてゴールドシップは、眩しいまでのサムズアップを見せてから、ピットに向かって歩いていく。

 

 今はもう…あの二人に賭けるしかない…のか…?

 

 

 

 




つーわけで、ゲーム時空のゴルシと、アニメ時空のゴルシが駆けつけてくれました。

本当はもっとスマートに終わらせて、今回の一番の見せ場に突入するつもりだったのですが案の定、キャラが勝手に動く現象が発生して長引きました。

なので、VSダンボーの決着は次回に持ち越しです。



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