人間を異世界に転生させて、その様子を楽しむ神々の世界。
とある精霊神に仕える妖精(シナリオライター)に指示が下りる。
「マ?」
何で特別な力も持たない男の娘をゲーム世界に転生?
確かに見てくれだけはかわいいけど、男ですよ男~
「(正直よく分かんないけど)了解でーす」
まぁいつも通り適当でいいっしょ。
女装しているってことは女の子になりたいってことだよね?
主人公に女性も選べるドラゴンクエスト3あたりに女勇者として転生させてあげて……
この後メチャクチャ炎上した。
「女装アバターだよ早く!!」
「は、はい……(???)」
血相を変えた神々(ファンたち)につるし上げられる妖精だったが、
「あのぉ、やっぱりやめませんか…… 意味不明ですし女装とか…… フツーに最初から女の子でいいのでわ……」
「ダメだ!!」
「だったらドラゴンクエスト9に女装免許なんて要らなかっただろ」
妖精の泣きっ面に、パンッと女装免許…… 異性装備を装備できるようになるドラゴンクエスト9の『旅芸人の証』が叩きつけられる。
これはドラゴンクエスト9において旅芸人のレベルを99まで上げた上で転生することにより一度だけ入手できるアイテムで、つまりはそこまでしても欲しいとされる需要があるということだった。
それゆえに、
「ちんちんの重みを知らない愚か者!!」
「詫びチートで償え!!」
「貴様も詫び女装土下座生配信しろ!!」
口々になじられ、う゛っう゛っと泣きながら転生勇者の性別を男に変更し直す。
しかし……
「貴っ様あぁぁぁっ!」
「何も分かってないではないか!」
「はい?」
「思い出せ!」
それは(勇者)が16才になるたんじょう日のことであった。
「おきなさい。おきなさい わたしのかわいい(勇者)や」
「おはよう(勇者)。もう朝ですよ。
今日はとても大切な日。(勇者)が王さまに旅立ちのゆるしをいただく日だったでしょ。
娘のおまえをこの日のためゆうかんな男の子のように育てたつもりです」
「娘でも男装させられる家だぞ! 男に生まれたって女装なんてできないだろ!!」
「だ、だったらどうすれば……」
と追い詰められる妖精だったが、
「私にいい考えがある」
「おお、彼は……」
「二次創作の神!!」
彼は、くぃっとメガネをかけ直すと無駄に渋い声で語り出す。
「男らしく生きることを強要させられた男の娘転生者は、チート『人形使い』に目覚める。これは装備類を成長するリビングアーマー1体として使役できるもの。他人には人間のように認識されるこれを身代わりに勇者の実家に置いて……」
「そんな無茶苦茶な!」
「ドラクエ3の勇者なんて「はい」か「いいえ」しか言わないからいいんだよ!」
「ええ???」
例外もあるが、当時のRPGの主人公なんて、そんなものである。
「そうして自由を得た彼は、女装商人となる」
「……は?」
どこから来た話か、ということだが、
「女商人は女装した男の娘だった、という説があるのだ」
ドラクエ3のファミコン版ではカセットの容量不足のせいか、商人の町づくりイベントで預けた女商人が男に性転換してしまうという現象があった。
キャラが性転換しました、というよりは、
「つまり女商人の正体は女装していた男! 最初から男性だったんだよ!!」
「な、なんだってー!?」
といった方がまだ説明がつく、ということから唱えられた説だった。
「そんなわけで、詫びチートを与えてくれたまえ」
「は、はぁ……」
こうして女装商人として生きる転生男の娘と、その操り人形であるリビングアーマー勇者の冒険が始まるのだった……
TO BE CONTINUED?
時々、無性にRPGで一人旅をしたくなるのですが、大抵のゲームではソロではきついというか、攻略云々ではなく単にレベル上げ作業をして物理で殴るみたいなことになるので。
だったら『ぱすてるチャイム -恋のスキルアップ-』のランサーとか『METAL EYE』(メタルアイ)のセリフの無い戦闘支援用アンドロイドのように、主人公以外はリビングアーマーみたいな『実質一人旅』な自分設定はどうかと考えていたところ、前書きにもあるナツイチ様の2Pマンガ『この後めちゃくちゃ炎上するゲームメーカー』(https://www.pixiv.net/artworks/83197751)を思い出しまして。
それにインスピレーションを受けておかしな化学変化が起きた結果、できあがってしまったお話です。
本当に『TO BE CONTINUED』するかどうかは…… 需要有るんですかね、これ?
みなさまのご意見、ご感想等をお待ちしております。
今後の展開の参考にさせていただきますので。